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2008年4月の40件の記事

2008年4月30日 (水)

最高裁が検察庁と訣別!?

 以下、ちょっと余談。
 ゆえあって夜中に裁判所のサイトを開いたら…。

裁判員選任を装った悪質行為についてご注意ください
 最近,電話で「裁判員に選任された。連絡等の必要があるので,住所,氏名,家族構成,職業などを教えて欲しい。」などと嘘を言って,個人情報を聞き出そうとする悪質事例がありました。
 まだ,裁判員の候補者を選ぶ段階になっていませんので(注),「裁判員に選ばれた。」などといった連絡が来ることはなく,裁判員に選ばれたとして個人情報をお尋ねすることもありません。そのような連絡があっても,個人情報を教えることのないようご注意ください。
 裁判員制度に関する不審な電話やメール,郵便物等が送られてきた場合には,最寄りの裁判所,検察庁にご相談ください。
(注)
 裁判員候補者として名簿に名前が載った方への連絡は,平成20年初冬に行われます。それ以前に,裁判員候補者に選ばれたとの連絡が国民の皆様に行くことはありません。

 へぇ~、もうそんなことになってるんだ~。
 でも、裁判員制度ってやつは、その目的を見ると、
「そぉんな漠然としたことのために、大金をかけて、国民を罰則付きで強制動員して、『素人にもわかりやすく』と手続きをぐじゃぐじゃにいじるのか?」
 と、ものすごぉ~く怪しいし、サクラを雇っての、あるいはマスコミを抱き込んでの、えげつない宣伝もあったので、だからこの告知も、宣伝のネタかな、もしくは宣伝が主目的かな、という気がしないでもない。

 もひとつ、こんな告知もあった。

<最高裁判所認証局からのお知らせ>
■ ブリッジ認証局との相互認証の解消について
 最高裁判所認証局は,平成20年3月21日,政府認証基盤におけるブリッジ認証局との相互認証を解消しました。相互認証解消後は,最高裁判所認証局から発行された証明書は効力を有しません。

 なんだソレ?
 なんかわかんないけど、ソレとの訣別(けつべつ)を最高裁は決めたわけ?
 さらに検索すると…。

 最高裁判所は、平成20年3月31日、検察庁との蜜月関係を解消しました。当該解消後は、すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、日本国憲法及び法律にのみ拘束されることとなります。当該解消以前の、検察庁と蜜月関係にあった時代の有罪判決は、その効力を失います。

 てぇのは、すぐに見破れるウソぴょんだよね。
 裁判所(司法)と検察庁(行政)は一体のものであり、「別れるときは死ぬときよ」と島倉千代子さんも歌うように、関係を解消できるはずがない? 
 ま、それもそうかもしんないけど、もっと一目で見破れる箇所があるでしょ。もっとズバリ決定的な箇所が。
 それは、読点を「、」としてるとこだよ。
 日本語の句読点は「。」と「、」であるのに、アメリカの新自由主義(世界のすべての豊かさをアメリカの巨大企業がカネに換えて独占する主義)に日本国がなびくようになった頃から、読点を「,」に変え始めたのだ。「,」と「。」が混在するなんて、なんつー不細工。愛国者には耐えられないっ!
 「。」も「.」になったときこそ、いわゆる“この世の末”だと、愛国者である私は予言しておきたい。

 じつは裁判員制度も、アメリカの新自由主義を日本に根付かせるための“目くらましイベント”と思われ…。
 6月13日、「裁判員制度はいらない!大集会」があるよ。

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2008年4月29日 (火)

「板橋の犬屋敷」の事件

4月28日(月)その2

 『裁判中毒』のコラム①「レアな罪名」は、公判請求はゼロだけれども、略式命令請求か不起訴はあるものを、なるべくピックアップしたのね。ぜんぶがゼロではあまりにも…だから。

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 今回、東京地裁・刑事20部(林正彦裁判官)425号法廷へきた「化製場等に関する法律違反」は、ぜんぶゼロ。ま、正確には、「他の検察庁へ送致」が1件だけある。送致後の結果は、2006年中には出なかったわけだ。
 こんな珍しいのを傍聴しないでどうする!
 が、私は前夜3時間ほどしか寝てない。傍聴席で気を失うように居眠りしちゃったら一生の不覚。そこで、425号法廷のそばの一般待合室で、座ったまま仮眠。たちまち深~く深く眠りsleepy、25分ほどして目を覚ますとそばに、午前中いっしょだった娘さんが座っていた。鼾(いびき)か寝息か、何か音を立てていたと言われた。げっ。立ち上がって法廷へ入ろうとすると、まだ体は覚めてないのか、よろけてしまった。あ~。

 425号法廷では、13時20分から「窃盗・暴行・窃盗未遂」の判決があった。
 ①2007年4月に墨田区内のマンション1階玄関で、男性のズボンから約12万5000円などが入った財布を抜き取り、②その際、男性に暴行を加え、③同年11月、千葉の市川市で、原付バイクで女性の持ち物をひったくり(被害額6万5500円)、④江東区亀戸で駐輪中の自転車(3000円相当)を盗み、⑤その自転車で女性のバッグをひったくろうとしたが、抵抗されてその目的を遂げられず…という事件だった。
 「無軌道な生活でカネに困っていた」そうで、被害弁償はなく、前科なしなのに懲役2年6月、未決算入80日、訴訟費用不負担。

 その判決が終わるとすぐに、「化製場等に関する法律違反」の被告人と弁護人が席に着いた。
 いったいなにをやったのか、どんな人物なのか、興味津々、私は被告人(在宅。保釈中?)を見た。細いストライプが入ったグレー系の、だぼっとしたスーツに、それより若干色の濃いグレーのワイシャツ。柄の入った濃い色のネクタイ…。ワイシャツの襟が、ひどく余ってる。うーん、本人の衣服だとすれば、ものすごくおデブなときに買ったんだろうか。少なくとも、普段ああいう格好をしない人と思われる。顔は、ちょっと日に焼けた感じだった。
 人定質問によると、職業は「会社員」。冒陳で明らかにされた会社名(株式会社)で検索すると、被告人の住所地と(たぶん)同じ住所の会社がヒットする。どゆことなんだろう。

 この公判は、最悪だった。
 425号法廷の隣か階下か定かでないが、ギュイーンとかガッガッガッガとか工事の騒音がしばしば聞こえ、かつ、立会検察官が、舌が短いか長いかで発音が不明瞭なのに(それ自体はべつにいいんだけどさ)、やったら早口で、何を言ってんだか、さーっぱりわかんない場面がたくさんあって…。あれじゃあ、裁判を公開にしてる意味がだいぶ失われるというべきだよ。
 東京地検は適材適所ってことを考えてほしいと、マジ思ったス。たとえば、私にカネやスケジュールの管理をやらせてはダメ、居酒屋での飲酒や公園での昼寝をさせれば、まさに適材適所、そういうことだ。bottle

 で、「化製場等に関する法律違反」とは何かってことなんだけど、どうも同法第9条第1項違反らしい。

第九条  都道府県の条例で定める基準に従い都道府県知事が指定する区域内において、政令で定める種類の動物を、その飼養又は収容のための施設で、当該動物の種類ごとに都道府県の条例で定める数以上に飼養し、又は収容しようとする者は、当該動物の種類ごとに、その施設の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならない。

 罰則は同法第10条第3号。

第十条  次の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
一  第三条第一項(第八条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
二  第七条(第八条及び前条第五項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
三  前条第一項の規定に違反した者

 つづく
  ※4月は30日までしかないという事実にブチ当たり、
   つづきは、なかなか書けないかもしれません。
   その間、これも相当珍しい「傷害・狂犬病予防法違反」を。

 …と書いたきり、ころっと忘れてますた、すんません。第2回公判が19日(月)15時からと迫った18日(日)午後、あわてて簡単にアップしときます。

 え~と、起訴事実は、2007年6月4日から?月19日にかけて、板橋区内の某所において、区長の許可を得ないで、10頭以上の犬を飼養した…。
 本件起訴に至るまで、数十回にわたり行政指導か何か受け、捕まえた猫を犬のエサにしたとか(マジ!? 立会検察官が上記のとおりで、よく聴き取れないのだ)で罰金10万円に処され、「マスコミのカメラマン」に下水の鉄板を投げつけて腰にぶつけ、スコップで殴ってケガを負わせ、罰金50万円に処されたこともあるのだという。

 そういえば、テレビ報道を見たような気がしないでもない。
 「板橋の犬屋敷」と呼ばれてたそうで、検索するとたくさんヒットする。例えば…。
   http://www.chigusa.biz/blog/238.html
   http://www.geocities.jp/noraneko_lic/kinkyu/home/tegami.html
   http://www.tanteifile.com/diary/2007/01/31_01/index.html
   
 第2回は、情状証人を尋問することになるらしい。被告人質問もやっちゃうかも。しかし私は、同じ時間から高裁のほうで別件があり、こっちは傍聴できない。

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2008年4月28日 (月)

脅迫 またも無罪主張

4月28日(月)その1

 今日は9時35分頃にもう裁判所着。い~ね。
 9時50分から東京地裁802号法廷で、4月17日に傍聴した元北海道警察官の「公務執行妨害」の判決。“セレブ妻”の判決の傍聴券が外れてぐったりしていた例の娘さん(なんて呼ぼう)を誘い、802号法廷へ。
 (傍聴的には)朝早いのに、傍聴席にはスーツの中年男性がたくさん。警察関係者か、被告人が現在関与しているという「民族家の活動」の関係者なんだろうか、違うんだろうか。
 懲役1年、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 『裁判中毒』の最初のエピソードの、駐禁レッカーの女性警察官の頬を叩いた「普通の主婦」と、同じ量刑だ。
 被告人の直立の姿勢はピシッとして、見事だった。

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 次は、今日の午前のメイン、地裁・刑事18部(毒人参さんが好きだという菱田泰信裁判官)424号法廷で、「脅迫」の新件。横浜地裁・川崎支部へ午後行こうかどうしようか悩む上記娘さんを引っぱり(いや、べつに引っぱってはないけどさ。笑)、そっちへ。

 被告人氏名を検索せずに傍聴したんだが、報道された事件だった。
 公判の様子については、毒さんがすでに書いてる。毒さんのレポートのとおり、「正直…」が口癖のようだった。なにか尋ねられて「正直…」ときりだす被告人、けっこういるとはいえ。
 ほか、人定質問のとき自分の氏名を「■■■■と申します」と言ってた。

 相手(被害者である「社長」およびその「秘書」)のブログへ乗り込んでいって、殺すだの射殺するだの書いたというのに、脅迫になるとは思ってなかったと無罪主張…。そういえば、以前傍聴した「脅迫・威力業務妨害」も、教室に灯油をブチまき火をつけるだのこれは犯罪予告だのさんざん(そっちは2ちゃんねるに)書いといて、脅迫・威力業務妨害をするつもりはなかった、なるとも思ってなかったと無罪主張だった。ネットの流儀? 考え方? 私にはどうもわかんねっス…。
 菱田裁判官は、つか裁判所的には、脅迫に相当する書き込みをした事実だけで脅迫の構成要件に当たり、相手が閲読することまでは必要ない、という考えのように聞こえた。ま、どうなるのか、続けて傍聴してみようか。
 次回期日を決めて10時31分閉廷。

 簡裁のほうで10時30分から「占有離脱物横領」の、11時30分から「窃盗未遂」のそれぞれ新件、と手帳に。…だが、法廷の前へ行って気づいた、東京簡裁は月曜は開廷がないっつーの! たぶん火曜のぶんを月曜の欄に書いたんだろう。って火曜は休日じゃん。水曜? あーもぉ。
 11時から高裁の410号法廷で「自動車運転過失致死」の判決、と法廷の前へ行ったら…ない。先週の(しかも火曜の)メモを見てたよ、げぇっ! となる場面も娘さんに見られてしまった。とほほ。

 11時から地裁・刑事2部(神田大助裁判官)533号法廷で、「道路交通法違反」の判決。昨年4月に「窃盗」で懲役1年2月、執行猶予3年の判決を受けての、今年2月の飲酒運転。道路標識や金網に自車を衝突させて発覚したんだそうだ。0.76ミリグラム。
 同種前科はないのに、懲役4月、未決20日算入、訴訟費用不負担。執行猶予中とはいえ同種前科なしで実刑というのを、私は初めて傍聴したんじゃないかな。
 被告人は4ヶ月間だけの服役と思い込んでるようで、前の窃盗の1年2月と併せて服役するんですよと弁護人が教えていた…。

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 横浜地裁・川崎支部へ行こうかどうしようか、朝からずっと悩んでた娘さんが、行かないことに決めたというので、じゃあ、と誘って農林水産省へ。
 先日開示請求した食堂関係の文書、の開示決定が出て、開示の段取りのことで情報公開室へ行ったところ、開示決定は出たものの、1つの業者が異議を言い、その審査で2週間ほど延びる(開示決定は取り消されて一部開示となる可能性もないわけじゃない)とのこと。へぇ~、そんなの初めてだ! 珍しい展開に遭遇できて、マニア的には大満足(笑)。

 ついでに、未体験の通称“屋上喫茶”へ。
 私はスパゲティのセット。ウィンナの薄切りとかタマネギとか入った、たっぷりのトマトソースの、量は多めの細い麺に、ミニサラダとミニのヨーグルトと旨いコーヒーがついて560円。娘さんが注文した、揚げた豚肉の丼のセット、同じく560円も、良さげだった。ここは、合同庁舎2号館(警察庁とか入ってる巨大ビル)の地下の食堂より、ずっとイケてるんじゃない? 窓外の景色も流れ込む空気も心地よいし。
 ただ、危うく「詐欺」(無銭飲食)をやらかすとこだった。霞が関の食堂では、いつも先払い。食後に代金を払う習慣がなくて…。そのシーンも娘さんに見られてしまった。crying

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2008年4月27日 (日)

デパートの陰茎露出魔

4月25日(金)その3

 帰って仕事を、と思ったんだが、13時30分から「自動車運転過失致死」の判決を傍聴した地裁706号法廷で、15時15分から「公然わいせつ」の審理があると、見知りの娘さんから教わり、ちょうど時刻もよいので、ちらっと傍聴してみることに。

 被告人は身柄(拘置所)。ジーンズに紺のトレーナー、襟首から、細いチェックの模様入りのワイシャツが見える。背は高め。普通の若者風だ。私が昔、劇画原作の勉強をしていたとき、似た若者がいたっけ。彼も背が高かった。その後どうしてるんだろう。

 弁護人(男性1人、女性1人)が書証を取調請求。検察官は同意。
 弁1号証に、「犯行場所のデパート宛ての手紙」という言葉が出てきた。デパートで公然わいせつ?
 15時19分、証人尋問。証人は被告人の母親。
 15時35分まで弁護人が尋問。この弁護人、娘さんによると、“セレブ妻ばらばら殺人”の弁護人だそうだ。もう1人の弁護人も何か有名な事件の弁護人だと、娘さんは言っていた…っけかな、もう忘れたよ、ごめん。
 15時44分、論告。求刑は懲役6月。公然わいせつの法定刑の上限だ。

刑法第百七十四条  公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 15時46分、弁論。
 それらからわかったところによると、被告人は飲食店のアルバイトから契約社員になったが、正社員以上に働かされ、結局は正社員になれそうもないことがわかり、ストレスをためていたらしい。「飲食店」って、ハンバーガーかファミレスか牛丼か。
 が、単にストレスゆえの犯行ではなさそうだった。強制わいせつと児童買春・児童ポルノ法違反で執行猶予判決を受けたことがあり、その半年後に電車内の痴漢をやり、それは示談が成立して起訴猶予になり、そのさらに半年後、本件と同様の犯行を開始したんだそうだ。
 犯行とは、池袋の(どうやら複数の)デパートで、自己の勃起した陰茎を見せるかオナニーを見せるか、そんなことらしい。本件は、小学生の女児に声をかけ、陰茎を見せたらしい。2005年の夏頃から、少なくとも30回はやっていたとか。

 弁護人は、前科・前歴の犯行と違い、本件は直接に有形力を行使するものではないので、前回の裁判による更生効果は一定程度現れている…などと、再度の執行猶予を求めていた。どんなことであっても、被告人に有利と解釈できる余地があることは、なんでも言ってやる、のが弁護のひとつのあり方なんだろうけど、うーん…。
 こういう性癖(欲望の前にハードルを越えてしまう性向)が、カウンセリングとか薬物療法とかで直る可能性があることを示し、出所したら直ちにそのカウンセリング等を受けられる段取りを整えて、整えたことを立証し、寛大な判決を(刑期を短くと)求めるほうが、現実的というか、本人のためにも社会のためにも、したがって裁判官の心証的にも、良いのではないか、と身の程知らずにも思ってしまいますた。

 最終陳述のとき、証言台のところに立って、
「二度とこのような…深く反省し…たいへん申し訳ありませんでした」
 と述べる被告人の両手が、何か太いものをつかむかのような形になり、微妙に動いていた。左手のほうが、丸めた手の親指を弾くような、妙な動きをしていた。
 被告人のあんな手の動きを見たことがない。私は隣の席の娘さんと、顔を見合わせてしまった。
 15時51分閉廷。

 来週は事件数がえらく少ない…と思ったら連休なのだった。もう5月なのか。そういえば、連休があるから原稿を早く出せと言われてるんだった。やばっ…。でも来週は「化製場等に関する法律違反」という、東京の傍聴マニアが全員集合必至の超レアな罪名が入ってるし…。
 というわけで、連休のお供に、『裁判中毒』をぜひどうぞ。coldsweats01 

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2008年4月26日 (土)

アダルトサイト利用料金の振込め詐欺 おそらく珍しい結末

4月25日(金)その2

 ちょっと時間が空いたので、14時から東京地裁・刑事10部(鈴木秀行・野村賢・西岡慶記裁判官)703号法廷で、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反・詐欺未遂・詐欺(訴因変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)」の判決を。

 被告人は3人。身柄、警察留置場。みな細め(非デブ)で若く、こういう場面でなければ良さげな若者風だ。被告人氏名で検索すると、3人のうち少なくとも1人は、逮捕時(2007年4月27日)、早稲田大学の4年生だったようだ。

 判決は、3人それぞれ懲役5年、未決250日算入。
 ほんとうは240日だったが、判決が2週間延びたので250日にしたと、鈴木裁判長が言っていた。なるほど~。
 事件番号は「平成19年刑(わ)第1547号等」。同年に私が傍聴した最後の「刑(わ)」は「第4334号」(12月25日判決)。だいぶ長くかかった主たる理由は、追起訴、つまり検察庁の都合だったこともあり、未決算入が多かったのかな…。

 起訴事実は9件。どれも、アダルトサイトの利用料金の振込め詐欺(架空請求)。うち1件は未遂。被害総額1138万円。一度錯誤に陥った被害者に対してはくり返し電話し、カネを詐取し続けたんだという。1人の最高額は718万2580円。これはターゲットの母親から詐取したらしい。最低額は7万1200円。
 「キング」と呼ばれる男のもと高度に組織化された振込め詐欺で、被告人のうち1人は、詐取した金額の35%を、2人はそれぞれ15%を得ていたんだという。
 しかし、35%を分配された被告人は、最初は否認していたものの途中から、本件事案の解明に寄与する供述を行い、家族の助力によると思われるが、被害総額を上回る1340万円を(未遂の被害者に対しても)支払い、15%分配の2人も、親の援助を得て120万円、100万円の被害弁償をしたんだという。へえぇ、そんなこともあるんだ! ものすごく珍しい結末ではないのか。
 それで、求刑はずいぶん下がり、懲役7年だったんだという。未決算入が250日だったことも、そのへんが勘案されたのかも。仮釈放も早めに出るかも。

「3人とも、ほんとに若くてね、お金を稼ぐことの意味、社会との関わり、友人てものの意味とか、ほんとに生きてくうえで考えなきゃならないことが、すごく凝縮してたと思います。社会復帰したら、それを糧にして、お金を稼ぐこととは何だ、社会との関わりとは何だ、友だちとは何だ、考えてもらいたいと思います」
 と鈴木裁判長。
 傍聴席で、被告人の1人の母親と思しき女性が、泣いていた。
 14時27分閉廷。

