“被害女性”は激しく叫ぶように泣き続け
地裁民事の行政部の開廷表をなるべく毎日チェックしてる。
原告の欄に後藤雄一・都議会議員の氏名をよく見かける。私は昔、警視庁赤坂署の参考人費用カラ支給に係る「住民監査請求」をやったとき、後藤さんにお会いしてアドバイスをいただいた。
その後藤さん、情報公開により、年間3858万円がムダに支払われていることを、またも発見したんだという。おお~、あの人はこれまで何十億円、何百億円の税金ムダ遣いを暴いたんだろう。都民は後藤さんのおかげで大儲けしてるわけだよね~。石原都知事は後藤さんに感謝状&記念の楯を贈呈しても良いくらい。
けど、後藤さんの活躍はあまりマスコミに出ない。風の噂では、何かで記者クラブとモメたことがあるとか?
一方、裁判員制度は、制度を直視するなら「ここがおかしい。ここもムチャクチャだ」と連日マスコミが叩いても良さそうなのに、現実はその逆だ。やっぱ、魚住昭さんが『官僚とメディア』で書いてる「最高裁が手を染めた『二七億円の癒着』」、最初にあの大失敗(国にとっては大成功)があったせいなんだろうか。
なんにしても、マスコミの扱い方、切り取り方で、社会は違って見えてくる…。
ジャーナリストである記者さんたち、頑張ってね。
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官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62) (角川oneテーマ21) 著者:魚住 昭 |
1月28日(水)
1月14日に第1回を傍聴した、清水健太郎さんの「自動車運転過失傷害・道路交通法違反」の判決、の傍聴券(先着順)の締切りが9時45分。前回は定員割れぎりぎりかそれくらいだった。今回9時36分頃に行ったら、9時30分頃にもう定員に達したという。なんでだよ
1月23日に第1回を傍聴した、被害者参加の「恐喝・傷害」の論告・弁論は、第1回は傍聴券じゃなかったのに、今回は傍聴券でしかも抽選。なんでだよ
傍聴人は私1人という簡裁の道交法、を長く傍聴し続けてきた私は、こういう不自由に慣れてなくて…。昨夜また3時間しか寝てないのに、ムリして出てきたのに…。
しょーがない、罪名に「公然わいせつ」が入ってる新件を傍聴しようかと地裁425号法廷へ。
その前に9時50分から「窃盗・傷害」の判決。波床昌則裁判官。波床さんは良いよね~。私もあんな髪型にしたい。無理? なぜ無理なんだ。
歩行中の女性(50歳)の後方から原付バイクで追い抜きざま手提げバッグをひったくり窃取し、追跡してきたその女性を突き飛ばして路上に転倒させ、加療2週間の傷害を負わせたんだという。
それって、ほんとは「事後強盗傷人」じゃないの? 逮捕時の報道も「強盗傷害の現行犯」となってる。
懲役2年、執行猶予4年。
続いて10時から「強姦・住居侵入・公然わいせつ」の新件。合議。裁判長は波床昌則裁判官、右陪席は丸山哲巳裁判官、左陪席は豊島栄子裁判官。右左陪席はあの江東区のバラバラ殺人と同じだ。
被告人(身柄、留置場)は24歳、建築業(大工)。
聴き取れたところによれば…。離婚歴あり。同居の内妻との性行為に飽き、2006年10月午前9時頃、練馬区内のアパートに侵入、21歳(?)女性に自慰行為を見せ、いったんは逃げたが戻り、玄関に射精。2007年3月午前4時頃、襲う相手を物色し、コンビニを出た女性を尾行、練馬区内のマンションに入ったところを背後をから首を絞めて失神させ、踊り場へ連行し、「おとなしくしていれば5分ですむから、俺、病気持ってないから、外に出すから」と強姦し、膣内に射精。2007年10月午前4時頃、板橋区内のマンションのエレベータ内で、24歳の女性らが容易に覚知し得る状態でことさらに自己の陰茎を露出して示し、「処女なの? エッチしたことあるの?」と言葉をかけながら自慰行為をして射精、精液を被害女性の靴に付着させた。2008年9月、別の「公然わいせつ」で罰金10万円。他に「公然わいせつ」の前歴が複数…。
検察官は、被害女性らの生々しい恐怖の供述調書を長々と読んだ…。
被告人の父親が情状証言。終始うつむいていた。
私の2つ隣の席で、女性がずっとすすり泣いていた。よくは見なかったが、被告人の母親じゃないかな。
被告人質問の途中で、11時が近づいた。被害者参加の「恐喝・傷害」の傍聴券は抽選。もぅいいや、とそのまま残ることに。
求刑は懲役6年。反省・悔悟してヤメるチャンスは何度でもあったわけで、どうしたって実刑は免れないだろう。
11時までの予定が、11時25分閉廷。留管の制服警察官により再び手錠・腰縄を付けられる被告人を、傍聴席で父親と母親(と思しき女性)が立って見ていた。すぐに女性が、「あーっ」というか、なんともいえない声を上げて激しく泣きだした。
そのあと、女性は一般待合室の前に崩れ、激しく叫ぶように泣き続け…。父親がしゃがんで介抱していた。犯罪は被告人の家族にも大きな被害をもたらすのだ…。以前、似たような光景を見たことがある。あれは「強姦未遂」の被害女性だったが…。
11時40分と11時50分に、東京簡裁534号法廷(八木澤秀司裁判官)で判決が2件ある…。
11時34分頃、法廷に入ると、前の「窃盗」の、書証の要旨告知をやってた。えーっ、この時間に。八木澤さんてば、もぉうっ。
いったん休廷して…。
11時40分から「窃盗」の判決。
昨年11月11日に東京簡裁で、「窃盗」(すり)により懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年の判決を受け、その判決が確定する直前の11月25日、北区のパチンコ店で客のポケットから現金4000円を抜き取り窃取したんだという。
