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2008年10月20日 (月)

同性愛者のストーカー

10月20日(月) その

 

 10時から東京地裁、北側の一番端っこ、20席の狭い法廷、802号(佐藤晋一郎裁判官)で、「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反・脅迫」の新件。
 たちまちほぼ満席。次から次へとドアを開け、あきらめて去る傍聴人が…。

 

 被告人は身柄(拘置所、30代)。これ、被告人も被害者も同性愛の男性なのだった。
 被害者の個人情報を秘匿する決定が為され、秘匿されてたのに、被告人質問のとき被告人がぽろっと2回、被害者の姓を口にした。
 その姓から、あとで検索したところ、被害者は男性同性愛の世界ではけっこう有名らしき人物だった。

 

 要するに、被害者のサイトや著作を見て好意を抱き、交際(交友?)を求めるメールを大量に送って迷惑がられ、現実世界のイベントで、拒絶されるようなことがあり、「死ね」「殺す」といった文言入りのメールがエスカレートしていき…という事件。
 メール送信は667回にわたり、うち652通は脅迫行為に当たる内容で、15通はストーカー行為に当たる内容、と検察官は判断したのだそうだ。
 よくいる被告人とは違い、この被告人は、だいぶんに頭が良さそうだった。
 求刑は懲役1年6月。
 この日、いつもの短髪、日焼け顔の若い検察官は、付き添いの立場で、もっと若い新人の検察官が立会だった。

 

 11時から、いずれも高裁の、410号法廷で「森林法違反・器物損壊」という珍しい罪名が(沼津の事件かな?)、805号法廷では「自動車運転過失傷害」があった。いずれも第1回。どっちへ行こう。

 

 後者は、被告人氏名が非常に珍しく、検索すると、不動産関係の人物らしい。
 てぇことは、事故で禁錮刑を受け、執行猶予付きでも宅建とかそっちの免許・資格が取消・消除されるから、どうか罰金刑に、という控訴なのかな。
 スピード違反で同じようなケースを傍聴したことがある。あれは、懲役3月、執行猶予2年の原判決が破棄され、罰金10万円となった。そのときの裁判長は白木勇さん。
 うーん、私は傍聴マニアである以前に、交通違反マニア。珍しい罪名につられず、自分の専門に関係するほうを選ばねば。こういう選択の1つひとつが、己が何者であるか決めていくに違いない…。って朝一からストーカーを傍聴すんなよ!

 

 というわけで、11時から805号法廷で「自動車運転過失傷害」の控訴審第1回。
 被告人は77歳のお爺ちゃんだった。
 簡単に被告人質問。途中、被告人の携帯電話がぽっぽっ、ぽぽぽーと何度も鳴った。しょーがないよね~。
 で、内容は、やっぱり予想どおりだった。

 

 警視庁へ行くには、まだ時間がある。11時30分から、同じ8階の824号法廷(これも高裁、植村立郎裁判長)で、「強姦未遂」の判決。
 被告人(23歳)は身柄(拘置所)。前科なし。背の高い、わりと良い男なのだが、動きがちょっとヤクザ風。
 いずれも板橋区内で、いずれも夜間に背後から襲うという手口で、まずは15歳の女子高生を強姦しようとし、大声を出されて未遂に終わり、その件が警察に発覚したのを知りながら、3日後、16歳の女子高生を駐車場に連れ込み強姦しようとしたが、陰茎が勃起しなかったため未遂に終わったんだそうだ。
 2件目の事件では、カッターナイフで脅し、結束バンドも用意して臨み、雨の降る野外で1時間にわたり、陰部を弄ぶなどし、再三にわたり挿入を試みており、既遂事案に準じたものといえる…。
 控訴棄却、未決30日算入。
 原判決は、求刑が懲役5年のところ懲役4年6月だそうだ。

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