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 14時30分から地裁の810号法廷で、4月8日に審理を傍聴した「傷害・道路交通法違反の判決。
 累犯前科が2つあり、懲役1年、訴訟費用負担。
 判決理由によると、被告人(無免許)が運転席から出てきたことについて、後部座席にいたところチャイルドロックがかかっていて、急ブレーキで前のめりになっていたこともあり、だから運転席の妻(?)の身体をまたいで運転席のドアから降車したのだ、と被告人は主張していたらしい。
 被害者(格別に反撃に出ることはなかった)に対する顔面への複数回の頭突きについては、胸ぐらをつかんで押したり引いたりしているとき、自分(被害者より10センチ以上、背が高い)の頭が何度が被害者の顔面に当たったことはあるが、頭突きしたことはない、と主張していたらしい。
 14時51分閉廷。

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青信号の横断歩道は鬼門

4月25日(金)その1

 9時50分から傍聴の予定だったが、あれこれたまっており、すぱっと断念。退くことによるデメリットに目をつむり、退くべきところはすぱっと退かないと。

 13時30分から、東京簡裁・刑事1室3係(八木澤秀司裁判官)534号法廷で、今年度初めての、「道路交通法違反」の新件。気合いを入れて早めに裁判所へ。
 ところが、期日が取消になってた。げ~。そんなことなら今日は裁判所へ来なかったのにぃ~。でも、取消が1件あったと知ったことは収穫だ。略式から正式裁判請求→やっぱり取り下げ、かと推測できる。ときどきあるんだよね。

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 13時15分から、東京地裁・刑事21部(半田靖之裁判官)421号法廷で、「自動車運転過失致死・道路交通法違反」の判決。

 昨年6月12日以降に発生した交通人身事故は、「業務上過失致死傷」(上限は懲役5年)ではなく「自動車運転過失致死傷」(同7年)で裁かれることになった。同年9月19日以降、措置義務違反(いわゆるひき逃げ)の罰則の上限が、5年から10年へ引き上げられた。
 その後の量刑の相場がよくわからない。検察庁には求刑基準が、裁判所には量刑基準があるはずなんだが、なかなか漏らしてくれないので(開示請求しても非開示)、傍聴を重ねて相場を知るしかない。
 裁判所の開廷表は、私が見てきた限りでは、「自動車運転過失致死傷」と「道路交通法違反」が併合罪の場合、「道路交通法違反」が前にくるときは、無免許か酒気帯び、後ろにくるときは措置義務違反のようだ。
 というわけで、ひき逃げ事故の量刑を見に、傍聴したわけ。
 ところが、2分遅れて法廷に入ると、髪もじゃもじゃで蛾次郎さんみたいな弁護人が、「相続人が…」「不明な状況で…」と言っていた。どうも、死亡した被害者の正しい相続人がわからず、示談を進められない状況になってるらしい。
 そんで続行…。

 13時30分から、東京地裁・刑事1部(西連寺義和裁判官)706号法廷で、4月11日に第1回を傍聴した「自動車運転過失致死」(この記事の3番目)の判決。
 禁錮3年、執行猶予5年、訴訟費用負担。
 5年は猶予期間の上限だ。重い。2002年に「業務上過失致死」で罰金前科があり、その後も違反歴が5回あるせいだろう。
 この量刑が重いか軽いか、論じると長くなるが、私を含めまだ生きてる者は、歩行者にとって青信号の横断歩道は鬼門、いちばん死傷させられやすいのだということを、国はそうは教えてくれない(逆に「歩行者優先」とばかり周知させる)から、自身で肝に銘じなければならない。そんなことは、いくらだってあると思う。国は国の立場や都合で政(まつりごと)を行うのであり、民は民で自治・自律しなければならない…裁判傍聴を重ねてると、そんな重いが深くなる。だから私は、吉野屋の牛丼を食べない。って話とびすぎですか?

 13時35分から、続けて「覚せい剤取締法違反」の判決。
 懲役2年4月、未決20日算入、訴訟費用負担。
 3回の服役前科があり、前刑の仮釈放から2年余りでの、注射器による自己使用。幻聴を初めて体験した怖ろしさから、二度と使用しないと約束してるんだそうだ…。

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2008年4月24日 (木)

検察官、裁判官からどう責められても大事な車は売らない被告人

4月22日(火)その2

 いろんなことが押せ押せのなか、急にTV番組のVTR撮りが入り、さらに別件の急ぎの用事もできて、もぉう、どうしていいのか。有酸素散歩の時間もとれない、ヤバイ…。
 けど、その日その日に裁判所で何があったか書いとかないと(理由の説明は省く)、あとで困るので、手短に書いとくです。

 13時10分から、東京高裁・刑事10部(須田贒裁判長。「贒」の字は拡大して見てください。凄い字だよ)813号法廷で、「道路交通法違反」の判決があった。
 被告人の氏名に、どうも見覚えがある。法廷に入ると、被告人(在宅)がすでにいて、どうも見覚えがあった。なんだろう。
 判決の予定だったが、弁護人が再開申請して何点か証拠請求し、須田裁判長はその一部を証拠採用し、判決言い渡しは先送りとなった。
 あとで私の傍聴データ(現時点で約920件)をチェックすると、昨年12月25日に東京簡裁で判決(罰金20万円)となった無免許運転だった。控訴してたんだ~。

 13時30分から、東京地裁・民事50部(布施雄士裁判官)631号法廷で、原告:有限会社エム・ピー・アイ、被告:株式会社二玄社の事件(開廷表の事件名は「編集委託料」)の証拠調べ(本人・証人)。これ、民事裁判のマニア氏から情報をもらったのだ。世のなか、いろんなマニアがいて、頼もしい。世界を支えるのはマニアだぁ! とか言ったりして。coldsweats01
 二玄社発行の車雑誌『NAVI』で、私は連載コラムを書かせてもらっていたことがある。編集長が辞めて、連載も終わった。だいぶ前のことだ。
 原告と被告、証人2人、計4人が証言台のところに並び、宣誓(嘘偽りを述べないという宣誓)。まずは、二玄社から本を4冊出し、総計100万部を超えるという「自動車ライター」氏を尋問。原告代理人から尋問してたってことは、この人は原告のほうで請求した証人なのだろう。
 私は車雑誌でよく書きながら、車自体のことはほとんどわからない。この証人の氏名を聞いても、どういう人だかぜんぜん浮かばない。
 ここんとこあんまり寝てないうえ、さっきラーメン大盛り400円(ラー油垂らし)を食ってきたばかり。居眠りの底に沈んでしまった。居眠りしながらも「そうかそうか」と聞いてるのが普通だが、今回はなんだか夢をみながら寝てしまった。最近そういうことが多い。ヤバイ。ふと目を覚ますと、尋問する側が被告代理人に変わっていた。あれ~。
 上述のマニア氏を傍聴席に残し、14時30分頃、私は外へ。

 もう帰ろうかと思ったが、ついふらふらと、15時から東京地裁723号法廷の、「道路交通法違反」の判決へ。この法廷も刑事17部(市川太志裁判官)で、検察官は午前に見た女性だった。同じ格好だった。
 被告人(在宅)は78歳で、無免許の常習。執行猶予中のまたも無免許で、贖罪寄付を100万円もしたというのに、懲役4月。実刑である。15時4分閉廷。
 贖罪寄付についての、まとまった論考があってもいいような気がする。すでにあるんだろうか。

 15時30分から、東京地裁・刑事7部(大村陽一裁判官)401号法廷で、「道路交通法違反」の新件。
 早めに入ると、「自動車運転過失傷害・道路交通法違反」の新件の、論告が始まるところだった。これも横断歩道での人身事故で、加害車両はタクシー。ドライブレコーダに、ぶつかる瞬間、被害者が驚いたように目を見開くシーンが録画されていたという。
 最終弁論で弁護人は、「被告人には集中力を欠く事情があった」と述べた。なんと直前に、本件前に起こした事故が物損から人身に切り替わったと警察から電話があったんだそうだ。本件後、被告人は、自分はタクシー運転手には不向きであると考え、会社を辞めたという…。
 求刑は懲役10月。次回判決。

 それが15時40分に終わり、引き続き「道路交通法違反」の新件。
 被告人(在宅。49歳)は、茶パツで、髪型が、なんつーのか、歌手の布施明さんを思わせる感じ。顔立ちも格好いい。黒いスーツが、サラリーマンとはだいぶ違う感じで、よく似合う。背が高く、独特の雰囲気がある。演歌歌手、のようでもある。
 職業は「飲食店のヘルプ」だという。私ゃ「ヘルプ」がどんな仕事かよく知らないが、「なるほど~!」と納得した。
 これも無免許の常習。しかし特異な事件だった。運転した車両が――車に無知な私は、これを言えば誰だかすぐ特定されるかと想像し、とりあえず言わないけど――相当に貴重な車両らしい。こういう事件では普通、車を売却して反省を示すのに(『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?』のQ125参照)、検察官、裁判官からどう突っ込まれても、売却するとは断固言わないのだった。裁判的には良くないのだが、その頑(かたく)なさに私は感動した。

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 昨年10月に無免許&酒気帯び(0.3mg)、今年3月に無免許、なので求刑は懲役10月。酒気帯びは休みの日のことで、どこで誰と飲んだのかも含め、すっごく印象に残る被告人だった。ヘルプをやってるという店へ飲みに行きたい。高いんだろうなぁ…。
 16時55分閉廷。
 さすがに631号法廷の民事はもう終わってるだろうと裁判所を出たが、あとでマニア氏からメールがあり、17時過ぎまで続いたそうだ。うわ~。

 地下鉄の改札を通り、アートコーヒーに見知りの娘さんらを発見。ふらふら寄り、少しだけ歓談。ほっと落ち着いてコーヒーを飲むと、まぶたが閉じそうになってしまう…。

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2008年4月22日 (火)

TV番組に暴かれた盗聴事件

4月22日(火)その1

 9時50分から「暴行」の判決があり、電車が遅れて9時48分頃、「ぎりぎり間に合わないかな~」と裁判所の門を通過したら、あらまぁ、目の前に長蛇の列。直前に団体さんが入り、その関係で列が伸びてるらしい。だ、団体…。
※ 東京の裁判所合同庁舎の場合、一般の入り口に、持ち物のX線検査と、金属探知機のゲートがあり、時間がかかるのだ。何人かに1人、自分の番になってからポケットをまさぐる人もいるし。

 10時から東京地裁533号法廷で、4月15日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(オービス、写真4枚あるのに起訴3件、しかも公訴時効直前、しかも被告人は捜査段階の出頭にぜんぶ応じてるのに逮捕し、直ちに起訴して勾留請求→数日で保釈)の判決。
 私にとっては非常に興味深い事件だが、判決自体は、ごく普通に、懲役5月、執行猶予3年。10時3分閉廷。
弁護人 「やー、どうも、検事、ご苦労さまでした」
 良いな~。

 それからしばらく、裁判所内で、ある方とお話しをして、11時から東京地裁・刑事17部(市川太志裁判官)718号法廷で、「電波法違反・住居侵入」の新件。
 珍しい罪名だから傍聴席は満席かと思ったら、ちらほら…。この時間、他の法廷で有名な事件をやってるんだっけ?

 被告人(保釈中)は、黒いスーツで、黒く太めのフレームのメガネ。髪は長めでハンサム系。ちょっと線が細い感じがしないでもない。
 この事件、東京簡裁で「住居侵入」のみで始まり、「電波法違反」もあるので簡裁で審理できず(その意味は『裁判中毒』の82ページ参照。しっかし『裁判中毒』にはいろんな情報が盛り込まれてるね。あれで約700円は安いっ。とすかさず宣伝したところで)、東京地裁へ移送になったんだという。へぇ!

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 要するに、交際相手の女性から、別れ話を切り出され、他に男ができたのか確認したくなり、交際時に互いに交換していた合鍵から、当時紛失に備えてつくってあったスペアキーを用いて侵入し、盗聴器を、それが無線局開設の免許が必要な盗聴器とは知らずに仕掛けた、という事件だった。
 そこだけ聞けば、「あ、そう」で終わるかもしれないが、被告人から女性に渡っていた50万円+3万円の趣旨等々が、被告人と女性(の調書)とで、ぜんぜん違うのだった。そしてなんと、ほら、TV番組が盗聴電波を探し、盗聴器が仕掛けられてるらしいお宅を訪問して盗聴器を発見し、部屋に隠しカメラを仕掛けて犯人を突き止め、犯人を直撃する、というのがときどきあるでしょ、この被告人はアレをヤラレたんだね! その番組、私はたまたま見たかも。

 検察官は、新しい人。女優のだれかに似てる、と思わせる若い女性。黒のパンツスーツ(パンツ部分は、あれはパンタロンっていうんですか? 裾へ向かってひらひら太くなってるやつ)の上着の下が、白い、薄で、の胸元が大きめに開いたやつで、男の目をおっぱいへ誘導するというか…。いっしょに傍聴した某氏が、「こういう事件でああいう格好はないでしょ」旨言っていた。
 求刑は懲役1年6月。
 保釈の制限住居(親元)は新幹線でたぶん2~3時間なのだが、次回判決。
 証人尋問も被告人質問も、検察官は「ございません」だったが、弁護人が私選なのか、やたらていねいにやるもんだから長引き、12時21分閉廷。

 この公判の途中で、ボールペンのインクが切れた。カバンに用意してある替え芯に手早く交換。

 裁判所の前の歩道でもらった「御殿場少年事件」のチラシを読みつつ、国土交通省の職員食堂でラーメン大盛り400円。やっぱラー油を入れると旨い。

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G巡査を控訴審でまた尋問 なぜ!?

4月21日(月)その2

 兄が妹を殺してバラバラに…という、わりと最近の有名な事件(13時30分から103号法廷)の傍聴券(抽選)の締切が12時50分で、私はぜんぜん傍聴するつもりはない(そういうのは霞っ子クラブの傍聴記で存分に読むことにしているのだ)が、信頼するお嬢さん(って誰?)からちょっと並んでくれるといいな旨頼まれ、私でよければお役に立たせてください、喜んで、と並んだ。
 すると、そのお嬢さんも私も、傍聴券(正しくは傍聴券と交換できる整理券)をゲットしてしまった。げっ。
 阿曽山大噴火さんに会ったので傍聴券をあげようかと言ってみたが、あんまり乗り気じゃなさそう。しょーがない。

 いったん103号法廷のそばで開廷を待ったが、やっぱ私はよその事件が気になり、東京地裁の民事の506号法廷へ。「人事院公正審査局」を被告とする「裁決取消」の第1回。某氏によると「公正審査局」が被告の事件は珍しいんだそうだ。
 何かわかればと傍聴したが、例によって「原告は訴状を陳述、被告は答弁書を陳述(したことにする)」で始まり(この意味、『裁判中毒』参照)、証拠の写しと原本の照合を延々やり始め、こりゃかなわんと外へ。

 13時20分から地裁の刑事の423号法廷で、4月14日に傍聴した無免許の判決。
 累犯関係となる服役前科があるので、やっぱ実刑(懲役6月。求刑は8月)。

 それから103号法廷へ行き、兄妹バラバラ殺人を傍聴。約100席の傍聴席が、ほとんどぎっしり。
 裁判長から被告人質問。
 異様な被告人質問だった! 問われた、こと、に、対し、い・ち・ご、い・ち・ご、区切り、ながら、正確、に、ゆ・っくり…みたいな感じ。裁判長の質問も、それに合わせたかのように、ゆっくり正確に…。質問にかぶせてしゃべり始め、制止される被告人は多いのに。こんなの初めて見たよ。被告人は精神状態乃至人格に何か問題があるんだろうか。

 13時50分頃、出て…。
 東京高裁・刑事5部(中山隆夫・服部悟・田村眞裁判官)803号法廷へ。
 『裁判中毒』で書いた、電車内スリ未遂の、控訴審第2回なのだ!
 
これを見逃してどうする! って第1回は見逃してしまったんだけど。

 弁護人は一審と同じ。傍聴席にあの奥さんが、足下に大荷物を置いて。
 ほか傍聴人は、団体ではなさそうな、黒っぽい背広の男たちが目立った。普通の傍聴席とは、明らかに雰囲気が違う。たぶん、多くは警察官なんじゃないか。私をじろっと見る男もいた。この一審のことは、『裁判中毒』の前に、季刊誌『冤罪File』にも書いた。「今井のやつ…」とか思われてるのかもしれない。

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 中山裁判長が言った。
「直ちに証人尋問に入りたいと思います」
 証人は、『裁判中毒』にも出てくる「G巡査」だった!
 ええっ、なんで!?
 G巡査の証人尋問は、一審(東京簡裁・刑事1室1係、懲役1年6月、執行猶予3年)で2度にわたって行われている。同じ証人を、なんでまた控訴審で?
 さらに不可解なのは、主尋問が検察官からだったことからして、検察官からの証人請求らしいこと。なんで? 控訴趣意書がよっぽど素晴らしく、検察官は逆転無罪を恐れた、とか? う~ん、妄想がふくらんでしょーがないよ。

 そしてまた、G巡査と被告人と仮想被害者(弁護人の1人)とが、G巡査が一審で言っていた当時の立ち位置(逮捕のときではなく、その前、ノッコミのとき被告人が右手を被害者のバッグに差し入れたという瞬間)を再現し、G巡査の目線から見える状況等を、書記官がデジカメとビデオカメラで撮影することになった。
「(位置関係、距離は)あくまでだいたいを言ったので、正確じゃないんで…」
 とG巡査。いいなぁ、警察官は平気でそんなことが言えて。被告人がそれを言ったら直ちに、供述の全部を信用できないとされるんじゃない?

