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2008年4月の40件の記事

2008年4月30日 (水)

最高裁が検察庁と訣別!?

 以下、ちょっと余談。
 ゆえあって夜中に裁判所のサイトを開いたら…。

裁判員選任を装った悪質行為についてご注意ください
 最近,電話で「裁判員に選任された。連絡等の必要があるので,住所,氏名,家族構成,職業などを教えて欲しい。」などと嘘を言って,個人情報を聞き出そうとする悪質事例がありました。
 まだ,裁判員の候補者を選ぶ段階になっていませんので(注),「裁判員に選ばれた。」などといった連絡が来ることはなく,裁判員に選ばれたとして個人情報をお尋ねすることもありません。そのような連絡があっても,個人情報を教えることのないようご注意ください。
 裁判員制度に関する不審な電話やメール,郵便物等が送られてきた場合には,最寄りの裁判所,検察庁にご相談ください。
(注)
 裁判員候補者として名簿に名前が載った方への連絡は,平成20年初冬に行われます。それ以前に,裁判員候補者に選ばれたとの連絡が国民の皆様に行くことはありません。

 へぇ~、もうそんなことになってるんだ~。
 でも、裁判員制度ってやつは、その目的を見ると、
「そぉんな漠然としたことのために、大金をかけて、国民を罰則付きで強制動員して、『素人にもわかりやすく』と手続きをぐじゃぐじゃにいじるのか?」
 と、ものすごぉ~く怪しいし、サクラを雇っての、あるいはマスコミを抱き込んでの、えげつない宣伝もあったので、だからこの告知も、宣伝のネタかな、もしくは宣伝が主目的かな、という気がしないでもない。

 もひとつ、こんな告知もあった。

<最高裁判所認証局からのお知らせ>
■ ブリッジ認証局との相互認証の解消について
 最高裁判所認証局は,平成20年3月21日,政府認証基盤におけるブリッジ認証局との相互認証を解消しました。相互認証解消後は,最高裁判所認証局から発行された証明書は効力を有しません。

 なんだソレ?
 なんかわかんないけど、ソレとの訣別(けつべつ)を最高裁は決めたわけ?
 さらに検索すると…。

 最高裁判所は、平成20年3月31日、検察庁との蜜月関係を解消しました。当該解消後は、すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、日本国憲法及び法律にのみ拘束されることとなります。当該解消以前の、検察庁と蜜月関係にあった時代の有罪判決は、その効力を失います。

 てぇのは、すぐに見破れるウソぴょんだよね。
 裁判所(司法)と検察庁(行政)は一体のものであり、「別れるときは死ぬときよ」と島倉千代子さんも歌うように、関係を解消できるはずがない? 
 ま、それもそうかもしんないけど、もっと一目で見破れる箇所があるでしょ。もっとズバリ決定的な箇所が。
 それは、読点を「、」としてるとこだよ。
 日本語の句読点は「。」と「、」であるのに、アメリカの新自由主義(世界のすべての豊かさをアメリカの巨大企業がカネに換えて独占する主義)に日本国がなびくようになった頃から、読点を「,」に変え始めたのだ。「,」と「。」が混在するなんて、なんつー不細工。愛国者には耐えられないっ!
 「。」も「.」になったときこそ、いわゆる“この世の末”だと、愛国者である私は予言しておきたい。

 じつは裁判員制度も、アメリカの新自由主義を日本に根付かせるための“目くらましイベント”と思われ…。
 6月13日、「裁判員制度はいらない!大集会」があるよ。

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2008年4月29日 (火)

「板橋の犬屋敷」の事件

4月28日(月)その2

 『裁判中毒』のコラム①「レアな罪名」は、公判請求はゼロだけれども、略式命令請求か不起訴はあるものを、なるべくピックアップしたのね。ぜんぶがゼロではあまりにも…だから。

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 今回、東京地裁・刑事20部(林正彦裁判官)425号法廷へきた「化製場等に関する法律違反」は、ぜんぶゼロ。ま、正確には、「他の検察庁へ送致」が1件だけある。送致後の結果は、2006年中には出なかったわけだ。
 こんな珍しいのを傍聴しないでどうする!
 が、私は前夜3時間ほどしか寝てない。傍聴席で気を失うように居眠りしちゃったら一生の不覚。そこで、425号法廷のそばの一般待合室で、座ったまま仮眠。たちまち深~く深く眠りsleepy、25分ほどして目を覚ますとそばに、午前中いっしょだった娘さんが座っていた。鼾(いびき)か寝息か、何か音を立てていたと言われた。げっ。立ち上がって法廷へ入ろうとすると、まだ体は覚めてないのか、よろけてしまった。あ~。

 425号法廷では、13時20分から「窃盗・暴行・窃盗未遂」の判決があった。
 ①2007年4月に墨田区内のマンション1階玄関で、男性のズボンから約12万5000円などが入った財布を抜き取り、②その際、男性に暴行を加え、③同年11月、千葉の市川市で、原付バイクで女性の持ち物をひったくり(被害額6万5500円)、④江東区亀戸で駐輪中の自転車(3000円相当)を盗み、⑤その自転車で女性のバッグをひったくろうとしたが、抵抗されてその目的を遂げられず…という事件だった。
 「無軌道な生活でカネに困っていた」そうで、被害弁償はなく、前科なしなのに懲役2年6月、未決算入80日、訴訟費用不負担。

 その判決が終わるとすぐに、「化製場等に関する法律違反」の被告人と弁護人が席に着いた。
 いったいなにをやったのか、どんな人物なのか、興味津々、私は被告人(在宅。保釈中?)を見た。細いストライプが入ったグレー系の、だぼっとしたスーツに、それより若干色の濃いグレーのワイシャツ。柄の入った濃い色のネクタイ…。ワイシャツの襟が、ひどく余ってる。うーん、本人の衣服だとすれば、ものすごくおデブなときに買ったんだろうか。少なくとも、普段ああいう格好をしない人と思われる。顔は、ちょっと日に焼けた感じだった。
 人定質問によると、職業は「会社員」。冒陳で明らかにされた会社名(株式会社)で検索すると、被告人の住所地と(たぶん)同じ住所の会社がヒットする。どゆことなんだろう。

 この公判は、最悪だった。
 425号法廷の隣か階下か定かでないが、ギュイーンとかガッガッガッガとか工事の騒音がしばしば聞こえ、かつ、立会検察官が、舌が短いか長いかで発音が不明瞭なのに(それ自体はべつにいいんだけどさ)、やったら早口で、何を言ってんだか、さーっぱりわかんない場面がたくさんあって…。あれじゃあ、裁判を公開にしてる意味がだいぶ失われるというべきだよ。
 東京地検は適材適所ってことを考えてほしいと、マジ思ったス。たとえば、私にカネやスケジュールの管理をやらせてはダメ、居酒屋での飲酒や公園での昼寝をさせれば、まさに適材適所、そういうことだ。bottle

 で、「化製場等に関する法律違反」とは何かってことなんだけど、どうも同法第9条第1項違反らしい。

第九条  都道府県の条例で定める基準に従い都道府県知事が指定する区域内において、政令で定める種類の動物を、その飼養又は収容のための施設で、当該動物の種類ごとに都道府県の条例で定める数以上に飼養し、又は収容しようとする者は、当該動物の種類ごとに、その施設の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならない。

 罰則は同法第10条第3号。

第十条  次の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
一  第三条第一項(第八条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二  第七条(第八条及び前条第五項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
三  前条第一項の規定に違反した者

 つづく
  ※4月は30日までしかないという事実にブチ当たり、
   つづきは、なかなか書けないかもしれません。
   その間、これも相当珍しい「傷害・狂犬病予防法違反」を。

