東京家裁の食堂で偶然、命を救った件
今朝は、ものすごい風雨。横浜地裁・川崎支部の裁判官が、強風で通勤の電車が遅れ、向精神薬「リタリン」の詐欺の判決言い渡しに約40分遅れたそうな。
今日は、東京簡裁・刑事2室2係(小川利行裁判官。この人、映画俳優の誰かに40%くらい似てない?)728号法廷で、10時30分から「公務執行妨害」の新件、11時15分から「道路交通法違反」の新件。
どうしても傍聴したい事件が、こうして同じ法廷で2件続くのは、非常にラッキー。
公妨をなぜ、どうしても傍聴したいか? それは、公妨も道交法違反と同様、簡裁の公判廷へ出てくるってことは否認の可能性が、他の事件に比べてどどんと高いからだ。そのへん『裁判中毒』で詳述。
けど、両方とも否認ではなかった。そんなこともあるよね~。
公妨のほうは、働かずに同居する弟から逃れたくて、酒を飲んで交番へ警察官を殴りに行ったという事件。交番内の防犯カメラの映像によると、被告人のいきなりの渾身のストレートパンチを、警察官は巧みな体裁きで防御し、現行犯逮捕したという。おお~。
求刑は罰金30万円。
道交法違反のほうは、罰金前科1犯ありの無免許。
求刑は罰金25万円。
いずれも被告人は41歳で、身柄(拘置所)。犯行日は3月の23日と28日。職業は、無職ではないものの不安定。逮捕・勾留して「満つるまで算入」(またはかなり算入)、の事件なのだろう。←その意味も『裁判中毒』で詳述。
今日はどうも体がだるくて重くて眠くて。土曜と日曜、有酸素散歩約1時間を頑張りすぎたせいか。昨夜7時間ほど寝たが、その前が3時間ほどだったせいか。それとも気圧と湿度のせい? もう帰ろうよ、いや、もう少し…。
ダレた気分を盛り上げようと、一方通行の地下通路を通って、滅多に行かない家裁の地下食堂へ。
悩んだ末、広東麺470円。職権もとえ食券を買って配膳口に並んだとき、とんでもないことが起こった!
私の前のスーツの紳士(60代後半か70歳くらい?)が、体を前に折り、配膳口のステンレスの部分に顔面を…。どういうギャグ? 変な人ぉ。
と思ったら次の瞬間、紳士は、全身から突然に何かが抜けてしまったように、ぐにゃりと後ろへ崩れた! うわ! 私はあわてて支えたが、何かが抜けた体は重く。
紳士は仰向けに倒れた。気道が塞がれないよう、紳士のあごが少し上を向くようにし、呼びかけたが、反応がない。胸を触ってみると、動いてない!? げっ、心肺停止!? それは早合点で、間もなく紳士は意識を取り戻し、だいぶ経ってから起き上がれた。や~、焦ったよぅ。
じつは私は、家裁の食堂は慣れなくて、中華と和麺とどっちに並ぶのかよくわからず、ちょうど紳士の真後ろにいたのね。慣れてれば横にいて、その場合、突然のことに呆気にとられるばかり、支えられなかったろう。
そしたら紳士は固くつるつるの床にゴツンと禿頭(とくとう)の後頭部を打ち付け、大変なことになってたかも。頭蓋骨が割れる音が聞こえたかも。
私も、いつ倒れるか知れない。倒れるときは幸運な状況で、と思ったよぅ。
広東麺を食べてから14階の医務室へ行ったら、「倒れた瞬間は誰も見ていない」とのことで、119番通報したのは私ですと、状況を説明…。
裁判所のほうへ戻り、東京地裁・刑事16部(後藤眞理子裁判官)726号法廷で、13時30分から「道路交通法違反等」の、13時40分から「覚せい剤取締法違反」の、13時50分から「道路交通法違反」の、判決。
13時前に、そばの一般待合室で求刑もとえ休憩してたら、若い学生風の男女がいて、「さっきの司法修習生じゃない?」「俺も来年あれになるのかぁ」「あたしはこの部に配属になるかも」とか談笑してた。法科大学院の学生なんだろうか。
彼ら彼女らの目当ては、726号法廷のお隣、東京地裁・刑事8部(朝山芳史裁判長)725法廷での、13時15分からの「殺人未遂」(被告人は女性氏名)の新件だ。
私も傍聴してみた。被告人は黒いタイトスカートのスーツの、ハンカチを握りしめときどき涙を押さえる若い女性。おっそろしく声が小さくて、私は最前列で身を乗り出したけど、人定質問はほとんど聴き取れなかった。。
裁判員裁判に備えて、検察官は後ろの巨大スクリーンを使って冒頭陳述を行った。文字や矢印が、びわわ~んと(そんな音は出ないけど)現れて大きくなる、という技(わざ)も用いられていた。
