2度仕掛けた盗聴器を2つのTV番組に暴かれ
11時30分から東京高裁・刑事8部(阿部文洋裁判長)717号法廷で、5月1日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(酒気帯び保護観察付き執行猶予中の酒気帯び)の判決。
早めに着いたのでぶらり近所の法廷を見にいったところ、地裁・刑事17部・718号法廷が、当事者がいて傍聴人も2人(背広の男が並んで2人)いるのに、ドアが施錠されてた。あれ? とガチャガチャやってたら、向こうのドアから書記官が出てきて、「非公開ですので一般の方は傍聴できません」と。廊下の開廷表には何も書かれてない。へぇ~、非公開の何かを、大きいほうの法廷を使ってやるんだ~。
酒気帯びのほうは、11時29分から始まり、控訴棄却(原判決は懲役7月)。
会社へ(から?)帰る途中に飲酒し、迎えに来てもらったのに、バイクで帰るのは寒いし、と誰かを乗せて普通乗用車を運転したんだそうだ。0.35mg。00年に酒気帯びで執行猶予付きの懲役刑を受け、その猶予が満了した翌04年、酒気帯びで懲役6月、保護観察付き執行猶予5年の判決を受け、本件酒気帯びは05年なんだそうだ。
11時32分閉廷。
11時45分から、高裁・刑事4部(門野博裁判長)803号法廷で、「窃盗」の判決。
ちょっと早めにと始まった。被告人は、女医のような婦長のような教員退職者のような、たぶん60代の、わりと大柄な女性。グレーのスーツに、薄茶のタイツ。
05年3月に、スーパーでの食料品の万引きで、懲役1年、執行猶予3年の判決を受け、07年10月にまたスーパーでロールパン1袋ほか899円を万引きしたんだそうだ。
原判決(懲役10月)ののち、夫(いかにもお金持ちそうな恰幅のよいオジサン)とともに被害店へ謝罪に行き、精神科へ通院して治療し始めたとかで、原判決破棄、懲役10月、執行猶予3年、原審における訴訟費用負担。おぉ~。
実刑の場合、訴訟費用(自白事件なんだろうから国選弁護人の費用)は負担させないのが通例のようで、だから原審では不負担だったが、控訴審で猶予にしたから負担させると、そういうことなんだよね。
11時47分閉廷。
外へ出て被告人は泣きながら「ありがとう…」と弁護人に言ってた。
地下のそば食堂で、たしか初めてかな、かき揚げ100円をつけて、かけそば大盛り280円を食った。やっぱ、かき揚げをつけると、そばの味が違うな~。
13時15分から、東京地裁・刑事17部(市川太志裁判官)718号法廷で、4月22日に第1回を傍聴した「電波法違反・住居侵入」の判決。
12時13分、718号法廷のそばの一般待合室へ。
昨夜5時間足らずしか寝てないので、少し居眠りしようと行ったら、弁護人&被告人らしき2人が話してた。午前中に別の法廷で終わった“粗暴犯”の事件、の弁護人&被告人かな? 「故意はもう認めるということでいいのかな」「僕はそのつもりはなかったんですけど、ただ、人から見られたらそう取られても仕方ないかなと…」などと話してた。なるほど、それってたしか、『冤罪File (ファイル) 2008年 06月号』のインタビュー記事で田中森一さんが語ってた被告人の心境だっけ…とか思ってるうちに、寝てしまう。
12時50分頃、ふと目を覚ますと、718号と720号法廷の間の廊下に、もう数人集まってた。早すぎるよぅ。
開廷表を見ると、720号法廷(高裁・刑事2部・安廣文夫裁判長)は13時10分から、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の判決(「等」がついてたかな)。
ふぅん…。そっちを先に傍聴しようかと、720号法廷へ。すると、坊主頭に黒スーツの若者たちがぞろぞろ入ってきた。今日はこの若者たちを、あちこちで見た。警察関係だろうか。
13時7分、やっぱ欲張っちゃダメだ、この判決が3分で終わって718号のほうが定時に始まるとは限らない、と立ち上がり、718号法廷へ。何やってんだか。
13時15分からの718号法廷は、弁護人の1人(年配のほう)と被告人が遅れ、13時19分開始。んもぉうっ。
懲役1年、執行猶予3年。
ま、それ自体は普通だと思うが、驚いたのは、被害者宅へ仕掛けた盗聴器を、「偶然テレビ局からの情報により」発見され、つまり盗聴器探しの番組で発見され、そのあとまた盗聴器を仕掛けたところ、「別のテレビ局の情報により」発見されたってこと。そっ、そんな偶然ってあるのか!?
いや、番組スタッフはロケの効率を考えるはず。被害者宅の付近は、盗聴電波がよく傍受される地域だったのか? 現場は世田谷区の…。
13時25分閉廷。
念のため720号法廷を覗いてみると、まだ判決をやってた! 否認だったのだ。電車内の痴漢で、事実誤認の主張だったらしい。しかし控訴棄却。
それが13時29分閉廷。
すぐに次の弁護人と被告人(身柄、拘置所)が入ってきた。「覚せい剤取締法違反・傷害致死」。なんとなく傍聴することに。
いや~、これがね~、被告人控訴なのはいいとして、被害者の死亡についての慶応大学と東北大学の鑑定が違っていて、弁護人はどっちの大学にも関係ない第三者的立場の医師に、どっちの鑑定が信用できるか鑑定を依頼しているので続行してほしいと言うのだが、安廣裁判長は、一審でできたはずだと難色を示し、かなりモメたのね。安廣裁判長の言うことも、弁護人の言うこと(無茶な主張じゃなさそう)も、なるほど、なのだが、全体にどうも、裁判ってのは、「事実誤認によりもしかしたら無罪の者を有罪にするんじゃないか」というヒリヒリ感よりは、法律の条文に形式的に従ってとにかく早く終わらせることにばっかり、こだわるものなの? という印象を受けた。
結局、弁護人がすでに相当準備しているらしいこともあり、また事実認定に関わることでもであり、なのだろう、続行となった。安廣裁判長でなければ、「迅速」のほうを優先させたかも、と思った。
14時8分閉廷。
途中、霞っ子クラブのユキさんがきた。同じ法廷で次に、なんだっけ、もう忘れたよ、ユキさん好みの重い事件があるのだ。覚せい剤&傷害致死なんて、今井が普段傍聴しない事件の傍聴席に今井がいるもんだからビックリした~、旨言われてしまった。あはは。そういえば、法廷で会うことってまぁずないよね。
ユキさんを残し、私は某弁護士事務所へ…。
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