 スーツ姿の被告人が、
「当時、ダウン(ジャケット)を着てたんですけど(今ここで)着ていいですか」
 と言った。そりゃそうだ。モコモコの上着を着てるのと着てないのとでは、G巡査から見えるものが違う。そんで再び、当時のダウンジャケットを着ての検証になった。
 着終えてまた位置関係を再現したとき、G巡査が、
「被告人の角度が先ほどとぜんぜん違うんですけど、かぶさるようになってるでしょ」
「徐々にそっちへズレてるような気がするんですけど」
 と言ったが、傍聴席最前列で、目の前に見ていた私の傍聴ノートには、「そうか?」「ぃやー動いてないよ」と赤ペンで感想が記入されている。

 まぁね、ノッコミ(乗り込み)時の一連の動きの、ある瞬間を固定しようってこと自体にムリがあるような気もする。でも、そうやって切り取って紙の上に固定するのが、裁判のやり方といえる。そのやり方は、いつも被告人に不利に作用するのだが、本件においてはG巡査は、警察に不利に作用しかねないように感じたわけだ。

 15時50分、
「それじゃ、終わりました」
 と中山裁判長。ところが書記官が裁判長にビデオカメラのモニターを見せ…。ええっ、録画されてない? うっそーん。もう一度やり直すことになり、みな動き始めたとき、録画されてることがわかった。
「あ、写ってる? あ、大丈夫ですね」
 法廷内の全員が、ほっとしたはずだ(笑)。
 今日の期日で被告人質問も予定されていたそうで、それは次回に。15時57分閉廷。

 控訴審って、被告人質問をやるとしても、控訴の趣意が量刑不当のとき一審後の情状を短く質問するだけ、一審で取り調べた証人をまた尋問するなんてちょっとあり得ない、のが普通といえるのに、控訴の趣意が事実誤認であるはずの本件で、しかも一審は岩垂正起裁判官で、あれほど期日を重ねて審理したのに(結果については『裁判中毒』参照)、控訴審でG巡査をまた尋問したうえ、続行して(つまりそれなりの時間をかけるんだろう)被告人質問をやるなんて、いったいどういうこと? どうにもわかんないです。

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2008年4月21日 (月)

職務質問の技術

4月21日(月)その1

 10時から東京地裁で、女性氏名の被告人の「公然わいせつ」。
 ハプニングバーか何かの可能性が高いかと思うが、なんだろう。興味をひく。 
 しかし、土日に連絡すると言ってあった仕事のあれこれ間に合わず、断念。

 11時から、「電波法違反・住居侵入」。「電波法違反」のみは仙台で傍聴したっけが、「住居侵入」が加わるってことは盗聴だろうか。担当編集者氏に締切り原稿遅れると詫びのメールを入れ、裁判所へ。

 ところが、やってない。それは明日だった。あれだけ念入りに手帳をチェックして、間違うかよ!
 しょーがないので11時から東京地裁・刑事11部(品川しのぶ裁判官)813号法廷で、「公務執行妨害」の新件。

 法廷に入ると、前の窃盗の新件が長引いていた。
 被告人(身柄、拘置所)は、強迫神経症で4種類の薬を飲んでおり、アルコールの影響で3回、事件を起こしているんだそうだ。本件はコンビニでの万引きらしい…。

 「公務執行妨害」のほうは、11時2分からスタート。
 被告人(在宅)は、プロダンサーなのだった。
 昨年6月の深夜、無灯火の自転車で帰宅途中、職務質問をかけられ、職質はさんざん受けていて、やってもいない窃盗の疑いをかけられたりして不愉快な思いをしていたので、ま、要するに抵抗し、最初の警察官に自転車ごと体当たりし(検察官の主張)、応援にかけつけた警察官のあごを肘で打った(検察官の主張)のだという。

 まぁね、当夜の件は無灯火の現行犯ってこともあるんで、しょーがないとしても、過去に受けた職質で不愉快な思いをしてきた、というのは聞き捨てならない。警察官の職質技術に問題があるというべきだろう。
 職質の相手のほとんどは、善良な市民なのであり、善良な市民には礼を尽くさねばならない。職質をとおして反警察感情を植えつけてはならず、かえって警察に対する信頼感を増すよう努めなければならないのだ。と、『警察公論』か何かに書いてあったよ。

 求刑は懲役2年。前科・前歴なしで2年は重い。
 2人の警察官に対する2つの公妨だからか。
 被告人はダンスの選手権などで海外へ行くことが多く、懲役の執行猶予の身では、ビザの面で不都合が生じ、執行猶予付きであっても他の被告人よりはるかに重い刑罰を受けることになるから、できる限り短い期間の猶予を、と弁護人は弁論していた。そういう弁論は初めて聞いた。
 じゃあ、パスポートの渡航歴について、原本確認、写し提出、とかやっていたかどうか、私は眠くて眠くて、ところどころ気を失うように寝てしまったので、確かじゃないけど、やってなかったんじゃないかな。
 12時3分閉廷。

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 警察庁も入ってる合同庁舎2号館の地下で、奮発して、えびカツ丼540円。エビフライとカツとじがのった丼って、貧乏人には最高贅沢じゃん、ねぇ。
 でも、失敗。エビフライはまぁ良いとしても、全体に汁気がなく、味のないカツがご飯にのってる、つー感じ。ソースをかけちゃったよ。
 嗚呼、いまは無きあの第5食堂のカツ丼は良かったなぁ。丼からはみ出すほどたっぷりのタマネギとタマゴで、汁だくだくでとじてある…。あれで400円か450円だっけ。旨かったなぁ。かえらぬ過去にばかり想いを馳せててもしょーがないわけだが。次の本のタイトル候補に、『夜霧の第5食堂』を挙げとこう。

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1キロ違うから公訴棄却とは?

 19日(土)の早朝から20日(日)の昼過ぎにかけて、もう完全にご相談等対応だけで終わってしまった。20日(日)午後は、7年前に買い、レンズが傷んで老眼にも合わなくなったメガネ3組、のレンズを替えるため都心の高級メガネ店(レンズ1組定価5万円!)へ出かけ、その途中、15時からの秘密の会議を思い出し、何とか間に合い…。

 18日(金)の重要イベント(参加520人!)のご報告は後回しに、同日付け読売新聞の仰天記事について、少しだけコメント。

25キロオーバー「速度測定が不適切」…大阪高裁判決
 大阪府大東市内で乗用車を運転中、「ネズミ捕り」と呼ばれる光電式速度測定装置で「25キロオーバー」と判定され、道交法違反の罪に問われた奈良県の会社役員男性(39)の控訴審判決が17日、大阪高裁であった。府警は速度を測る2組の装置を3メートル間隔で設置するよう定めているが、現場の状況から4センチ幅が足りなかった可能性があり、古川博裁判長は「装置が適切に設置されていたか疑問」とし、1審・大阪地裁判決(罰金6万円)を破棄、起訴を無効とする公訴棄却の判決を言い渡した。
 男性は2005年10月7日、大東市内の府道で、制限速度(時速50キロ)を超える75キロで走行したとして、府警四條畷署に摘発されたが、「速度違反はしていない」と反則切符の受け取りを拒否し、在宅起訴された。
 測定に使われたのは、レーザー光を3メートル間隔で平行に発射し、その区間を車が通過する時間から速度を割り出す装置。署員は公判で「取り締まりのたびに3メートル計測した」と証言した。
 しかし弁護側の調査で、現場のチョーク痕などから間隔は2・96メートルしかなかった疑いがあることが判明。仮に4センチ差とすれば、時速は74キロで、超過速度は25キロ未満となる。
 判決で古川裁判長は「正確な速度による反則行為の通告がなかった」と述べ、手続きが適正でなかったとして公訴を棄却した。

340  マニアの礼田計さんによると、この光電式測定機は、以下の画像のどっちかだそうだ。
※写真提供は礼田計さん。

 さて、それでだ、この報道を見た人は、みんな思っただろう、「たった1キロ少ない可能性があるからって、なんで公訴棄却(実質無罪)?」と。少し知識のある方、拙著をお読みの方は、みんな思っただろう、「超過速度が30キロと29キロならわかるけど、25キロと24キロで、どうして?」と。

    

181_3  これはねぇ、わかりやすく説明してるヒマがないんで、ヒントだけ言っとくと、道路交通法第127条1項および2項に、「当該反則行為が属する種別」「…種別に属する反則行為」ってあるでしょ。その「種別」は、道路交通法施行令の別表第5で、幻覚に、もとえ厳格に定められてるわけ。種別を間違えた場合の是正の手続きについても、127条で定められてるわけ。
 それをもとに、「適正な通告の手続きを経ていないから公訴は違法」とされたんじゃないかな。

 反則(現在は一般道で超過30キロ未満)か非反則(同超過30キロ以上)かで、公訴棄却とされるケースは過去にいくつもある(秋田のオービス控訴審がそうだ)が、「種別」を理由とした公訴棄却は、私は初耳。高山俊吉弁護士も、たぶん同意見じゃないかと思います。

 ただねぇ、報道では、被告人の主張はこうなってるよね。
「速度違反はしていない」
 「種別」が違う、とは似ても似つかぬ主張だ。起訴されてから弁護人がどう争ったかはともかく、起訴前に被告人が(被疑者が)「種別」のことで否認していたとは、ちょっと考えにくい。
 じゃあ、この判決はナンなのか。報道を見た全国の裁判官諸氏のなかには、「ふぅむ、そこへ落としたか」「そこへ落とすとは、よっぽどアレだったんだな」と思った人がいるんじゃないか。

 これも、秋田のオービス事件のように、検察が上告→最高裁が原判決破棄、差し戻し→差し戻し審で逆転有罪、となる?
 いや、ま、そりゃわからんけどさ、このケースは、4センチの差という人為的ミスによるものであり、測定機自体の無謬神話にケチをつけるものではないのだから、秋田のケースとは意味がだいぶ違う(比べるのは間違ってる)と思うよ。

 以上、よくわからなかった? ごめんね。そしたらさ、今井がワケわかんないこと書いてるぞって、雑誌等に苦情を言ってください。で、私へ原稿やコメントの依頼がきて、ギャラが入って、裁判傍聴に通う交通費&かけそば大盛り280円の費用が捻出され、ネズミが桶(おけ)をかじって桶屋が儲かる、私のやることはどこまでも計算され尽くしてるなぁ。どわははは! ←勝谷誠彦さん風。

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※2016年11月20日追記!

 約8年半を経てたまたま読み返した。アホが、なに書いとんじゃーぃ、となった。当時の俺は脳に酸に酸素が足りなかったのか、当時より今の俺が知識の奥行きも濃さも深まっているのか。本件についてはたぶん前者だろう、申し訳ない。
 以下は道路交通法第127条第2項のみ。太字は俺。

2   警察本部長は、前条第三項又は第四項の報告を受けた場合において、当該報告に係る告知を受けた者が当該告知に係る種別に属する反則行為をした反則者でないと認めるときは、その者に対し、すみやかに理由を明示してその旨を書面で通知するものとする。この場合において、その者が当該告知に係る種別以外の種別に属する反則行為をした反則者であると認めるときは、その者に対し、理由を明示して当該反則行為が属する種別に係る反則金の納付を書面で通告するものとする。

 そして以下は同法第129条第1項の本文部分のみ。太字は俺。

(反則者に係る刑事事件)
第百三十条
   反則者は、当該反則行為についてその者が第百二十七条第一項又は第二項後段の規定により当該反則行為が属する種別に係る反則金の納付の通告を受け、かつ、第百二十八条第一項に規定する期間が経過した後でなければ、当該反則行為に係る事件について、公訴を提起されず、又は家庭裁判所の審判に付されない。ただし、次の各号に掲げる場合においては、この限りでない。

 超過25キロ以上30キロ未満と、超過20キロ以上25キロ未満は、「種別」が違う。それをもとに「適正な通告の手続きを経ていないから公訴は違法」とされたんじゃないかな…じゃなくてぇ! ずばりそれをもとに公訴棄却とされたんである。
 もし「無罪」にしたら、裁判官は無能の烙印を押され、今井の仲間になってしまう。ようこそ~、じゃなくてぇ、これは公訴棄却以外にないんである。
 ともあれ、非常に珍しい、希有な形の公訴棄却だと思う。

2008年4月19日 (土)

不倫出産の果てに闇サイト

4月17日(木)15時~

 15時から、東京地裁・刑事11部(楡井英夫裁判官)403号法廷で、「脅迫・器物損壊」の新件。
 被告人氏名は女性氏名。15分ほど前に法廷(傍聴席20席の狭い法廷)の前へ行くと、すでに10人ほどいて、さらに次々やってきた。弁護人と、被告人の家族らしき人たちもきた。
 前の事件は「強制わいせつ」。ドアノブに満員札がかかってる。
 その傍聴人が全員出なかったらどうしよう。席を取れるかな。高校時代に開店前のパチンコ屋の玄関前に並んだときのことを思い出したよ。
 15時6分、前の事件が終わり、あっという間に傍聴席は埋まった。私は前列中央付近に。

 被告人の家族らしき、と思ったなかの1人が被告人(在宅)だった。
 37歳。本籍地も住所地も四国地方の某県だという。えっ? なぜ四国?
 起訴事実は、Aと共謀のうえ2007年5月、東京中野区のK宅玄関先において、「可愛そうだがKの身代わりになってもらう」とかいう脅迫状を置き(Kの妻を脅すものらしい)、車に剥離剤をかけて50万8620円の損害を与えた、というものだった。

 このAの氏名、私は最初、なにかの屋号かと思ったら人物の氏名なのだった。非常に珍しい姓で、被告人は「アイモ」さんと略称していた。
 そしてKというのは、被告人が四国で放送局に勤務していたとき、東京から単身赴任でやってきた男性で、2人は関係を持ち、被告人は妊娠、出産したのだという。ええーっ! 子どもは現在、1歳半なのだという。

 「アイモ」は復讐を請け負う闇サイトをやっており、被告人は、Kが東京へ帰って1人になり、誰にも相談できずに悩んでいたとき「アイモ」に連絡し、Kとの結婚は望まないまでも、Kが離婚すれば自由に自分に会えると思い、Kが離婚するよう「アイモ」にKの妻を脅させた…実際には「アイモ」は被告人に報告したとおりの行為を行わず、行ったと偽って被告人からカネを引き出し続けた…被告人は、途中でヤメれば今度は「アイモ」が自分になにをしてくるか怖く、ヤメられなかった、また「アイモ」は、被告人が消極的になると「もうすぐ離婚しそうだ」旨言って被告人をつなぎとめ…やがて「アイモ」は、福岡の路上で男性に硫酸をかけたという件で逮捕され、その報道を見た被告人が警察関係の友人に相談したところ、怖がらずにすぐ警察へ連絡するよう言われ、2007年11月、地元(四国)の警察に連絡したが、管轄が違うと言われ、待っているうち、今年2月、被告人は逮捕された…とまぁ、おおざっぱにはそういうことだった、傍聴席から聴き取れたことは。
 この事件も報道されており、それによればKはNHKの職員で47歳、「アイモ」は50歳(いずれも報道時)。

 情状証人として被告人の父親(農業)を尋問。そして被告人質問…。「うわぁ~」という内容で、ほぼぜんぶメモしたが…。

 検察官は、昔の東映映画の、誰だっけ、名前を思い出せない、あの女優に似た美女。髪型がなんともいえない。
「たしかに被害者にも責められてやむを得ないというところがあるが、しかし被告人も被害者に妻子があると知りながら…」
 と、求刑は懲役1年6月。
 次回判決となれば、被告人はまた四国から出てくることになるのか…と思ったら楡井裁判官は直ちに判決。
 懲役1年6月、執行猶予3年。
「本件経緯には被告人には気の毒な面もあったと思いますが、だからといって…」
 と説示。
 Kは、被告人との間に生まれた子どもを認知すると言っているようだが、結局はしない可能性が高いんじゃないか…。
 16時1分閉廷。

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 終わるころ、弁護人側の傍聴席数席に「関係者席」の札が置かれ、外へ出ると、新たな傍聴人が続々と入っていった。次は「覚せい剤取締法違反・道路交通法違反」。なんだろう。でも私は帰る。帰って、イワシをさばいて焼き、小松菜を茹でなければ…。

 帰途、水曜に買って裾上げを頼んだチノパンを受け取りに、デパートへ。受け取って降りるエスカレータで、反対側のエスカレータに、ある方を発見!! 『裁判中毒』に出てくる人物で、もう二度とお会いできないのかと寂しく思っていたのだ。この広い東京で、なんという偶然!! あり得ない偶然だよ!! 降りかけたエスカレータを、思わず駆け登ってしまった。←おっさん、危ねぇよ!
 10秒ほど話して、お別れした。これが今生のお別れなのかもしれない。どうなるのか、流れる雲のように、風に身を任せよう。私はどうも、いろんなことにあんまり執着がない気がする、東京簡裁の道路交通法違反を全件傍聴、を除いては(笑)。

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2008年4月18日 (金)

元警察官が現職警察官を平手打ち

4月17日(木)

 手帳には午前中も傍聴予定があったが、さすがに踏みとどまり、ご相談等に対応。1時間ほど仮眠。久しぶりに昼過ぎの電車で裁判所へ。

clip 13時30分から、東京簡裁・1室2係、826号法廷で、3月6日に第1回を傍聴した「業務上過失傷害」(否認)の第2回公判。
 第1回は後藤征弘裁判官だったが、4月から永瀨進裁判官に。
 この永瀨裁判官は、4月10日、ネズミ捕りのどうってことない否認事件を、地裁へ移送した。今回もまさか…と思ったらズバリ、
「東京地裁でやったほうが、よりベターと思いますので」
 と地裁へ移送してしまった。ええ~っ。
 この2件だけで判断するのは早計かとも思えるが、しかし、永瀬裁判官は今後も否認をさくさく移送する可能性あり。
 もしそうだとして、これは永瀬裁判官だけの方針なのか、東京簡裁全体の新しい方針なのか。丸5年間、定点観測してきた私としては、もうね、これからね、否認の可能性が高い罪名は全室全件傍聴せねばイカンじゃないの! たぁ~いへんだ!

clip おかげでちょいと時間が空いたので、地下で、かけそば大盛り280円食って、14時から東京地裁・刑事13部(佐藤晋一郎裁判官)802号法廷で、「公務執行妨害」の審理。
 じつは、次の午後の狙いは15時からであり、これは、こう言っちゃ申し訳ないけど、時間つぶしで傍聴したのだ。もしや万が一、駐車監視員への公妨だったら、と思って。

 20席の傍聴席に、10数人いた。
 しかも多くは黒っぽいスーツの中年男性。警察官?
 始まってビックリ。泥酔して電車内で乗客とトラブルを起こし、駅長室へ連れて行かれ、巡査長から事情を聴かれるとき、わけもわからず腹を立て、その左頬を右手で1回平手打ちしたという、ま、裁判的にはありがちな事件なのだけれども、体が大きくて素朴な顔立ちの被告人(身柄。拘置所)は、ピシッと伸ばした両の手を両腿の外側にピシッと添え、起立の姿勢が良いのだ。服役経験ありか? と思ったらそうじゃなかった。前科・前歴一切なくて、ある国立大学の大学院で博士課程を全課程終了し、別の国立大学の法学部を卒業、空手をやっており、北海道警察で警察官を1年ほどやったんだという。
 なぜ警察を辞めたのか、検察官が質問した。被告人は答えた。
「交通違反の取締りに重点をおいていたんですが、自分としては治安のほうの仕事をしたく、それで上司と衝突してしまい…」
 交通違反の取締り(=ノルマ消化のための取締り)などやってられるか、そんなことのために警察官になったんじゃない! ということだったんだろうか。
 現在、「思想的な活動」(弁護人)、「民族家の活動」「この国のためにある活動を、街宣ですとか…」(被告人)をやってるんだという。
 求刑は懲役1年。14時41分閉廷。『裁判中毒』に出てくる“懲役前科1犯の主婦”と同じ求刑だ。判決も同じになるはず。

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 「名古屋地方裁判所やじうま傍聴記」の、「かわいいおばあちゃんめぐって大混乱! 狂犬病予防法ってナニ?」、
  http://chisai.seesaa.net/article/92635932.html
  http://chisai.seesaa.net/article/92142285.html
 『裁判中毒』のコラムでちらっと紹介した、チョー珍しい事件の、詳報だ。こういうのをお手軽に読めるとき、インターネットはすごいと思う。「(2)」の「ケンケンパ」に、不覚にも爆笑してしまった。くっ、悔しいっ。

2008年4月17日 (木)

NTT104番へ2602回電話

4月16日(水)その3

 また国土交通省の食堂へ行き、ラーメン大盛り400円。胡椒と、それからラー油を少し垂らすと、ぐんと旨くなることを発見。ここのラーメンは、職員食堂のラーメンにしてはメンマともやしとワカメがたっぷりのってて良い。麺は極細。

 13時30分から、東京地裁・刑事5部(深野英一裁判官。『ナポレオン・ソロ』のイリヤ・クリヤキンにちょっと似てない?)418号法廷で、「業務妨害」の新件。

 その前に、13時15分から、東京地裁・刑事12部(内藤尚子裁判官)409号法廷で、「業務上過失傷害」の判決をちらっと…のつもりだったのに…。
 この内藤裁判官、私はお初。なんつーの、トレンディドラマとかで裁判ものをやったら、こんな裁判官が登場しそう、みたいな、じつになんつーか見とれてしまう裁判官で。
 事件は、2006年5月12日、信号機のない交差点で、交差点出口を右から左へ自転車で横断する女児(10歳)をハネたんだそうだ。女児は高次脳機能障害を伴う、7カ月の重傷だという。可愛そうに。
 なにか否認しているようで(事件番号が「平成19年」だし)、検察官が訴因変更して、次回、論告・弁論からやり直すことになった。

 それが終わったのが13時40分。急いで418号法廷へ。
 冒頭陳述も同意書証の要旨告知も終わり、弁護側の立証が始まるところだった。
 法律扶助協会への5万円の贖罪寄付の領収証書等を、弁護人が証拠請求。
 すぐに証人(被告人の父親)の尋問が始まった。
 父親は、某有名化粧品メーカーを退職し、シルバー人材センターに登録、コミュニティセンターの管理受付などをやってるんだそうだ。官僚たちも退職後はそのようにすれば、日本はものすごーく良くなるのにね。いや、そしたら官僚専門の“ゴールド人材センター”をつくって税金を注ぎ込むってか(笑)。

 「業務妨害」ってなにかと思ったら、2007年の6月から11月にかけて、寂しくてNTTの104番へ2602回にわたり電話したという事件だった。
 なんでそんなことをしたのか、興味深い被告人質問だった。
 だいぶ前の交通業過の罰金以外に前科なし。
 求刑は懲役1年6月。
 直ちに判決。懲役1年6月、執行猶予3年。
 14時36分閉廷。

