弁護人のナイスボケに全員ずっこけ
ぎりぎりなんとか原稿を1本送信し、11時から東京高裁・民事2部(寺田逸郎・辻次郎・齋木敏文裁判官)822号法廷で、第2次Nシステム訴訟(「損害賠償控訴事件」)の第2回弁論。
あれ? 寺田逸郎裁判官って、初めてのお名前…? だいたい、なんで民事2部なの? 国賠とか行政事件は3部か38部じゃないの? と思ったら私は第1回の期日に出廷しておらず(だからお初)、そしてこれは地裁ではなく高裁なのだった。あ~、もう眠くて疲れて頭が…。
双方の準備書面提出を確認して、結審。9月25日判決となった。
N訴訟について詳しいことは、6月20日発売の『ドライバー』を参照。7月5日に次の号が発売されるが、まだ書店等にあるかも。
※追記: 私がよく知らなかっただけで、東京地裁・民事の行政部は、2部、3部、38部なんだそうです。あと、行政部が扱うのは、「処分を取り消せ」とか、行政行為をどうこうさせろという事件であり、国賠(国家賠償請求訴訟)は行政部は扱わないんだそうです。そういえばNシステム訴訟は行政部の扱いじゃないですね。
同じ階の810号法廷(東京地裁・刑事7部、高橋徹裁判官)で11時から始まってる、「道路交通法違反」の審理を、11時30分頃から傍聴。
地裁の「道路交通法違反」の審理には注目してるのだが(その理由は『裁判中毒』の110ページ参照)、な~かなか否認に当たらない。本件も否認ではなかった。かつて暴力団に所属し、服役前科のある、無免許運転の常習、らしかった。求刑は懲役5月。服役前科が本件と累犯の関係にあるかは不明。
早めに地下で、かけそば210円+大盛り80円+かき揚げ100円。
ここは、開店当初(って今年4月だっけ? もう忘れたよぅ)、汁(つゆ)が、ちょっと味のついたぬるい湯、みたいだった。そのとき、かけそばは200円だった。で、10円値上げした頃からだと思うのだが、汁の味が濃くなった。そばを食べ終えてから、テーブル上の薬缶(やかん)に入ったそば湯で割って飲むとちょうど良いくらいの味になった。
次は13時30分から地裁・刑事7部(大村陽一裁判官。この人、『ドライバー』の現編集長によく似てる)401号法廷で、「道路交通法違反」の審理。これは東京簡裁から移送になった、略式経由の否認事件だ。
少し居眠りしておこうと、近くの一般待合室へ行くと、K君がいた。え? 何やってんの? と思ったら、K君も401号の審理を傍聴に来たのだった。K君と話すうち、そういえばあれを開示請求せねば、これもせねばと思いつき、警視庁へ何度か電話。裁判所にいた別の人から電話もあり、結局、居眠りできず…。
で、401号法廷。
13時30分の時点で、証人(日本無線のヨシナガアキオさん)とK君と私を含めて、傍聴席(20席)に傍聴人10人。検察官、裁判官、書記官、被告人がそろい、みんなちらちら壁の時計を見上げた。弁護人が来ないのだ。少し遅れると連絡があったとか、そんな話も出ない。
ありゃ~、あの大男の弁護人、期日を間違えたとかで、すっぽかすのかな? そのほうが助かるな~。←こういうとき、いつも私はそう思うのだ。ダメだよねぇ(笑)。
13時36分、弁護人がズボンのファスナーをピッと上げながらやってきた。
弁護人 「すみません、お腹がゆるくて」
グレーのTシャツ(見事な太鼓腹)、草色の半ズボン(腿の外側にポケット付き)、サンダル履きだった。ありゃりゃ~。って、猛暑の時期は半ズボンに下駄履きで来ることもある今井が言うか。いや、私の場合、国産伝統工芸の、お洒落な鼻緒の良い下駄だし、Tシャツの上に、フィリピンならそれなりに正装とされるはずの、襟付きの半袖オーバーシャツ(1万円くらい)を着てるし。ってそんなとこで張り合うなっつーの(笑)。
すぐにヨシナガさん(黒系のスーツにネクタイ)の証人尋問が始まった。
本件は光電式(JEM-340)のネズミ捕りによる、超過30キロの事件。超過29キロなら反則行為であり、反則通告を経ない公訴は違法となる。なので、直の測定値に0.975を乗じて、小数点以下を切り捨てており、スタート光路とストップ光路の3mが、7.5cm以上短くなければ、表示測定値が真の速度よりプラスになることはない、という証言を引き出し、検察官からの主尋問は23分間で終了。
