サザエ3個とアワビ3個
くっそ、朝の電車はアテになんねぇ~
のろのろ遅いし、やたら止まるし。
今日は10時からのアレ1件のために、定刻の数分前に始まることもあろうかと早めに出てきたのに、これじゃあ、10時にさえ法廷に入れないかも。
なにより、今日の目的のアレは、チョー珍しい罪名なのだ。にもかかわらず20席の狭い法廷。ぎりぎりに行ってあぶれたら、あまりに馬鹿馬鹿しい。
もう、途中で下車して引き返すか?
などとぶつくさ焦りながら(毒人参さんに嗤われるよね~
)、一縷の望みを託して裁判所の玄関に到着したのが、9時59分。手荷物検査のところに10数人の列。あ~、もうダメだ~。完全に脱力。![]()
でも、なんとなく惰性で、10時02分頃、東京地裁521号法廷(植林幹男裁判官? 私はお初)へ。
すると、あれ? 傍聴人はパラパラ程度じゃん。しかもっ
前の「詐欺・窃盗」の判決をまだやってるではないか、ラッキー
こんなこともあるんだねぇ、もうニコニコ。うふふ。←傍聴マニアの喜怒哀楽、とほほ、ですなぁ。
※ 今日は10時から地裁703号法廷で、社保庁を懲らしめたかったと報道された「現住建造物放火未遂・火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反」の新件が、718号法廷では、パチンコ景品交換所を襲ったという「強盗致傷」の新件が、高裁506号法廷では被告人がたぶん少年の「殺人」(町田の事件かな?)の審理がある。みんなそっちへ行って、それでこっちはスカスカだったんだろう。
しばし裁判官、検察官が現れず、定刻を10分過ぎて10時10分から、「漁業法違反・千葉県海面漁業調整規則違反」の新件。
いわゆる密漁かなぁ、公判になるってことは、よっぽど大量に職業的にやったのか。いや、被告人氏名で検索すると、海関係の写真が出てくる。何かの運動で当局とモメたとか?
公訴事実は、漁協から特別採捕の許可を受けずにサザエ3個(330グラム)、アワビ3個(1220グラム)を採り、もって漁協の漁業権を侵害したというもの。
もうちょい詳しくいえば、春の土曜の昼間、千葉県の海へ家族と遊びに来た際、ウエットスーツを着て足ひれを付けて潜り、家族で焼いて(1人各1個か)食べるために、貝を採って網に入れたところ、その動静を注視していた海上保安官から声をかけられ、しかし被告人は海上保安官とは思わず、そういう場所でサザエやアワビが採れることを知られると乱獲につながるからと、貝を隠し(海中に沈め?)、やがて海上保安官とわかったが、少し(家族だけでその場で少し味わう)くらいならいいだろと「食ってかかった」…ということらしかった。
捜査段階の調書には、
「一般人にも海のものを採る権利があると思う。裁判官に聞いてもらいたいので略式にはしなかった」
とあるそうだ。
被告人質問によれば、しかし公判請求されてから、法令を読み、自分が間違っていたとわかった、大いに反省し、二度としない、とのこと。
なるほど~。この処理は、交通違反と同じだ。捜査段階で「反省した。二度としない」と言えば(そして略式に応じなければ)、不起訴(起訴猶予)で終わったろうに、略式に応じないばかりか、「今後も自信をもって無許可で採り続ける」に等しいことを言い続けたので、公判請求されたと、そういうことなんだろうねぇ。
当時の気持ちも、その後の気持ちも、すっきりハッキリわかりやすく、それぞれよく肯ける、なかなかの被告人だった。
求刑は罰金10万円。
15分ほど休廷して判決。なんと、求刑の半額の、罰金5万円![]()
裁判官 「公判廷における反省の情が顕著であると判断して…」
「顕著」のところを、裁判官はハッキリ大きな声で言った。
罰金の額が求刑の半分というのを、初めて傍聴した。
でも、これが裁判官の快挙的な判断なのか、もともとの相場が5万円で検察官が高く言い過ぎたのか、わからない。交通違反なら私の専門だからわかるんだけど。