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 本日の傍聴はこれでオシマイ。
 帰り、ジーンズを買いに新宿のデパートへ。何年か前に買ったのが、だいぶすり切れてきたので。しかし、新しいデザインのジーンズは、メタボ腹のオヤジには似合わね~と気づき、1万円弱のチノパンを買う。

 帰宅後、傍聴データをエクセルに入力しつつ、ご相談等に対応しつつ、3月着信の私信にお返事。ここんとこ、締切りがないのを良いことに(インタビュー等はずいぶんあったが)、平日はぜんぶ傍聴に通ってるため、いろんなことが先送り先送りのアップアップで、もうマジやばい。18日(金)は大事なイベントへ行かねばならないし。ほんとどぉしよう。これからしばらく、ブログ記事はあっさりしか書かないことにしようと…。

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公然わいせつ 同種前科12犯

4月16日(水)その2

 次は11時30分から、4月9日に第1回を傍聴した「公然わいせつ」(電車内オナニー)の、東京地裁722号法廷(波床昌則裁判官)で第2回公判。

 その前に、11時から東京地裁402号法廷(小川賢司裁判官)の「道路交通法違反」の新件。をちらっとチェックしておこうと8分前に入ったら、前の「迷惑防止条例違反」の審理をまだやっていた。被告人が、最終陳述でなにかひっくり返すようなことを言ったらしかった。その弁護人が、東京簡裁のあの事件の弁護人で、なぜか何度も目があった。
 3分遅れで始まった道路交通法違反のほうは、中央自動車道・上り0.3kp付近のオービスによる81キロ超過。前科なし。ほぼ間違いなく懲役3月、執行猶予2年か3年だ。

 早めに722号法廷へ行くと、11時15分からの「覚せい剤取締法違反」の判決が言い渡されるところだった。
 被告人は若い女性(身柄。警察留置場)。両脇の警察官は2人とも男性だった。
 前科なし。覚せい剤の密売人と同棲中の自己使用だそうだ。婚姻関係を解消せず別居中の夫、との間の2人の子どもは、児童相談所に預けられたままになっているのだという。
 判決は懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年、訴訟費用不負担。保護観察等について10階の刑事3部で書記官が説明すると…。

 11時から「公然わいせつ」。
 今回は最前列で間近に被告人を見た。紺のスーツで、眉の濃い、目のぱっちりした、なかなか男前だ。父親は「武士の末裔」で有名な元野球選手で、最終的には聞き慣れないクレジット会社(外国?)の「東部ゲッパ」の社長なんだという。東部ゲッパ、なにかと思ったら東部月販だという。
 被告人は、祖父も父親も女系家族の養子であるなか、たった1人の男の子として生まれ、中学の頃は「マジメの神様」と担任教員から言われたんだという。
「オヤジが娘にしたことに似てるんですが、ちょっと気持ち悪い…」
 と述べたところが気になったが、それ以上は語られなかった。
 現在52歳。26歳のとき、覗き見かなにかやって軽犯罪法違反で捕り、以来、前科15犯、うち本件と同種前科が12犯なんだという。毎回「二度としない」と約束しながらくり返し、本件は、前刑の出所後わずか10日足らずの犯行なんだという。もう完全に病的な、いわゆる「露出狂」か。しかし、容貌からも語り口からも、とてもそうは見えなかった。見えないところが怖い、ともいえる。
 刑務所は矯正施設とされるが、なんの矯正もできなかったことになり、矯正施設ではなく単なる隔離施設…ならまだいいほうで、刑務所で知り合った犯罪者と出所後新たな犯行を重ねる者もいると聞く。そんなことを、傍聴席で実感した。

 波床裁判官は、5~6分休廷して、直ちに判決を言い渡した。
 懲役1年(求刑1年)、未決20日算入。以下は刑法

第百七十四条  公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

第五十七条  再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。

 上限いっぱいの刑ってことだ。 

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2008年4月16日 (水)

脅迫言辞をボイスレコーダで録音

4月16日(水)その1

 電車って、途中なにがあるか分からないから、とにかく先に出る電車に乗って目的地へ近づいておこう…って思う? 私は思う。なので、ホームへ上がったとき発車直前だった各駅停車に乗ったら、途中で急行の通過待ちをし、2駅進んで準特急の通過待ちをするじゃないか。ええーっ、ホームで数分待てば急行に乗れたのにぃ、勘弁してよぉ!

 しかも、地下鉄出口から裁判所ビルへ向かう歩道で、高山俊吉弁護士らが、4月18日(金)の重要イベント(来てね!)のチラシを配ってて、高山弁護士と1分ほど話してしまい、エレベータ(534号法廷に近い南側のエレベータは4基のうち3基が工事中で混むのだ)に乗ったら、最後に乗った太めの男が(その荷物が?)ドアからはみ出すもんだからドアがなかなか閉まらず、勘弁してよぉ!

 けれど、5階でエレベータを降りて534号法廷へ急ぐ私を、立会検察官が追い越し、検察官に続いて私も法廷へ。つまり間に合ったのだ。よかった~。

 つーことで、ほぼ9時50分ぴたりから(数分早く始まることはよくあるのだ)、東京簡裁534号法廷(八木澤秀司裁判官)で、4月9日に第1回を傍聴した「暴力行為等処罰に関する法律違反の判決。

「被告人を罰金30万円に処する。未決勾留日数のうちその1日を金5000円に換算して、その罰金額に満つるまでの分をその刑に算入する。訴訟費用(国選弁護人の費用)は、被告人の資力を考慮して、負担させなこととする」

 判決理由に、「刃体の長さ」は7.5cmと出てきた。
 「刃渡り」と「刃体の長さ」、これ、同じ銃刀法違反でも、根拠条文も罰則も違う。そのへん、拙著『裁判中毒』を読んでね。

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 10時から、東京地裁・刑事20部(林正彦裁判官?)425号法廷で、「脅迫」の新件。
 幹廊下(枝廊下、幹廊下と私は勝手に呼んでる。なんとなく意味わかる?)の反対側の法廷は、なにか重要事件があるらしく、警備が厳重だった。あとで確認したら、植草一秀さんの判決だったのだ。

 こっちの「脅迫」の傍聴席はガラガラ。
 被告人は身柄(警察留置場)。36歳。ちょっとヤクザっぽい。
 交際していた21歳の女性から別れ話を切り出され、今年2月、「てめぇクソガキ、お前の頭をかち割ってやる。チャカは仕入れてある」「君んち破壊しに行くから」「ノイローゼになるくらいのことをしてやっからよ」「足立の事件(殺人事件)、人間なんだってやれちゃうんだね。脳ミソ弾いちゃうからな、ほんとに」などと、語気鋭く申し向けたり、メールを送信したりしたんだという。

刑法第二百二十二条  生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

 被害女性は、途中から、ボイスレコーダで全部録音していたんだという。
 被告人は18歳の頃に暴力団の組員となり、若頭補佐までいったことがあるんだという。昨年10月に(?)千葉地裁で、覚せい剤で懲役1年6月、執行猶予4年の判決を受け、本件は猶予中の犯行なのだという。

 「チャカ」という言葉は使ってないそうで、また弁護人によれば、本件に至るまでの被害女性との「おつきあい」が事件に大いに関係するそうで、証人尋問やるかどうか、次回期日は追って指定となった。
 10時25分閉廷。

 次は11時30分から…。

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2008年4月15日 (火)

オービス写真4枚で起訴3件!

4月15日(火)その2

 11時から、東京地裁・刑事3部(丸山哲巳裁判官)533号法廷で、「道路交通法違反」の新件。
 じつは今日は、10時と13時半に、地裁に珍しめの罪名の新件があって、11時からのこの「道路交通法」は、いわば“つなぎ”で傍聴したのね。ところが10時と13時半のは、私のメモミス(翌日のを今日の欄に書いた)とわかり、だったら今日は裁判所へは来なかったのにぃ、と内心嘆いてたのね。でもまぁ、来ちゃったんだから粛々と傍聴しましょ、と法廷に入ったのね。
 そしたら、なんと! いや~、こんなことがあるから裁判傍聴はヤメられない、止まらない。詳細はあとでどこかに書くとして、ここでは、いくつかの要素だけ簡単に拾うにとどめとくです。

(1)検事、ご苦労さん!
 定刻の1分ほど前に弁護人と被告人(とその父親)が入廷。弁護人がいきなり、よく通る大きな声で「遅くなりました、すみません!」と言った。それはいいのだが、続けてこう言った。「検事、ご苦労さん!」。はぁ? そんなの初めて聞いたよ~。
 弁護人は、60歳くらいだろうか、グレーのスーツに白いワイシャツにエンジ色のネクタイ。面積の大きなメガネ、鼻下に黒いヒゲ。恰幅がよくて、ちょっと大阪の芸人風…つか吉本の芸人さんたちの大阪の番組に出演し、がんがん勝手なこと言って芸人さんたちを食ってしまう弁護士…みたいな。いや、すでにテレビに出てる人? とにかくチョー個性的でサイコー!

(2)オービス3件!
 起訴事実は、①2005年3月、首都高・環状線・内回り、八丁堀付近のオービスによる71キロ超過。②同年5月の、首都高・湾岸線・東行き、羽田空港3-3のオービスによる85キロ超過。③同年12月の、②と同じオービスによる57キロ超過。
 1年足らずの間のオービスで3件って、私は初めてだ。1日に2件ってのは前に傍聴したけどさ。
 ちなみに②は東京航空計器のオービスⅢLk。①もⅢLkだっけ? ま、それはおいといて先へ進もう。

(3)認否のあとに弁護人が!
 被告人は、「(起訴状の内容に誤りは)ないです」。自白か。だが、裁判官から弁護人の意見を問われて、弁護人は言うのだった。
「ちょと検事にですね…これ、平成17年の事件なのに、なんでこんなに遅れたんですか」
 検察官は、初めて見る若者。ちなみに被告人は、在宅(保釈中?)で38歳。目元が若干、昔の時代劇の俳優顔だ。
 検察官は言いにくそうに言った。
「被疑者の特定に時間を要したということです」
 ほぅ、車の転売や引っ越し、あるいは被告人が逃げ回っていたとかで、なかなか検挙できなかったのか。←この予想は、あとでガキーンと裏切られる。
 弁護人はさらに言った。
「それとこれ逮捕したのはなぜ?」
 検察官は若いくせに、冷たく生意気に突っぱねた。
「その点については答える義務がないと思います」
 おお~。まぁね、認否の手続きなのに、検察官にそんなこと尋ねる弁護人のほうが、どうかしてるっちゃしてるわけで。

(4)写真は4枚!?
 被告人質問で被告人が述べたところによると、警察からの呼び出しは2006年の頭には来て、被告人は指定日に出頭。その後も、呼ばれて行かないとか、仕事の都合で日にちをずらすとか、一切なかったという。
 んじゃあ、なんでこんなに遅れるわけ?
 起訴は今年2月らしく、とすれば公訴時効寸前に起訴したことになる。
 弁護人が被告人に尋ねた。
「写真、4枚あるよな。起訴されたの、3つだよな」
 オービスが撮った写真が4枚あり、そのうち起訴は上記のとおり3件…はぁ!?
 被告人は言うのだった。
「1.2キロ(1~2キロ?)の距離を130~140キロのスピードで…15分、20分かけて通るのは不可能じゃないのかと…」
 4枚のうち2枚は、同じ夜の測定・撮影なんだという。
 ほほ~。「交通違反一筋(ひとすじ)25年」の私は、そりゃあ、オービスの時刻が間違ってるんだろう、と推測する。写真に焼き付けられた時刻が「違うよ!」というケースはときどきあるのだ。
 しかし警察は絶対認めない。オービスは“無謬神”なのだ。そこで、解明、つまり被告人のウソを暴く、つまり被告人が誰かの身代わりで出頭してきたんだろ、と警察・検察は考え、その捜査に時間がかかったらしい。それで被告人は逮捕されたらしい。
 身代わりって、被告人の車両と同じ車両に同じナンバーをつけて同じ服装、同じ容貌で同じ夜に、近接した時刻にスピード違反した人物の、被告人は身代わりになったわけ? そこまでやって、指定日にハイハイ出頭するって、いったいどんな動機? 警察・検察が何を考えたか、私にはどうにも理解不能だ。いや、“無謬神”をムリに守ろうとすれば、狂ったようなことをせざるを得ないのか…。

(5)認めればフィリピン免許はチャラ!?
 被告人質問の前に、父親の証人尋問があり、尋問の最後に弁護人はこう尋ねた。
「この事件のとき(被告人が)免許持ってたの、フィリピンのか?」
「そうですね」
 なにぃっ!?
 被告人質問で、被告人は言うのだった。
「警察では、全部認めればフィリピン免許は起訴しないようにしてあげるって」
 なぁにぃぃぃっ!?
 出国期間が3カ月ない…とか出てきたから、法的には無免許だったんだろう。
 “無謬神”を守りたく、しかし少なくとも1件は身代わり出頭とすることはできず、なので3件だけの立件・起訴とし、それで手を打ってくれるなら無免許は見逃してやる(じつはもともと過失犯なので起訴しにくかった)とか?

(6)じつは私も長年検事をつとめ
 求刑は懲役5月。1件ずつなら、①は罰金10万円、②は懲役3月、③は罰金8万円が相場だ。1年足らずの間ってことも加味して、まとめて懲役5月、そんなもんなのか。
. 最終弁論は、こう始まった。
「じつは私も長年検事をつとめておりましたが、この起訴を見たとき、びっくりしましてね。2年以上たって逮捕をして、キューレイ(逮捕令状の請求?)してるんですね。しかも保釈して。私もたくさんの起訴を、何千件とやってきましたが、こんな起訴! これは私の、ま、法律やりだして40年もたちますが、ほんと、ちょっとやっぱりおかしいんじゃないのかと。事件は4つ。それなのに起訴したのは3つ。4つ起訴できないオービスなんだという点、もっと合理的に解明しないと。逮捕して起訴するのは如何なものかと。ま、検事の専権事項ですからいーんですけどね。私が上司だったら、ナニやっとるんだと…(中略)…ま、ご寛大な判決を賜りたいと、以上です」
 閉廷後、弁護人は検察官にまた、「や、検事、ご苦労!」とニコニコ。
「あんたも東京、長いの?」
「…いや、4月から」
「来たばっかなの。頑張ってね(ニコニコ)」

 11時46分閉廷。次回判決。
 傍聴席からの印象では、書証のなかに4枚目の写真が含まれてるように思えたが、それはないよね? 含める意味がないし…。まぁとにかくビックリの事件だった。
 ここ数カ月、『裁判中毒』の第2弾にばっちりの裁判を、続々傍聴してる気がする。

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 警察庁などが入ってる合同庁舎2号館の、リニューアルされた食堂の、定食の食堂のほうで、鶏塩焼き定食だっけ530円。ご飯は、白米と、白米にアワかヒエか混ぜたのと選べた。私は当然後者を。ここの給茶器は、お茶が濃かったよ。500円超えるのは、私の感覚からは高すぎだが、社会通念上、十分に満足すべき昼食といえるんじゃないか。

 午後は東京地裁724号法廷(合田悦三裁判官)で「公務執行妨害・傷害」の判決(泥酔し、保護した警察官の上腕部に噛みつき2週間の口傷を負わせた)を傍聴。懲役1年4月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 東京簡裁534号法廷(武内晃裁判官)で、「暴行」の新件を傍聴。JR御徒町駅のホームで、酔って車掌の足を蹴ったという事件。否認ではなく、逮捕・勾留して満つるまで算入のパターンの事件だった。求刑は罰金20万円。次回判決。仕事を転々としているものの、溶接等の免許を持ち、仕事は好きなのだという。見た目はホームレス風だけども、こういう、地に足をつけてるみたいな被告人は私は好きだ。
 傍聴席に、以前よくお会いしてた女性。近ごろ仕事が忙しかったんだそうだ。武内裁判官の被告人質問はちょっと異様だったんじゃない? 清酒(チェーンの居酒屋で日本酒と表記されるやつ)が好きなんだろうね、などと話す。

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「少なくとも1カ月」は2年の理由になるか

4月15日(火)その1

 よく考えれば、今日は裁判所はパスしてもよかったのだ。夕べは5時間、その前は4時間半しか寝てないし、散歩もぜんぜんしてないから、そして今日は天気が良いから、本当は有酸素散歩ののち公園でのんびり昼寝すればよかったのだ。
 なのに、なんか勢いでまた裁判所へ。
 おかげで、とぉんでもない事件に当たったよ!

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 まずは9時50分、東京簡裁728号法廷で、4月8日に第1回を傍聴した「窃盗」(カプセルホテルの浴室の、たまたま鍵がささったままになってたロッカーから財布を窃取)の判決。
 普通に懲役1年6月、執行猶予3年、訴訟費用不負担。

 11時まで時間が空くので、高裁803号法廷(門野博裁判長)で3件連続傍聴。被告人は3人とも身柄(拘置所)。

(1) 10時10分から「強姦致傷・強制わいせつ」の判決。
 被告人は、横幅のある、ちょっとヤクザか演歌歌手風? 2004年「3月下旬頃」に千葉県で、少女(犯行から2年を経過して中学2年の9月の終わり頃に親か誰かに告げたっていうから、犯行時は小学生か)の腕を引っ張り押し倒し、抵抗する同女の足を押し広げて姦淫し、処女膜破損等の傷害を負わせたのだという。当時、被告人は、少女の親しい友人の父親代わり。
 しかし被告人は否認してるらしかった。行為から少なくとも1カ月は経過しているという産婦人科医の診断は、行為から2年を経過してることと矛楯しない、と門野裁判長は認定していた。そうか? 私は真実を知らないけど、「少なくとも1カ月は経過」が、2年前の犯行の理由になるか? これもまた、「検察の主張についてはその信用性はムリにでも探し抜く」の類といえないか。
 控訴棄却。原判決は不明。
 被告人は再び手錠・腰縄をつけられ、憮然と出て行った。
 本件控訴棄却が妥当だとしても、「少なくとも1カ月…」の部分から、被告人は裁判所をバカにするんじゃないか。裁判所は、警察・検察からナメられ、犯罪者たちからも…不安だ。

(2) 続いて10時20分から、「傷害・覚せい剤取締法違反」の判決。
 こっちの被告人は若め。家出してきた17歳少女と交際を始め、殴る蹴る、電動ドリルの刃で刺す、ノコギリで切るなどの暴行を加えた件と、覚せい剤を隠し持ち、使用した件。
 懲役1年10月の原判決はやむを得ないと、控訴棄却。

(3) 続いて10時30分から、「覚せい剤取締法違反・銃刀法違反」の第1回。
 こっちの被告人は40代か50歳くらいに見える女性。人から任されてた店の人件費のやりくりで、うつ病状態になり、覚せい剤に手を出し(20数年前に覚せい剤の前科あり)、内縁の夫から拳銃か何か銃刀法に触れるものを預かったんだという。もともと肝炎で、拘置所で肝硬変になったんだという。覚せい剤の被告人は、肝炎や肝硬変が多いね。

 そして11時から、東京地裁・刑事3部(丸山哲巳裁判官)533号法廷で…!