以下は、2008年2月2日付け産経ニュース。■部分は記事では実名。
夫婦げんかで夫刺す 東京・江東
2日午前1時15分ごろ、東京都江東区東砂のマンション住人から「夫を刺した」と110番があった。警視庁城東署員が駆けつけたところ、タクシー運転手の男性(39)が背中から血を流しており、妻が包丁で刺したことを認めたため、傷害の現行犯で逮捕した。夫は病院に運ばれたが重傷。
逮捕されたのは無職、■■■■容疑者(31)。
調べでは、■■容疑者は同日午前1時10分ごろ、夫とけんかになり、台所にあった柳刃包丁(刃渡り約20センチ)で夫の背中を刺した。■■容疑者は「首を絞められるなどの暴行を受けた」と供述している。
だが冒陳で語られた内容は、要するに…。
被告人は夫以外の男性といわゆる不倫関係にあった。夫は疑った。1月30日未明に被告人が帰宅したところ、夫は使用済みの避妊具を発見。被告人は、相手は行きつけのスナックの客で名前も知らない、今回だけだと言い逃れた。夫は被告人を殴ったり蹴ったりした。
翌31日夜、夫はそのスナックへ行ったが休みだった。翌2月1日にも行ったが客はおらず、被告人の言い分はウソと夫は思った。
翌2月2日の午前1時すぎ、夫は被告人を暴行、詰問した。夫は包丁を持ち出したが、危ないと思ってダイニングテーブルの上に置いた。
その後、夫がそのテーブルのそばにしゃがんで娘と会話していたとき(娘が2人いる。両親の激しい諍いに起きてきたんだろうか。ここで私のそばの若い女性傍聴人が、声帯を震わせずに「えーっ!」と小さく発した)、被告人はテーブルの包丁、刃体長20.7センチの、細身の鋭い柳刃包丁をつかみ、夫の背中のほぼ中心を刺した。
包丁は、深さ16~18センチ、刃の大半が突き刺さった。被告人は次女を連れてマンションを飛び出した。が、夫や長女が気になり、戻って110番通報。
包丁は夫の肺、横隔膜、胃袋を貫通しており、1万cc近い出血(ここでまた若い女性傍聴人が「えーっ!」と発した)。夫は全治約3週間の胸肺部刺創等…。
続いて弁護人による冒頭陳述が始まった。これは公判前整理手続きの裁判なんだろう、13時15分から17時まで取っている。裁判員制度がスタートすると、午前中に裁判員と補充裁判員の選任手続きを行い、その後さっそく、こういう審理が始まるのだ。
検察官の冒陳を聞けば、被告人はまったく悪質きわまりない不倫妻! ではあるけれど、弁護人は何を言うのか。たとえば、被告人は数年来、夫から激しい虐待を受けており、そのことで相談した優しい男性と、つい肉体関係を持ってしまい、それがバレて、今回は娘が起きてきたので夫は包丁を置いたが、次は必ず殺される、とパニックになり発作的に刺した…とか言うかもしれない。
しかしもう13時26分、私はそっと傍聴席を立った。満席の暑い法廷で、素人への印象づけが勝負ともいえる公判を、みんなといっしょに長々見ててもしょーがない。私は私の持ち場へひっそり戻ろうと。
726号法廷(20席)は、ガラガラ。傍聴人は、いちばん多いときで私の他に2人しかいなかった。
13時30分からの「道路交通法違反等」は、酒気帯び・自動車運転過失傷害・措置義務違反(ひき逃げ)だった。判決は懲役1年6月、執行猶予4年。
13時40分からの「覚せい剤取締法違反」は、累犯前科ありで、懲役1年6月、未決算入30日。
13時50分からの「道路交通法違反」は無免許で、懲役5月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
終わって13時53分、725号法廷のドアの覗き窓から覗くと、さっき私が座っていた席も埋まっていた。
埋まっていなくても戻るつもりはなく、早々帰って少し仮眠。幸運を願う前に、ムリして倒れないようにしなければ、と。
« 手首のひじに近いほうをつかんだと証言しながら… | トップページ | 正義ぶった検察官もいつか真人間に »
「刑事/その他刑事」カテゴリの記事
- 遺産相続詐欺の被害高齢者、さらに騙され覚醒剤の運び屋を(2026.07.24)
- 夏休みの東京地裁、行列がばらけ…!(2026.07.22)
- 科料と罰金、裁判官はなぜ間違えた?(2026.07.14)
- ナチュラルの大阪拠点へガサ入れで特別公務員暴行陵虐(2026.06.26)
- アイドルのライブのチケットにからむ事件(2026.06.10)