 …と書いたきり、ころっと忘れてますた、すんません。第2回公判が19日(月)15時からと迫った18日(日)午後、あわてて簡単にアップしときます。

 え~と、起訴事実は、2007年6月4日から?月19日にかけて、板橋区内の某所において、区長の許可を得ないで、10頭以上の犬を飼養した…。
 本件起訴に至るまで、数十回にわたり行政指導か何か受け、捕まえた猫を犬のエサにしたとか(マジ!? 立会検察官が上記のとおりで、よく聴き取れないのだ)で罰金10万円に処され、「マスコミのカメラマン」に下水の鉄板を投げつけて腰にぶつけ、スコップで殴ってケガを負わせ、罰金50万円に処されたこともあるのだという。

 そういえば、テレビ報道を見たような気がしないでもない。
 「板橋の犬屋敷」と呼ばれてたそうで、検索するとたくさんヒットする。例えば…。
   http://www.chigusa.biz/blog/238.html
   http://www.geocities.jp/noraneko_lic/kinkyu/home/tegami.html
   http://www.tanteifile.com/diary/2007/01/31_01/index.html
   
 第2回は、情状証人を尋問することになるらしい。被告人質問もやっちゃうかも。しかし私は、同じ時間から高裁のほうで別件があり、こっちは傍聴できない。

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2008年4月28日 (月)

脅迫 またも無罪主張

4月28日(月)その1

 今日は9時35分頃にもう裁判所着。い~ね。
 9時50分から東京地裁802号法廷で、4月17日に傍聴した元北海道警察官の「公務執行妨害」の判決。“セレブ妻”の判決の傍聴券が外れてぐったりしていた例の娘さん(なんて呼ぼう)を誘い、802号法廷へ。
 (傍聴的には)朝早いのに、傍聴席にはスーツの中年男性がたくさん。警察関係者か、被告人が現在関与しているという「民族家の活動」の関係者なんだろうか、違うんだろうか。
 懲役1年、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 『裁判中毒』の最初のエピソードの、駐禁レッカーの女性警察官の頬を叩いた「普通の主婦」と、同じ量刑だ。
 被告人の直立の姿勢はピシッとして、見事だった。

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 次は、今日の午前のメイン、地裁・刑事18部(毒人参さんが好きだという菱田泰信裁判官)424号法廷で、「脅迫」の新件。横浜地裁・川崎支部へ午後行こうかどうしようか悩む上記娘さんを引っぱり(いや、べつに引っぱってはないけどさ。笑)、そっちへ。

 被告人氏名を検索せずに傍聴したんだが、報道された事件だった。
 公判の様子については、毒さんがすでに書いてる。毒さんのレポートのとおり、「正直…」が口癖のようだった。なにか尋ねられて「正直…」ときりだす被告人、けっこういるとはいえ。
 ほか、人定質問のとき自分の氏名を「■■■■と申します」と言ってた。

 相手(被害者である「社長」およびその「秘書」)のブログへ乗り込んでいって、殺すだの射殺するだの書いたというのに、脅迫になるとは思ってなかったと無罪主張…。そういえば、以前傍聴した「脅迫・威力業務妨害」も、教室に灯油をブチまき火をつけるだのこれは犯罪予告だのさんざん(そっちは2ちゃんねるに)書いといて、脅迫・威力業務妨害をするつもりはなかった、なるとも思ってなかったと無罪主張だった。ネットの流儀? 考え方? 私にはどうもわかんねっス…。
 菱田裁判官は、つか裁判所的には、脅迫に相当する書き込みをした事実だけで脅迫の構成要件に当たり、相手が閲読することまでは必要ない、という考えのように聞こえた。ま、どうなるのか、続けて傍聴してみようか。
 次回期日を決めて10時31分閉廷。

 簡裁のほうで10時30分から「占有離脱物横領」の、11時30分から「窃盗未遂」のそれぞれ新件、と手帳に。…だが、法廷の前へ行って気づいた、東京簡裁は月曜は開廷がないっつーの! たぶん火曜のぶんを月曜の欄に書いたんだろう。って火曜は休日じゃん。水曜? あーもぉ。
 11時から高裁の410号法廷で「自動車運転過失致死」の判決、と法廷の前へ行ったら…ない。先週の(しかも火曜の)メモを見てたよ、げぇっ! となる場面も娘さんに見られてしまった。とほほ。

 11時から地裁・刑事2部(神田大助裁判官)533号法廷で、「道路交通法違反」の判決。昨年4月に「窃盗」で懲役1年2月、執行猶予3年の判決を受けての、今年2月の飲酒運転。道路標識や金網に自車を衝突させて発覚したんだそうだ。0.76ミリグラム。
 同種前科はないのに、懲役4月、未決20日算入、訴訟費用不負担。執行猶予中とはいえ同種前科なしで実刑というのを、私は初めて傍聴したんじゃないかな。
 被告人は4ヶ月間だけの服役と思い込んでるようで、前の窃盗の1年2月と併せて服役するんですよと弁護人が教えていた…。

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 横浜地裁・川崎支部へ行こうかどうしようか、朝からずっと悩んでた娘さんが、行かないことに決めたというので、じゃあ、と誘って農林水産省へ。
 先日開示請求した食堂関係の文書、の開示決定が出て、開示の段取りのことで情報公開室へ行ったところ、開示決定は出たものの、1つの業者が異議を言い、その審査で2週間ほど延びる(開示決定は取り消されて一部開示となる可能性もないわけじゃない)とのこと。へぇ~、そんなの初めてだ! 珍しい展開に遭遇できて、マニア的には大満足(笑)。

 ついでに、未体験の通称“屋上喫茶”へ。
 私はスパゲティのセット。ウィンナの薄切りとかタマネギとか入った、たっぷりのトマトソースの、量は多めの細い麺に、ミニサラダとミニのヨーグルトと旨いコーヒーがついて560円。娘さんが注文した、揚げた豚肉の丼のセット、同じく560円も、良さげだった。ここは、合同庁舎2号館(警察庁とか入ってる巨大ビル)の地下の食堂より、ずっとイケてるんじゃない? 窓外の景色も流れ込む空気も心地よいし。
 ただ、危うく「詐欺」(無銭飲食)をやらかすとこだった。霞が関の食堂では、いつも先払い。食後に代金を払う習慣がなくて…。そのシーンも娘さんに見られてしまった。crying

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2008年4月27日 (日)

デパートの陰茎露出魔

4月25日(金)その3

 帰って仕事を、と思ったんだが、13時30分から「自動車運転過失致死」の判決を傍聴した地裁706号法廷で、15時15分から「公然わいせつ」の審理があると、見知りの娘さんから教わり、ちょうど時刻もよいので、ちらっと傍聴してみることに。

 被告人は身柄(拘置所)。ジーンズに紺のトレーナー、襟首から、細いチェックの模様入りのワイシャツが見える。背は高め。普通の若者風だ。私が昔、劇画原作の勉強をしていたとき、似た若者がいたっけ。彼も背が高かった。その後どうしてるんだろう。

 弁護人(男性1人、女性1人)が書証を取調請求。検察官は同意。
 弁1号証に、「犯行場所のデパート宛ての手紙」という言葉が出てきた。デパートで公然わいせつ?
 15時19分、証人尋問。証人は被告人の母親。
 15時35分まで弁護人が尋問。この弁護人、娘さんによると、“セレブ妻ばらばら殺人”の弁護人だそうだ。もう1人の弁護人も何か有名な事件の弁護人だと、娘さんは言っていた…っけかな、もう忘れたよ、ごめん。
 15時44分、論告。求刑は懲役6月。公然わいせつの法定刑の上限だ。

刑法第百七十四条  公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 15時46分、弁論。
 それらからわかったところによると、被告人は飲食店のアルバイトから契約社員になったが、正社員以上に働かされ、結局は正社員になれそうもないことがわかり、ストレスをためていたらしい。「飲食店」って、ハンバーガーかファミレスか牛丼か。
 が、単にストレスゆえの犯行ではなさそうだった。強制わいせつと児童買春・児童ポルノ法違反で執行猶予判決を受けたことがあり、その半年後に電車内の痴漢をやり、それは示談が成立して起訴猶予になり、そのさらに半年後、本件と同様の犯行を開始したんだそうだ。
 犯行とは、池袋の(どうやら複数の)デパートで、自己の勃起した陰茎を見せるかオナニーを見せるか、そんなことらしい。本件は、小学生の女児に声をかけ、陰茎を見せたらしい。2005年の夏頃から、少なくとも30回はやっていたとか。

