裁判官こそ規範意識が鈍磨?
1月20日(火) その
早起きしてぎりぎりまで原稿を書き…。
10時から東京簡裁728号法廷(恩田剛・研さん裁判官)で「窃盗」の判決。
懲役1年、未決10日算入。
窃盗の前歴2件あり。昨年秋に窃盗で懲役1年2月、執行猶予3年の判決を受け、それからわずか20日余りでの本件犯行。就職がうまくいかず、妻に隠したまま出かけることをくり返し、所持金が減り、換金目的で、西池袋の書店で書籍2冊9735円を万引きしたのだという。幼少の子どもと病弱の実父がいるんだそうだ。
髪も服も真っ黒、背中が丸く、だらーんとして、もうどうでもいい、人生投げた、捨てた、というものを感じさせ、再び手錠・腰縄を打たれ去って行った…。
10時10分から、1月15日に第1回を傍聴した「窃盗」(女性ホームレスの万引き)の判決。
懲役1年4月、未決20日算入。
もう路上生活に戻らないと前回の法廷で約束したことを裁判官から言われ、
被告人 「約束したんだけど、できない場合があったらどうすればいいのか…」
裁判官 「役場にでも行って相談して、乗り越えていかないと…」
以上2件は、研さん裁判官。
研さん裁判官は良いと思う。ぎくしゃくして不安を覚えることもたまにあるものの、たいてい定刻まで開廷を待つし、判決を主文だけで終えることもない。「検察官××、弁護人××立会のうえで…」とまで告げることもある。
審理も判決も、バーの内側の者だけそろえばいいってもんじゃないはず。家族や被害者、関係者が来るかもしれない。また、どんな審理、判断をするのか、国民に見せるために、裁判は公開なわけでしょ。
刑訴法342条は「判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する」と定めてる。法廷での言い渡しが本番というか。
ところが、定刻の数分前に始め、主文のあとにすぐ上訴権の告知をし、定刻にはもう誰もいない、なんてことは珍しくない。忙しいベテラン裁判官らよ、遵法精神、規範意識が鈍磨してませんか? と、あら~、偉そうに言っちゃってまぁ。
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