アダルトサイト利用料金の振込め詐欺 おそらく珍しい結末
4月25日(金)その2
ちょっと時間が空いたので、14時から東京地裁・刑事10部(鈴木秀行・野村賢・西岡慶記裁判官)703号法廷で、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反・詐欺未遂・詐欺(訴因変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)」の判決を。
被告人は3人。身柄、警察留置場。みな細め(非デブ)で若く、こういう場面でなければ良さげな若者風だ。被告人氏名で検索すると、3人のうち少なくとも1人は、逮捕時(2007年4月27日)、早稲田大学の4年生だったようだ。
判決は、3人それぞれ懲役5年、未決250日算入。
ほんとうは240日だったが、判決が2週間延びたので250日にしたと、鈴木裁判長が言っていた。なるほど~。
事件番号は「平成19年刑(わ)第1547号等」。同年に私が傍聴した最後の「刑(わ)」は「第4334号」(12月25日判決)。だいぶ長くかかった主たる理由は、追起訴、つまり検察庁の都合だったこともあり、未決算入が多かったのかな…。
起訴事実は9件。どれも、アダルトサイトの利用料金の振込め詐欺(架空請求)。うち1件は未遂。被害総額1138万円。一度錯誤に陥った被害者に対してはくり返し電話し、カネを詐取し続けたんだという。1人の最高額は718万2580円。これはターゲットの母親から詐取したらしい。最低額は7万1200円。
「キング」と呼ばれる男のもと高度に組織化された振込め詐欺で、被告人のうち1人は、詐取した金額の35%を、2人はそれぞれ15%を得ていたんだという。
しかし、35%を分配された被告人は、最初は否認していたものの途中から、本件事案の解明に寄与する供述を行い、家族の助力によると思われるが、被害総額を上回る1340万円を(未遂の被害者に対しても)支払い、15%分配の2人も、親の援助を得て120万円、100万円の被害弁償をしたんだという。へえぇ、そんなこともあるんだ! ものすごく珍しい結末ではないのか。
それで、求刑はずいぶん下がり、懲役7年だったんだという。未決算入が250日だったことも、そのへんが勘案されたのかも。仮釈放も早めに出るかも。
「3人とも、ほんとに若くてね、お金を稼ぐことの意味、社会との関わり、友人てものの意味とか、ほんとに生きてくうえで考えなきゃならないことが、すごく凝縮してたと思います。社会復帰したら、それを糧にして、お金を稼ぐこととは何だ、社会との関わりとは何だ、友だちとは何だ、考えてもらいたいと思います」
と鈴木裁判長。
傍聴席で、被告人の1人の母親と思しき女性が、泣いていた。
14時27分閉廷。
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裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21 B 107) 著者:今井 亮一 |
14時30分から地裁の810号法廷で、4月8日に審理を傍聴した「傷害・道路交通法違反」の判決。
累犯前科が2つあり、懲役1年、訴訟費用負担。
判決理由によると、被告人(無免許)が運転席から出てきたことについて、後部座席にいたところチャイルドロックがかかっていて、急ブレーキで前のめりになっていたこともあり、だから運転席の妻(?)の身体をまたいで運転席のドアから降車したのだ、と被告人は主張していたらしい。
被害者(格別に反撃に出ることはなかった)に対する顔面への複数回の頭突きについては、胸ぐらをつかんで押したり引いたりしているとき、自分(被害者より10センチ以上、背が高い)の頭が何度が被害者の顔面に当たったことはあるが、頭突きしたことはない、と主張していたらしい。
14時51分閉廷。
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