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2008年7月19日 (土)

拾った杖を使いブラジャーとショーツを

7月18日(金)その2

clip 14時00分から東京簡裁・刑事2室3係(田中芳和裁判官)728号法廷で、「刑の執行猶予言渡取消」の新件。
 この事件名の裁判は、過去に2回、傍聴したことがある。保護観察付き執行猶予の期間中に強盗とかをやったケースと、痴漢で保護観察付き執行猶予の判決を受けて2カ月後にまた痴漢をやったケースだった。
 この事件名の裁判は、かなり珍しいほうだけど、その後もときどきあり、しかし私はその後は傍聴しておらず、久しぶりに、と来たのだ。

 立会検察官は、さっきまでの普通の事件(最後のは窃盗で、被告人は21歳。事件記録符号は「ろ」)の日下部敏さんから、遠藤薫さんに交代した。その事件記録符号は「る」。遠藤さんは、以前からときどき東京簡裁の立会をやってる。
 遠藤検察官の隣に、硬そうな白髪混じりの、見かけない男性。
 傍聴席には、そのお仲間の官らしき男性が4人、日下部検察官、警察官かと思しき男性1人、若めのカップル、漫画雑誌らしきを持ったオッサン、など。簡裁の傍聴席としては、かなり多い。
 しーんとしたなか、みんなでしーんと待つ。私の後ろにいたカップルのどっちかが携帯電話を出したらしく、書記官が注意した。

 13時59分、奥のドアから被告人が、手錠・腰縄で現れた(勾留場所は拘置所か)。だいぶんにオッサンで、脳内出血をやったそうで片足をだいぶ引きずってるが、なんというかこう、精神的に崩れた感じがあまりない。
 60歳(もうすぐ61歳)。無職。住居地あり。弁護人なし。

 遠藤検察官が、普通の裁判の起訴状に相当するものを読み上げた。
 それをまとめると…。
 2004年7月28日に被告人は東京簡裁で住居侵入により懲役1年、保護観察付き執行猶予4年の判決を受け、同年8月3日に保護観察所へ出頭した。
 その後、2005年2月17日、覗き目的で他人の住居へ侵入し、2006年6月25日、女性用下着を窃取し、いずれも不起訴となったものの、保護観察官から再三の厳重注意を受けた。
 しかし2008年3月4日、足立区内で、杖を拾って使い、干してあったショーツとブラジャー計4点、1400円(?)相当を窃取、さらに同年4月10日、同じく足立区内で、今度はビニール傘を拾って使い、ベランダのキャミソール1枚、2000円相当を窃取。
 この2件については、東京簡裁へ起訴され、2008年7月3日、懲役2年の実刑判決を受けた。そのまま確定すれば、前刑の執行猶予は必要的取消しとされるはずだったが…。
 以下は刑法。太字は今井。

第二十六条  次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
 猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき
 猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき。
 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。

 被告人は控訴し、前刑の猶予期間の最終日が徒過することになるため、裁量的取消しにより執行猶予を取り消そうと…。

第二十六条の二  次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消すことができる
 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
 第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき
 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その執行を猶予されたことが発覚したとき。

 以下は、刑事訴訟法。太字は今井。

第三百四十九条  刑の執行猶予の言渡を取り消すべき場合には、検察官は、刑の言渡を受けた者の現在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所に対しその請求をしなければならない
○2  刑法第二十六条の二第二号 の規定により刑の執行猶予の言渡しを取り消すべき場合には、前項の請求は、保護観察所の長の申出に基づいてこれをしなければならない。
 検察官が、保護観察所長の申出に基づいて、執行猶予の取消しを請求したと、そういうわけだ。
 でもって…。 

第三百四十九条の二  前条の請求があつたときは、裁判所は、猶予の言渡を受けた者又はその代理人の意見を聴いて決定をしなければならない。
○2  前項の場合において、その請求が刑法第二十六条の二第二号 の規定による猶予の言渡しの取消しを求めるものであつて、猶予の言渡しを受けた者の請求があるときは、口頭弁論を経なければならない
○3  第一項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、猶予の言渡を受けた者は、弁護人を選任することができる。
○4  第一項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には、検察官は、裁判所の許可を得て、保護観察官に意見を述べさせることができる。
○5  第一項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 それで、被告人が請求したもんだから、この裁判(口頭弁論)が行われることになったわけだ。

 続いて田中裁判官が被告人に、なにか述べたいことがあるか尋ねた。
被告人 「なにもございません」
 ありゃ? じゃあ、なんで口頭弁論を請求したんだろう。うむぅ、それをやってる間に、前刑の猶予期間が終わると考えたんだろうか。
 そういえば、この期日は急に入ったようだ。日下部検察官も知らなかったようだ。前刑の猶予の満了日を徒過させないために、急遽期日を入れたんだろうか。

 続いて、証拠調べ。
 遠藤検察官が、書証の要旨を簡略に告知した。簡略といっても57号証もある。うわ~。書証はすべて、上記2008年の2つの下着ドロの刑事裁判で使ったものだという。

 続いて、保護監察官が意見を述べた。遠藤検察官の隣の見かけない男性が、保護観察官なのだった。そりゃ見かけないわけだ。
 ま、さっき遠藤検察官が述べたと同じ事実関係を述べ、
保護観察官 「…に当たると断ぜざるを得ず、この際、矯正教育にゆだね、…することが必要と判断し…」
 と結んだ。以下は、執行猶予者保護観察法

(検察官への申出)
第九条
 保護観察所の長は、刑の執行猶予の言渡しを受けて保護観察に付されている者について、刑法第二十六条の二第二号の規定により猶予の言渡しを取り消すべきものと認めるときは、本人の現在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に対応する検察庁の検察官に、書面で、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百四十九条第二項に規定する申出をしなければならない。

 そのあとの、裁判官、検察官、被告人のセリフ、やりとりは省略して、14時31分、
裁判官 「ではこれで弁論を終結しまして、決定宣告は2時(14時)50分に。それまで休廷します」

 14時51分、決定が宣告された。
裁判官 「平成16年(2004年)7月28日、住居侵入被告事件につき言い渡した、刑の執行猶予の言い渡しは、これを取り消す…」
 被告人に不服があるときは即時抗告ができることを告げ、14時55分閉廷。
 被告人は黙って再び手錠・腰縄をつけられ、奥のドアから出て行った。

 被告人は裁判官から、「どうしてそういうことをやったのか」と尋ねられ、
被告人 「どっちかというと、やっぱり意志の弱さで…」
 と答えていた。
 どっちかというと…?
 「どっち」のもう一方は、女性用下着を盗むとき、盗んだ下着を手に持つときの、めくるめくなにか、だったんだろうか…。

 そういえば、府中刑務所で最近、労役場留置を体験した人が、作業はシール剥がし(ブラジャーとショーツのセットを取り付けるハンガーの、「C75」とかいうシールを剥がす作業)だとか言ってたっけ…。
 ハンガーを見て欲情するようになったら、本格的だ。ってなんの話や。

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