傍聴人は二度屁をこく
8月21日(木) その2
画像は、今日の朝食。白米、カボチャの煮物、きうりの糠漬け、大根とモロヘイヤとナメコのぬるぬる味噌汁(ダシは無し)。いつも朝はこんなもんだ。あと、焼き海苔と醤油を添えたりする。農家の自家製梅干しも。
こんな素敵な朝食を摂ってる人、東京にはあんまりいないんじゃない? ひぃ~。
13時前に裁判所の5階へ行くと、ときどき喫煙所で見かける通訳(英語)の女性がいた。528号法廷で13時30分からだったかな、カタカナ表記の氏名(外国人)の「強盗傷人」だったかな、公判があるのだ。
法廷のそばに、えらくおでぶな夫婦らしき外国人(白人)が、ラフな格好でいた。被告人の両親なんだろうか。情状証言するんだろうか。傍聴してみたい気もするが、私は13時30分から、今日のメインがあるのだ。
その前に13時15分から、東京地裁・刑事2部(神坂尚裁判官)529号法廷で、「道路交通法違反」の判決をちらっと傍聴。
人身事故を惹起したことが発覚の端緒だという、普通自二の無免許運転。罰金前科のみ。被告人は、ちょっと外国映画の俳優のような、個性的に整った顔立ちで、見た目せいぜい30代。身柄(拘置所)。被害者とは示談が成立してるという。
判決は、懲役6月、執行猶予3年、訴訟費用負担。
13時30分から東京高裁・刑事2部(安廣文夫・深見玲子・小森田恵樹裁判官)720号法廷で、7月15日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(日本無線の光電式JMA-181のスピード違反)の、第2回。
高裁の広い法廷に、傍聴人は見事に私1人。うむ、こうでなきゃ(笑)。
どうも、警察のほうが、物理的にあり得ない現場見取り図を出してきたようで、証人を調べることになるかもしれないと、とりあえず続行。
13時43分閉廷。
今日はこのあと、14時30分から地裁414号法廷で、「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反」の新件がある。15時からは高裁803号法廷で、「人身売渡し」というチョー珍しい罪名の控訴審第1回(原審は長野地裁)がある。ストーカーの冒頭陳述だけ聞いて、803号法廷へ行こうか、忙しいな。
夏休みのこの時期、ストーカーは大人気のはず。早めに法廷の前へ行っとかねば。それにしても、まだ時間がある。ちらっと410号法廷を見ておこう…。
14時から東京高裁・刑事6部(永井敏雄・稗田雅洋・矢数昌雄裁判官)410号法廷で、「道路交通法違反」の控訴審第1回。
執行猶予中の無免許で実刑判決を受け、量刑不当で控訴、原判決後の情状に限っての被告人質問を数分やり、ソク結審かな、と私は想像したわけ。ところが…!
13時51分、被告人と弁護人が来て、検察官がきた。被告人(在宅)は60歳くらいで、なかなかピシッとした夏のスーツ。どこかでお見かけしたような。誰かに似てるのかな。わからない。
検察官は、開廷表によれば跡部敏夫さん。たぶん私はお初だ。どこか市議会議員のような人だ。って議員もいろいろだけどさ(笑)。
すぐに、さっきの光電式の被告人が傍聴席へ来た。彼なら来るよね、うむ。
もう1人、役人風の男性が来た。廷吏が近寄り、男性は証人カードに記入し始めた。あら~、警察官だな、証人尋問やるのか? こりゃストーカーにあぶれる可能性があるな。ま、仕方ないか。
弁護人(なかなか有能そう)と検察官の会話によれば、現場は埼玉県の東松山らしい。警察官は旅費日当について、どうも「請求する」に丸をつけてるらしい。ええ~? 警視庁はもう(少なくとも簡裁と地裁では)ヤメたようなのに、埼玉県警はまだ…? もしそうだとすれば、警察庁のほうでビシッと通達しなきゃダメなんじゃない?
