ロッカー荒らしと仮睡盗
4月8日(火)10時30分~ 窃盗2件
午前は他に傍聴予定がなく、そうだ、と思いついて簡裁の「窃盗」の新件を2件連続、傍聴してみた。略式で(つまり罰金で)すむはずだったのに、なにか不服で公判廷へ出てきた、という事件があるかもしれないので。
窃盗の罰金に当たる確率は、ものすごく低いだろうけど(そのへんの詳しいことは『裁判中毒』参照)、地道に傍聴を重ねるしかない。
10時30分からのは、ロッカー荒らし。
被告人は40歳、身柄(拘置所)。中卒後、職を転々。少年時代に窃盗の前歴1、20歳になって窃盗(車上狙い)で懲役10月、猶予3年、同じ年に何かで科料3000円。
3年前に父親が亡くなりその遺産100万円を相続したが、父親の借金を返したり、妹の借金を返したり、母親が脳梗塞で車が要るというので買ってあげたりで、もうない。母親や妹は自分の生活で精一杯で情状証人には来られない。
建築現場や清掃のアルバイトをしながら、昨年からはカプセルホテル、サウナ、ネットカフェに泊まりつつ警備員の仕事(1日6000円)を勤勉にやっていたある日、大森北のカプセルホテルの浴室脱衣場で、たまたまそばのロッカーに鍵が刺しっぱなしになっているのに気づき、経済的に困窮していたことから、中にあった財布を窃取し、現金5万5000円を抜いて財布は公園の植え込みに捨てたものの、もともと高血圧で前に脳梗塞をやったこともあることから、ドキドキして具合が悪くなり、飯田橋の警察病院へ行き、警備員の仕事を休んでしまった…。
防犯カメラの映像から人物を特定されたのだという。現在の所持金は2万円くらい。
建築現場の日払いのアルバイト、という被告人は多い。
私も昔、というのは20数年前か、やったことがある。便利屋「ザ・ゴリラ便」の仕事で。当時はバブルの時代。いろんな仕事があったのだ。
ビルやアパートの建築・改装の現場で、ハツった瓦礫を、あれはなんていう呼称だっけ、ずだ袋に押し込んで、トラックに積んだり、トラックに満載の石膏ボードを数枚ずつ抱えて運んだり、エレベーターなんか動いてないから、相当の重労働だった。
依頼者は1時間3000円+出張料(1000~3000円程度)を払う。そのうちバイトの取り分は、1時間1500円以上+出張料のほとんど全額、だったかな。1500円以上ってのは、3000円のときもあるってことで…。
11時15分からのは、仮睡盗。
被告人は23歳、身柄(拘置所)。専門学校を退学になり、ヤクザにあこがれて上京、住吉会系の組に入ったが、昨年10月、破門に。暴力団員になる前に、占有離脱物横領、軽犯罪法、傷害・逮捕監禁など前歴4。
2人の人物を捜すよう頼まれ、その人物らは早朝いつも山手線で寝ていることがわかっていたので、山手線を乗ったり降りたりして探したが見つからず、疲れて寝ようと座席に座ったところ、隣の男性が酔いつぶれて眠っており、ズボンの尻ポケットから財布(現金8万460円と40米ドル入り)を抜き取った(被告人によれば座席に落ちたのを拾った)ところを、スリ・置き引き等の警戒へ当たっていた警察官に現認され…。
起訴されるまで否認しており、暴れるおそれがあるとされたのか、いつも2人の刑務官が3人だった。
12時5分閉廷。
いずれも求刑は懲役1年6月。
いずれも東京簡裁・刑事2室2係、728号法廷。
裁判官(小川利行さん)、検察官(日下部敏さん)、書記官、みんな新しい人たちだった。
裁判所の地下の食堂は、長蛇の列。
国土交通省の食堂でラーメン大盛り400円。
途中、合同庁舎2号館(警察庁と総務省が入ってる)の地下食堂を見たところ、閉まっており、4月10日グランドオープンとポスターが。
「随意契約はいかん、公正な競争入札でやれ」
というブーム(?)の影響で、あちこち激しく入れ替わってるんだろうか。
ところが農林水産省の場合、ずばりの随意契約ではないものの、どうも入札とはほど遠いやり方のようだし、「公正な競争入札」にすれば大企業が独占するばかり…。
やっぱ私が食堂省大臣にならんといかんですたい(笑)。
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