裁判員制度で冤罪は防げるのか
「弁護士 Barl-Karthによる peace-loving 日記」で、産経ニュースのこんな記事を知った。太字は今井。以下同。
「法テラスでセクハラ」 元派遣女性が賠償求め提訴 2008.7.14 13:39
日本司法支援センター(法テラス)から業務委託を受けて法テラスコールセンターを運営しているコンサル会社「アクセンチュア」の元契約社員の30代女性が14日、「上司にセクハラにあったうえ、雇い止めにされた」として、上司の男性と同社に約800万円の賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
アクセンチュア? アメリカ資本のコンサルタント会社…なの?
このサイトで紹介されてる、保坂展人さんの2006年4月22日の「どこどこ日記」に、こんな言及が出てくる。
「低入札価格調査の概要」(法務省大臣官房会計課入札室)の文書がある。ネット上でこれを見た時に、一瞬目をこすった。そこには、この入管法審議で問題にした指紋情報・顔写真データなどの生体情報の「認証装置及び自動化ゲート」のソフトウェア開発と実験の業務を、わずか10万円(運営業務費用9万円・成果物作成費用1万円)でバミューダに本社を置くアクセンチュア株式会社が落札(平成17年9月12日)している事実が記されていた。あまりに低額なので、法務省大臣官房会計課入札室がヒアリングした記録が公表されている。よく読んでみよう。
(中略)
さらに、アクセンチュア社は「次期登記情報システム開発に係るプロジェクト統合管理支援業務(法務省民事局)」 「検察総合情報管理システムのシステムテスト,導入等作業(法務省刑事局)」も請け負っているということもわかった。バミューダに本社置くアクセンチュア社は、私たちが知らないうちに、法務省関係だけでも、「登記」「検察」「入管」のデータベースに深く関与し始めている。
そして、日本司法支援センター(法テラス)へ、裁判員制度へ…。うわ~。
裁判員制度は、そもそもの目的、出発点がインチキだと思う。
制度の目的、出発点が何であるかは、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の第1条にも明記されてる。太字は今井。
(趣旨)第一条 この法律は、国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ、裁判員の参加する刑事裁判に関し、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)及び刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。
インチキな目的から出発したものは、行く先々でインチキを振りまく。
裁判員制度は、金太郎飴に似てるかもしれない。本家金太郎飴は「どこを切って金太郎」なわけだが、裁判員制度は、どこを切っても、首をひねることばかりが出てくる。
裁判員制度に賛成する人たちも、そこは承知のようだ。だから、「改善すべき点はいろいろある。しかし…」と、だいたいみんな言う。
しかし…何なのか。それは、「冤罪を減らす」という可能性だろう。
今の刑事裁判は完全に崩壊している。これ以上悪くなりようがない。冤罪を防ぐための制度では全くないけれども、大きな制度変更のどさくさに、もしかしたら冤罪を防ぐ方向へ持っていけるかもしれない、がんばろう。そういうことじゃないのかな。
私としては、密室での公判前整理手続きで裁判のあらすじを決めてしまい、公判廷での審理を最低限に絞った、印象勝負、多数決勝負の裁判で――そもそもその目的は、裁判員の負担を軽くすることなのだ!――冤罪・誤判を防げるのか? と思う。
それに、裁判員裁判(裁判員が参加する裁判)は一審だけ。控訴審は官僚裁判官のみで行う。控訴があれば、完全に崩壊しているといわれる“官僚裁判官裁判”にゆだねられるのだ。
「国民が参加した裁判員裁判の結果を重視する」とか当局は言ってるが、それって、今まで以上に逆転無罪が出にくい方向へばかり働くんじゃないのか。
そしてそもそも、冤罪を防ぐために、罰則付きで国民を強制動員することが、必要なのか?