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なぜ「偽造」と警察は認めたのか

 じつになんとも私向けのニュース(4月12日付け産経ニュース)。太線は今井。

警部補がレーダー用紙偽造、日付間違えて発覚 兵庫
 兵庫県警は11日、スピード違反の取り締まりに使うレーダー機が正常に作動しているかどうかをチェックするテスト紙を偽造したとして、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で県警交通指導課警部補(45)、佐用署巡査長(29)、元同署交通課長(60)=3月31日付で定年退職=の3人を書類送検した。
 取り締まり日を1日間違えて偽造して発覚したという。
 テスト紙は、取り締まりの際に打ち出し、日誌に添付するよう内規で定めている。調べでは、警部補と巡査長は平成18年8月の取り締まりで打ち出したテスト紙を紛失。違反者が正式裁判を求めたためテスト紙を添付した日誌が必要になり、19年2月に新たにテスト紙を偽造した疑い。元交通課長は事情を知りながら決裁した疑い。
 多田敏彦監察官室長は「取り締まりは適正だったが、公文書を不適正に取り扱ったことは遺憾」としている。

 レーダ式の測定機は、取締りの前後に「音叉試験」を行うことになってる。88キロとか特定の速度と同じ波動を出す音叉を、測定機のアンテナの前で叩き、88キロと表示されたら「測定機は正常である」とする、そういうテストだ。
 第三者の立会いナシにやる、疑似(模擬)信号によるテストは、やらないよりはマシという程度のもんだろうと私は思うが、“レーダ神話”を保つための、当局的には1つの大事な要素となってる。
※ 一番重要な、これなくして“レーダ神話”は絶対に成り立たないという要素は、裁判官の妄信である。

 当局的には大事なテストなので、うまくできないのに取締りをやっちゃって、無罪とされたこともある。
   ・HOWるぞ!(交通裁判)
   ・名古屋地方裁判所やじうま傍聴記

 それでだ、マニアの礼田計さんから教わったんだが、たしか、新しい測定機は、測定値(とされる数字。以下同)のほかに、日時もプリントされるんだったかな。日付だけか、時刻だけか、両方か、忘れた。
 とにかく、昔の測定機(つか現在も使用されてる多くの測定機)は、測定値だけしかプリントしない。日時は警察官が手書きすることになってる。だから、たとえば97キロと測定した被疑車両を逃がしちゃって、しょーがないからその後に通りかかった車を止め、97キロを押しつけることもできるわけだ。
 その煮付け、もとえ日付を、今回報道された事件では警察官は1日間違えたんだという。
 間違えるのは人間だから仕方ない。
 監察官室長が「取り締まりは適正だったが」と言い張ってるのも、監察官らしくて微笑ましい。笑っちゃう。
 だけども、どうにも不可解なのは、なぜ「偽造」と警察が認めたのか、である。
 そんなもの、「誤記でした」と言えば終わりのはず。
 裁判官は絶対に疑わないはず。名古屋簡裁の上記リンク先の事件のように、スピード違反が無罪になることはあっても、「誤記でした」という警察官証言自体を疑うことは、絶対にないはず。「警察官たる者が、偽証罪のリスクを冒してまで、見も知らぬ者(被告人)を罪に陥れるはずがない」という伝家の宝刀ならぬ伝家の論法があるからだ。

 上掲の報道には、「違反者が正式裁判を求めた」とある。
 これが、違反者がいったん略式に応じてから、14日以内に正式裁判を請求した、という意味だったら、裁判所は公判を開かねばならず…。う~ん、しかし、それにしても…。

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 14日には、NHKがこんなニュースを(礼田計さんから電話をもらって知った)。太字は今井。

道路財源で整備 装置使われず
 トラックの過積載などを24時間態勢で自動的に取り締まるため、国が全国の国道に整備してきた装置が、実際にはほとんど使われていないことがわかりました。装置の整備には道路特定財源から100億円以上が支出されており、国土交通省では、できるだけ早い時期に運用を始めたいとしています。
 問題の装置は、トラックなどが通過する際に車体の重さや高さを自動的に計測し、24時間態勢でオンラインで監視するもので、過積載などの違反がある場合にはカメラで車のナンバーを読み取って取り締まります。国土交通省は、公平で効率的な取締りを目的に、この装置を道路特定財源で購入し、平成7年以降、全国の主な国道にあわせて51台を設置しました。装置の運用開始は、当初、平成16年度とされ、国土交通省はトラックなどの業界団体にも文書などで知らせていました。しかし、その後、違反車両のデータを正確に計測できないなどの不具合が見つかり、最初の設置から13年たった今も、兵庫県に設置された装置を除いて、本来の取締りに使われていません。さらに、一部の装置では、本格的な運用がまだなのに費用をかけて古くなった機器の更新を繰り返すケースもあったということです。国土交通省によりますと、装置には設置費用に加えて1台当たりおよそ700万円の維持費も毎年かかっており、道路特定財源からの支出はこれまでにあわせて100億円以上に上っています。道路特定財源をめぐっては、マッサージチェアや野球の用具など、道路整備と直接関係ない不適切な支出が次々に明るみになっていますが、道路に関連した本来の目的でも、むだともいえる支出が明らかになったことで、今後、さらなる適正化が求められることになりそうです。これについて、国土交通省では「運用が遅れていることについて反省している。できるだけ早い時期に運用を始め、新たな装置の設置については見直していきたい」と話しています。

Photo  これはあれだ、“過積載オービス”と私が勝手に呼んでるやつだ。沖縄へNシステム踏査に行ったとき、どこかの基地の周囲の道路で現物を見たっけ。
 礼田計さんがたしか取扱説明書を持ってる。そんじゃ私は契約書のほうを開示請求してみようかと、つい数日前に礼田計さんと裁判所で話してたやつだ。
※ 画像は礼田計さん撮影の“過積載オービス”。

 「100億円以上」って、びっくりするような金額ではあるが、過積載オービスは、路面下に重量測定装置を埋め込むわけで、そこまで大がかりな工事を必要としない、スピード違反のオービス、と比べると、たいした金額じゃない。

Photo_2  スピード違反のオービスと比べるなら、「違反車両のデータを正確に計測できないなどの不具合が見つかり」って、なんで正直に言うのか、という疑問が生じるでしょ。
 それはねぇ、スピード違反のオービスには、決定的な特徴があるのだ。その特徴が、裁判官の妄信と併せて、“オービス神話”をつくってるのだ。
 この話も、スピード違反のオービスの具体的な金額も交えて、『ドライバー』で書こうかな。もう、ネタがありすぎ。

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 もひとつ、報道を紹介しとこう。
 以下は4月12日付け毎日新聞。

交通事故:白バイが土電と衝突 違反車発見、Uターン直後--高知
 春の交通安全運動期間中の10日、高知市の電車通りで、違反車両を追跡しようとした白バイが路面電車と衝突する事故を起こしていたことが11日分かった。白バイは衝突後約100メートル引きずられたが、隊員や電車の乗客にけがはなく、ダイヤにも大きな影響はなかった。
 県警によると、10日午前11時半ごろ、同市中宝永町の国道32号の交差点で、停止していた県警交通機動隊の巡査(25)が、携帯電話を使用しながら右折して前を横切る乗用車の運転手を発見。赤色灯をつけて、Uターンした直後、後ろから来た後免町発鏡川橋行きの土佐電鉄(乗客約25人)に衝突した。隊員は前方に投げ出され、電車は白バイを約100メートル引きずって停車した。
 電車は停車後、乗客にけが人がいないことや車両に大きな損傷がないことを確認し、約3分後に運行を再開した。県警は、白バイの安全確認が不十分だったとみて詳しい事故原因を調べている。【近藤諭】

 高知といえば、例の白バイとスクールバスの事故である。「きっこのブログ」でも取り上げられてる。
 今回のこの報道を見て、
「高知の白バイは、やんちゃな運転が日常的なんだな~! スクールバスとの激突は、白バイのスピード出し過ぎが原因(白バイの自爆事故)なのに、スクールバスが悪いとデッチ上げて、白バイのやんちゃな運転を反省しないから、今回の事故も起こるんだよ」
 との印象を、多くの人が受けただろうねぇ。私もだ。

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2008年4月14日 (月)

色情犯2件、原判決破棄

 9時50分に着けるはずが、10時10分頃着となった、電車が遅れて。
 車内放送は「チョーカンラッシュのため」と聞こえた。朝刊ラッシュ? んなわきゃないナ。聞き違い? とにかくあの通勤快速はいつも遅れる。もう利用するのはヤメよう。って、たった20分の遅れでぼやくなよと、他国の人は笑うだろうか。

 10時から、東京高裁・刑事9部(原田國男裁判長)805号法廷で、3月31日に判決、のはずだったのに被告人がいきなり、わいせつ目的についての否認を撤回したため延びた、「強制わいせつ」の判決。
 10分遅れたらもうアウト。でもまぁ、念のため法廷の前まで行ってみるか、いやぁ、のんびり一服しようか…。
 迷いつつ、10時12分に法廷へ行ってみたところ、なんと、弁護人が遅れてて、始まってないではないか! あら~、こんなラッキー、滅多にないよ。運をつかさどる女神が悪戯っぽく微笑んでるのが見えた気がした。

 10時15分、弁護人はまだ来ない。若い男が6~7人、来た。しゃかしゃか音がするジャケットを着た者も含む6~7人が、一斉に入ってくると、もう、うるさいうるさい。

 10時20分、弁護人はまだ来ない。弁護人だけがいない法廷で、静かに時間が過ぎていく。被告人(在宅。あとで保釈中とわかった)は、少し前屈みになって被告人席に座り、じっとうつむいてる。思い詰めてる風でもある。

 10時22分過ぎ、走る音が廊下に聞こえ、やっと弁護人が来た。

 主文。原判決を破棄する。被告人を懲役2年6月に処する。その刑の執行を4年間、猶予する。

 事件の内容が少しわかった。
 被告人はマンションの管理人をしており、被害者はそのマンションに住んでいた児童2名。犯行時間は1分足らず。前科・前歴なし。原判決は、求刑懲役2年6月に対し、懲役1年6月(実刑)。
 示談においては、わいせつ目的を認めて反省し、被害者それぞれに150万円を支払うことに。ところが、控訴審第1回ではわいせつ目的を否認していることを、被害者の弁護士が知り「どういうことなんだ」となった、ということがあったんだという。
 ま、おかしな話だけれども、そこに示された反省の情をたやすく否定するわけにもいかないと、実刑判決を破棄して執行猶予をつけたわけだ。高齢であることも理由に挙げられた。高齢で「強制わいせつ」で下獄するかどうか、瀬戸際だったわけで、弁護人が到着するまでの不安は相当のものだったろう。

 事件の詳細は知らないが、否認なら実刑、自白なら執行猶予、というやり方自体は、非常にヤバイものをはらんでると思う。
   ・被告人側の主張、立証は徹底的に疑い抜く
   ・検察側の主張、立証は、信用できる理由を探し抜く
 という大原則(ゆえに有罪率99.99%)があるところ、「否認なら実刑、自白なら…」だと、無罪の者が無罪を主張をしにくくなるからだ。実際、
「やってないけど、起訴されたらどうせ有罪。本当のことを主張して刑が重くなるのはイヤだ」
 と自白した被告人がだいぶいるんだろう。
 しかし、かといって、たとえば人の頭に拳銃を突きつけ発砲しといて、仲間内で強がるためにか、
「殺すつもりはなかった。相手が死ぬとも思わなかった」
 とか否認する者(それに近い被告人が実際いたよ)と、認めて悔悟の情を示す者と、同じ量刑ってのも、不公平だ。
 結局、上記“大原則”さえなければいいんだよね。

 10時25分過ぎ、原田裁判長は言い渡しを終えるや、立ち上がりながら向きを変え、陪席裁判官を従えて直ちに奥のドアへ消えた。
 傍聴人は、いったん退廷させられた。
 次は(予定では)10時30分から、これも3月31日に判決のはずだった、「準強姦、準強制わいせつ、公務執行妨害、傷害」の判決。

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 ドアの外で待っていると、20歳未満であろう女の子たちが7人、きゃぴきゃぴとやってきた。「ドキドキするぉ」とか言いながら。さらに4人来て、計11人。
「いーんですか? 入って」
 と尋ねられ、
「いや、遮蔽の措置をとるんだそうで、準備ができたら案内してくれるそうです」
 とお答えしたっけが、「地下の書店に『裁判中毒』ってありますから、それ読むと傍聴が深まりますよ~」と言いたくて言いたくて(笑)。

 10時33分、傍聴人が入れられた。
 私はまた一番奥の端っこ、被告人の姿がちらっとだけ見える席へ。
 弁護人から再開申請。示談書と銀行送金のなんとか書。検察官は同意。
 そして判決。
 懲役9年、原審における未決70日算入。
 事件の、ほんの概要がわかった。
 控訴の趣意は量刑不当。
 公訴事実は、①7歳の就寝中の姪に対する準強姦と、②職場の同僚女性2名に薬物を食べさせての準強姦と、③その公判中に、離婚訴訟中の妻の姿を認め、これに激昂しての、警察官3名に対する公務執行妨害と傷害。前科なし。
 以下、刑法

(強姦)
第百七十七条
 暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
(準強制わいせつ及び準強姦)
第百七十八条
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2  女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

 原審の時点での示談は、②の被害者1名に対し80万円のみ。
 原判決は、求刑通りの懲役12年。
 原審後、①と②の被害者各1名に対し100万円、②の上記被害者に対し、80万円の他に130万円を支払い、20万円(10万円?)を贖罪寄付。
 ほか反省文を書いたことなどを考慮すると、主文の判決とするのが相当…。
 10時38分閉廷。
 立ち上がって手錠・腰縄をつけられる被告人を、ちらっと見た。少年のような男だった。
 そんなふうに見える遮蔽ってのも、おかしな話。うーん、③のことがあるので遮蔽だったんだろうか。つまり、傍聴席にいるかもしれない(被告人に見られたくない)誰かを、被告人に見せないために。
 被告人氏名(かなり珍しい氏名)で検索しても、何もヒットしなかった。

 原審後に示談ができて、原判決破棄、刑期が短くなったり執行猶予がついたり、ってのはよくある。この被告人は結局、350万円くらいで3年を買ったことになるわけだ。概要だけからすれば、3年もマケてやる必要はないような気もするけど、こういうシステムがないと、被害者に対する慰謝料の支払いはなかなか十分には行われないから、という事情もあるんだろうか。

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 11時から、東京地裁・刑事16部(伊藤敏孝裁判官)423号法廷で、「道路交通法違反」の新件。
 これは無免許の常習も常習、前科7犯のうち無免許および無免許&業過が4犯。うち2犯は服役。今回も実刑間違い無し。被告人も完全に覚悟してるようで、かつ被告人のキャラもあり、なかなか興味深い公判だった。最後の服役が累犯前科になるので、求刑は懲役8月。次の『ラジオライフ』の連載で書こうかな。

 午後は午前以上にいろいろあったのだが、私は地域のボランティアの当番があり、ちょいと警察庁へ寄って帰宅。
 警察庁も変わったね~! 受付カウンタの位置が変わった。たしかに以前の位置はあまりよくなかった。情報公開室のなかも変わったね~。何より、コピー機がなくなった。あれは業者が置いてるそうで、1枚20円でも大赤字なんだろう。だってあのコピー機、私がいちばん使ってたかも? なんだもん、ねぇ(happy01)。

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 今日は革靴のかかとの裏の、半月型の金具を取り替えた(工賃とも525円)。だいぶすり減ってきたので。諸君はそういうこと、してる? 金具を付けとくと、かかとの靴底自体はぜんぜん減らない。こんなお得なこたぁないよ。

2008年4月13日 (日)

傍聴席であわや乱闘

4月11日(金)

 今日は東京簡裁に傍聴したい事件はなかった。ないのに、東京地裁に「自動車運転過失…」の公判が何件かダブらずに入ってた、というだけの理由で、つか勢いで、またもいろんなこと放り出して、裁判所へ。
 私ゃほんとにもう、いろんなことがパンクしそうなので、かつ、今日の1日は珍しいことがいろいろあったので、まとめて『ドライバー』の連載で書こうかと思う。以下、手短に備忘録(それが当ブログの役割の1つ)としてまとめとくです。

(1)10時30分~10時35分 自動車運転過失致死 判決
 被告人は在宅。禁錮2年6月、執行猶予4年、訴訟費用負担。
 被害者は横断歩道を横断中の69歳男性。足立区内の事故。
 検察官は、長めの後れ毛はらりの女優のような女性。
 開廷前に、遺族とそうではない傍聴人とが、あわや乱闘になるかというシーンを目撃。

(2)10時45分~10時50分 覚せい剤取締法違反 判決
 遺族と乱闘しそうだった男性とその「お袋」が傍聴に来たのはこの事件らしかったので、なんだろうと興味が湧いて傍聴。
 被告人(身柄。警察留置場)は若めの、これもちょっと女優のような女性。
 懲役1年6月、未決20日算入
 傍聴席のその男性が激しく泣いた。

(3)11時~12時5分 自動車運転過失致死 新件
 足立区内で、大型貨物(20トン)で左折する際に、左後輪が縁石に接触するかどうかに気を取られ、横断歩道を横断中の89歳女性を…。私が傍聴してきた限り、事故はほとんどすべて横断歩道上で起こっている。
 被告人(在宅)は2002年にも死亡事故で罰金50万円に処されているんだという。今後運転しないことを誓っていた。
 遺族の1人(娘さん?)が陳述する間、他の遺族が激しく泣いた。
 求刑は禁錮3年。次回判決。閉廷後、遺族と被告人が廊下で…。

(4)12時30分頃~
 国土交通省の地下で、前から気になってたスパゲティの店(いつも長蛇の列)で、A(溶き卵の和風味とかいうの)大盛り550円。霞が関での昼食に500円以上払うのは、私にとっては大奮発なのに、失敗! 680円のCか、“あいがけ”にすれば良かった。いや、霞が関で680円も払うのは、あまりに掟破り。今後、どうしたものか、ってそこまで悩むか(笑)。

(5)13時20分~13時22分 道路交通法違反 判決
 開廷前に一般控え室で、被告人、その知人、弁護人らしき3人が判決を予想しあってた。内容からして、“犯罪慣れ”してるらしかった。そこへ、最近私が気になってる傍聴人(ずんぐりした年配でダボダボつんつるてんのズボン)が話しかけた。どうやらこの人、傷害致死で服役したことがあり、裁判所に恨みがあるらしい。
 道路交通法違反の判決は、懲役7月、訴訟費用不負担。
 累犯前科が2つあり、前刑の仮釈放後2年5カ月足らずの、本件は酒酔い(0.74ミリグラム)。

(6)13時30分~14時2分 公務執行妨害・器物損壊 審理
 被告人(身柄。拘置所)は、見た感じ20代? 半ズボンでひょこひょこ入ってきた。障害者なのだった。
 被告人質問と論告・求刑。生後間もなくから施設で育ち、頼るべき家族もなく、難病に罹患しているのだという。窃盗か何かで服役後、戻ろうとした施設は未成年者用で、別の施設へ行ったが、そこは長く居られない施設で、紹介されたさらに別の施設は嫌で、こうなれば刑務所へ戻るしかないと、パトカーを何度も蹴ったのだという。損害額は8万3745円。弁償の見込みなし。
 求刑は懲役1年6月。次回判決。

(7)14時30分~15時10分 自動車運転過失傷害・道路交通法違反
 被告人(在宅)は、痩せて背が高い、というより“薄い”男性。57歳。タクシー運転手。背がやたら丸く、立つとき膝が曲がってるような…。
 タクシーで、右折違反の取締りを受け、お客を乗せているからあとで駅前の交番へ出頭すると言い、交番へ行く途中、板橋区内の信号のない横断歩道を歩行中の夫婦をハネ、逃げたのだという。約10カ月前に、窃盗で懲役1年4月、執行猶予3年の刑が確定。本件による行政処分はまだで、現在タクシーの運転者として稼働してるんだという。
 なぜ前を見なかったのか、警察・検察がつくった調書と被告人の法廷供述が、まるで違うのだった。法廷供述のほうが、とんでもない運転者と思えるものだった。
 求刑は懲役2年。次回判決。

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 これで今週の傍聴は終わり。今週は裁判所へ通いすぎた。来週はなるべく行かないようにしたいけど、どうなることやら。角川の本、『裁判中毒』というタイトルになると聞いて「ええっ、それはちょっと…」と思ったが、タイトルのとおりなのかもしれない…。

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2008年4月12日 (土)

偽計業務妨害、集団強姦、監禁、犯人隠避教唆・・・

 4月14日(月)の午後は、いろいろある。

13時30分~14時30分 東京地裁419号法廷 偽計業務妨害 新件
 被告人氏名で検索すると、2001年の事件がヒットする。空き家に侵入し、物色したあとエアコンをつけて寝てしまい、捕まったのだという。当時の年齢は25歳。同一人物だとすれば、今度は何をやったのか。

14時30分~15時 東京地裁422号法廷 集団強姦 判決
 被告人は1人。産経ニュースで「男性被告(20)=犯行時少年=」とされている人物のようだ。

15時30分~16時30分 東京地裁529号法廷 監禁 新件
 元自衛隊員のスカイマーク社員が同僚客室乗務員を監禁したという事件だ。

15時30分~16時30分 東京地裁409号法廷 道路交通法違反・自動車運転過失致死(傷害?)・犯人隠避教唆 新件
 日刊スポーツによると、逮捕の容疑に「危険運転致傷」があったらしい。

 この時間は、その時間をとってる、ということであって、1時間または30分、ぜんぶ使うとは限らない。30分くらいで終わってしまうこともあるよ。

 うまい具合に公判が並んでるな、15時30分からのは、私は409号法廷のほうにしようかな、と手帳を開いたら、ダメだ! 午後はべつの予定が入ってる、あ~!

