フォト
2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ

« ホームレスの生き様は裁判官には分からない | トップページ | 首都高・山手トンネルのオービス事件 »

2009年1月16日 (金)

留置番号51号 黙秘というより無反応

1月15日(木) そのthree

clip 13時20分から東京高裁506号法廷(門野博裁判長)で「殺人未遂」の判決。「交通トラブル」が発端で、昨年8月7日横浜地裁で懲役4年6月を言い渡された事件だ。
 法令適用の誤りがあり、原判決破棄、そして改めて懲役4年6月、原審における未決150日算入(これは原判決の未決算入より多いらしい)、原審か当審か聞き漏らしたが、訴費不負担。
 量定は同じでも、原判決破棄とされたから、控訴審における未決勾留期間は法定算入となる、つまり全部算入される。実質4年を割る刑期になったわけかな。そんなこともあるんだ~。

clip 13時30分から東京簡裁(武内晃裁判官)で「窃盗」の新件。
 13時29分に入ると、傍聴席(20席)が半分くらい埋まってた。簡裁では異例といえる。阿曽山大噴火さんも礼田計さんも、目指す事件の傍聴券抽選に外れたユキさんもいた。それもそのはず、被告人は「警視庁新宿警察署留置番号51番こと氏名不詳の男」なのだ。
 すぐに裁判官が登壇したが、なかなか始めない。あれ? 被告人(身柄、留置場。だいぶ年配のように見える)も弁護人も検察官もそろってるのに、なに待ってんだ? 5分過ぎても6分過ぎても始めない。あれ?
 13時38分、サラリーマン風の男性がコートを脱ぎながら入ってきて、あたふたと書記官の隣の席へ。通訳なのか!? そう通訳なのだった。
 そして、北京語と広東語と2つの言語で通訳をすることになった。は?
 証言台の前によろよろと立った被告人に、裁判官が尋ねた。
裁判官 「名前は何といいますか?」
 通訳が2つの言語で通訳(私には違いがわからないけど)。
被告人 「……………」
裁判官 「生年月日は?」
 通訳が2つの言語で通訳。
被告人 「……………」
裁判官 「本籍はどこですか?」
 通訳が2つの言語で通訳。
被告人 「……………」
裁判官 「職業は?」
 通訳が2つの言語で通訳。
被告人 「……………」
 すべて黙秘、というより無反応なのだった。
 検察官が起訴状を朗読。新宿区大久保のドンキホーテで、豆等2袋、796円相当を万引きしたんだそうだ。豆…って。
 その後、被告人は、黙秘権告知にも無反応、罪状認否でも無反応…。
裁判官 「検察官、弁護人、今ご覧になったとおり…今後の進行について…」
弁護人 「地裁へ移送でも、どちらでもかまいません」
検察官 「弁護人と同様、然るべく」
 しばし沈黙の後、
検察官 「本件は手続きの進行に著しく困難が認められるので、刑事訴訟法332条に基づいて、これを東京地裁に移送する」

第三百三十二条  簡易裁判所は、地方裁判所において審判するのを相当と認めるときは、決定で管轄地方裁判所にこれを移送しなければならない。

 13時49分閉廷。
 私は間違えて322条とメモした。阿曽山さんから322条じゃないでしょと言われた。そう、322条は、信用性に問題のある調書をムリに採用するのを合法とするための根拠条文だよ~。

 それにしても、こんなまったく無反応の被告人を、どうして起訴できたんだろう。「とりあえず中国人らしい。起訴すれば満つるまで算入(『裁判中毒』参照)で片付けてくれるさ」とか思ったんだろうか。あるいは、捜査段階では、それなりに話してたんだろうか。でも、北京語か広東語か、どっちが適当なのか分からないって、そんな…。
 このあと、起訴を取り下げ、病院へ収容したりして…。
 ま~、とにかく、びっくりしたっけ。

裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21) Book 裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21)

著者:今井 亮一
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

人気blogランキング ←1月16日20時20分現在、週間INが340でtwoone位~happy02

« ホームレスの生き様は裁判官には分からない | トップページ | 首都高・山手トンネルのオービス事件 »

刑事/窃盗」カテゴリの記事