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2008年5月21日 (水)

正義ぶった検察官もいつか真人間に

 時刻を間違えて人定質問に遅れ、ヤメようかどうしようかぎりぎりだったが、某氏が立ったあとの席(良い席)に座らせてもらえたこともあり、結局最後まで傍聴してしまった、13時15分から東京地裁・刑事10部(野村賢裁判官。私はお初)403号法廷(狭い法廷)で「脅迫」の新件、落語協会を脅したと報道されてたやつ。

 傍聴ノートは8枚半に渡り、やり取りを逐一書いていくと非常に興味深いと思うが、今回の記事は是非とも短くしてくれと、仕事等が押せ押せになり焦り始めたもう1人の私が言うもんだから(笑)。

 

 ま、ちょっとだけ挙げるなら、報道に出てきたのは、事件のごくごく一部なのだな、ということがひとつ。とくに、被告人はなぜ「破門」になったのかという部分。そこは阿曽山大噴火さんがレポートしてくれるんじゃないかな。

 それから、「ナメとったら命落とすど(ぞ?)」「全員殺すぞ」「お前らも巻き添えや」とか電話をかけまくったことについて、被告人は「ちょっと言い過ぎた」と反省し、それに対し検察官、裁判官は、「あなたにとってあれらの言葉は『ちょっと言い過ぎ』という程度なのか」旨、しつこく突っ込んだが、「あんたらの業界では『殺しちゃうよ』とかごく普通の言葉なのか」とは誰も問わなかったことが、私は不思議に感じた。

 あと、この検察官(私はお初)は、キャラが立ってたよぅ。“正義の執行者”ぶった、嫌らしいエリート小僧風のキャラが。表情や仕草にも、存分に現れてた。証人や被告人が言うことを、自らの語彙に置き換えて固定し、その置き換えた言葉をもとに、勉強秀才風の理屈で突っ込むという、ありがちなシーンも見受けられた。 ※こゆのをストローマン論法というのだろうか。

 しかし、若いときにこれほどキャラが立つってことは、逆に大いに見込みがあるといえる。そのうちどかんと挫折を経験して、私のような真人間になれる可能性がある、うむ、頑張りなさい、どわはは。

 ちなみに野村裁判官も、だいぶんに個性的だよねぇ。このペアの公判には、傍聴マニアが張り付くことになるぞと、予言しとこう。求刑は懲役1年。14時20分閉廷。

 

 14時30分から東京高裁・刑事7部(植村立郎裁判長)717号法廷で、「傷害致死」の判決。ちょうど時間が良かったので、なんとなく傍聴したのだが、びっくり。

 知的障害で自閉症でアスペルガーで、感情をコントロールできず衝動的に暴れたりする弟(42歳)に対し、病院は満員だと断られて入院させることもできず世話してきた兄(犯行時47歳)が、とうとう、凄まじいまでの暴行をふるい、左肋骨3本、右肋骨6本骨折、骨折端が胸膜を突き破って肺に達し、右血胸(けっきょう)等で死亡に至らしめた…簡単に外形だけいえばそんな事件。これも詳細を書くと「ええ~っ!?」なのだが。

 一審は情状を酌んで、傷害致死の下限の懲役3年とし、検察官が控訴したのだった。

刑法第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

 
 控訴審の判決は、原判決破棄、懲役4年6月、原審の未決90日算入。保釈中だが、控訴審でも勾留期間があり、その期間は法律の定めに従って全部算入されるんだとか、植村裁判長が言ってた。あとで法律を確認しとこう。
 植村裁判長は、こんなことも。

裁判長 「公判前整理手続きの、よりふさわしい形での運用が示唆される事案ともいえる」

 植村さんは本をいろいろ書いてるね。

 

 3時から民事のほうで「ひろゆき」の控訴審第1回…と思ったら明日だった。

 来週の予定を木曜分までチェックし、15時30分から地裁・刑事17部(市川太志裁判官)723号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 2005年1月に無免許で罰金刑を受け、同年5月に無免許で懲役4月、執行猶予4年となり、それから新車を買い、本件は2008年3月の無免許。
 判決は懲役6月。被告人(72歳!)の保釈は取り消されることになり、大きな荷物を持って、検察職員とともに奥のドアへ消えた。

 

 続いて15時35分から「公務執行妨害」の判決。
 これ、16時15分までとノートにメモがあり、「40分全部使わないまでも、公妨の判決としては長すぎない!? 無罪!?」と傍聴してみた。
 んが、通訳付きの事件だった。通訳付きは長くなる。被告人は、外国人氏名。そんなこと、メモするときチェックしとけよっ。

 とはいえ、「ええっ!」となる事件だった。
 被告人(身柄、拘置所)は、何歳ぐらいなんだろう。妙な表情をしていてわかりにくいが、ま、30歳前後なんだろうか。永住資格あり。
 昨年12月25日の昼前、千代田区永田町、総理官邸付近で、職場を解雇され生活が不安定なことを(通訳の言語はどうも中国語)、総理大臣に訴えようとし、警戒に当たっていた警視庁警部の大腿部などを多数回蹴り、胸を多数回殴打したんだという。その直前には議員会館へ民主党のオザワという議員に訴えに行き、会えなかったという。
 暴行に当たることをしてないし、公妨の故意もない、という主張だったらしい。

 判決は、懲役1年、未決60日算入、保護観察付き執行猶予3年。あの付近には監視カメラがたくさんあるのに、その記録画像のことは、判決理由には出てこなかった。

裁判官 「適切な監督者の存在がうかがわれないことを考慮し、保護観察を付することとしました」

 しっとり柔らかそうな長い髪のお姉さんの通訳が、それなりに早口なのだけど、おっそろしく長かった。15時58分閉廷。

 

 それから警視庁へ寄り、今日は9件開示請求。昨日は8件。ふぅ。

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