 いや、すぱっとあきらめよう。ムリにあれこれやると、ろくなこたぁない。東京簡裁の道路交通法違反なら、なんとしても傍聴するけどさ。

 というわけで、どなたか傍聴に行ける方、もしよかったら、被告人の生年月日、本籍、住所(いずれも番地までは不要)、職業、前科の罪名と量刑と時期を、教えてくださいな~。それらは、第1回公判じゃないとわからないことがあるので。

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スピード違反の否認事件、地裁へ移送!

4月10日(木)13時30分~ ネズミ捕り超過30キロ

 2月21日に第1回を傍聴した、杉並区下高井戸の、首都高4号線上り入り口の脇の一般道、におけるネズミ捕りによる30キロ超過の、第2回公判。

 第1回は、後藤征弘裁判官、町井裕明検察官でスタートしたのだが、今回は新しい永瀨進裁判官と宮本幸司(?)検察官。

 13時30分頃、巨体の弁護人が最後に、フーフー荒い息でやってきた。
「一方的に1時10分と言われても、こっちも都合があるんで」
 と、巨体から大きな声を発した。
 ん? 13時10分と聞こえたけど? 私の聞き違いでなければ、開廷の前に打ち合わせするんで早めに来てくれ、と裁判所から言われたんだろう。

 弁護人が、リュックを下ろして、ごわごわうるさい上着(バイク用?)を脱ぐと、裁判官が言った。
「私、新しくこちらの裁判所へ来ました、永瀨と申します」
 そして、双方の主張が従前どおりである(つまり双方真っ向争う)ことを確認してから、裁判官、検察官、弁護人が「話」をするため奥のドアから消えた。
 すぐに戻ってきて、裁判官が被告人に言った。
「この際、東京地方裁判所で、あなたの言い分、きちっとやってもらったほうがいいと思いますので…。期日は追って連絡しますから、よろしいですか」

刑事訴訟法第332条  簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。

 ええ~っ!? 速度違反で東京簡裁から東京地裁へ移送は、初めてでは!?
 と思ったら違った。データ(私が何年もせっせとエクセルに入力したデータ)を見ると、2005年の7月に、小島裕史裁判官(横浜簡裁で三菱自動車の事件で無罪を書いた人)が、オービス56キロ超過を地裁へ移送している。小島裁判官は、オービスの否認事件をいくつも扱ってたのに、なんでその事件だけ移送したのか、当時、私は不思議に思った…んじゃないかと思う(傍聴ノートは今、確認してない)。
 ほか、業過致死の否認を石井清弘裁判官が、電車内痴漢の否認を櫻井廣美裁判官が、児童買春の否認を松本弘裁判官が、東京地裁へ移送したシーンを見た。

 東京簡裁では、測定値を否認するす速度違反も、緊急避難を主張する速度違反も、よくある。さんざん傍聴してきた。永瀨裁判官は、なぜ移送したの!?
 簡裁は、相場どおりの判決となる、簡単な事件しか扱わず、争いがあるものはどんどん地裁へ移送、という考え方の人なんだろうか。
 いや、1人だけが突然、そんな考え方を貫くとも、考えにくいっちゃ考えにくい。
 もしかして、速度違反について、
   ・罰金刑は簡裁
   ・懲役刑は地裁
 というこれまでの原則(東京・霞が関の原則)を変更し、
   ・自白で罰金刑は簡裁
   ・懲役刑および罰金でも否認は地裁
 という原則に変更したとか?
 そっ、それは困るよぅ!
 2006年の検察統計年報(これが現時点では最新)によれば、道路交通法違反の公判請求の人員は、
   ・東京区検は46人
   ・東京地検は3350人(八王子支部も含む)
     ※区検は簡裁に、地検は地裁に公判請求をする

 東京簡裁の道路交通法違反事件は、毎年数十件だから、全件傍聴できたのだ。23区内の速度違反の否認を、おそらくほぼ全件傍聴することができたのだ。
 地裁でやられた日にゃ、よほどラッキーでないと傍聴できなくなる!

 どうなんだろう。一般の傍聴人は、簡裁には目もくれず、地裁の法廷へ行く傾向がある。地裁でオービスの否認を扱えば、人気の裁判官たちが、メーカーのカタログとセールストークを鵜呑みにして有罪にする様が(←これについてはいろいろ説明したいことがあるけど、とりあえず簡潔に言えばそういういことが)、一般傍聴人の目に触れやすくなってしまう。それはマズイんじゃないか。
 う~ん、どうなんだろ、小島裁判官がぽろっと1件、移送したように、今回の移送も、ぽろっと1件、で終わるのかなぁ…。う~ん、本件が他の事件と違うところといえば、超過速度が30キロぴたりであり、ナマの測定値が29.99999999キロ超過なら端数切り捨てで超過29キロとなり、反則手続きを経てないからと公訴棄却になる、という微妙な部分を抱えている、といえる。いや、でも、それだってねぇ、う~ん、と深刻に悩む私って、へん?

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バンコクにも信号無視オービスが?

交差点での信号無視をカメラで監視
 交通違反取り締まり強化のため、6月1日から都内の主要交差点に設置した監視カメラの映像から信号無視の車両を割り出し、証拠写真付きの罰金支払い命令書を送付することになった。
 バンコク都内15か所の交差点に監視カメラを試験的に設置したところ、1週間で2000台以上の車が信号を無視していることが判明したという。
 首都圏警察によれば、すでに30か所を超える交差点にカメラが設置されているが、6月1日までにバンコクの主要交差点のほとんどに据え付けられる予定とのことだ。

 と4月10日付けバンコク週報。
 へぇ~。技術が進むと、やっぱどこでもそういう方向へ行くんだね。
 日本には、とっくに“信号無視オービス”がある。
 東京の環状8号線にもあると、なにかの書類で見たっけ、なんだっけ、と言ってたが、わかった。東京航空計器の「自動速度取締機外1種の保守委託年間契約」の委託契約書の仕様書に、「信号無視違反自動取締機」の端末装置が環状8号線の外回りにあると書かれてるんだ。
 その契約書等をさっそく開示請求しようと、2006年10月に思って、すっかり忘れてる…。裁判傍聴、通いすぎですか…。
 来週、いろいろやろう。大阪の確認事務の契約書とか。アフィリエイトもなんとかせねば…。

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著者:今井 亮一
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 冒頭の記事中に、「罰金の支払い命令書を送付」とある。
 「罰金」は間違いだとして、「命令書」が本当なら、それは行政制裁金であり、ナンバーから判明する車の持ち主が責任を問われる(カネを徴収される)…と読むことができる。とすれば、日本の警察がやりたい(これからやる)ことを、タイはもうやってるわけ? ←わかる人でないとさっぱりわかんない話だよね。ごめん。coldsweats01

ひき逃げ 懲役10月、猶予3年

4月10日(木)13時10分~ 自動車運転過失傷害・道路交通法違反

 かつて交通事故は「業務上過失致死傷罪」で裁かれていた。仕事での運転でなくても、自動車の運転は高度な注意を要する業務だから、と。
 2007年6月12日、ようやく、交通事故に限っての「自動車運転過失致死傷罪」が設けられ、懲役又は禁錮の上限が5年から7年へ引き上げられた。罰金の上限は100万円のまま。

 開廷表で、「自動車運転過失…」の前に「道路交通法違反」があるとき、私が傍聴してきた限りそれは、酒気帯びか無免許での事故だ。後ろに「道路交通法違反」があるときは、救護義務&報告義務違反(いわゆるひき逃げ)だ。
 ちなみに、「自動車運転過失…」だけなら禁錮刑だが、「道路交通法違反」がくっつくと懲役刑になる、私が傍聴してきた限りでは。

 ひき逃げの罰則は、2007年9月19日、それまでの「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」から「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」へと引き上げられた。
 その後の量刑の相場がわからない。
 事故の裁判は、示談ができる時期になってから量刑を決めようってこと等もあるんだろう、「業務上過失…」の事件、つまり事故発生自体が2007年6月12日より前の事件が、開廷表にはまだまだたくさんある。

 で、今回、東京地裁・刑事16部、419号法廷の開廷表に「自動車運転過失傷害・道路交通法違反」を見つけ、おっ、これは! と傍聴してみたわけ。
 2007年8月3日発生の事故(ひき逃げ)だった。
 開廷表では梅田健史裁判官だったが、登壇したのは白石篤史裁判官だった。やたら咳をしていた。どうしたんだろ。

 主文は、懲役10月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 江戸川区内の、信号機により交通整理された交差点へ、赤信号を看過して漫然30~40キロで侵入、右方からきた自動二輪(運転者は21歳)に自車右前部を衝突させて自二もろとも転倒させ、右手拇指なんとか骨の骨折など加療20日間の傷害を負わせた事故を起こしたのに、直ちに停止して救護、報告すべき義務を怠り、比較的低速で自車を進行させた…。違反歴は複数あるものの前科なし。
 9月19日以降の事件なら、懲役は1年を超えてたんだろうか。

 被告人(在宅)は、ちょっと水商売風のオバサンで、右のミラーになにか音を立てて接触したのでミラーをちらっと見たが、事故の認識はなかった、と主張していたようだ。しかし目撃証人がいて、被告人は首をひねって被害者を見ていたと証言している(と警察官作成の調書に記載されている)こともあり、被告人の弁解は不自然・不合理だからと、白石裁判官は退けた。

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2008年4月11日 (金)

秋葉原でナイフ4本

4月10日(木)11時15分~ 銃刀法違反

 東京簡裁・刑事2室2係(小川利行裁判官)728号法廷で、「銃砲刀剣類所持等取締法違反」の新件。
 いや~、これはいろんな意味でびっくり。なかなか貴重な傍聴体験だった。

 まず、弁護人(国選)が、ニコニコ育ちの良さそうなお嬢さん。若いときの賀来千香子さんのエキスを少し混ぜた、みたいな。ぜんぜん違うかな?
 そんで、この弁護人は新人のようで、傍聴席の端に、ちょっと犀川博正さんを彷彿とさせる弁護士がいて、検察官は2人で立ち会うこともあるんだから、ということなんだろう、その弁護士を同席させていいかと弁護人が裁判官に言ったところ、元東京高裁・民事11部の書記官だったのかしらと思われる小川裁判官は、ぴしゃりと蹴った。

 被告人(在宅)は57歳。背が高く、髪はボサボサ系で口ひげ。
 秋葉原で警察官がよく職質をやってるという話を聞いてた(“オタク狩り”と呼ばれたりもするんだそうだ)が、この被告人、まさに秋葉原で、リュック(被告人は「ザック」と言い、検察官は「リュック」と言い)を持ってカメラのバッテリーを探していたところ、警察官から、
「最近、秋葉原は、危ないものを持ってる人が多いんで、荷物を見せてもらえますか?」
 と言われ、
「ナイフなら持ってるよ」
 と、リュックからツールナイフとアーミーナイフを見せ、パトカーで任意同行され、
「他にも持ってるナイフはありませんか」
 と言われ、ズボンのベルトからアーミーナイフを2本取り出したんだそうだ。
 合計4本。うち3本はアーミーナイフって、アメリカ映画の乱暴者ですか? 歩く凶器、全身凶器のオジサンですか? って思うでしょ。私もそう思ったよ。
 ところが、検察官が証拠物を示して、その想像は裏切られた。
 ツールナイフというのは、開くとペンチになるあれで、アーミーナイフとは、スイスアーミーナイフっていうの? ほら、缶切りとかヤスリとかノコギリとかワインオープナーとかトゲ抜きとか、タイプによって付いてるものが違う、あれなのだ。

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 被告人は山登りと写真が趣味で(献血も趣味なのか、秋葉原へ着いてすぐ献血。手帳で証明)、バッテリーが見つかったら山へ行こうかと思っていたんだそうだ。

 被告人質問が、ものすご~く興味深かったんだけど、そこは省略。ここんとこ、ブログ記事を書きすぎで、あっぷあっぷだもんだから。

 とにかくね、登山に行く予定だったのかどうか、「正当理由」に関係するところ、警察作成の書類では、リュックには登山の道具など入ってなかったとなっており、しかし被告人はリュックの中身は「(警察官は)見なかったですよ」と言うので、次回、警察官を尋問することになった。

第二十二条  何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

 ナイフの刃長は(いちばん長いもので、かな)7.3cm。長さのことについては『裁判中毒』で詳述。この事件、同書30ページからのエピソードにちょっと似てるね。

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 警察官が見たのか見なかったのか、真実はわからないが、真実がどうであれ、「これこれこのように見たが、登山の道具はなかった」と証言しない警察官がいるはずもなく(そんな証言をさせる検察官がいるはずもなく。ねぇ)、登山に行く話はウソだと認定され、相場どおりの罰金刑となるのだろう。まーちがいないっ。
 刑事裁判とはそういうものだから、証拠があんまりなくても悪い奴を有罪にできる一方、痴漢をデッチ上げて示談金で儲けようという輩も出てくるのだ。

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いろんな町を転々としてきた

4月10日(木)10時45分~ 風営法違反

 今週2回目の、電車の遅れ。
 中央線のどこかで火災があったそうで、私は中央線は利用せず裁判所へ行くのに、どの電車もえらく混んでえらく遅れた。予期せぬ出来事も想定して20分ほど早めに出かけているのだが。

 そして今週2件目の、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反」の東京簡裁で新件。今週は、簡裁には珍しめの罪名がよく入ってる。ぜんぶ傍聴する私って…。

 10分遅れで法廷に入ると、被告人質問の最中だった。傍聴席には礼田計さんと阿曽山大噴火さんがいた。阿曽山さんは途中で出た。今週、阿曽山さんを法廷でよく見かけたが、最初から最後までいたことがない。たまたまそういうときの彼を私がよく見かけたのか。

 裁判官は永瀨進さん(1室2係)。お初だ。
 検察官は、宮本幸司さんかな。この人、昨日か一昨日か、簡裁のいくつかの法廷の傍聴席で見かけたような?

 あとで礼田計さんから聞いたところによると、被告人(身柄、拘置所)は52歳。無職だという。錦糸町でかな? 客引きの事件。
 同法第28条第12項。

12  店舗型性風俗特殊営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
 当該営業に関し客引きをすること
 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと
                      (以下略)

 そして第52条。

  次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第二十二条第一号若しくは第二号(これらの規定を第三十二条第三項において準用する場合を含む。)、第二十八条第十二項第一号若しくは第二号(これらの規定を第三十一条の三第二項の規定により適用する場合を含む。)又は第三十一条の十三第二項第一号若しくは第二号の規定に違反した
                      (以下略)

「定職らしい仕事が見つからなくて、仕事がなかったため、1日の生活費がほしくてやってしまいました。離婚をきっかけに、いろんな町を転々としてきました」
 と被告人。
 流れ流れて東京を そぞろ歩きは軟派でも…。
 ああ、東京流れ者

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 被告人は店長からは、こう言われていたそうだ。
「うちは金額的に高いので、しつこく誘わないと(客は店に)入らない。卑猥なサービスがあると言わないと客は入らない」
 わはは。

 卑猥なサービスがあると思って入ったらそうでもなくて、ボッタクリまではいかないもののけっこう高いカネを取られる、いてて、そういうスリルもあっての歓楽街ではないか。客引きのいない歓楽街なんて面白くないよ。客引きとか屋台とか、地元の任侠の親分が仕切って、流転人生のオッサンや、こぼれ落ちた若者の、今風にいえばセーフティネットとする、そういう社会のほうが健全なんじゃないか、官僚が天下って税金が流れ込み自民党に献金するようになれば、任侠も栄えるのにな~、でもそれじゃ任侠とはいえないか、などと傍聴席で妄想。

 求刑は罰金30万円。直ちに判決。
「被告人を罰金30万円に処する。未決勾留期間中、その1日を金5000円に換算して、その罰金額に満つるまで算入する」

 これもとりあえず色情犯のカテゴリーに入れとくです。

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防犯カメラにスプレー噴霧

4月9日(水)11時15分~ 器物損壊

 この罪名も、簡裁では珍しい。
  ・否認(略式に応じなかったか、応じて正式裁判請求)
  ・住所不定、無職なので逮捕、勾留して満つるまで算入
 のどちらかと思われる。その解説は拙著『裁判中毒』に。
 ちなみに『裁判中毒』は、ハジケはしないが地道に売れてるそうだ。ありがとね。
 角川書店のサイトでは「在庫無し」となってる。どんどん増刷してよね~cat

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 11時7分に東京簡裁826号法廷(何室何係かメモし忘れた!)へ入ると、さっきの「公然わいせつ」の法廷で見かけた男性がいた。どうも最近、傍聴マニア風の傍聴人がちらほら増えた気がする…。

 裁判官は、虎井寧夫さん。お初だ。検察官は町井裕明さんだった。
 ここでちょっと言っとくと、町井検察官は最近、非常に、なんつーか良い。妙な節回しをつけないし、被告人をあからさまに小馬鹿にすることがない。優秀な、信頼できる検察官に見える。どうしたんだろう。今日は濃いグレーの三つボタンの、良さげなスーツをびしっと着てた。恋をしてるとか? なんつって。coldsweats01

 被告人(身柄、拘置所。38歳)は、黒い髪がぼっさぼさで、濃い顔立ち。ちょっと阿佐ヶ谷ロフトAの平野悠さんみたい。

 被告人は鉄筋職人で、ある会社の寮にいたのだが、刺青(いれずみ)の男から理不尽に殴られ、頭にきて早朝、寮を出た。むしゃくしゃしつつ、いつも衣類や道具を入れてる羽田空港のコインロッカーへ行ったところ、防犯カメラがなんだか自分をバカにしているように思え、道具の1つとしてバッグに入れていた錆止めスプレーを吹き付けて損壊した…。
 中卒で結婚歴はなく、前科も2犯あるが、仕事では1日1万4000円~1万5000円、月に30万円くらい稼ぐのだという。えらいっ。

刑法 第二百六十一条  前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

 求刑は罰金20万円。
 弁護人は、
「検察官の求刑は××でして、異論はありません」
 と弁論を始めた。「××」の部分は聞き取れなかった。
「ご寛大な判決をたまわりたいと…」
 と結んだが、求刑に異論はないって、初めて聞いたよ。公判請求だから懲役求刑と思っていて、しかし罰金だったので、面食らったのだろうか。
「…面会したのですが、被告人はなかなか良いであります」
 とも言っていた。私もそう思った。
 被告人の最終陳述はこうだった。
「いや、もうないです」
 次回判決。11時57分閉廷。

 本日はこれでオシマイ。午後も傍聴したい事件はあるが、温泉から戻ってから毎日傍聴三昧(ざんまい)。ラジオの電話出演(夕方)の準備をしないといけないし、ここんとこ連夜のように新聞や雑誌のインタビューを受けており(ありがとございます)、少しだらける時間を持たないとヤバイと思って。

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電車内でオナニー

4月9日(水)10時40分~ 公然わいせつ

 簡裁のほうで銃刀法違反の傍聴を終え、ちょっと時間が空いた。ので、東京地裁722号法廷で10時から始まってる「強制わいせつ」の新件を、10時40分頃に覗いてみた。
 ほとんど満席。阿曽山さんもいた。後ろから2列目の、4人掛けのうち3席埋まってる間の席しかなく、そういう窮屈なのは普段は傍聴しないんだけど、開廷表ではあと約20分なので、まぁどんな事件かちらっと、と座ってみたわけ。

 裁判官は波床昌則さん(刑事3部)。この人の白髪は見事だよね~。
 被告人質問をやってるところだった。
弁護人 「調書の訂正を求めなかったのは、なぜですか?」
被告人 「大事(おおごと)にしたくなかったから」
 などとやっていた。

 …が、事件の内容は、私が初めて傍聴するものだった。
 ま、要するに、こういうことか。
 性的な異常行動をくり返し、同種(?)前科があり、刑務所を出所して間もない頃、再就職が厳しいなかでストレスがたまって寝てなかったもんで、電車内でズボンの上から自己の陰茎を触り、勃起した状態でさすり始め、膝を開いてコートの前を開け、陰茎をこするなどした(オナニーした)。前に女性が2人いた。そのうち1人に逮捕された。その隣にも女性がいることは意識しなかった。妄想に耽ってて、ついいつもの癖で…見せるつもりはなかった。出所してから、2度とやらないようにと思い、××(他県)から来るときも我慢した。自転車買って、電車には乗らないように…。しかしストレスがたまって寝てなかったもんで…。

 被告人席(東京地裁は弁護人席の前)に戻った被告人を、前の多数の傍聴人の後頭部の隙間から覗くと、私の近眼(&老眼)の目には、なかなか端正な男性に見えた。
 続行するそうで、11時3分閉廷。

 私は出たが、ほとんどの傍聴人はそのまま残った。次は、女性氏名の、覚せい剤の新件だった。女性氏名の覚せい剤事件は、けっこう多いよね。

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2008年4月10日 (木)

ワンカップはこぼれるので電車をやりすごしたが

4月9日(水)10時~ 暴力行為処罰法違反

 昨日と同じ時刻の通勤快速に。この電車、私が経験してきた限りでは、各駅停車より遅いな。10時直前は裁判所の正面玄関が混む可能性が高く、東側の玄関から入るため2分ほど遠回りしなければならないし、乗る電車の時刻を考えよう、って会社員みたい?