いやいや、「冤罪を防ぐため」とは当局は一言半句も言ってないから、いいんだよ? あ~、なんかもう、頭が…。
とにかくね、冤罪を防ぐんだったら、他にいろんなやり方があるじゃないか。まず、過去の冤罪を徹底検証して、およそ過失とは認められない捜査や認定をした者の責任を問わねば…。
でも、そんなことは一切やらない。だって、冤罪を防ぐために始める制度じゃないんだもの。そりゃそうだ。こういうの、何のスパイラルって言うの?
裁判員制度のどさくさで、いろんなことが変わったけれども、それらはみな、国民参加とは関係なしに、変えようと思えば変えられること、そして、素人の負担を軽くするためのあれこれ…。う~ん。
11月27日(木) 18時~20時30分、法律家3団体共同シンポジウム「市民と法律家で考える裁判員制度」。
11月29日(土) 「裁判員制度はいらない! 新潟行動」。
12月13日(土) 13時30分~16時、クロスパルにいがた403号室で、憲法連続講座・第2回「やっぱりおかしい裁判員制度」。
「元厚生次官ら連続殺傷事件」をテレビのニュースで見て、私は一番に思った、「あっ、あの角度!」と。被疑者の顔面の角度だ。
垂直ではなく、上向き、額部分よりあご部分が前へ出た角度。あの角度の被告人は、よくいる。とくに粗暴な事件の被告人に多いように思う。暴力団員は全員そうじゃなかったかな。
相手を世間を見下すような角度…。あの角度により、人格性向が定まってくるのか、人格性向ゆえにあの角度になってしまうのか。
どっちにしても、顔面角度を強制的に、垂直または若干下向きにしたら、粗暴さは失われたりして? そんなことを、いつも傍聴席で妄想してる…。
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コメント
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秦野真弓 様
遅くなってごめんなさい。
逃げるって…好きなものに突っ込んでいく、極めていく、そのほうが良いと思いますよ。
それで、私は賢明とは程遠いせいか、そんな「期待される判事像」のような裁判官は、というかそもそもそんな人間はいないように思いますよ。
もし特徴的な刑事裁判官の公判を傍聴したいなら、そうですねえ、刑事第5部の山口雅髙裁判官がお勧めです。怖いですよ~。ハラハラドキドキしますよ~。
投稿: 今井亮一 | 2008年11月28日 (金) 17時51分
こんばんは。きょうも、どこかで、今井さんは、活躍して、おられますね。「裁判員制度が、良いか?、悪いか?」って、本当に重い課題ですね。私は、数少ない(??)裁判員制度賛成派にも、かかわらず、いつも、刑事裁判の傍聴が、重すぎて、民事傍聴に、逃げていました。(民事なら、時には、笑いも・和解もあり、場が、和む日があります。また、民事なら、1.「では、今後の、訴訟の進行に、ついて、双方から、御意見を、伺わせて頂きます。書記官室で、お待ちしています」等、一件一件、仕事が、丁寧な、矢尾渉・部総括判事さん。2.「被告指定代理人の、いう事、裁判所には、わかりません!!わかりません!!」等、行政側にも、厳しい、定塚誠・部総括判事など、尊敬すべき、裁判長さんも多いです。)でも、いつまでも、民事傍聴に、逃げている、卑怯な、私の態度は、許されません。これからは、重いけれど、刑事傍聴をも、併行して、行い、改めて、「裁判員制度は、良いか?悪いか?」私なりに、学習・検証を、重ねてゆくほかは、ありません。というわけで、例によって、今井さんへの、質問事項です。「プロ市民の、今井さんから見た、オススメの、刑事司法官僚が、いたら、ご紹介ください。」⇒ちょっと待った!《プロ市民》だの、《司法官僚》だの、言葉の響きが、ワ・ル・ス・ギ!改めて質問し直しますね。『賢明で、良識ある、市民の、今井亮一さんからみて、法律にお詳しく、人間的にも、立派な、裁判長さんが、もしも、東京地裁刑事部に、おられたならば、ご紹介ください。』って!
投稿: 秦野真弓 | 2008年11月24日 (月) 20時34分