懲役1年2月、未決20日算入、訴費不負担。
被告人(身柄、拘置所)は40代かと思しきオッサン。弁護人は、イヤリングを付けた、良い薄茶色の暖かそうなスーツ(スカート)の、茶パツの若めの女性。被告人とは住む世界が完全に違うな、と…。
八木澤裁判官は量刑の理由をいつもきちんと言ってくれる。とても良いよね。
11時47分頃から「占有離脱物横領」の判決。
被告人(身柄、留置場)は、白髪でぽっちゃりした顔の、オバサン乃至婆ちゃん。留管の警察官は2人とも男性。
氏名不詳者が遺留した自転車、2000円相当を、自己のものとするためその場から持ち去り、もって横領、職質に対し偽名を名乗り、悪態をつくなどし、身上経歴をなかなか話さなかったんだそうだ。
2007年10月に「占有離脱物横領・公務執行妨害」で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けており、同種前歴複数。
本件は懲役6月、未決10日算入、訴費不負担。
前の窃盗の犯行日は11月25日、この占脱は11月5日。どっちも当日の逮捕なら、占脱のほうが勾留期間は長いのに未決算入が短い。東京の場合、身柄事件はだいたい逮捕から2カ月くらい or more で法廷へ出てくるわけで、占脱の逮捕が窃盗のほうよりずっと後とは考えにくい…。ふぅん。
11時57分から、さっき中断した「窃盗」を再開。被告人質問。えーっ。
缶コーヒーと焼き菓子、合計476円相当の万引き。交通事故で4年間入院したとかで、どうも様子がおかしかった。とりとめもなく話す被告人はいるけど、そういうのを超えてるような…。
直ちに判決。懲役1年、執行猶予3年、訴費不負担。
12時31分閉廷。
当然もうA定食は売り切れており、かけそば大盛り290円。
次に傍聴したいのは15時30分から。注目の事件なのだが、もう眠くて眠くて、どこかで座って寝ようか、いや、いっそ帰ろうか…。
13時10分から地裁710号法廷(登石郁郎・三村三緒・藤原靖士裁判官)で、「有印私文書偽造・同行使・偽造有印公文書行使・詐欺未遂」の判決。
2005年4月に宇都宮地裁で「道路交通法違反・自動車運送車両法違反・自動車損害賠償保障法違反」(無免許等の交通違反&無車検&無保険かな)で懲役6月、執行猶予3年の判決を受け(その後猶予を取り消されて服役)、2006年12月に東京地裁で、本件と同種の犯罪で懲役1年4月の判決を受けて服役、そしてその出所後3カ月で、携帯電話の裏サイトで知り合った共犯者から指示され、報酬欲しさに偽造免許証などでどうとかしたんだという。
懲役2年4月、未決30日算入、訴費不負担。
同じ法廷で続いて13時30分から、「公然わいせつ」の判決。私は最近、この罪名に注目してる(だから午前中のあの事件も傍聴した)のに、先週の第1回をなぜか見逃してしまったのだ。
被告人は大柄な男性。ま、なかなかハンサムか。カジュアルな服装がそれなりに決まってる。重そうな大きな鞄を持ってる。傍聴席に、一般傍聴人とは違う感じの男性が2人。はは~、被告人は保釈中なのかな…。
いかにも打ちひしがれた様子の被告人に言い渡された判決は、懲役4月、未決10日算入。
同種罰金前科が2犯か3犯あり、昨年懲役4月、執行猶予3年の判決も受けてるのに、それから3カ月足らずで、性的興奮を得ようと、電車の座席に座っていた12歳(22歳?)女性の眼前に、勃起した陰茎を押しつけるように露出したんだという。
言い渡しが終わると直ちに、傍聴席の2人の男性がバーの中に入り、保釈取消の手続きを…。
14時30分から地裁710号法廷(園原敏彦裁判官)で「著作権法違反」の新件。
秋葉原(住所的には千代田区外神田)でDVD販売店を経営し、他の販売店で買ってきたアニメを違法に複製し、販売目的で所持したんだという。出てきた店名をネット検索すると、アダルトDVD店がヒットする…。
求刑は懲役1年6月、罰金50万円を併科、押収してあるDVD没収。
15時17分閉廷。私はもう、だ~いぶ寝てしまった。傍聴ノートの文字がとんでもないことになってる…。
ようやく15時30分になり、簡裁728号法廷(田中芳和裁判官)で「道路交通法違反教唆」の論告・弁論。
「被告人は無罪であります!」と始めた弁護人の弁論は、大いに説得力があった。被告人の最終陳述はこうだ。
被告人 「捜査を混乱させてしまって、本当に申し訳なく思っております。でもほんとに、運転してくれとは頼んでおりません」
検察官も内心は、「こんなもの不起訴にしろよ。あ、被告人が略式に応じてしまったのか。なんでも略式で処理しようとすんなよ、ったく」と思ってるんじゃなかろうか。
しかしこれは裁判だ。無罪とは限らない。←その意味は『裁判中毒』参照。
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裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21) 著者:今井 亮一 |
16時08分閉廷。
終わって見知りの傍聴人氏から、気になりつつ傍聴できなかった「銃砲刀剣類所持等取締法違反」の内容を教えてもらう。へぇ~、そんな事件だったんだぁ、へぇ~
人気blogランキング 1月29日5時50分現在、週間INが350で位~
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