 1~2分前に汗をにじませて534号法廷(刑事1室3係、お初の八木澤秀司裁判官。書記官も新しい人。検察官は昨年から立会いをやってた青木秀憲さん)で、「暴力行為等処罰に関する法律違反」の新件。
 これも、否認の可能性が高いとみて、眠いのを押して傍聴にきたのだ。

 被告人は54歳、身柄(拘置所)。黒い、ちょっと格好いいジャンパーを着て、黒髪ぼさぼさに伸び、あごも口周りもヒゲ。発音がはっきりしない。
 罪状認否では、なにかささやいてしきりに肯いてた。
 住所不定・無職で満つるまで算入のケースだ。いや、満つるまで、ではなく相当程度の日数(金額)を、かもしれないけど。意味わかんない? 拙著『裁判中毒』をお読みいただくとわかるですよ。
 霞が関の裁判所の地下の書店を今日見たら、雑誌のコーナーの下の、普通は気づかない隙間に、拙著が5冊くらい、他の本といっしょに入ってた。なんであんなところに!?

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 き、気を取り直して…。
 この事件、もしも私が、たしか28歳くらいの頃、狡(ずる)汚い警察官に騙されたこと(それこそがこの道へ踏み込む最大のきっかけ)がなければ、今頃もしかしたら似たような生き様じゃなかったのか、髪の多さを除いて(笑)、としみじみ思える事件だった。

 被告人は、建築関係の雑業をやっており(昨日の窃盗の記事で書いたように私もやってた)、仕事が終わって寮へ帰るにあたり、500ミリの缶ビールを飲み、駅の売店でワンカップを買い、ワンカップはいつもはホームで飲み(なぜならばワンカップはこぼれることがあるから!)、当日もホームで飲み終えようと電車を見送ったが、すぐに次の電車がきて、まぁいーやと乗ったところ、
「あとからきた客がパパパッと入ってきたから、オオオとなって」
 被告人は押され、後ろの客に当たった、すると後ろの客は被告人をひじで突き、そしてトラブルとなり、新小岩駅で、うながされて降車、しかし駅員のところへ行くと面倒だと思い、たまたまジャンパーのポケットに入れていた、ヒゲをあたるためのハサミ、刃渡り7.5cmで、その客を脅した、ひるんだら逃げようと思った…というふうなことらしい。
 7.5cmって、小学生のハサミかよ! ってヒゲをあたるにはちょうどいいけど。

 被告人質問における被告人の答えっぷりが、なんとも…。この問答を書き起こしたら、そうとう面白い、とは思うけどヒマが…。sweat01

 ともあれ、交通関係以外に前科・前歴はないし、福祉の世話になることなく、しっかり働いてるし、まぁね、「建築関係の雑業」をやってる、髪ぼさぼさ、ヒゲだらけのオッサンが、ワンカップ持って酒臭く、混んだ電車に乗ってきた…という状況があったとしても、よろけたからといって肘で突く乗客のほうに、私はムカつくよぅ、と、とりあえず言っておこう。

 求刑は罰金30万円。
 弁護人(いかにも裕福そうな年配者)が、寛大な判決を求める間、傍聴席の脇のドアに何度かノックがあった。
 次回期日を決めて10時32分閉廷。

 法廷を出ると、だ~いぶ年配の、見るからに善良そうな男性が、所在なさげに居た。次の事件は窃盗。いちおう「被告人の方ですか?」と尋ねると、「いや息子です」と。「もう(法廷に)入っていいんですか」と言うので、「えぇ大丈夫ですよ」と。
 お父さん、情状証人できたんだろうか。
 肉親はみな死んだとか、音信不通だとか、勘当されて本人も肉親を嫌ってる、とかいう被告人は多い。天涯孤独…。一方、愛してくれる肉親、がいて犯罪をくり返す被告人もいる。どっちがどうなのか。後者の被告人は甘いのか。裁判官がよく「両親の気持ちがわかりますか」と被告人質問で言うのは、裁判官自身がどれほど認識しているのかはべつとして、深い言葉なのだと…。

 11時15分からの「器物損壊」まで時間があり、10時から始まってる「公然わいせつ」の法廷へ行ってみた。ハプニングバーか何かの事件かな、と思ったら…。

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2008年4月 9日 (水)

女に運転させたのでは格好がつかないからと

4月8日(火)13時30分~ 傷害・道路交通法違反

 簡裁の風営法違反が13時47分に終わり、地裁刑事7部(高橋徹裁判官)810号法廷の「傷害・道路交通法違反」の審理を覗いてみた。
 13時50分頃に入ると、けっこう傍聴人がいた。この時期、開廷が少ないのに若い男女が集団で傍聴にきたりするもんだから、いろんな事件がけっこう混むんだよね。

 年配の弁護人が弁護人席で長々しゃべっていた。最終弁論なのだな。
 被告人(在宅)は、ちょい茶パツで、黒い長袖Tシャツ(のように見える)に黒いズボン、靴はしゃれた薄茶色。パカッと開いた両足の膝に両手をのせていた。ちょっとヤクザ風ではある。

 交通トラブルで、相手の運転者に対し暴行・傷害をはたらき、現場から立ち去るに当たって女(妻)に運転させたのでは格好がつかないからと、無免許なのに自分で運転したんだという。私には到底思いつかない発想だ。
 交通トラブルによる傷害、殺人のニュースはよくあり、「ひどい被害を受けて怖くなり、その後、暴走車に追われて逃げようと飛ばしたらオービスにやられた」という人にお会いしことはあるけど、傷害を負わせた側が裁かれる裁判を傍聴するのは初めて。
 この件は、目撃者もいたらしい。
 弁護人は、やたら長々、被告人を善良で可愛そうに見せることを述べた。ことさらにそう見せてるな、という臭いが感じられた。しかも、「罰金刑を選択した判決」を求めるのだった。私選なんだろう。
  
 14時5分閉廷。次回判決。

 廊下で開廷表をメモしてたら、びっくり仰天、複数の意味で珍しいというか懐かしい人に遭った。私が遅れて法廷に入ったとき、すぐに今井とわかったそうだ。私ってそんなに良い男? いやん。
 ものすごい興味深いお話を聞いたのだが、どこまで書いていいものやら。

 本日の傍聴はこれでおしまい。
 帰りに新宿で、スキャナーからPDFファイルをつくるソフトと、ウィルス対策ソフトを、ようやく買ったよ。

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故意と共謀を否認

4月8日(火)13時30分~ 風営法違反

 東京簡裁・刑事2室1係(武内晃裁判官と、お初の梶山健一郎検察官)534号法廷で、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反」の新件。
 この罪名も、拙著『裁判中毒』でご説明したとおり、否認の可能性が高い。 

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 10分前に法廷に入ると、被告人席に茶パツの女性が。
 両脇に警察官も刑務官もいない。在宅なのだ。てぇことは、住所不定・無職だから逮捕・勾留して満つるまで算入、ではなく、否認、それも略式に応じて罰金の支払命令(略式命令)を受けてからの正式裁判請求である可能性が高い。

 被告人は49歳で、飲食店経営だという。
 1月10日付けの起訴状によれば、被告人は渋谷区(といっても渋谷駅付近じゃないよ)のビル内にある飲食店の経営者であり、その店長と共謀して、風営法の許可を受けていないのに、昨年9月4日20時43分頃、「うらら」こと■■らをして、不特定の客に酒類を提供して接待し、もって設備を設けて風俗営業第2項の営業をしたものである…。
 適用法条は、風営法49条1号、3条1項違反。

第二条  この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
 キヤバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接待をして客に飲食をさせる営業
 待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
 ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(第一号に該当する営業を除く。)
 ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業(第一号若しくは前号に該当する営業又は客にダンスを教授するための営業のうちダンスを教授する者(政令で定めるダンスの教授に関する講習を受けその課程を修了した者その他ダンスを正規に教授する能力を有する者として政令で定める者に限る。)が客にダンスを教授する場合にのみ客にダンスをさせる営業を除く。)
 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた客席における照度を十ルクス以下として営むもの(第一号から第三号までに掲げる営業として営むものを除く。)
 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
 スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
 この法律において「風俗営業者」とは、次条第一項の許可又は第七条第一項、第七条の二第一項若しくは第七条の三第一項の承認を受けて風俗営業を営む者をいう。
 この法律において「接待」とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう
 この法律において「接待飲食等営業」とは、第一項第一号から第六号までのいずれかに該当する営業をいう。
                        (以下略)

 そして…。

第四十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 第三条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで風俗営業を営んだ者
                        (以下略)

 こんなことでもないと、こういう法律をしみじみ読むことってないよね。
 で、罪状認否で被告人はこう述べた。
「あー、共謀して無許可で接待行為をさせたというのが、どうしても納得できなくて…」
 2007年5月に、警察から注意され、店長には接待行為をしないよう言い、してないと思っていた、のだという。略式には同意したんだそうだ。
 途中でぞろぞろ若い男女が7人、入ってきた。うるさっ!
 弁護人(ときどき見かける弁護士)は、
「故意と共謀がない」
 同意書証の要旨告知によれば、店長はすでに50万円の略式命令を受けているのだという。売り上げは1980万円程度、店長の取り分は800万円程度…。9月4日の手入れ時のホステス4名、客として接待行為を受けていた4名の供述調書…。
 検察官が店長を証人申請。弁護人は、然るべく。

 さて、また否認の裁判が1件始まったわけだ。
 被告人を略式に応じさせようとするからには、共謀に相当する事実があった、故意があったと認められる事実がある、という調書が出来上がってるんだろう。そうした調書の任意性、信用性が怪しいことが、いかに法廷で立証されても、調書をもとに有罪とするのが日本の刑事裁判なのだが。
 だから、自白調書さえ取ればいいのだと警察はムチャクチャをやるようになり、本来の捜査能力は衰えていく…。結局は裁判所が衰えさせているといえるのだ…。
 とまずは推測、確認して、傍聴していくことにしよう。

 とりあえずこの事件、色情犯のカテゴリーに入れときますんで。

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爆弾電話3回目

4月8日(火)13時15分~ 威力業務妨害

 東京地裁・刑事8部(川本清巌裁判官)716号法廷で、「威力業務妨害」の判決。

 被告人(身柄、拘置所)は、白髪交じりの坊主頭で、黒いだぼっとしたものを着ていて、住職かと一瞬思った。職業は不明。

 今年1月30日の夜、門前仲町駅(地下鉄大江戸線?)に爆弾を仕掛けたと電話し、警察官や駅員を爆弾検索業務に従事させた、というもの。
 ピシッと直立して姿勢が良いな、と思ったらやはり服役前科があった。
 大急ぎの粗いメモなんで、間違いもあるかと思うが…。

  2000年5月19日、東京地裁で器物損壊により懲役3年6月
  2003年、その執行を受け終わり
  2004年6月25日、何かで(メモ漏れ)懲役1年4月
  2005年9月25日、その執行を受け終わり
  2005年12月7日、威力業務妨害で懲役2年
  2007年12月6日、その執行を受け終わり
  2008年1月30日、本件犯行

 というふうなことらしい。
「あなたの場合ねぇ、衝動を抑えられないことが問題点かと思います。爆弾仕掛けたという電話、今回で3回目ですよ。そこんとこ、よく考えてください」
 と裁判官。

 この事件の検索を試みると、2ちゃんねるの2004年4月の×× (←なんて呼称か知らない)がヒットする。それが、2004年6月25日の懲役1年4月の事件なのだろう。それを含めて今回で3回目ってことなのだろう。

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著者:今井 亮一
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ロッカー荒らしと仮睡盗

4月8日(火)10時30分~ 窃盗2件

 午前は他に傍聴予定がなく、そうだ、と思いついて簡裁の「窃盗」の新件を2件連続、傍聴してみた。略式で(つまり罰金で)すむはずだったのに、なにか不服で公判廷へ出てきた、という事件があるかもしれないので。
 窃盗の罰金に当たる確率は、ものすごく低いだろうけど(そのへんの詳しいことは『裁判中毒』参照)、地道に傍聴を重ねるしかない。

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 10時30分からのは、ロッカー荒らし
 被告人は40歳、身柄(拘置所)。中卒後、職を転々。少年時代に窃盗の前歴1、20歳になって窃盗(車上狙い)で懲役10月、猶予3年、同じ年に何かで科料3000円。
 3年前に父親が亡くなりその遺産100万円を相続したが、父親の借金を返したり、妹の借金を返したり、母親が脳梗塞で車が要るというので買ってあげたりで、もうない。母親や妹は自分の生活で精一杯で情状証人には来られない。
 建築現場や清掃のアルバイトをしながら、昨年からはカプセルホテル、サウナ、ネットカフェに泊まりつつ警備員の仕事(1日6000円)を勤勉にやっていたある日、大森北のカプセルホテルの浴室脱衣場で、たまたまそばのロッカーに鍵が刺しっぱなしになっているのに気づき、経済的に困窮していたことから、中にあった財布を窃取し、現金5万5000円を抜いて財布は公園の植え込みに捨てたものの、もともと高血圧で前に脳梗塞をやったこともあることから、ドキドキして具合が悪くなり、飯田橋の警察病院へ行き、警備員の仕事を休んでしまった…。
 防犯カメラの映像から人物を特定されたのだという。現在の所持金は2万円くらい。

 建築現場の日払いのアルバイト、という被告人は多い。
 私も昔、というのは20数年前か、やったことがある。便利屋「ザ・ゴリラ便」の仕事で。当時はバブルの時代。いろんな仕事があったのだ。
 ビルやアパートの建築・改装の現場で、ハツった瓦礫を、あれはなんていう呼称だっけ、ずだ袋に押し込んで、トラックに積んだり、トラックに満載の石膏ボードを数枚ずつ抱えて運んだり、エレベーターなんか動いてないから、相当の重労働だった。
 依頼者は1時間3000円+出張料(1000~3000円程度)を払う。そのうちバイトの取り分は、1時間1500円以上+出張料のほとんど全額、だったかな。1500円以上ってのは、3000円のときもあるってことで…。

 11時15分からのは、仮睡盗
 被告人は23歳、身柄(拘置所)。専門学校を退学になり、ヤクザにあこがれて上京、住吉会系の組に入ったが、昨年10月、破門に。暴力団員になる前に、占有離脱物横領、軽犯罪法、傷害・逮捕監禁など前歴4。
 2人の人物を捜すよう頼まれ、その人物らは早朝いつも山手線で寝ていることがわかっていたので、山手線を乗ったり降りたりして探したが見つからず、疲れて寝ようと座席に座ったところ、隣の男性が酔いつぶれて眠っており、ズボンの尻ポケットから財布(現金8万460円と40米ドル入り)を抜き取った(被告人によれば座席に落ちたのを拾った)ところを、スリ・置き引き等の警戒へ当たっていた警察官に現認され…。
 起訴されるまで否認しており、暴れるおそれがあるとされたのか、いつも2人の刑務官が3人だった。
 12時5分閉廷。

 いずれも求刑は懲役1年6月。
 いずれも東京簡裁・刑事2室2係、728号法廷。
 裁判官(小川利行さん)、検察官(日下部敏さん)、書記官、みんな新しい人たちだった。

 裁判所の地下の食堂は、長蛇の列。
 国土交通省の食堂でラーメン大盛り400円。
 途中、合同庁舎2号館(警察庁と総務省が入ってる)の地下食堂を見たところ、閉まっており、4月10日グランドオープンとポスターが。
「随意契約はいかん、公正な競争入札でやれ」
 というブーム(?)の影響で、あちこち激しく入れ替わってるんだろうか。
 ところが農林水産省の場合、ずばりの随意契約ではないものの、どうも入札とはほど遠いやり方のようだし、「公正な競争入札」にすれば大企業が独占するばかり…。
 やっぱ私が食堂省大臣にならんといかんですたい(笑)。

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この論法で有罪にできる以上は

4月8日(火)10時~ 光電式78キロ超過

 20分近く前に着けるよう出かけたのに、なんでか知らないけど電車が遅れて遅れて、霞が関の駅のホームでドアが開いたのがちょうど10時。東京簡裁・刑事1室2係の826号法廷へ入ったとき、10時5分を過ぎていた。

 1月24日第1回 否認 同意書証の要旨告知
 2月28日第2回 被告人が仕事のほうを選択
 3月4日第3回 警察官と日本無線社員を証人尋問、被告人質問
 3月18日第4回 論告・弁論

 という経過を辿った光電式78キロ超過の判決。
 826号法廷の、傍聴席の椅子は、新型になっていた。全法廷、替えたんだろうね。

 廊下の開廷表では、永瀬進裁判官と宮本幸司検察官のコンビになってたが、本件言い渡しは、後藤征弘裁判官と町田裕明検察官。

 傍聴席に着くと、壇上で後藤裁判官が、判決の理由を述べていた。
「…というところで点検されて、点検の結果、異常がなかったと、そういう事実が確認されてますんで、裁判所としましてはね、誤測定・誤作動があったとは到底考えにくい、そういう結果になったということです。…本件公訴事実の認定を妨げるものは見当たらないと、そういう結論に達したということです」
 などと、非常にていねいに、素人でもよぉ~くわかるように述べていた。
 ま、要するに、メーカーが大丈夫と言ってるから大丈夫なんだ、という論法である。
 しかし私には、
「あなたは本当に測定値の速度を出していないのかもしれないけれども、この論法で有罪にできる以上、そしてこの論法で有罪にしてしまうこと自体がダメと、がっちり争ってくれない限り、裁判所としてはこの論法で有罪にせんといかんのです。許してね」
 と、聞こうと思えば聞こえるように思えた。
 10時13分閉廷。
 終わって被告人に尋ねたところ、主文は罰金10万円、訴訟費用のうち証人分のみ負担、だったそうだ。
 警視庁の警察官は、旅費日当を請求しないようになってるはずなので、証人の旅費日当が発生してるということは、日本無線の社員が請求したんだろう。

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 同じ10時から、地裁531号法廷で、何度も見逃していた「虚偽告訴」の審理があり、急ぎ行ってみる。
 が、ちょうど、書記官が内側からドアをロックしているところだった。もう終わったのだ。開廷表では10時30分までとなっていた。論告・弁論の予定だったんだろうね。
 そうすると、あとはもう判決しか傍聴できないことになる…。

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2008年4月 8日 (火)

農林水産省の食堂に異変!

4月7日(月)

 12時30分~、弁護士会館1401号、目撃証言研究会、片岸みつ子さん…。
 それだけメモして、弁護士会館へ。
 やっぱナマの当事者のナマのお話を聞くのは良い。
 昨夜あんまり寝てないのに、居眠りしなかった!

 15時30分、裁判所へ。
 今日はまだ開廷が少なく、今週の開廷表だけチェック。

 東京簡裁に、新しい裁判官のお名前が!
   1室2係 永瀬進さん (元武蔵野簡裁)
   1室3係 八木澤秀司さん
   2室2係 小川利行さん (元東京高裁民事11部の書記官?)
   2室3係 田中芳和さん
 2室1係は、替わらず武内晃さん。1室1係は? 岩垂正起さん?