 弁護人は、前科・前歴の犯行と違い、本件は直接に有形力を行使するものではないので、前回の裁判による更生効果は一定程度現れている…などと、再度の執行猶予を求めていた。どんなことであっても、被告人に有利と解釈できる余地があることは、なんでも言ってやる、のが弁護のひとつのあり方なんだろうけど、うーん…。
 こういう性癖(欲望の前にハードルを越えてしまう性向)が、カウンセリングとか薬物療法とかで直る可能性があることを示し、出所したら直ちにそのカウンセリング等を受けられる段取りを整えて、整えたことを立証し、寛大な判決を(刑期を短くと)求めるほうが、現実的というか、本人のためにも社会のためにも、したがって裁判官の心証的にも、良いのではないか、と身の程知らずにも思ってしまいますた。

 最終陳述のとき、証言台のところに立って、
「二度とこのような…深く反省し…たいへん申し訳ありませんでした」
 と述べる被告人の両手が、何か太いものをつかむかのような形になり、微妙に動いていた。左手のほうが、丸めた手の親指を弾くような、妙な動きをしていた。
 被告人のあんな手の動きを見たことがない。私は隣の席の娘さんと、顔を見合わせてしまった。
 15時51分閉廷。

 来週は事件数がえらく少ない…と思ったら連休なのだった。もう5月なのか。そういえば、連休があるから原稿を早く出せと言われてるんだった。やばっ…。でも来週は「化製場等に関する法律違反」という、東京の傍聴マニアが全員集合必至の超レアな罪名が入ってるし…。
 というわけで、連休のお供に、『裁判中毒』をぜひどうぞ。coldsweats01 

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2008年4月26日 (土)

アダルトサイト利用料金の振込め詐欺 おそらく珍しい結末

4月25日(金)その2

 ちょっと時間が空いたので、14時から東京地裁・刑事10部(鈴木秀行・野村賢・西岡慶記裁判官)703号法廷で、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反・詐欺未遂・詐欺(訴因変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)」の判決を。

 被告人は3人。身柄、警察留置場。みな細め(非デブ)で若く、こういう場面でなければ良さげな若者風だ。被告人氏名で検索すると、3人のうち少なくとも1人は、逮捕時(2007年4月27日)、早稲田大学の4年生だったようだ。

 判決は、3人それぞれ懲役5年、未決250日算入。
 ほんとうは240日だったが、判決が2週間延びたので250日にしたと、鈴木裁判長が言っていた。なるほど~。
 事件番号は「平成19年刑(わ)第1547号等」。同年に私が傍聴した最後の「刑(わ)」は「第4334号」(12月25日判決)。だいぶ長くかかった主たる理由は、追起訴、つまり検察庁の都合だったこともあり、未決算入が多かったのかな…。

 起訴事実は9件。どれも、アダルトサイトの利用料金の振込め詐欺(架空請求)。うち1件は未遂。被害総額1138万円。一度錯誤に陥った被害者に対してはくり返し電話し、カネを詐取し続けたんだという。1人の最高額は718万2580円。これはターゲットの母親から詐取したらしい。最低額は7万1200円。
 「キング」と呼ばれる男のもと高度に組織化された振込め詐欺で、被告人のうち1人は、詐取した金額の35%を、2人はそれぞれ15%を得ていたんだという。
 しかし、35%を分配された被告人は、最初は否認していたものの途中から、本件事案の解明に寄与する供述を行い、家族の助力によると思われるが、被害総額を上回る1340万円を(未遂の被害者に対しても)支払い、15%分配の2人も、親の援助を得て120万円、100万円の被害弁償をしたんだという。へえぇ、そんなこともあるんだ! ものすごく珍しい結末ではないのか。
 それで、求刑はずいぶん下がり、懲役7年だったんだという。未決算入が250日だったことも、そのへんが勘案されたのかも。仮釈放も早めに出るかも。

「3人とも、ほんとに若くてね、お金を稼ぐことの意味、社会との関わり、友人てものの意味とか、ほんとに生きてくうえで考えなきゃならないことが、すごく凝縮してたと思います。社会復帰したら、それを糧にして、お金を稼ぐこととは何だ、社会との関わりとは何だ、友だちとは何だ、考えてもらいたいと思います」
 と鈴木裁判長。
 傍聴席で、被告人の1人の母親と思しき女性が、泣いていた。
 14時27分閉廷。

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 14時30分から地裁の810号法廷で、4月8日に審理を傍聴した「傷害・道路交通法違反の判決。
 累犯前科が2つあり、懲役1年、訴訟費用負担。
 判決理由によると、被告人(無免許)が運転席から出てきたことについて、後部座席にいたところチャイルドロックがかかっていて、急ブレーキで前のめりになっていたこともあり、だから運転席の妻(?)の身体をまたいで運転席のドアから降車したのだ、と被告人は主張していたらしい。
 被害者(格別に反撃に出ることはなかった)に対する顔面への複数回の頭突きについては、胸ぐらをつかんで押したり引いたりしているとき、自分(被害者より10センチ以上、背が高い)の頭が何度が被害者の顔面に当たったことはあるが、頭突きしたことはない、と主張していたらしい。
 14時51分閉廷。

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青信号の横断歩道は鬼門

4月25日(金)その1

 9時50分から傍聴の予定だったが、あれこれたまっており、すぱっと断念。退くことによるデメリットに目をつむり、退くべきところはすぱっと退かないと。

 13時30分から、東京簡裁・刑事1室3係(八木澤秀司裁判官)534号法廷で、今年度初めての、「道路交通法違反」の新件。気合いを入れて早めに裁判所へ。
 ところが、期日が取消になってた。げ~。そんなことなら今日は裁判所へ来なかったのにぃ~。でも、取消が1件あったと知ったことは収穫だ。略式から正式裁判請求→やっぱり取り下げ、かと推測できる。ときどきあるんだよね。

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 13時15分から、東京地裁・刑事21部(半田靖之裁判官)421号法廷で、「自動車運転過失致死・道路交通法違反」の判決。

 昨年6月12日以降に発生した交通人身事故は、「業務上過失致死傷」(上限は懲役5年)ではなく「自動車運転過失致死傷」(同7年)で裁かれることになった。同年9月19日以降、措置義務違反(いわゆるひき逃げ)の罰則の上限が、5年から10年へ引き上げられた。
 その後の量刑の相場がよくわからない。検察庁には求刑基準が、裁判所には量刑基準があるはずなんだが、なかなか漏らしてくれないので(開示請求しても非開示)、傍聴を重ねて相場を知るしかない。
 裁判所の開廷表は、私が見てきた限りでは、「自動車運転過失致死傷」と「道路交通法違反」が併合罪の場合、「道路交通法違反」が前にくるときは、無免許か酒気帯び、後ろにくるときは措置義務違反のようだ。
 というわけで、ひき逃げ事故の量刑を見に、傍聴したわけ。
 ところが、2分遅れて法廷に入ると、髪もじゃもじゃで蛾次郎さんみたいな弁護人が、「相続人が…」「不明な状況で…」と言っていた。どうも、死亡した被害者の正しい相続人がわからず、示談を進められない状況になってるらしい。
 そんで続行…。

 13時30分から、東京地裁・刑事1部(西連寺義和裁判官)706号法廷で、4月11日に第1回を傍聴した「自動車運転過失致死」(この記事の3番目)の判決。
 禁錮3年、執行猶予5年、訴訟費用負担。
 5年は猶予期間の上限だ。重い。2002年に「業務上過失致死」で罰金前科があり、その後も違反歴が5回あるせいだろう。
 この量刑が重いか軽いか、論じると長くなるが、私を含めまだ生きてる者は、歩行者にとって青信号の横断歩道は鬼門、いちばん死傷させられやすいのだということを、国はそうは教えてくれない(逆に「歩行者優先」とばかり周知させる)から、自身で肝に銘じなければならない。そんなことは、いくらだってあると思う。国は国の立場や都合で政(まつりごと)を行うのであり、民は民で自治・自律しなければならない…裁判傍聴を重ねてると、そんな重いが深くなる。だから私は、吉野屋の牛丼を食べない。って話とびすぎですか?

