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2008年7月23日 (水)

寝坊で遅刻しそうになり赤信号を95キロで無視

7月22日(火)その2

clip 地裁・刑事3部(波床昌則裁判官)722号法廷で、まずは13時15分から、「自動車運転過失致死」の判決。
 被告人は、非常に珍しい氏名。よく日に焼け、短めのごま塩頭。白いポロシャツに黒いズボン。見た目50代くらい。1月22日午前6時15分頃、江戸川区内の信号交差点で、直進以外通行禁止の規制に違反し、かつ、左側側道の安全を確認せず、約10~15キロメートル毎時で、適切な合図をせずに左折。側道を直進してきた普通自二の運転者(21歳男性)を自二もろとも転倒させ、普通貨物の左後輪で礫過。頭蓋内損傷で死亡させたのだそうだ。交通違反歴以外に前科・前歴なし。
 禁錮1年2月、訴訟費用不負担。
 私も長く自二(自動二輪)に乗ってきた。いろいろ経験して、「他車は私の存在に気づいてないだろう」「他車は右左折の合図をしないだろう」「あたかも私を殺すのが目的かのような思いがけない運転をするだろう」という「だろう運転」が身についたが、21歳の頃は到底…。

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clip 同じ法廷で13時30分から、右陪席・丸山哲巳裁判官、左陪席・豊島栄子裁判官が加わり、「危険運転致死」の新件。
 被告人は身柄(拘置所)。23歳(事件当時は22歳で運転手)。黒い半ズボンに、ワイン色の、胸に何か格子模様が入ったTシャツ。くるぶしの下までの短い靴下。背を丸め、下向きの顔からときどき上目遣いに前を見る目の、目が小さくて、かつ、そんなはずは絶対ないと思うが、黒目がほとんどない(ように私の位置からは見える)のだった。

 「危険運転致死」は、裁判員裁判の対象事件だ。裁判員裁判は、第1回公判の前に何カ月もかけて裁判官と検察官と弁護人とで「公判前整理手続き」を行い、公判廷で何をやるか(素人に何を見せるか)ぜ~んぶ密室で決めておくことになってる。
 この裁判も、公判前整理手続きが行われていた。検察官は、大きなスクリーンに、ワイドショーでレポーターが見せるような画像(ごく簡単なレジメや見取り図や写真)をプロジェクターで映し出し、冒頭陳述と証拠の説明を行った。

 1月12日午前4時55分頃、足立区内で、普通乗用自動車(中古のセルシオ)を運転中、交差点から約147メートルの地点で信号機の赤色灯火を認め、先を急ぐあまり(寝坊して会社に遅刻しそうだった)、信号をことさらに無視して95キロメートル毎時の速度で直進進行。交差点左方から自二が進入してくるのを約45メートル先に認め、よけようとハンドルを右に切り、対向車線に侵出。元の車線へ戻ろうと、急制動、急転把(てんぱ)。セルシオは滑走して反時計回りに半回転、右側側部(の後ろのほう)を、対向車(軽ワンボックス?)に激突させ、その運転者(65歳男性)を胸腹腔内臓器損傷で死亡させた…。
 被告人は2005年7月に「麻薬及び向精神薬取締法」で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けており、本件はその猶予中の犯行。

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 弁護人は、事実関係はすべて認めるが、危険運転致死傷(刑法208条の2。本件はその2項後段)は、罪刑法定主義の観点から違憲(31条違反)だと主張した。
 以下は刑法。太字は今井。

(危険運転致死傷)
第二百八条の二  アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。
 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

 本件は赤信号の交差点を通過後に、運転操作のミスにより起こっているので、2項後段には当たらない、というふうなことも主張した。
 しかし無罪は求めず、自動車運転過失致死傷(刑法211条2項)での処罰を求めるのでもなく、「最大限、寛大なご判決を」とした。
 主張にはムリがある(少なくとも裁判所には通用しない)と承知だったので…ということなんだろうか。だったらそもそもそんな主張をしなければいいのに、と私は思った。

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 被告人質問、情状証人(被告人の父親)の尋問、の印象は省略。
 被害者の妻が意見陳述。
 亡き夫の墓参りに行ったとき、60歳くらいの婦人が、「花は良いですね。癒されます」と話しかけてきたそうだ。婦人は、寝たきりの夫を前年11月に亡くしており、こう話したという。
「たいへんだったけど、事故で突然に生命を奪われるよりはいい。9年の間、存分に話し、存分に尽くした。もしも夫が事故で死んだら、気が狂ってしまう」
 妻は言ったそうだ。
「私の夫は事故で即死だったんです!」

 求刑は懲役8年。
 予定時間を大幅に過ぎていたが、少し休廷して判決を言い渡すことになった。
 こういう事件がそうなることは、普通はない。
 裁判員裁判だと、素人裁判員に負担をかけないよう(今後はそれが裁判の主目的になる)、評議後すぐ判決を言い渡して終わることも予定されてるんだという。そのへんも踏まえて、すぐに判決としたんだろうか。

 判決は、懲役6年、未決120日算入
 弁護人の上記主張は、さくっと退けられた。
 訴訟費用は負担。これ、解任前の国選弁護人の分、と聞こえた。もしそうだとすると、今の弁護人は私選?
 ともあれ、裁判員裁判だったら、本件は懲役6年では済まなかっただろうね。
 予定枠を35分オーバーし、16時05分閉廷。

 外に、大勢の傍聴人(主に若い男女。20数人?)が列をつくっていた。次は、15時30分~16時00分の予定で「住居侵入、窃盗」の審理。30分ってことは、論告・弁論なんだろうか。
 はは~、夏休みで学生・生徒さんがたくさん傍聴に来る。なのに、この時期そろそろ開廷が少なくなっており、かつ、15時30分からの開廷は普段でも少ない。そして、次の被告人は女性氏名。だから押し寄せたのか、あるいは、注目事件なのか。ま、いいや、もう帰ろう。

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