8月の裁判所は
8月8日(金)
夏に昼の運動は危ない、明け方やりなさい。と医師から言われてたが、その明け方の運動(有酸素散歩)を、4時40分頃からしてきたよ。
朝焼けが夕焼けのように強烈な日は、決まって昼頃から天気が崩れる。今日は、ほんのり弱気な朝焼け。5時を回って太陽が家並みの上にオレンジ色の球形を現す頃には、もう暑くて暑くて。昼間は“猛暑日”に。
10時から東京簡裁826号法廷で、8月5日(火)に傍聴した「占有離脱物横領」の判決。
9時55分頃に法廷に入ったら、もう主文の言い渡しが終わってた。だぁからぁ、定刻より5分も早く始めちゃダメだってば、私が5分以上前から傍聴席に居るときを除いて(笑)。
終わって書記官に主文を尋ねる。懲役8月、未決10日算入。訴訟費用は不負担。
この法廷は、傍聴人は数人だったかな。普段からすればそれでも多いけど、この時期からすれば極端に少ないといえる。
以下、“この時期”の凄まじさを…。
今日の私のメインは、10時50分からの「業務妨害」の判決。8月6日(水)に傍聴した、秋葉原の通り魔事件の翌日、「今から池袋へ行って100人ぶっ殺す」とか2chに書き込んだ事件だ。
公判の数が少なくて、傍聴人(夏休みの若者たち)が多くなるこの時期、30分前に行っとくほうがいいだろうな~。と、その405号法廷がある枝廊下へ。
すると、隣の隣、403号法廷(405号と同じく傍聴席20席)の前に、もう20人近い若者たちが詰めかけてた。女子が多い。
403号は11時00分~12時00分、「売春防止法違反」の新件。被告人氏名は、若い女性を感じさせるもの。そりゃ詰めかけるわね~。
405号の前にも、数人いた。法廷外の開廷表を見ると、10時30分から「自動車運転過失傷害」の判決。おぅ、これは傍聴しておこうと、なかへ。
20席のうち、すでに17席が埋まっていた。よく日に焼けた男子小学生が1人いた。お父さんと来たようだった。作文のネタにするのかな?
被告人は、昔ハンサムだったろうお年寄り。今年1月、千代田区隼町の信号交差点を、赤色灯火を看過して70~80キロメートル毎時でタクシーを直進進行させ、対向右折タクシーに衝突、4名に別紙一覧表記載の傷害(1名は重傷)を負わせたんだそうだ。古い業過の罰金前科2犯。
禁錮1年8月、執行猶予3年。
傍聴人が2人出て、すぐに2人来て、10時40分から「傷害」の判決。
被告人は、両眉が下がり、個性派映画俳優のような男性。40代くらいか。両胸にフラップ付きポケットのある、やけに袖口が大きな、昔風の白い半袖シャツ。手がガッチリしていた。
板橋区内の区立公園において「飲酒が原因」で、被害男性(47歳)のツバがかかったのがどうこうで苛烈な暴行を加え、上唇裂傷、歯の周辺の打撲などで加療1カ月の傷害を負わせたのだという。前科なし。
懲役1年6月、執行猶予3年。
証言台の前で裁判官に対し深くお辞儀するときの格好が、キマっていた。普通、体側面に降ろした両手を、腿の外側に置いたままでお辞儀するでしょ。ところがこの被告人は、両手を腿の外側から、足と腰の付け根の外側辺りへ上げ(このとき肘を左右乃至後ろへ突き出すように曲げ)、その形で上体を前へ深く倒すのだ。ちょっと立ってやってみて。あれはどういう流派の礼法なのか。良かった。
それが終わって10時46分頃、次の「業務妨害」の弁護人と被告人と母親(前回証言)がきて、弁護人と被告人はそれぞれの席に着き、母親は傍聴席の端に座った。これで19席が埋まった。
10時49分、後ろのドアが開いた気配がして、どやどや騒々しくなった。最後の1席へ、官らしき横幅の広い(ユキさん言うところの“ガチムチ”の)男が座った。これで満席。入れなかった傍聴希望者がだいぶいたのだろう。
10時50分、再び野村賢裁判官が登壇し、判決。
懲役1年6月、執行猶予3年。
前回、野村裁判官は、被告人がした“大量無差別殺人予告”の書き込みを、その前日にあった秋葉原の通り魔事件の被害者・遺族が見たらどう思うか、これは単なる業務妨害ではないのだ、という趣旨のことを言ってた。その伝で言うなら、被告人の実名等は、インターネットのどこかに永遠に晒され、ということになるかも。こういう世の中になったのだなぁ…。
10時54分閉廷。
この野村賢裁判官って、眉が太くて目が大きくて、表情の動きも、『サンダーバード』から抜け出てきたような…と思わない? 私はいつもそう思ってる…。
午前はもう、とくに傍聴したい事件はなく、警察庁へ。情報公開室で所用を済ませ、さぁ、どうしよう。午後に2件、傍聴したいのがあるけど、どうしてもってわけでもない。帰ろうか。帰ってコミセンのプールへ行こうか…。
総務省等のビルと、国土交通省等のビルとの間の、ちょっとした公園風の場所(5月27日に毒人参さんたちと行った場所)へ行き、誰もいないベンチに座り、しばし考える。どうしよう。下駄を枕に、木のベンチにごろり横になり、Tシャツをめくって腹を出し、しばし考える。太陽はほぼ真上。猛暑日の日差しに、汗が噴き出す。死んでしまうよ…。
結局、午後の2件目を傍聴したら直ちに帰ることにして、地下の食堂へ。C定食(サンマの竜田揚げ)480円。画像、ご飯は麦飯。黄色いのは取り放題の漬け物。小鉢が1品付けば申し分ないけど、ま、これで480円なら文句言えないと思う。旨かった。緑茶が濃くて渋くて良かった。
昨日某氏から情報を得て(いつもありがとね)、13時15分から東京地裁・民事2部、522号法廷へ。
事件名は「不詳」で、被告は「裁判官訴追委員会」。それだけに惹かれて来たのだ。バカだね~(笑)。
同時刻からの3件は、請求棄却、一部却下でその余を棄却、請求棄却。
岩井伸晃・本間健裕・倉澤守春裁判官の構成に交代して、事件名「不詳」の判決。原告席にも被告席にも誰もいない。民事の判決はそんなもんだ。
裁判長 「主文、本件訴えを却下する」
つまり門前払いってことか。傍聴席に固まっていた役人風の6人(うち1人は女性)が、さっと立って出て行った。13時17分閉廷。
事件名「不詳」って、何なんだろう。原告が事件名を書き忘れたとか、事件名とはいえないことを書いたとか、であれば裁判官が適宜補正等してくれるはず。判決まで「不詳」のままって、どゆこと?