 13時35分から、続けて「覚せい剤取締法違反」の判決。
 懲役2年4月、未決20日算入、訴訟費用負担。
 3回の服役前科があり、前刑の仮釈放から2年余りでの、注射器による自己使用。幻聴を初めて体験した怖ろしさから、二度と使用しないと約束してるんだそうだ…。

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2008年4月24日 (木)

検察官、裁判官からどう責められても大事な車は売らない被告人

4月22日(火)その2

 いろんなことが押せ押せのなか、急にTV番組のVTR撮りが入り、さらに別件の急ぎの用事もできて、もぉう、どうしていいのか。有酸素散歩の時間もとれない、ヤバイ…。
 けど、その日その日に裁判所で何があったか書いとかないと(理由の説明は省く)、あとで困るので、手短に書いとくです。

 13時10分から、東京高裁・刑事10部(須田贒裁判長。「贒」の字は拡大して見てください。凄い字だよ)813号法廷で、「道路交通法違反」の判決があった。
 被告人の氏名に、どうも見覚えがある。法廷に入ると、被告人(在宅)がすでにいて、どうも見覚えがあった。なんだろう。
 判決の予定だったが、弁護人が再開申請して何点か証拠請求し、須田裁判長はその一部を証拠採用し、判決言い渡しは先送りとなった。
 あとで私の傍聴データ(現時点で約920件)をチェックすると、昨年12月25日に東京簡裁で判決(罰金20万円)となった無免許運転だった。控訴してたんだ~。

 13時30分から、東京地裁・民事50部(布施雄士裁判官)631号法廷で、原告:有限会社エム・ピー・アイ、被告:株式会社二玄社の事件(開廷表の事件名は「編集委託料」)の証拠調べ(本人・証人)。これ、民事裁判のマニア氏から情報をもらったのだ。世のなか、いろんなマニアがいて、頼もしい。世界を支えるのはマニアだぁ! とか言ったりして。coldsweats01
 二玄社発行の車雑誌『NAVI』で、私は連載コラムを書かせてもらっていたことがある。編集長が辞めて、連載も終わった。だいぶ前のことだ。
 原告と被告、証人2人、計4人が証言台のところに並び、宣誓(嘘偽りを述べないという宣誓)。まずは、二玄社から本を4冊出し、総計100万部を超えるという「自動車ライター」氏を尋問。原告代理人から尋問してたってことは、この人は原告のほうで請求した証人なのだろう。
 私は車雑誌でよく書きながら、車自体のことはほとんどわからない。この証人の氏名を聞いても、どういう人だかぜんぜん浮かばない。
 ここんとこあんまり寝てないうえ、さっきラーメン大盛り400円(ラー油垂らし)を食ってきたばかり。居眠りの底に沈んでしまった。居眠りしながらも「そうかそうか」と聞いてるのが普通だが、今回はなんだか夢をみながら寝てしまった。最近そういうことが多い。ヤバイ。ふと目を覚ますと、尋問する側が被告代理人に変わっていた。あれ~。
 上述のマニア氏を傍聴席に残し、14時30分頃、私は外へ。

 もう帰ろうかと思ったが、ついふらふらと、15時から東京地裁723号法廷の、「道路交通法違反」の判決へ。この法廷も刑事17部(市川太志裁判官)で、検察官は午前に見た女性だった。同じ格好だった。
 被告人(在宅)は78歳で、無免許の常習。執行猶予中のまたも無免許で、贖罪寄付を100万円もしたというのに、懲役4月。実刑である。15時4分閉廷。
 贖罪寄付についての、まとまった論考があってもいいような気がする。すでにあるんだろうか。

 15時30分から、東京地裁・刑事7部(大村陽一裁判官)401号法廷で、「道路交通法違反」の新件。
 早めに入ると、「自動車運転過失傷害・道路交通法違反」の新件の、論告が始まるところだった。これも横断歩道での人身事故で、加害車両はタクシー。ドライブレコーダに、ぶつかる瞬間、被害者が驚いたように目を見開くシーンが録画されていたという。
 最終弁論で弁護人は、「被告人には集中力を欠く事情があった」と述べた。なんと直前に、本件前に起こした事故が物損から人身に切り替わったと警察から電話があったんだそうだ。本件後、被告人は、自分はタクシー運転手には不向きであると考え、会社を辞めたという…。
 求刑は懲役10月。次回判決。

 それが15時40分に終わり、引き続き「道路交通法違反」の新件。
 被告人(在宅。49歳)は、茶パツで、髪型が、なんつーのか、歌手の布施明さんを思わせる感じ。顔立ちも格好いい。黒いスーツが、サラリーマンとはだいぶ違う感じで、よく似合う。背が高く、独特の雰囲気がある。演歌歌手、のようでもある。
 職業は「飲食店のヘルプ」だという。私ゃ「ヘルプ」がどんな仕事かよく知らないが、「なるほど~!」と納得した。
 これも無免許の常習。しかし特異な事件だった。運転した車両が――車に無知な私は、これを言えば誰だかすぐ特定されるかと想像し、とりあえず言わないけど――相当に貴重な車両らしい。こういう事件では普通、車を売却して反省を示すのに(『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?』のQ125参照)、検察官、裁判官からどう突っ込まれても、売却するとは断固言わないのだった。裁判的には良くないのだが、その頑(かたく)なさに私は感動した。

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 昨年10月に無免許&酒気帯び(0.3mg)、今年3月に無免許、なので求刑は懲役10月。酒気帯びは休みの日のことで、どこで誰と飲んだのかも含め、すっごく印象に残る被告人だった。ヘルプをやってるという店へ飲みに行きたい。高いんだろうなぁ…。
 16時55分閉廷。
 さすがに631号法廷の民事はもう終わってるだろうと裁判所を出たが、あとでマニア氏からメールがあり、17時過ぎまで続いたそうだ。うわ~。

 地下鉄の改札を通り、アートコーヒーに見知りの娘さんらを発見。ふらふら寄り、少しだけ歓談。ほっと落ち着いてコーヒーを飲むと、まぶたが閉じそうになってしまう…。

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2008年4月22日 (火)

TV番組に暴かれた盗聴事件

4月22日(火)その1

 9時50分から「暴行」の判決があり、電車が遅れて9時48分頃、「ぎりぎり間に合わないかな~」と裁判所の門を通過したら、あらまぁ、目の前に長蛇の列。直前に団体さんが入り、その関係で列が伸びてるらしい。だ、団体…。
※ 東京の裁判所合同庁舎の場合、一般の入り口に、持ち物のX線検査と、金属探知機のゲートがあり、時間がかかるのだ。何人かに1人、自分の番になってからポケットをまさぐる人もいるし。

 10時から東京地裁533号法廷で、4月15日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(オービス、写真4枚あるのに起訴3件、しかも公訴時効直前、しかも被告人は捜査段階の出頭にぜんぶ応じてるのに逮捕し、直ちに起訴して勾留請求→数日で保釈)の判決。
 私にとっては非常に興味深い事件だが、判決自体は、ごく普通に、懲役5月、執行猶予3年。10時3分閉廷。
弁護人 「やー、どうも、検事、ご苦労さまでした」
 良いな~。

 それからしばらく、裁判所内で、ある方とお話しをして、11時から東京地裁・刑事17部(市川太志裁判官)718号法廷で、「電波法違反・住居侵入」の新件。
 珍しい罪名だから傍聴席は満席かと思ったら、ちらほら…。この時間、他の法廷で有名な事件をやってるんだっけ?

