首都高・山手トンネルのオービス事件
1月15日(木) その
15時まで時間が空いた。こういう機会でもないとなかなか傍聴できないからと、家裁へ行ってみる…。
東京家裁・家事6部(松原正明裁判官)121号法廷、13時30分から15時30分の「離婚」の「証拠調(本人)」、へ途中から。
傍聴席は14席。裁判官の両隣に「参与員」が男女1人ずついた。
開廷表では、夫のほうが原告。途中から入ると、原告を尋問してるところだった。
原告 「何やってんの、帰ってきなさいとか、妻が夫を案じるような、非難も含めて、そういうことは一切ありませんでした!」
時期をずらして、3人の中国人女性と付き合い、いっしょに外国(中国じゃない)へ行ったりしてた…らしい。少なくとも1人は水商売なんだそうだ…。
妻の尋問が始まったところで、私は退出。
宣誓のとき、全員起立するのが新鮮だった。東京簡裁、地裁、高裁の刑事では、そんなことはしない(昔はさせる裁判官もいたっけ?)、法廷の外の注意書きに、宣誓のときは起立するようにとハッキリ書いてあるのに。
東京の刑事は傍聴人が多くて、ざわざわするから、だろうか…。
家裁を出て、15時から地裁418号法廷(高橋正幸裁判官)で「道路交通法違反」の新件。
被告人(在宅)は、わりと美人。傍聴席に、だいぶ格好良い外国人。フランス映画に出てきそうな。被告人の夫なのだった。
公訴事実は、首都高速・環状線内回り、東中野の自動速度取締り機による80キロ超過(測定値140キロ)。
東中野の首都高っていえば、最近開通した山手トンネルしかない。あそこにあるのは東京航空計器のオービスⅢLk。こいつの裁判は私は初めてだ。
被告人はその日、実家から帰宅する途中、助手席の2歳の子どもが、お腹が痛いと言い出して下痢をし(弁護人によれば嘔吐の症状もあり)、可愛そうに、早く衣服を着替えさせねばと、アクセルを踏んでしまったのだそうだ。
情状証人として夫を、通訳付きで尋問。
そして被告人質問。駐車違反と、速度違反(反則行為)2件の前歴があり、すべて、日本語の読み書きができない夫の仕事を手伝い、もともとの自分の仕事を続け、子育てもやる、という状態になってからなのだという。
私が長年の裁判傍聴をとおして得た教訓の1つは、欲張りすぎるとムリが出る、いつか破綻する、ということだ。この被告人も、ヤバイのが飽和状態に近づきつつあったのでは? とか傍聴席で勝手に思う。
求刑は相場どおり懲役3月。次回判決。15時59分閉廷。
ただ、子どもの心配をしながら140キロも出せない、これは誤測定だ、ということになると話は違う。
東京地裁の速度違反事件はすべて超過80キロ以上で、ほぼ全員が反省・悔悟を述べて執行猶予をもらう。しかし、「争ってもどうせ勝てない。素直に認めないのは悪質だと実刑になるよ。刑務所、行きたいの?」などと周囲やときに弁護人から言われ、「超過速度はおかしいけど違反は違反」と自分を納得させ屈した被告人が、少なくとも何%かいるんだろうと思う。
その被告人が立ち去る前に奥のドアが開き、次の「公務執行妨害」の被告人(身柄、拘置所)が入ってきた。
30歳、住所不定、無職。
地域課の巡査(25歳)がミニ検問をやっていたところ、被告人が巡査を見て避けるように立ち去ったことから、巡査が職務質問し、被告人は巡査の襟首をつかみ前後に揺すぶる暴行をし、もって公務の執行を妨害…。
裁判官 「起訴状の内容、わかりましたか?」
被告人 「まぁ要するに、おまわりさんをぶっ飛ばしたという罪ですよね。まぁ、暴行はしてませんし、警察官だという認識もありませんでした。避けるように立ち去ったというのが、いちばん気に入らないです。瞬時に倒されたので…つかまれてから倒されるまでの間があっという間だったので、暴行を加える余裕もないです」
次回、その巡査を尋問することとして、16時17分閉廷。
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