病的な窃盗 パーソナリティ障害と精神病
11月17日(月) その
14時から高裁805号法廷(原田國男裁判官。きょうは左近司映子裁判官が右陪席だった)で、「窃盗」の判決。
被告人(身柄、拘置所)は、小顔の若い女性。
控訴趣意の論旨は、事実誤認と量刑不当。完全責任能力を争ったようだ。
鑑定人によれば、被告人は不安性・解離性・パーソナリティ障害だが、是非弁別能力はあったという。
パーソナリティ障害。人格障害ともいわれるやつか。私の、まだまだ不勉強な理解によれば、人はみな、その人格、性格にそれなりの偏りがあって、それが個性といわれているが、その偏りが度を超して、近隣者や社会とトラブルを起こす段階になったものを、パーソナリティ障害(人格障害)と呼ぶ…のかな。
統合失調症などの精神病とは違うが、症状的には重なって見える部分もあり、そして、精神病へいってしまうケースもあるのかな…いや、それは、精神病が進行していくときの、初期の段階の症状が、パーソナリティ障害(人格障害)に見えることがある、ということなのかな…よくわからない。
でも、裁判傍聴を重ねるなら、パーソナリティ障害についての知識は必須と思える。裁判官らはだいぶ勉強してるのかな。
本件では裁判長は、統合失調症を始めとする精神病の罹患はなく、罹患していると被告人が言うのは、それは患者としての思いにすぎないと、控訴棄却。原審の懲役8月(求刑1年)はやむを得ないものである、とした。
2007年1月~7月に書籍(漫画本?)を約2000冊万引きし、古書売買の店に売って730万円の利益を得ており、それは病的ではあるが、価値のあるものを得ようとする意志はあった、と…。本件はハガキ495枚の万引き事案なのだという。495枚…なぜ500枚でなかったのか…。
言い渡しの間、被告人はずっと、静かに俯いていた。傍聴席に、母親かと思える女性がいた。言い渡しが終わり、再び手錠・腰縄をつけられるとき、被告人は弁護人にニッコリおじぎし、「ありがとうございます」と口が動いた。声も少し出ていたかもしれない。
弁護人は、和田勉さんに何%か似た(似てないか?)、ときどき見かける弁護士だった。
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