何を訴えたいのか、定かでなく、それで「却下」となったのか…。原告の氏名(女性の個人名)でネット検索してみたが、ヒットなし。あとで記録を閲覧してみようかな。そんな暇ないか…。
13時30分から東京地裁804号法廷、幻の刑事14部で、「窃盗」の「勾留理由開示」。これは昼食後、1階の開廷表で見つけたのだ。
民事のほうが終わってすぐ行くと、10人近くが法廷の前にいた。列をつくっているようにも見えるのだが、ドア(先頭と思しき人に近いのは傍聴人用と書かれたほうのドア)から離れてる…。よく分からない人たちにくっついて「気色悪いオヤジだ」とか言われてもなぁ…。私は1人、弁護人・検察官用のドアのそばで待つことに。
10分ほど前にドアは解錠され、あっという間に20席中18席が埋まった。1人を除いて全員、男だった。
被告人…じゃなくて被疑者は、身柄(警察留置場)。口をへの字にとがらせ、あごを突き出した若者だった。24歳でコンビニ店員だという。
検察官の席には誰もおらず、東尾裁判官(名不詳)が、勾留理由を述べた。
足立区のコンビニの事務所から現金19万1300円およびナイロン袋等100円相当を窃取したと疑うに足る相当の理由があり、被疑者は、関係者に働きかけて重要な情状事実について罪証を隠滅するおそれがあり、かつ逃亡すると疑うに足る事情もあるので、勾留の必要がある、というふうな趣旨。
ところが…。
被疑者 「いや、なんで自分が疑われるようなことになるのか…」
窃盗は身に覚えのないことであり、どういう証拠により、窃取したとか罪証隠滅・逃亡のおそれがあるとか言うのか、明らかにしてもらわないと防御のしようがない、という趣旨のことを弁護人が言い、しかし東尾裁判官は、これは勾留理由開示の手続きであり、証拠開示の手続きではないからと蹴り、終わった。
13時38分閉廷。
同じ8階の813号法廷で、13時30分から「殺人」の新件をやってる。813号は傍聴席40数席の法廷だが、被告人は女性氏名、こりゃもう、ぎっしり満席だろうな、と確認に行く(笑)。
そのとおり、ぎっしり満席で、なんと、廊下に数人、列をつくって待っていた。途中で誰か出たら、途中から入ろうというのか。そ、そんな…!!
あとで被告人氏名で検索してみたが、ヒットなし。
私は14時10分から地裁801号法廷で、8月6日に傍聴した「道路交通法違反」の判決を傍聴予定。うろうろしてられない。801へ急げ!
13時50分、801号法廷(傍聴席20席)にはもう6人が座っていた。次々と入ってきて18席が埋まった。
14時00分から、「迷惑防止条例違反」の判決。
被告人は身柄(拘置所)。派遣社員。40歳前後か。左肩がえらく下がってる。
携帯電話のインターネットの痴漢サイトで、痴漢されたい女性がいると見て電車に乗り、なんと、他の乗客から痴漢被害を受けている最中の女性の、右斜め前方から、痴漢行為に及んだのだという。
2005年3月に、「強制わいせつ」(痴漢)で懲役2年6月、執行猶予4年の判決を受けており、本件は懲役3月、未決10日算入。3月自体は短いが、2年6月という重い“弁当”を持って下獄するのだ。うわぁ…。
この判決の途中、残り2席が埋まり、満席となった。
判決が終わって2人出て、すぐに2人来て、また満席。
14時10分から、目指す「道路交通法違反」の判決。
懲役3月。未決算入はナシ。被告人は覚せい剤で服役中なのだ。
途中、何度も傍聴席のドアが開いた。開けた人たちは、満席の傍聴席を見回し、ドアを閉めて去った。
14時14分閉廷。
去年まで、いくら夏休みの時期とはいえ、ここまでのことはなかったように記憶する。来年は、いったいどうなるのか。いや、その前に、今年の8月を乗り切れるのか…。
そういえば今日は、阿曽山大噴火さんの姿を見かけなかった。霞ヶ関倶楽部の先輩諸氏も…。その代わりと言ってはナンだが、奇妙な人を見た。油っぽいロン毛で、ゆったりめのズボンの腰のベルトを絞り上げ、タオルで汗を拭きつつ、裁判所の内の廊下を、相当長い時間、どこか女性のような歩き方で、忙しく歩き回っていた。あと、重そうなカバンを持って下駄履きでうろうろしてるオッサンも…ってそれは俺だよぅ!
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