あと、「漁業法違反」と「千葉県海面漁場調整規則違反」と、なぜ2つ並ぶのか、どういう関係なのかも、わからない。
わかるのは、「漁業法違反」の検察庁での過去の処理人数だけだ。法務省のデータによれば、たとえば2007年はこうだ。
公判請求 18人
略式命令請求 583人
不起訴(起訴猶予) 101人
他の検察庁に送致 647人
「他の検察庁に送致」がやたら多いのは、他県からの被疑者が多いからなのだろう、そしてその多くが後日被疑者の地元で略式処理されてるんだろうね、たぶん。
ちなみに同年の交通違反のデータはこうだ。
公判請求 9423人
略式命令請求 42万4581人
不起訴(起訴猶予) 15万8304人
他の検察庁に送致 19万8854人
被告人質問で裁判官は言った。
裁判官 「こういうのは交通違反と同じなんでしょうねぇ。少しくらいならとやってると、世の中が乱れてくる。だから些細なことも取り締まる…」
「破れ窓理論」、その理論はわからないじゃない。
だけど、交通違反の場合、多くの運転者の側からは合理性が認められない規則を山ほどつくり、「少しくらい違反してもいいんだ」「少しくらい違反するほうが、かえって安全・円滑なんだ」という意識を、長年にわたり強固に築かせ、すなわち、善良な運転者も日常的に何らかの違反をし、交通違反があふれる状態をつくり、そのうえで、交通安全・事故防止をお題目に(ときに「破れ窓理論」も持ち出し)、あふれる違反のごくごく一部を捕まえ(検挙率は1%をはるかに割る)、運悪く捕まった者からナンだカンだとカネを取り、しかし母数が膨大だからごくごく一部からでも毎年莫大なカネが集まり、そのカネを(「罰金」以外は)警察の縄張りへ流し込む…そういう仕組みになってる。
私は漁業法関係のことは知らないけど、交通違反と同列に論じるのは(漁業法や海面規則が)可愛そうなんじゃないか、と思う。
しかしまぁ、良い裁判を傍聴させたもらった。満足。10時57分過ぎ閉廷。
※2017年8月21日追記: これは2008年12月22日の記事。翌年の12月からメルマガ「裁判傍聴バカ一代」を創刊。以後、こうした記事は全部、同メルマガでレポートするようになった次第。
11時から1階下の地裁425号法廷で「道路交通法違反」の新件が…と行ったら、425号法廷はまだ開いておらず、すでに10数人が列をつくってる。なに?
壁の開廷表を見たら、開廷は11時10分で、罪名は「住居侵入・強盗致傷・強盗致死」。合議(波床昌則・平出喜一・豊島栄子裁判官)。判決。被告人氏名は韓国人かと思わせるもの。その氏名に見覚えがある。何回か公判を重ねたはず。
目指す「道路交通法違反」は、同じ法廷で午後の開廷。どうしたらそんなメモミスをするんだ? うーん。
今さらしょーがないし、これで帰るのも何なので、傍聴することに。
韓国人の強盗団(毎回6人?)による、資産家宅を狙っての2件の強盗、の1人が被告人なのだった。
1件は、杉並区の歯科医宅。被害は、現金約10万円と、デパート商品券1万2000円相当。被害者は肋骨骨折。
もう1件は、世田谷区の会社社長宅。被害は、現金85万1000円と、時計や指輪やペンダントやダイヤの裸石など2369万5000円相当。被害者は激しい暴行を受けたあと窒息死。
用意周到、大胆かつ緻密な職業的強盗団で、被告人は2件目のあと韓国へ戻り、韓国でも仲間と強盗をし、捕まって服役、それから国際なんとかの取り決めにより日本の警察に逮捕されたんだという。
日本で他の強盗はやったが、公訴事実の2件の強盗はやってない、と否認しているのだった。
判決は無期懲役。12時17分閉廷。
外国つながりで言えば、10月2日に川崎支部で傍聴した、ベトナム人による「傷害・窃盗」(実質、事後強盗傷人)も、<<盗品買い取りベトナム人に実刑 「職業的犯行」と指摘>>に関係する事件だったのかもねぇ。
いったん帰宅。冷たい雨のなか、また出かけ、某弁護士事務所で会議…。
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