続いて弁護人から反対尋問。ところが、
弁護人 「尋問の前に、事務所で関数電卓、叩かせる必要があるんで…」
と言い出した。なるほど、今の証言をもとに、超過30キロをわずかでも割る可能性を計算しようということか。裁判官は14時15分までの休廷を宣した。
このスキに私は、高裁・刑事6部(永井敏雄裁判長)410号法廷へ。6月17日に偶然傍聴した、日本無線のレーダ測定機の「道路交通法違反」の判決が14時からあるのだ。
14時5分頃に入ると、40数席の傍聴席に傍聴人が1人しか居ないなかで、判決が言い渡されていた。被告人車両は二輪車、制限40キロの規制(指定最高速度)に気づかず、測定値は71キロ、法定最高速度60キロを11キロオーバーしたと考えるべきだと、そういうふうな争点らしかった。
永井裁判長は、道路標示(指定最高速度を示す路面のペイント)が駐車車両の下になっていたとしても、そのことは道路標示の適法・有効性を左右せず、かつ、道路標示の全部が駐車車両の下になっていたとは思えず、指定最高速度違反の未必の認識はあったはずだ、というふうな理由で、31キロ超過として処罰することは妥当である、とした。原判決は罰金6万円だそうだ。
控訴棄却。当審における訴訟費用負担。14時15分閉廷。
指定最高速度違反と法定最高速度違反との関係、制限速度違反の故意と過失については、『交通事犯と刑事責任』(岡野光男著・成文堂)を参照。
14時16分頃、401号法廷へ戻ると、反対尋問が始まっていた。弁護人は、事務所に関数電卓を叩かせた結果をもとに、かな、ものすごく細かいことを突っ込んでいた。証人は、どうも理解できないふうだった。私も理解できない。そもそも私は生徒時代、「関数」という熟語が登場するたいぶ前に、数学はオチコボレてるんで(笑)。
ところが、14時24分頃…。
弁護人 「そうすると、先ほど15cm以上ないと…」
証人 「そうは言ってない。7.5cmと…」
弁護人 「あっ、そうでしたか、すんません、じゃ、撤回します」
前提となる距離を間違えて、難しい尋問をしていたのだった。
もう全員、どどーっとずっこけて、床に寝転がって手足をばたばた…させはしないけど、明らかに全員、内心でずっこけてた。
しかし弁護人は、そんなことまったく気にせず、しらっとしてた。あれは大したもんだと思った、いや、べつに皮肉じゃなしに。
ま、私としては、結局、警察、検察、メーカー側が、よっぽど間抜けなミスを犯さない限り、証人尋問で誤測定を立証するのは不可能であり、かつ、“誤差”による誤測定だけ想定してる限りは、裁判では絶対に勝てないだろうと思う。ま、超過速度がぴたり30キロでは、“誤差”を攻めたくなるのはわかるけれども。
被告人質問で、検察官は、なぜ略式に応じたのかと責めたてた。机上のエリート風に。弁護人のボケを鼻で笑ってる場合じゃないよ、と思いますた。
あと、証拠の整理をして、15時29分閉廷。次回、論告・弁論。
この公判は、途中何度も、30~40代くらいの男性が入れ替わり立ち替わり、出たり入ったりしたね~。被告人氏名が、趣深い女性氏名だから傍聴に来て、機械装置のわけ分かんない内容だから出て、だったのかな。
某氏と喫煙所で楽しいお話をしてから、警視庁と最高検へ行き、また裁判所へ戻り…。
今日は、だいぶ前に買った小説、『クロカミ』を往復の電車で読み始めた。失礼ながら、今井恭平さん、小説なんて大丈夫? と思っていたが、いやはやびっくり、面白いじゃん。5分の2まで、引き込まれて読んで、先がどうなるんだか、まったく予想できない。電車に乗るのが楽しみ。
風邪ぎみだったのは、たっぷりの刻みネギとおろし生姜(いずれも国産)を国産大豆の豆腐にのせて食べたのが効いたか、だいぶ良くなったよ~。
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