 被告人(保釈中)は、黒いスーツで、黒く太めのフレームのメガネ。髪は長めでハンサム系。ちょっと線が細い感じがしないでもない。
 この事件、東京簡裁で「住居侵入」のみで始まり、「電波法違反」もあるので簡裁で審理できず(その意味は『裁判中毒』の82ページ参照。しっかし『裁判中毒』にはいろんな情報が盛り込まれてるね。あれで約700円は安いっ。とすかさず宣伝したところで)、東京地裁へ移送になったんだという。へぇ!

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 要するに、交際相手の女性から、別れ話を切り出され、他に男ができたのか確認したくなり、交際時に互いに交換していた合鍵から、当時紛失に備えてつくってあったスペアキーを用いて侵入し、盗聴器を、それが無線局開設の免許が必要な盗聴器とは知らずに仕掛けた、という事件だった。
 そこだけ聞けば、「あ、そう」で終わるかもしれないが、被告人から女性に渡っていた50万円+3万円の趣旨等々が、被告人と女性(の調書)とで、ぜんぜん違うのだった。そしてなんと、ほら、TV番組が盗聴電波を探し、盗聴器が仕掛けられてるらしいお宅を訪問して盗聴器を発見し、部屋に隠しカメラを仕掛けて犯人を突き止め、犯人を直撃する、というのがときどきあるでしょ、この被告人はアレをヤラレたんだね! その番組、私はたまたま見たかも。

 検察官は、新しい人。女優のだれかに似てる、と思わせる若い女性。黒のパンツスーツ(パンツ部分は、あれはパンタロンっていうんですか? 裾へ向かってひらひら太くなってるやつ)の上着の下が、白い、薄で、の胸元が大きめに開いたやつで、男の目をおっぱいへ誘導するというか…。いっしょに傍聴した某氏が、「こういう事件でああいう格好はないでしょ」旨言っていた。
 求刑は懲役1年6月。
 保釈の制限住居(親元)は新幹線でたぶん2~3時間なのだが、次回判決。
 証人尋問も被告人質問も、検察官は「ございません」だったが、弁護人が私選なのか、やたらていねいにやるもんだから長引き、12時21分閉廷。

 この公判の途中で、ボールペンのインクが切れた。カバンに用意してある替え芯に手早く交換。

 裁判所の前の歩道でもらった「御殿場少年事件」のチラシを読みつつ、国土交通省の職員食堂でラーメン大盛り400円。やっぱラー油を入れると旨い。

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G巡査を控訴審でまた尋問 なぜ!?

4月21日(月)その2

 兄が妹を殺してバラバラに…という、わりと最近の有名な事件(13時30分から103号法廷)の傍聴券(抽選)の締切が12時50分で、私はぜんぜん傍聴するつもりはない(そういうのは霞っ子クラブの傍聴記で存分に読むことにしているのだ)が、信頼するお嬢さん(って誰?)からちょっと並んでくれるといいな旨頼まれ、私でよければお役に立たせてください、喜んで、と並んだ。
 すると、そのお嬢さんも私も、傍聴券(正しくは傍聴券と交換できる整理券)をゲットしてしまった。げっ。
 阿曽山大噴火さんに会ったので傍聴券をあげようかと言ってみたが、あんまり乗り気じゃなさそう。しょーがない。

 いったん103号法廷のそばで開廷を待ったが、やっぱ私はよその事件が気になり、東京地裁の民事の506号法廷へ。「人事院公正審査局」を被告とする「裁決取消」の第1回。某氏によると「公正審査局」が被告の事件は珍しいんだそうだ。
 何かわかればと傍聴したが、例によって「原告は訴状を陳述、被告は答弁書を陳述(したことにする)」で始まり(この意味、『裁判中毒』参照)、証拠の写しと原本の照合を延々やり始め、こりゃかなわんと外へ。

 13時20分から地裁の刑事の423号法廷で、4月14日に傍聴した無免許の判決。
 累犯関係となる服役前科があるので、やっぱ実刑(懲役6月。求刑は8月)。

 それから103号法廷へ行き、兄妹バラバラ殺人を傍聴。約100席の傍聴席が、ほとんどぎっしり。
 裁判長から被告人質問。
 異様な被告人質問だった! 問われた、こと、に、対し、い・ち・ご、い・ち・ご、区切り、ながら、正確、に、ゆ・っくり…みたいな感じ。裁判長の質問も、それに合わせたかのように、ゆっくり正確に…。質問にかぶせてしゃべり始め、制止される被告人は多いのに。こんなの初めて見たよ。被告人は精神状態乃至人格に何か問題があるんだろうか。

 13時50分頃、出て…。
 東京高裁・刑事5部(中山隆夫・服部悟・田村眞裁判官)803号法廷へ。
 『裁判中毒』で書いた、電車内スリ未遂の、控訴審第2回なのだ!
 
これを見逃してどうする! って第1回は見逃してしまったんだけど。

 弁護人は一審と同じ。傍聴席にあの奥さんが、足下に大荷物を置いて。
 ほか傍聴人は、団体ではなさそうな、黒っぽい背広の男たちが目立った。普通の傍聴席とは、明らかに雰囲気が違う。たぶん、多くは警察官なんじゃないか。私をじろっと見る男もいた。この一審のことは、『裁判中毒』の前に、季刊誌『冤罪File』にも書いた。「今井のやつ…」とか思われてるのかもしれない。

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 中山裁判長が言った。
「直ちに証人尋問に入りたいと思います」
 証人は、『裁判中毒』にも出てくる「G巡査」だった!
 ええっ、なんで!?
 G巡査の証人尋問は、一審(東京簡裁・刑事1室1係、懲役1年6月、執行猶予3年)で2度にわたって行われている。同じ証人を、なんでまた控訴審で?
 さらに不可解なのは、主尋問が検察官からだったことからして、検察官からの証人請求らしいこと。なんで? 控訴趣意書がよっぽど素晴らしく、検察官は逆転無罪を恐れた、とか? う~ん、妄想がふくらんでしょーがないよ。

 そしてまた、G巡査と被告人と仮想被害者(弁護人の1人)とが、G巡査が一審で言っていた当時の立ち位置(逮捕のときではなく、その前、ノッコミのとき被告人が右手を被害者のバッグに差し入れたという瞬間)を再現し、G巡査の目線から見える状況等を、書記官がデジカメとビデオカメラで撮影することになった。
「(位置関係、距離は)あくまでだいたいを言ったので、正確じゃないんで…」
 とG巡査。いいなぁ、警察官は平気でそんなことが言えて。被告人がそれを言ったら直ちに、供述の全部を信用できないとされるんじゃない?

 スーツ姿の被告人が、
「当時、ダウン(ジャケット)を着てたんですけど(今ここで)着ていいですか」
 と言った。そりゃそうだ。モコモコの上着を着てるのと着てないのとでは、G巡査から見えるものが違う。そんで再び、当時のダウンジャケットを着ての検証になった。
 着終えてまた位置関係を再現したとき、G巡査が、
「被告人の角度が先ほどとぜんぜん違うんですけど、かぶさるようになってるでしょ」
「徐々にそっちへズレてるような気がするんですけど」
 と言ったが、傍聴席最前列で、目の前に見ていた私の傍聴ノートには、「そうか?」「ぃやー動いてないよ」と赤ペンで感想が記入されている。

 まぁね、ノッコミ(乗り込み)時の一連の動きの、ある瞬間を固定しようってこと自体にムリがあるような気もする。でも、そうやって切り取って紙の上に固定するのが、裁判のやり方といえる。そのやり方は、いつも被告人に不利に作用するのだが、本件においてはG巡査は、警察に不利に作用しかねないように感じたわけだ。

 15時50分、
「それじゃ、終わりました」
 と中山裁判長。ところが書記官が裁判長にビデオカメラのモニターを見せ…。ええっ、録画されてない? うっそーん。もう一度やり直すことになり、みな動き始めたとき、録画されてることがわかった。
「あ、写ってる? あ、大丈夫ですね」
 法廷内の全員が、ほっとしたはずだ(笑)。
 今日の期日で被告人質問も予定されていたそうで、それは次回に。15時57分閉廷。

