防犯カメラにスプレー噴霧
4月9日(水)11時15分~ 器物損壊
この罪名も、簡裁では珍しい。
・否認(略式に応じなかったか、応じて正式裁判請求)
・住所不定、無職なので逮捕、勾留して満つるまで算入
のどちらかと思われる。その解説は拙著『裁判中毒』に。
ちなみに『裁判中毒』は、ハジケはしないが地道に売れてるそうだ。ありがとね。
角川書店のサイトでは「在庫無し」となってる。どんどん増刷してよね~
11時7分に東京簡裁826号法廷(何室何係かメモし忘れた!)へ入ると、さっきの「公然わいせつ」の法廷で見かけた男性がいた。どうも最近、傍聴マニア風の傍聴人がちらほら増えた気がする…。
裁判官は、虎井寧夫さん。お初だ。検察官は町井裕明さんだった。
ここでちょっと言っとくと、町井検察官は最近、非常に、なんつーか良い。妙な節回しをつけないし、被告人をあからさまに小馬鹿にすることがない。優秀な、信頼できる検察官に見える。どうしたんだろう。今日は濃いグレーの三つボタンの、良さげなスーツをびしっと着てた。恋をしてるとか? なんつって。
被告人(身柄、拘置所。38歳)は、黒い髪がぼっさぼさで、濃い顔立ち。ちょっと阿佐ヶ谷ロフトAの平野悠さんみたい。
被告人は鉄筋職人で、ある会社の寮にいたのだが、刺青(いれずみ)の男から理不尽に殴られ、頭にきて早朝、寮を出た。むしゃくしゃしつつ、いつも衣類や道具を入れてる羽田空港のコインロッカーへ行ったところ、防犯カメラがなんだか自分をバカにしているように思え、道具の1つとしてバッグに入れていた錆止めスプレーを吹き付けて損壊した…。
中卒で結婚歴はなく、前科も2犯あるが、仕事では1日1万4000円~1万5000円、月に30万円くらい稼ぐのだという。えらいっ。
刑法 第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
求刑は罰金20万円。
弁護人は、
「検察官の求刑は××でして、異論はありません」
と弁論を始めた。「××」の部分は聞き取れなかった。
「ご寛大な判決をたまわりたいと…」
と結んだが、求刑に異論はないって、初めて聞いたよ。公判請求だから懲役求刑と思っていて、しかし罰金だったので、面食らったのだろうか。
「…面会したのですが、被告人はなかなか良いであります」
とも言っていた。私もそう思った。
被告人の最終陳述はこうだった。
「いや、もうないです」
次回判決。11時57分閉廷。
本日はこれでオシマイ。午後も傍聴したい事件はあるが、温泉から戻ってから毎日傍聴三昧(ざんまい)。ラジオの電話出演(夕方)の準備をしないといけないし、ここんとこ連夜のように新聞や雑誌のインタビューを受けており(ありがとございます)、少しだらける時間を持たないとヤバイと思って。
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