 東京簡裁は今週は、風営法違反の新件が2件入ってる。ものすごく逞しく想像するなら、今年に入って客引きの取締りをムリヤリやったもんだから否認が増えた、とか?
 器物損壊、暴力行為取締法違反、銃刀法違反の新件も入ってる。みんな否認か、または住所不定・無職で満つるまで算入なんだろう。
 拙著『裁判中毒』166ページにあるように、こうやって「最初からの否認」を探すわけですよ。同書をお読みいただいた元裁判官氏から、別の探し方も教わった。おお~。それはまた今度ね。

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 東京地裁は今週、ユキさんがレポートしてる「傷害致死、死体損壊、傷害」のとうとう判決がある。
 野田敬生さんがレポートしてる「詐欺」の審理もある。こっちは傍聴券だ。
 東京高裁では、東京簡裁にいた小島裕史裁判官が横浜簡裁で無罪を言い渡した三菱自動車の事件の、控訴審の審理があるね。
 これが410号法廷。410は、地裁刑事1部が使ってたのに、なんで?

 それから農林水産庁へ。
 第5食堂の跡がどうなってるか見ようと思ったわけだが、変わったねぇ、入館方法が! 受付に氏名等を書いて、ゲートを開扉させるICタグを受け取ることに。
 しかもっ! 食堂だけの利用では入館できないのだという。一般が利用できる食堂は、南別館(弁護士会館に近いほう)へ集め、6月1日からの利用になるんだという。
 もう少し詳しく説明すると、第1(裁判所の正面玄関に近いほう)と、第2(いちばん遠いほう)は、そのまま営業を続け、第4(そば食堂)と第6(ナポリタンが最高)と、第5が退いたあとに算入した食堂と、この3つが、北別館で、北別館にもともとあった第3といっしょに、一般も利用できる形で、6月1日営業開始、どうもそういうことらしい、現時点で私が得た情報によれば。
 それと、もう1つ、農林水産省には、通称“屋上喫茶”とかいう食堂があったんだね! 確認したところ、たしかに、“天空の城ラピュタ”を彷彿とさせる、別世界のような食堂が。ってそれは言い過ぎか。
 ただ、なんとなく、デジャブのようなものを感じる。ずっと昔、今回と同じように確認に行ったことがあるのかもしれない。
 どうです、農林水産省の食堂マニアには、貴重な情報でしょ(笑)。

 え、なんで私は入館できたのか? それは情報公開のためだ。
 食堂関連で4件、開示請求してきた。印紙1200円。いてて(泣)。
 とにかくね、農林水産省は“食堂省”になったらいいと思う。初代大臣には私がなってあげる。食堂立国を目刺し、もとえ目指しますんで。世界食堂サミットを大成功させ、財団法人食堂振興協会全国連合会の会長に天下りして、毎日半炒飯ラーメンとカツ丼とカツカレーとサバ味噌煮定食を食って。

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2008年4月 7日 (月)

ドキュメント仙波敏郎 告発警官1000日の記録

 きっこさんが推すオムライス党こと社民党、の福島みずほ事務所から、またNシステムについての情報をいただいた。

平成20(2008)年度自動車ナンバー自動読取システム関連経費
                                    2,188百万円

○自動車ナンバー自動読取システムの整備・拡充に要する経費
                                    2,188百万円

(整備数)
   ・読取装置増設数 54式
   ・読取装置更新数 15式

 2,188百万円とは、単位が100万円だから、21億8800万円ということ。
 小学生はよく「百億万円払ってね!」とか言うけど、それは1000兆円を意味するわけだ、私の計算が合ってれば。

 08年度は新設54式、どこに設置するんだろう、とりあえずサミット関連だろうか。
 サミットといえば、7月7日~9日の洞爺湖サミットのことかと思ったらそれは大間違いで、それ以前にあちこちで分科会みたいなことをやるらしいね。知らなかったよ。
 ちなみに、今年、中国で本当にオリンピックがあるらしいというのも、私は今年に入って知った。チベット問題の報道を見て、ほんとに本当なんだ! とわかった。

 この週末、伊豆の温泉へ行ってきた。
 途中で私の車両を補足して、見る者が見れば、
「おっ、今井、またあそこか? 出発の曜日がいつもと違うな。メモしとこう。通過時刻と経路からして、いつものあそこへ行ったと推察できるが、帰りの経路がちがう。あの事件にも絡んでるのか?」
 という情報を得られるNシステムの下をいくつも通過してきたが、気づいた限りすべて、新型の筐体1つのタイプに更新されてたね。

 伊豆で、この本をようやく読了。

ドキュメント・仙波敏郎 -告発警官1000日の記録- Book ドキュメント・仙波敏郎 -告発警官1000日の記録-

著者:東 玲治
販売元:創風社出版
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 昔、『千日のアン』という映画があった。ジュヌビエーブ・ビジョルドという女優さんが主役だった記憶はあるが、観たかどうか忘れた。予告編しか観てないんじゃないかと思う。『冬のライオン』は観た。たしかワインを温めて飲むシーンに「へぇ!」と思った記憶がある。

 「告発警察官1000日の記録」も、この1000日は、十二分に映画になり得る展開の1000日だと思う。まー、すっごいですよ! 仙波敏郎さんというキャラがまた(私はご本人と2度お会いしてるから特にそう思うのかもしれないが)おっそろしく立ってる。あんな人は、いないよ!
 本について言えば、ちょっと変わった本だ。同じことを何度も説明してる。約350ページと長いのは、そのせいもあるんだろう。
 だが、同じことを何度も説明してくれているおかげで、ページを戻って前のエピソードを探す(確認する)ことなく、続けて読めるのだ、ともいえる。こういうのもアリだな、かえって親切だな、と思った。
 その点を差し引いても、著者の東玲治さん(元サンケイ新聞)の書きぶり自体が、少しくどいんじゃないかと思うのだが、たとえそうであっても、そんなのは些末(さまつ)なことと断言できるほど、内容はすごい。というか事実がすごい、警察が、愛媛の議会がすごい。仙波さんがすごい。

 Nシステムのことも出てくる。

 仙波がある日、ある目的の為に車を走らせたところ、目的地周辺の接触可能性のある人物を警官がすぐさま訪ね、仙波と接触したかどうかをしつこく尋ねたという事実などは…

 などと。これを、その人物がとぼけてれば大丈夫、と思う人は甘い。
「仙波さんは得体の知れない力により監視されている。俺も、仙波さんに関われば監視される! 関わるのはヤメとこう。口をきかないようにしよう」
 となるかもしれない、そっちのほうが、よほど重要(ある勢力にとっては有用)なのだ。
 警察組織(の悪い部分)に都合の悪い者、または特定の(たちの悪い)警察官に都合の悪い者を、監視すると同時に、監視対象者の周囲の者を萎縮させて監視対象者を追い込んでいくことができること、それをさせない歯止めが一切ないこと、そこが、約22億円のキックバックがどうとかいうことを越えて、Nシステムのいちばんマズイ点だと思う。

 仙波敏郎さんの話を、なんで東玲治さんが書いてるのか。それは最後のほうで明かされている。なるほど、そりゃそうだ、である。この本は、ほんとヤバイ本、しかしどうしても出さねばならなかった本なのだと思う。
 来年、仙波さんは定年だという。退職したら、その段階でのご自身の筆による本を著してほしい…なんてノンキなことは言ってられない。あろうことか現職の身で、警察裏金を内部告発した警察官が、定年まで勤め上げてしまう、そんなことになったら、警察組織としては一大事! のはず。そうならないよう、警察庁と愛媛県警は、あらゆる方策を考えるはず。なにか手を打ったときに、愛媛県知事と議会はどう呼応するのか、マスコミ各社はどうするのか、はらはらドキドキするよぅ!
 こんなすごい本なのに、アマゾンの「カスタマーレビュー」が現時点では1つもないことが、すごさをよけいに感じさせると、読み終えて思う。

 伊豆へは、もう1冊、持っていった。

反転―闇社会の守護神と呼ばれて Book 反転―闇社会の守護神と呼ばれて

著者:田中 森一
販売元:幻冬舎
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 こっちも分厚い本だ。総ページ400を超える。
 味わいはだいぶ違うけれども、こっちも負けず劣らず面白い!
 「カスタマーレビュー」のとおりだ。
 田中森一さんという人も(私は1度お会いしたことがある)、仙波敏郎さんと同様、おっそろしくキャラが立ってる。
 劇画はキャラクターだ! と劇画村塾小池一夫さんは必ず言うけれども、社会を動かすのも人物のキャラクターなのかもしれないねと、酔っぱらいキャラ、ボケおやじキャラの私は思うです。歴史をふり返っても、人を社会を動かすのは、主義主張じゃなくてキャラ(人物)なのかもね。
 じゃあ、キャラをつくるのは何か。生い立ち、境遇、出会い、そして努力…いや、そんな単純なものじゃないかも…いや、単純と思えるものこそ強いのかも…。どうなんだろうねぇ。

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 ブログ「名古屋地方裁判所やじうま傍聴記」に、
かわいいおばあちゃんめぐって大混乱! 狂犬病予防法ってナニ? 」
 がアップされた。
 拙著『裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21)』の、51ページにちらっと書いた、「狂犬病予防法・過失傷害」という非常にレアな事件の傍聴記だ。
 じつはこの事件、偶然傍聴して「あり得ない事件だ!」と興奮し、しかし私はそうそう名古屋へ行けないので、同ブログの絶坊主さんに、もし可能なら傍聴しみてくださいよとお願いしたのね。

よく聞いてみると、信じられない内容で、「なんじゃこりゃ~!? 何でこんな裁判やってるの?」と驚きました。もう、とにかく、こんな裁判を見るのは初めてで、「信じられない」という言葉しか浮かびませんでした。

 と絶坊主さんは書いてるが、ほんとそのとおりだ。
 絶坊主さんは、私とは正反対の几帳面な方のようで、レポートはなかなか読み応えがある。なぜ告訴されてしまったのか、警察は何をしたのか、検察は何をするのか、そして裁判所は最終的にどう判断するのか、こんなレポートは他では絶対に読めない!

クッキー(Nさんの飼い犬の正式名称………の仮名)
ポチ(Nさんが飼い犬を呼ぶ時に使うあだ名………の仮名)

 とあるのを見て、私ゃメタボな腹を揺すって爆笑してしまった。犬の仮名って! 絶坊主さん、いい味だしてますねぇ(笑)。

2008年4月 4日 (金)

「満つるまで算入」の罰金は

 有酸素散歩約1時間。終わりに例の絶品の立ち食いそば屋で、かけそば(揚げ玉とワカメ入り)大盛り310円を食って満足し、公園のベンチで読書。

  

 これをようやく読了。
 ちょっと粗いように感じる部分もあるが、オヤジのツボにはびったり嵌るわ~。額がぽっと熱くなり、「愛国」の2文字が自信をもって浮かび上がってきたよ。「偏狭なナショナリズム」じゃないほうの「愛国」ね。
 愛国者は温泉が大好きなはず、と以前から私は言ってきたが、そのワケがわかった。農林水産省地下の第5食堂が好きだったのも、私が愛国者だからなのだ、きっと。
 ベストセラーになるのは、なるほど肯ける。同書は2005年11月20日発行で、私が読んだのは2006年4月5日22刷(すり)。

 読み終える直前に、某新聞の記者氏より電話あり。
 話してて、「ん?」となった。
 私は大概のことを1人でやってるもんだから、自分じゃ気づかず見過ごしてることがだいぶあり、他の優秀な記者氏の突っ込みに触発されて「ん?」となる、そういうことあるんだよね。非常にありがたい。

裁判官 「被告人を罰金×万円に処する。未決勾留中の1日を金5000円に換算して、その罰金額に満つるまで算入する」

 という場合の罰金×万円は、拙著『裁判中毒』、79ページの表、罰金刑の執行額の、どの項目に該当するのか。「労役場留置」か「徴収不能」か「未済」か。どう思う?

  

 仕事場へ戻ってすぐ、法務省へ電話してみた。
 たぶんマニアックなオジサンがいて、調べて教えてくれた。
 そのような判決になった場合、徴収すべき罰金として徴収係のところへこないので、その表には載らないのだという。なるほどぉ~! そっかぁ~! 感謝感激。

 そうするとだ、「満つるまで算入」の場合の、および「未決勾留中の×日分を罰金額に算入する」という場合の、罰金額、その総計は年間どれくらいになるのか、最近増えてるとかあるのか、嗚呼、ひとつわかれば、さらなる疑問が湧いてる。“マニア地獄”。一生浮かび上がれない…ってどこへ浮かび上がるんだよ(笑)。

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2008年4月 3日 (木)

でっち上げが起こりやすい横断歩行者妨害

 以下、CBCニュース。■部分は記事では実名。

交通違反をし警官に暴行した男逮捕
交通違反で検挙されたことに激高し、反則キップを切ろうとした警察官に暴行を加えた男が、公務執行妨害の現行犯で逮捕されました。
逮捕されたのは、知多郡東浦町の■■■■容疑者32歳です。
■■容疑者は、1日午前9時半ごろ、緑区青山2丁目の横断歩道で、歩行者の女性に道を譲らなかったとして、歩行者妨害違反で警察官に車を停められました。
この際、■■容疑者は「違反は認めない」などと警察官を怒鳴りつけ、反則キップを奪い取り、警察官の手をひねりあげ免許証を奪いとりました。
歩行者妨害違反は、反則金は9000円ですが、■■容疑者は「何で違反なんだ。弁護士を呼べ」と一貫して違反を認めていないということです。(1日16:49)

 あ~ぁ、とうとうそんなことになっちゃったか…なっちゃうよなぁ…と、全国の警察官諸氏は思ったのではないか。

 本件の走行態様がどうだったか、真実はわからないが、『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?』のQuestion067で解説してるとおり、横断歩行者妨害の取り締まりは、違反が成立しないのに強引にヤラレちゃうことが、よくあるようなんだよねぇ。
 たとえば、極端な例を挙げれば、片側2車線の道路を小回り左折して横断歩道を通過するとき、あっち側の車線の横断歩道上に、こっちへ向かって歩いてくる歩行者がいたから違反だ、とか。

 少なくともいくつかの県警では、警察官は、前年の取り締まり件数を参考に、自分の取り締まり目標を立て、提出することになってる。その表には、横断歩行者妨害の項目がわざわざある。
 私も歩行者としてあちこちの横断歩道を横断するが、冷静な目で見るなら、ズバリ違反が成立する横断歩行者妨害は、そうはない。とすれば警察官は、いくら横断歩道付近で待ち伏せていても、効率よく目標を達成するのはなかなか困難なわけだ。
 そこで、違反が成立しなくも、「同時に同一の横断歩道上に、車両と歩行者があった」という事実のみで検挙し…ということが起こってくる…。

 ま、それでも運転者の99%は泣き寝入りして(=反則金を払って)警察を呪い、残る1%は反則金を払わずに争って不起訴になる、という決着だったんだろうけど、世の中が苛立ってくると、こういう事件も起こってくるのか、すでにちょくちょく起こってるけど私が知らなかっただけなのか…。

 本件は、『裁判中毒』の最初のエピソードのようになるんじゃないかな…。

『裁判中毒』は、SMAP風に言うなら「これぜってぇおもしれぇ!」だと思う。笑って泣けて寒々として、そして愛と希望をじんわり感じつつ、マニアックな情報が山盛り、絶対に損はさせませんから、まぁいっぺん読んでみてチョーダイっ!

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2008年4月 1日 (火)

自衛官による駐禁身代わり出頭

3月31日(月)13時15分~

 農林水産省地下・第5食堂で“お別れランチ”をとって裁判所へ戻る。
clip 13時15分から東京高裁・刑事9部(原田國男・田島清茂・左近司映子裁判官)805号法廷で、「道路交通法違反・公務執行妨害」の判決。
 広い法廷に傍聴人は私を含め2人だけ…かと思ったら開廷3分前、ヤクザっぽい人たちが数人ぞろぞろ入ってきた。そのうち、身なりも顔つきも良い中年男性が被告人席へ。
 数値の高い酒気帯び、物損事故。動けなくなってイライラしていたところ、飲酒検知の若い警察官からタバコを吸い続けるのをヤメるよう言われたことに腹を立て、顔面を頭突きしたのだという、判決の理由によれば。
※ 検査装置の取説を読むと、タバコは検査値を高めるおそれがあるので、検査前によく深呼吸させるように、とある。
  酒気帯びの前科2犯あり、覚せい剤で懲役1年6月、猶予5年の判決を受け、その猶予期間中の本件犯行。原判決は懲役1年(求刑1年4月)。控訴棄却。

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clip 続いて同じ法廷、同じ構成で、「強制わいせつ」の判決。
 被告人(在宅)は、ポケットにフラップのついた、しゃれた冬のブレザーを着た、背の高い高齢者。目がやけに小さい。
 双方から弁論再開の求めあり。弁護人(若め)からは控訴趣意書の一部撤回。
 被告人質問が行われた。
 どうやら、一審および控訴審第1回では、わいせつ目的を否認していたが、被害女児(!!)の家族からの「通告書」なるものを見て、自分の主張が社会通念から外れていたと気がつき、否認を撤回することにしたと、そういうふうなことらしい。
 そんなんじゃあ、このまま判決とはいかない。判決は2週間後に。
 控訴するってことは、一審は実刑だったと思われ、てことは同種前科があったか、前科なしだけどよっぽどひどいことをやったか…。
 13時39分閉廷。

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clip 枝廊下を挟んだ803号法廷(高裁刑事5部。中山隆夫・服部悟・田村眞裁判官)で、13時30分から「犯人隠避」の審理があった。
 審理の期日を取るからには、それなりに長い証人尋問なんだろう、と思って先に805号の判決を傍聴したのだが、803号に入ると、なんと判決を言い渡しているところだった。開廷表はアテになんないんだよね~。
 内容は、借金に借金を重ね、高利で借りた相手の駐車違反について身代わり出頭、という自衛官の事件だった。
 あとでネット検索できた報道によれば、原審は長野地裁・松本支部で、原判決は懲役1年、執行猶予3年。身代わり出頭をさせたほうはすでに懲役1年6月、執行猶予5年(求刑1年6月)の判決を受けており、いずれも荒川英明裁判官なんだという。
 ええっ、私は荒川裁判官が仕切るスピード違反事件を、千葉地裁と横浜地裁・小田原支部で傍聴したことがある。その後、東京高裁・刑事7部の右陪席にお見かけしてびっくりしてたら、松本支部の支部長に…。荒川さんが仕切る公判を、また見てみたい…。

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 それで、だ。自衛官は執行猶予付きでも懲役刑を受けたら懲戒免職となる、「犯人隠避」の罰金の上限である20万円を贖罪寄付した、債務は整理して400万円に圧縮、月7万円5年間で完済する計画が立った、上司が上申書を出し、同僚ら345名が署名して嘆願書を出し…なんとか罰金刑に落としてほしい、という控訴の趣意なのだった。

第百三条  罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 判決は、原判決破棄、被告人を罰金20万円に処する。
 よかったね~。
 じゃあ、荒川裁判官の量刑は重すぎたのか、いや、そうじゃないんだと思う…。
 加えて、駐車違反の身代わりを処罰することの意味…。
 終わって傍聴席で見られた光景…。
 そのへんは『ラジオライフ』の次の原稿で書こうか。

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clip 13時48分、枝廊下へ出ると、さっきの805号法廷の前に裁判所の職員がいた。
 14時からの罪名は、「準強姦、準強制わいせつ、公務執行妨害、傷害」。判決。
 遮蔽の措置をとるので、措置が終わったら傍聴人を入れるという。
 判決なのに、なんで? 再開して証人尋問?
 興味がわいて傍聴することに。
 だが、遮蔽の衝立(ついたて)は、証言台の部分だけではなく、バーに沿って長い高い壁のようにあり、
「じゃ、弁護人から再開の申請…と。示談書と預り書、ですか。もう1件の関係もあるとのことなので、4月14日でよろしいでしょうか」
 と原田裁判長が言い、2分ほどで終わってしまった。
 うぅむ、これは、傍聴人のなかにいるかもしれない事件関係者と被告人とを隔てる壁だったのか…。どういう事件なんだろう…。

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