 控訴審って、被告人質問をやるとしても、控訴の趣意が量刑不当のとき一審後の情状を短く質問するだけ、一審で取り調べた証人をまた尋問するなんてちょっとあり得ない、のが普通といえるのに、控訴の趣意が事実誤認であるはずの本件で、しかも一審は岩垂正起裁判官で、あれほど期日を重ねて審理したのに(結果については『裁判中毒』参照)、控訴審でG巡査をまた尋問したうえ、続行して(つまりそれなりの時間をかけるんだろう)被告人質問をやるなんて、いったいどういうこと? どうにもわかんないです。

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2008年4月21日 (月)

職務質問の技術

4月21日(月)その1

 10時から東京地裁で、女性氏名の被告人の「公然わいせつ」。
 ハプニングバーか何かの可能性が高いかと思うが、なんだろう。興味をひく。 
 しかし、土日に連絡すると言ってあった仕事のあれこれ間に合わず、断念。

 11時から、「電波法違反・住居侵入」。「電波法違反」のみは仙台で傍聴したっけが、「住居侵入」が加わるってことは盗聴だろうか。担当編集者氏に締切り原稿遅れると詫びのメールを入れ、裁判所へ。

 ところが、やってない。それは明日だった。あれだけ念入りに手帳をチェックして、間違うかよ!
 しょーがないので11時から東京地裁・刑事11部(品川しのぶ裁判官)813号法廷で、「公務執行妨害」の新件。

 法廷に入ると、前の窃盗の新件が長引いていた。
 被告人(身柄、拘置所)は、強迫神経症で4種類の薬を飲んでおり、アルコールの影響で3回、事件を起こしているんだそうだ。本件はコンビニでの万引きらしい…。

 「公務執行妨害」のほうは、11時2分からスタート。
 被告人(在宅)は、プロダンサーなのだった。
 昨年6月の深夜、無灯火の自転車で帰宅途中、職務質問をかけられ、職質はさんざん受けていて、やってもいない窃盗の疑いをかけられたりして不愉快な思いをしていたので、ま、要するに抵抗し、最初の警察官に自転車ごと体当たりし(検察官の主張)、応援にかけつけた警察官のあごを肘で打った(検察官の主張)のだという。

 まぁね、当夜の件は無灯火の現行犯ってこともあるんで、しょーがないとしても、過去に受けた職質で不愉快な思いをしてきた、というのは聞き捨てならない。警察官の職質技術に問題があるというべきだろう。
 職質の相手のほとんどは、善良な市民なのであり、善良な市民には礼を尽くさねばならない。職質をとおして反警察感情を植えつけてはならず、かえって警察に対する信頼感を増すよう努めなければならないのだ。と、『警察公論』か何かに書いてあったよ。

 求刑は懲役2年。前科・前歴なしで2年は重い。
 2人の警察官に対する2つの公妨だからか。
 被告人はダンスの選手権などで海外へ行くことが多く、懲役の執行猶予の身では、ビザの面で不都合が生じ、執行猶予付きであっても他の被告人よりはるかに重い刑罰を受けることになるから、できる限り短い期間の猶予を、と弁護人は弁論していた。そういう弁論は初めて聞いた。
 じゃあ、パスポートの渡航歴について、原本確認、写し提出、とかやっていたかどうか、私は眠くて眠くて、ところどころ気を失うように寝てしまったので、確かじゃないけど、やってなかったんじゃないかな。
 12時3分閉廷。

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 警察庁も入ってる合同庁舎2号館の地下で、奮発して、えびカツ丼540円。エビフライとカツとじがのった丼って、貧乏人には最高贅沢じゃん、ねぇ。
 でも、失敗。エビフライはまぁ良いとしても、全体に汁気がなく、味のないカツがご飯にのってる、つー感じ。ソースをかけちゃったよ。
 嗚呼、いまは無きあの第5食堂のカツ丼は良かったなぁ。丼からはみ出すほどたっぷりのタマネギとタマゴで、汁だくだくでとじてある…。あれで400円か450円だっけ。旨かったなぁ。かえらぬ過去にばかり想いを馳せててもしょーがないわけだが。次の本のタイトル候補に、『夜霧の第5食堂』を挙げとこう。

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1キロ違うから公訴棄却とは?

 19日(土)の早朝から20日(日)の昼過ぎにかけて、もう完全にご相談等対応だけで終わってしまった。20日(日)午後は、7年前に買い、レンズが傷んで老眼にも合わなくなったメガネ3組、のレンズを替えるため都心の高級メガネ店(レンズ1組定価5万円!)へ出かけ、その途中、15時からの秘密の会議を思い出し、何とか間に合い…。

 18日(金)の重要イベント(参加520人!)のご報告は後回しに、同日付け読売新聞の仰天記事について、少しだけコメント。

25キロオーバー「速度測定が不適切」…大阪高裁判決
 大阪府大東市内で乗用車を運転中、「ネズミ捕り」と呼ばれる光電式速度測定装置で「25キロオーバー」と判定され、道交法違反の罪に問われた奈良県の会社役員男性(39)の控訴審判決が17日、大阪高裁であった。府警は速度を測る2組の装置を3メートル間隔で設置するよう定めているが、現場の状況から4センチ幅が足りなかった可能性があり、古川博裁判長は「装置が適切に設置されていたか疑問」とし、1審・大阪地裁判決(罰金6万円)を破棄、起訴を無効とする公訴棄却の判決を言い渡した。
 男性は2005年10月7日、大東市内の府道で、制限速度(時速50キロ)を超える75キロで走行したとして、府警四條畷署に摘発されたが、「速度違反はしていない」と反則切符の受け取りを拒否し、在宅起訴された。
 測定に使われたのは、レーザー光を3メートル間隔で平行に発射し、その区間を車が通過する時間から速度を割り出す装置。署員は公判で「取り締まりのたびに3メートル計測した」と証言した。
 しかし弁護側の調査で、現場のチョーク痕などから間隔は2・96メートルしかなかった疑いがあることが判明。仮に4センチ差とすれば、時速は74キロで、超過速度は25キロ未満となる。
 判決で古川裁判長は「正確な速度による反則行為の通告がなかった」と述べ、手続きが適正でなかったとして公訴を棄却した。

340  マニアの礼田計さんによると、この光電式測定機は、以下の画像のどっちかだそうだ。
※写真提供は礼田計さん。

 さて、それでだ、この報道を見た人は、みんな思っただろう、「たった1キロ少ない可能性があるからって、なんで公訴棄却(実質無罪)?」と。少し知識のある方、拙著をお読みの方は、みんな思っただろう、「超過速度が30キロと29キロならわかるけど、25キロと24キロで、どうして?」と。

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181_3  これはねぇ、わかりやすく説明してるヒマがないんで、ヒントだけ言っとくと、道路交通法第127条1項および2項に、「当該反則行為が属する種別」「…種別に属する反則行為」ってあるでしょ。その「種別」は、道路交通法施行令の別表第5で、幻覚に、もとえ厳格に定められてるわけ。種別を間違えた場合の是正の手続きについても、127条で定められてるわけ。
 それをもとに、「適正な通告の手続きを経ていないから公訴は違法」とされたんじゃないかな。

 反則(現在は一般道で超過30キロ未満)か非反則(同超過30キロ以上)かで、公訴棄却とされるケースは過去にいくつもある(秋田のオービス控訴審がそうだ)が、「種別」を理由とした公訴棄却は、私は初耳。高山俊吉弁護士も、たぶん同意見じゃないかと思います。

 ただねぇ、報道では、被告人の主張はこうなってるよね。
「速度違反はしていない」
 「種別」が違う、とは似ても似つかぬ主張だ。起訴されてから弁護人がどう争ったかはともかく、起訴前に被告人が(被疑者が)「種別」のことで否認していたとは、ちょっと考えにくい。
 じゃあ、この判決はナンなのか。報道を見た全国の裁判官諸氏のなかには、「ふぅむ、そこへ落としたか」「そこへ落とすとは、よっぽどアレだったんだな」と思った人がいるんじゃないか。

