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2009年1月11日 (日)

国民の36%が犯行予告!?

 以下は1月9日付け朝日新聞。太字は今井。

裁判員呼び出し「行く」は57% 朝日世論調査
 5月から裁判員制度が始まるのを機に、朝日新聞社が法律や裁判をテーマに全国世論調査を実施したところ、裁判員候補者になり、呼び出しを受けた場合、裁判所に「行くと思う」と答えた人が57%で、「行かないと思う」人は36%だった。候補者は裁判ごとに50~100人呼び出され、最終的にくじで6人選ばれると説明したうえで聞いた。
 裁判員制度では、70歳以上の人は無条件で裁判員を辞退することが認められている。年齢による辞退が認められない20歳以上70歳未満でみると、「行く」66%、「行かない」29%だった。20~40代では「行く」が70%前後に達する。
 候補者に選ばれたら、という前提ぬきに、裁判員として刑事裁判に参加したいかどうか参加意欲を聞いたところ、「ぜひ参加したい」5%、「できれば参加したい」が17%にとどまったのに対し、「できれば参加したくない」は50%にのぼり、「絶対参加したくない」も26%いた。
 参加したい人(「ぜひ」「できれば」の合計22%)にその理由を聞いたところ、約半数が「裁判に一般の人の感覚を反映させたい」を選んだ。参加したくない人(「できれば」「絶対」の合計76%)では、「正しく判断する自信がない」を理由に挙げた人が50%、「人を裁くのに抵抗がある」25%、「仕事や生活に支障が生じるから」15%だった。
 裁判員制度の賛否では、反対が52%で賛成の34%を上回っている。その一方で、制度導入で刑事裁判への信頼が「高まる」とした人は29%で、「低くなる」の10%より多い。「変わらない」は52%だった。
 調査は昨年12月13、14の両日、面接方式で実施した。

P1020848  どう抽出した何人に対する調査なのか、この記事からは不明だが、ま、それは置いといて…。

 この見出しからは、
「お~、先月中頃の時点で、半数以上が行くと言ってるのか。裁判員制度、なんとかうまくいきそうじゃん」
 との印象を刻まれない?
 でもね、私はね、どぉ~してこんな見出しを付けられたのか、仰天してしまう。
※ 画像は、昨年11月末に全国約30万人に発送されたという「お知らせ」(『FLASH(フラッシュ)』が掲載したのと同じもの)、の一部。

 「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の、「裁判員候補者の出頭義務、旅費等」について定めた第29条の、第1項がこう規定している。

第二十九条  呼出しを受けた裁判員候補者は、裁判員等選任手続の期日に出頭しなければならない。

 「裁判員候補者になり、呼び出しを受けた場合」、その出頭は法律で義務付けられているのである。
 この義務違反には罰則がある。太字は今井。

(裁判員候補者の不出頭等に対する過料)
第百十二条  次の各号のいずれかに当たる場合には、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する
 呼出しを受けた裁判員候補者が、第二十九条第一項(第三十八条第二項(第四十六条第二項において準用する場合を含む。)、第四十七条第二項及び第九十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がなく出頭しないとき
 呼出しを受けた選任予定裁判員が、第九十七条第五項の規定により読み替えて適用する第二十九条第一項の規定に違反して、正当な理由がなく出頭しないとき。
 裁判員又は補充裁判員が、正当な理由がなく第三十九条第二項の宣誓を拒んだとき。
 裁判員又は補充裁判員が、第五十二条の規定に違反して、正当な理由がなく、公判期日又は公判準備において裁判所がする証人その他の者の尋問若しくは検証の日時及び場所に出頭しないとき。
 裁判員が、第六十三条第一項(第七十八条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がなく、公判期日に出頭しないとき。

 法律により罰則付きで強制された義務、に違反したら、すりゃ犯罪だぉsign03
 36%もの国民は、つか裁判を行う資格を有した(そのこと自体が日本国憲法第37条第1項違反だという説もあるが)国民の36%もが、犯罪を犯してまで「行かない(出頭しない)と思う」と言ってる、これって犯行予告sign02 なんたるちや、サンタルチヤsign03 ←骨董的価値のある駄洒落だ~(笑)。

 調査の回答者らは、そんな罰則があること、知らなかった?
 もしそうなら、それまた大問題。
 同法の附則第2条(施行前の措置等)第1項は、こう規定している。

第二条  政府及び最高裁判所は、裁判員の参加する刑事裁判の制度が司法への参加についての国民の自覚とこれに基づく協力の下で初めて我が国の司法制度の基盤としての役割を十全に果たすことができるものであることにかんがみ、この法律の施行までの期間において、国民が裁判員として裁判に参加することの意義、裁判員の選任の手続、事件の審理及び評議における裁判員の職務等を具体的に分かりやすく説明するなど、裁判員の参加する刑事裁判の制度についての国民の理解と関心を深めるとともに、国民の自覚に基づく主体的な刑事裁判への参加が行われるようにするための措置を講じなければならない。

 「裁判員の選任の手続」について、自らの選択が犯罪に当たることすら知らない(知らずに犯行予告をやってる)状態で、つまり、「政府及び最高裁判所」が附則で義務づけられた「措置を講じ」たとは到底いえない状態で、「我が国の司法制度の基盤としての役割を十全に果たすこと」が果たしてできるのか?

 なぬ? 今から周知する?
 最初は「国民参加だ」とか良さげなことばかりアピールし、間もなく始まる段階になって、不利益なこと(ひいては制度の本質)を小出しにする、それってなんだか悪徳商法っぽくない? いや、裁判員制度という“商品”自体、良くないものだから、“やらせタウンミーティング”もあったように、その押しつけ方法が悪徳商法っぽいのは当然、これでいいのだ?

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 というわけで、「裁判員呼び出し「行く」は57% 朝日世論調査」という見出しに仰天し…ま、ある意味納得した次第。
 朝日の内部にも、同様の感想を持つ人は少なくないはず。とすれば、この見出し、誰がつけたんだろうねぇ、せっかく貴重な世論調査をしたのに…。
 「裁判員制度はいらないsign01大運動」の呼び掛け人になっといて良かった~。

追記: インターネット掲示板に「駅で人を刺しまくる」と書き込み、警備を強化させるなど鉄道業務を妨害したとして、19歳の少年が「威力業務妨害」で逮捕されたそうだ。
 新聞の世論調査に「呼び出されても行かない」と答えて、政府当局に広報を強化させるなどした人も、「威力業務妨害」で逮捕されるのか…。

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※ 参議院の法務委員会の、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成19年4月10日)。

※ 『ビッグコミック スペリオール』(小学館)で2009年1号から連載スタートした『ジキルとハイドと裁判員』(漫画:森田崇、脚本:北原雅紀、法律監修:弁護士・今井秀智)を、ようやく読んだょ。
 当ブログで「オカルト法廷、あると思います」と書いたけど、この漫画もちょっとオカルトっぽいんだよね。『ジョジョの奇妙な大冒険』的な。今後の司法のキーワードは、オカルトか?
 その第1話で「薬師寺判事」が、不安がる裁判員たちを前に、言うんだよね。
「こうした声に応えて導入されたのが裁判員制度なんです、ですから――」
 と。「こうした声」として挙げられたものを見て、
「だからなんで国民を罰則付きで強制動員なの? 結びつかないじゃ~ん」
 と私は思った。裁判員制度の目的は、どう描いたってムリがある、しょーがないか。でも漫画自体は面白そうだょ。

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