14時02分、裁判官3人が登壇し、審理開始。
人定質問によれば、病院(医療法人)の職員。なるほど、見るからにそんな感じだ~。
弁護人が控訴趣意書を陳述。被告人本人も控訴趣意書を陳述(いずれも書面を提出して陳述したことにする)。
裁判長 「検察官、ご意見は」
普通、検察官は少し腰を浮かせて、「(控訴は)理由がなく棄却するのが相当と思料します」と早口で言い、腰を戻す。それが決まりとさえいえる。ところが…!
検察官 「基本的には(弁護人の控訴趣意も被告人のそれも)いずれも理由ないと。ただ…」
ええっ? 基本的にって、どゆこと?
なんと、本件測定機は投射角5度で設置してあったのに、原判決は10度と認めて判決したらしい。投射角ってはことは、レーダ式なわけだ。
それともうひとつ、被告人車両が「本件交差点」を左折する前に止まったかどうか、その点も原審では立証不十分なので、警察官とスガイソウイチ証人を取り調べたい(尋問したい)と言うのだった。菅井宗一さん? てことは、三菱電機のレーダ式の否認なわけだ。うわ~!
しかもっ! 6月24日に傍聴した、原審横浜地裁のレーダ否認事件も、この刑事6部(永井敏雄・稗田雅洋・矢数昌雄裁判官)だ。ま、そっちは日本無線ではあるけれども。
東京地裁では、スピード違反の否認事件はまぁず見かけないが、高裁ではけっこうあり、かつ証人尋問をわりとやってる、それも検察官の請求により…うむぅっ!
さっき証人カードに記入してたのがその警察官で、14時08分から証人尋問。
本件取締り当時、東松山署の交通指導係の巡査で、今年3月17日付けで巡査部長になり転勤したんだという。本件取締り時は、停止係。
主尋問が14時22分に終わり、弁護人は反対尋問の前に被告人と打ち合わせたいと、15分ほど休廷することに。
廊下へ出て、光電式のほうの被告人と雑談してると、ラフな格好の父子が、廊下の開廷表を見に来た。はは~、414号のストーカーが、傍聴人があふれんばかりで、こっちへ流れてきたんだな? 尋ねてみると、やはりそうだった。お父さんのほうはだいぶ憤慨してるようだった。414号は傍聴席20席の法廷。夏休みにストーカーを狭い法廷でやるって、傍聴人に意地悪してるようなもんだといえばもんだよ、ねぇ。
14時37分、再開。
証人は、被告人車両の速度違反を抑止するために、警報ブザー(測定現認係からの、違反車両を測定したぞとの合図)が鳴る前に、停止旗を手に道路へ出ていたと、私なんかとしては首をかしげることを主尋問に対し言っていたので、どんな停止旗をどう持ってどの位置にいたのか等々、弁護人は反対尋問。被告人からも尋問。
しかし時間切れとなり、次回へ続行。次々回は菅井証人を尋問することに。
15時02分閉廷。
この法廷へは、途中、例のロン毛の男性が傍聴席へ来た。彼は何者なんだろう。謎だ…。
ほかにもう1人、中年の男性がいて、スカスカの法廷でこの男性の席付近から、15時に近い頃だったかな、プッと屁の音が聞こえた。
そういえば昨日も、通路を挟んだ隣の席の男性が、プッと屁をこいた。初めて裁判を傍聴してから約25年。法廷で屁の音を聞くのは、昨日が初めてだったかと記憶する。
『ドライバー』の連載の、あの秀逸のタイトル「覆面パトは二度サイレンを鳴らす」の創案者である私からすると、「傍聴人は二度屁をこく」である。
ちなみに、日本語では、屁を目的語とする場合の述語は「こく」、ウソを目的語とするときは「つく」を用いる。こういうの、目的語に応じての特殊述語、特殊動詞とかいうんだろうか。
「人身売渡し」の803号法廷へ行ってみると、もうとっくに終わってた。
今日の午後は、「業務妨害」とともに私がわりと注目してる「ストーカー」と、チョー珍しい「人身売渡し」を、いずれも傍聴できず、スカスカの高裁道交法の法廷に居続けたわけだが、しかし大満足。初心に返ったような気がしたのだった。
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