 これも、秋田のオービス事件のように、検察が上告→最高裁が原判決破棄、差し戻し→差し戻し審で逆転有罪、となる?
 いや、ま、そりゃわからんけどさ、このケースは、4センチの差という人為的ミスによるものであり、測定機自体の無謬神話にケチをつけるものではないのだから、秋田のケースとは意味がだいぶ違う(比べるのは間違ってる)と思うよ。

 以上、よくわからなかった? ごめんね。そしたらさ、今井がワケわかんないこと書いてるぞって、雑誌等に苦情を言ってください。で、私へ原稿やコメントの依頼がきて、ギャラが入って、裁判傍聴に通う交通費&かけそば大盛り280円の費用が捻出され、ネズミが桶(おけ)をかじって桶屋が儲かる、私のやることはどこまでも計算され尽くしてるなぁ。どわははは! ←勝谷誠彦さん風。

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2008年4月19日 (土)

不倫出産の果てに闇サイト

4月17日(木)15時~

 15時から、東京地裁・刑事11部(楡井英夫裁判官)403号法廷で、「脅迫・器物損壊」の新件。
 被告人氏名は女性氏名。15分ほど前に法廷(傍聴席20席の狭い法廷)の前へ行くと、すでに10人ほどいて、さらに次々やってきた。弁護人と、被告人の家族らしき人たちもきた。
 前の事件は「強制わいせつ」。ドアノブに満員札がかかってる。
 その傍聴人が全員出なかったらどうしよう。席を取れるかな。高校時代に開店前のパチンコ屋の玄関前に並んだときのことを思い出したよ。
 15時6分、前の事件が終わり、あっという間に傍聴席は埋まった。私は前列中央付近に。

 被告人の家族らしき、と思ったなかの1人が被告人(在宅)だった。
 37歳。本籍地も住所地も四国地方の某県だという。えっ? なぜ四国?
 起訴事実は、Aと共謀のうえ2007年5月、東京中野区のK宅玄関先において、「可愛そうだがKの身代わりになってもらう」とかいう脅迫状を置き(Kの妻を脅すものらしい)、車に剥離剤をかけて50万8620円の損害を与えた、というものだった。

 このAの氏名、私は最初、なにかの屋号かと思ったら人物の氏名なのだった。非常に珍しい姓で、被告人は「アイモ」さんと略称していた。
 そしてKというのは、被告人が四国で放送局に勤務していたとき、東京から単身赴任でやってきた男性で、2人は関係を持ち、被告人は妊娠、出産したのだという。ええーっ! 子どもは現在、1歳半なのだという。

 「アイモ」は復讐を請け負う闇サイトをやっており、被告人は、Kが東京へ帰って1人になり、誰にも相談できずに悩んでいたとき「アイモ」に連絡し、Kとの結婚は望まないまでも、Kが離婚すれば自由に自分に会えると思い、Kが離婚するよう「アイモ」にKの妻を脅させた…実際には「アイモ」は被告人に報告したとおりの行為を行わず、行ったと偽って被告人からカネを引き出し続けた…被告人は、途中でヤメれば今度は「アイモ」が自分になにをしてくるか怖く、ヤメられなかった、また「アイモ」は、被告人が消極的になると「もうすぐ離婚しそうだ」旨言って被告人をつなぎとめ…やがて「アイモ」は、福岡の路上で男性に硫酸をかけたという件で逮捕され、その報道を見た被告人が警察関係の友人に相談したところ、怖がらずにすぐ警察へ連絡するよう言われ、2007年11月、地元(四国)の警察に連絡したが、管轄が違うと言われ、待っているうち、今年2月、被告人は逮捕された…とまぁ、おおざっぱにはそういうことだった、傍聴席から聴き取れたことは。
 この事件も報道されており、それによればKはNHKの職員で47歳、「アイモ」は50歳(いずれも報道時)。

 情状証人として被告人の父親(農業)を尋問。そして被告人質問…。「うわぁ~」という内容で、ほぼぜんぶメモしたが…。

 検察官は、昔の東映映画の、誰だっけ、名前を思い出せない、あの女優に似た美女。髪型がなんともいえない。
「たしかに被害者にも責められてやむを得ないというところがあるが、しかし被告人も被害者に妻子があると知りながら…」
 と、求刑は懲役1年6月。
 次回判決となれば、被告人はまた四国から出てくることになるのか…と思ったら楡井裁判官は直ちに判決。
 懲役1年6月、執行猶予3年。
「本件経緯には被告人には気の毒な面もあったと思いますが、だからといって…」
 と説示。
 Kは、被告人との間に生まれた子どもを認知すると言っているようだが、結局はしない可能性が高いんじゃないか…。
 16時1分閉廷。

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 終わるころ、弁護人側の傍聴席数席に「関係者席」の札が置かれ、外へ出ると、新たな傍聴人が続々と入っていった。次は「覚せい剤取締法違反・道路交通法違反」。なんだろう。でも私は帰る。帰って、イワシをさばいて焼き、小松菜を茹でなければ…。

 帰途、水曜に買って裾上げを頼んだチノパンを受け取りに、デパートへ。受け取って降りるエスカレータで、反対側のエスカレータに、ある方を発見!! 『裁判中毒』に出てくる人物で、もう二度とお会いできないのかと寂しく思っていたのだ。この広い東京で、なんという偶然!! あり得ない偶然だよ!! 降りかけたエスカレータを、思わず駆け登ってしまった。←おっさん、危ねぇよ!
 10秒ほど話して、お別れした。これが今生のお別れなのかもしれない。どうなるのか、流れる雲のように、風に身を任せよう。私はどうも、いろんなことにあんまり執着がない気がする、東京簡裁の道路交通法違反を全件傍聴、を除いては(笑)。

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2008年4月18日 (金)

元警察官が現職警察官を平手打ち

4月17日(木)

 手帳には午前中も傍聴予定があったが、さすがに踏みとどまり、ご相談等に対応。1時間ほど仮眠。久しぶりに昼過ぎの電車で裁判所へ。

clip 13時30分から、東京簡裁・1室2係、826号法廷で、3月6日に第1回を傍聴した「業務上過失傷害」(否認)の第2回公判。
 第1回は後藤征弘裁判官だったが、4月から永瀨進裁判官に。
 この永瀨裁判官は、4月10日、ネズミ捕りのどうってことない否認事件を、地裁へ移送した。今回もまさか…と思ったらズバリ、
「東京地裁でやったほうが、よりベターと思いますので」
 と地裁へ移送してしまった。ええ~っ。
 この2件だけで判断するのは早計かとも思えるが、しかし、永瀬裁判官は今後も否認をさくさく移送する可能性あり。
 もしそうだとして、これは永瀬裁判官だけの方針なのか、東京簡裁全体の新しい方針なのか。丸5年間、定点観測してきた私としては、もうね、これからね、否認の可能性が高い罪名は全室全件傍聴せねばイカンじゃないの! たぁ~いへんだ!

clip おかげでちょいと時間が空いたので、地下で、かけそば大盛り280円食って、14時から東京地裁・刑事13部(佐藤晋一郎裁判官)802号法廷で、「公務執行妨害」の審理。
 じつは、次の午後の狙いは15時からであり、これは、こう言っちゃ申し訳ないけど、時間つぶしで傍聴したのだ。もしや万が一、駐車監視員への公妨だったら、と思って。

