フォト
2025年11月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« 元警察官が現職警察官を平手打ち | トップページ | 1キロ違うから公訴棄却とは? »

2008年4月19日 (土)

不倫出産の果てに闇サイト

4月17日(木)15時~

 

 15時から、東京地裁・刑事11部(楡井英夫裁判官)403号法廷で、「脅迫・器物損壊」の新件。
 被告人氏名は女性氏名。15分ほど前に法廷(傍聴席20席の狭い法廷)の前へ行くと、すでに10人ほどいて、さらに次々やってきた。弁護人と、被告人の家族らしき人たちもきた。
 前の事件は「強制わいせつ」。ドアノブに満員札がかかってる。
 その傍聴人が全員出なかったらどうしよう。席を取れるかな。高校時代に開店前のパチンコ屋の玄関前に並んだときのことを思い出したよ。
 15時6分、前の事件が終わり、あっという間に傍聴席は埋まった。私は前列中央付近に。

 

 被告人の家族らしき、と思ったなかの1人が被告人(在宅)だった。
 37歳。本籍地も住所地も四国地方の某県だという。えっ? なぜ四国?
 起訴事実は、Aと共謀のうえ2007年5月、東京中野区のK宅玄関先において、「可愛そうだがKの身代わりになってもらう」とかいう脅迫状を置き(Kの妻を脅すものらしい)、車に剥離剤をかけて50万8620円の損害を与えた、というものだった。

 このAの氏名、私は最初、なにかの屋号かと思ったら人物の氏名なのだった。非常に珍しい姓で、被告人は「アイモ」さんと略称していた。
 そしてKというのは、被告人が四国で放送局に勤務していたとき、東京から単身赴任でやってきた男性で、2人は関係を持ち、被告人は妊娠、出産したのだという。ええーっ! 子どもは現在、1歳半なのだという。

 

 「アイモ」は復讐を請け負う闇サイトをやっていた。被告人は、Kが東京へ帰って1人になり、誰にも相談できずに悩んでいたとき「アイモ」に連絡した。
 Kとの結婚は望まないまでも、Kが離婚すれば自由に自分に会える。そう思い、Kが離婚するよう「アイモ」にKの妻を脅させた…。
 実際には「アイモ」は被告人に報告したとおりの行為を行わず、行ったと偽って被告人からカネを引き出し続けた…。
 被告人は、途中でヤメれば今度は「アイモ」が自分になにをしてくるか怖く、ヤメられなかった…。
 「アイモ」は、被告人が消極的になると「もうすぐ離婚しそうだ」旨言って被告人をつなぎとめ…。
 やがて「アイモ」は、福岡の路上で男性に硫酸をかけたという件で逮捕され、その報道を被告人は見た。怖くなり警察関係の友人に相談。
 すると友人は、怖がらずにすぐ警察へ連絡するよう言った。
 2007年11月、被告人は地元(四国)の警察に連絡した。が、管轄が違うと言われた。
 連絡を待っているうち、今年2月、被告人は逮捕された…。

 とまぁ、おおざっぱにはそういうことだった、傍聴席から聴き取れたことは。
 この事件も報道されており、それによればKはNHKの職員で47歳、「アイモ」は50歳(いずれも報道時)。

 情状証人として被告人の父親(農業)を尋問。そして被告人質問…。「うわぁ~」という内容で、ほぼぜんぶメモしたが…。

 

 検察官は、昔の東映映画の、誰だっけ、名前を思い出せない、あの女優に似た美女。髪型がなんともいえない。
「たしかに被害者にも責められてやむを得ないというところがあるが、しかし被告人も被害者に妻子があると知りながら…」
 と、求刑は懲役1年6月。

 次回判決となれば、被告人はまた四国から出てくることになるのか…と思ったら楡井裁判官は直ちに判決。
 懲役1年6月、執行猶予3年。
「本件経緯には被告人には気の毒な面もあったと思いますが、だからといって…」
 と説示。
 Kは、被告人との間に生まれた子どもを認知すると言っているようだが、結局はしない可能性が高いんじゃないか…。
 16時1分閉廷。

 

 終わるころ、弁護人側の傍聴席数席に「関係者席」の札が置かれ、外へ出ると、新たな傍聴人が続々と入っていった。次は「覚せい剤取締法違反・道路交通法違反」。なんだろう。でも私は帰る。帰って、イワシをさばいて焼き、小松菜を茹でなければ…。

 

 帰途、水曜に買って裾上げを頼んだチノパンを受け取りに、デパートへ。受け取って降りるエスカレータで、反対側のエスカレータに、ある方を発見!! 『裁判中毒』に出てくる人物で、もう二度とお会いできないのかと寂しく思っていたのだ。この広い東京で、なんという偶然!! あり得ない偶然だよ!! 降りかけたエスカレータを、思わず駆け登ってしまった。←おっさん、危ねぇよ!

 10秒ほど話して、お別れした。これが今生のお別れなのかもしれない。どうなるのか、流れる雲のように、風に身を任せよう。私はどうも、いろんなことにあんまり執着がない気がする、東京簡裁の道路交通法違反を全件傍聴、を除いては(笑)。

« 元警察官が現職警察官を平手打ち | トップページ | 1キロ違うから公訴棄却とは? »

刑事/色情犯」カテゴリの記事