 20席の傍聴席に、10数人いた。
 しかも多くは黒っぽいスーツの中年男性。警察官?
 始まってビックリ。泥酔して電車内で乗客とトラブルを起こし、駅長室へ連れて行かれ、巡査長から事情を聴かれるとき、わけもわからず腹を立て、その左頬を右手で1回平手打ちしたという、ま、裁判的にはありがちな事件なのだけれども、体が大きくて素朴な顔立ちの被告人(身柄。拘置所)は、ピシッと伸ばした両の手を両腿の外側にピシッと添え、起立の姿勢が良いのだ。服役経験ありか? と思ったらそうじゃなかった。前科・前歴一切なくて、ある国立大学の大学院で博士課程を全課程終了し、別の国立大学の法学部を卒業、空手をやっており、北海道警察で警察官を1年ほどやったんだという。
 なぜ警察を辞めたのか、検察官が質問した。被告人は答えた。
「交通違反の取締りに重点をおいていたんですが、自分としては治安のほうの仕事をしたく、それで上司と衝突してしまい…」
 交通違反の取締り(=ノルマ消化のための取締り)などやってられるか、そんなことのために警察官になったんじゃない! ということだったんだろうか。
 現在、「思想的な活動」(弁護人)、「民族家の活動」「この国のためにある活動を、街宣ですとか…」(被告人)をやってるんだという。
 求刑は懲役1年。14時41分閉廷。『裁判中毒』に出てくる“懲役前科1犯の主婦”と同じ求刑だ。判決も同じになるはず。

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 「名古屋地方裁判所やじうま傍聴記」の、「かわいいおばあちゃんめぐって大混乱! 狂犬病予防法ってナニ?」、
  http://chisai.seesaa.net/article/92635932.html
  http://chisai.seesaa.net/article/92142285.html
 『裁判中毒』のコラムでちらっと紹介した、チョー珍しい事件の、詳報だ。こういうのをお手軽に読めるとき、インターネットはすごいと思う。「(2)」の「ケンケンパ」に、不覚にも爆笑してしまった。くっ、悔しいっ。

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2008年4月17日 (木)

NTT104番へ2602回電話

4月16日(水)その3

 また国土交通省の食堂へ行き、ラーメン大盛り400円。胡椒と、それからラー油を少し垂らすと、ぐんと旨くなることを発見。ここのラーメンは、職員食堂のラーメンにしてはメンマともやしとワカメがたっぷりのってて良い。麺は極細。

 13時30分から、東京地裁・刑事5部(深野英一裁判官。『ナポレオン・ソロ』のイリヤ・クリヤキンにちょっと似てない?)418号法廷で、「業務妨害」の新件。

 その前に、13時15分から、東京地裁・刑事12部(内藤尚子裁判官)409号法廷で、「業務上過失傷害」の判決をちらっと…のつもりだったのに…。
 この内藤裁判官、私はお初。なんつーの、トレンディドラマとかで裁判ものをやったら、こんな裁判官が登場しそう、みたいな、じつになんつーか見とれてしまう裁判官で。
 事件は、2006年5月12日、信号機のない交差点で、交差点出口を右から左へ自転車で横断する女児(10歳)をハネたんだそうだ。女児は高次脳機能障害を伴う、7カ月の重傷だという。可愛そうに。
 なにか否認しているようで(事件番号が「平成19年」だし)、検察官が訴因変更して、次回、論告・弁論からやり直すことになった。

 それが終わったのが13時40分。急いで418号法廷へ。
 冒頭陳述も同意書証の要旨告知も終わり、弁護側の立証が始まるところだった。
 法律扶助協会への5万円の贖罪寄付の領収証書等を、弁護人が証拠請求。
 すぐに証人(被告人の父親)の尋問が始まった。
 父親は、某有名化粧品メーカーを退職し、シルバー人材センターに登録、コミュニティセンターの管理受付などをやってるんだそうだ。官僚たちも退職後はそのようにすれば、日本はものすごーく良くなるのにね。いや、そしたら官僚専門の“ゴールド人材センター”をつくって税金を注ぎ込むってか(笑)。

 「業務妨害」ってなにかと思ったら、2007年の6月から11月にかけて、寂しくてNTTの104番へ2602回にわたり電話したという事件だった。
 なんでそんなことをしたのか、興味深い被告人質問だった。
 だいぶ前の交通業過の罰金以外に前科なし。
 求刑は懲役1年6月。
 直ちに判決。懲役1年6月、執行猶予3年。
 14時36分閉廷。

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 本日の傍聴はこれでオシマイ。
 帰り、ジーンズを買いに新宿のデパートへ。何年か前に買ったのが、だいぶすり切れてきたので。しかし、新しいデザインのジーンズは、メタボ腹のオヤジには似合わね~と気づき、1万円弱のチノパンを買う。

 帰宅後、傍聴データをエクセルに入力しつつ、ご相談等に対応しつつ、3月着信の私信にお返事。ここんとこ、締切りがないのを良いことに(インタビュー等はずいぶんあったが)、平日はぜんぶ傍聴に通ってるため、いろんなことが先送り先送りのアップアップで、もうマジやばい。18日(金)は大事なイベントへ行かねばならないし。ほんとどぉしよう。これからしばらく、ブログ記事はあっさりしか書かないことにしようと…。

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公然わいせつ 同種前科12犯

4月16日(水)その2

 次は11時30分から、4月9日に第1回を傍聴した「公然わいせつ」(電車内オナニー)の、東京地裁722号法廷(波床昌則裁判官)で第2回公判。

 その前に、11時から東京地裁402号法廷(小川賢司裁判官)の「道路交通法違反」の新件。をちらっとチェックしておこうと8分前に入ったら、前の「迷惑防止条例違反」の審理をまだやっていた。被告人が、最終陳述でなにかひっくり返すようなことを言ったらしかった。その弁護人が、東京簡裁のあの事件の弁護人で、なぜか何度も目があった。
 3分遅れで始まった道路交通法違反のほうは、中央自動車道・上り0.3kp付近のオービスによる81キロ超過。前科なし。ほぼ間違いなく懲役3月、執行猶予2年か3年だ。

 早めに722号法廷へ行くと、11時15分からの「覚せい剤取締法違反」の判決が言い渡されるところだった。
 被告人は若い女性(身柄。警察留置場)。両脇の警察官は2人とも男性だった。
 前科なし。覚せい剤の密売人と同棲中の自己使用だそうだ。婚姻関係を解消せず別居中の夫、との間の2人の子どもは、児童相談所に預けられたままになっているのだという。
 判決は懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年、訴訟費用不負担。保護観察等について10階の刑事3部で書記官が説明すると…。

 11時から「公然わいせつ」。
 今回は最前列で間近に被告人を見た。紺のスーツで、眉の濃い、目のぱっちりした、なかなか男前だ。父親は「武士の末裔」で有名な元野球選手で、最終的には聞き慣れないクレジット会社(外国?)の「東部ゲッパ」の社長なんだという。東部ゲッパ、なにかと思ったら東部月販だという。
 被告人は、祖父も父親も女系家族の養子であるなか、たった1人の男の子として生まれ、中学の頃は「マジメの神様」と担任教員から言われたんだという。
「オヤジが娘にしたことに似てるんですが、ちょっと気持ち悪い…」
 と述べたところが気になったが、それ以上は語られなかった。
 現在52歳。26歳のとき、覗き見かなにかやって軽犯罪法違反で捕り、以来、前科15犯、うち本件と同種前科が12犯なんだという。毎回「二度としない」と約束しながらくり返し、本件は、前刑の出所後わずか10日足らずの犯行なんだという。もう完全に病的な、いわゆる「露出狂」か。しかし、容貌からも語り口からも、とてもそうは見えなかった。見えないところが怖い、ともいえる。
 刑務所は矯正施設とされるが、なんの矯正もできなかったことになり、矯正施設ではなく単なる隔離施設…ならまだいいほうで、刑務所で知り合った犯罪者と出所後新たな犯行を重ねる者もいると聞く。そんなことを、傍聴席で実感した。

 波床裁判官は、5~6分休廷して、直ちに判決を言い渡した。
 懲役1年(求刑1年)、未決20日算入。以下は刑法

第百七十四条  公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

第五十七条  再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。

 上限いっぱいの刑ってことだ。 

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2008年4月16日 (水)

脅迫言辞をボイスレコーダで録音

4月16日(水)その1

 電車って、途中なにがあるか分からないから、とにかく先に出る電車に乗って目的地へ近づいておこう…って思う? 私は思う。なので、ホームへ上がったとき発車直前だった各駅停車に乗ったら、途中で急行の通過待ちをし、2駅進んで準特急の通過待ちをするじゃ