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2009年2月12日 (木)

仮睡盗 実行役と見張り役

2月10日(火) その

 

 今日は午前中は休もうか。睡眠4時間、昨日は3時間、きつい。

 いやいや、「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反」はちょと注目してるのだ。これまで15件傍聴してきた。今日は他にダブるのがない。10時から地裁532号法廷でのその新件を、やっぱ傍聴しとこう。

 532号は傍聴席20席の狭い法廷だ。傍聴人が集まりそうな事件をこの狭い法廷でやること多いよなぁ。故意に、ではないんだろうけど、予想される傍聴人の数でどの法廷を使うか決めることは、特別な場合を除いて、ないみたいだな…。

 

 とか思いつつ、電車がちょい遅れて10分ほど前に、532号法廷がある小廊下へ。

 手前の大きな法廷の開廷表のところに数人いた。「これにしようかしら」「いいわよもう」とかいう声が聞こえた。あっ、もうダメだ!

 東京地裁のマニア諸氏はピンときたろう。
 この数人は、ストーカーを見にきて、とっくに満席で入れず、隣の法廷の開廷表の前で「これにしようかしら」と言ってるのだ。

 だが、もしかしたらオバサンたち(2人か3人だったか、とにかく複数)は、まとまって座れないからとストーカーをあきらめた、という可能性がないわけではない。もしそうなら1席くらいは空いてることになる…。

 しかし532号法廷は、完全にぎっしり満席だった。

 そうか、今日は開廷がやけに少ない。とくにこういう日のこういう罪名の事件は、30分くらい前に来てないとダメなのだ近頃は。昔はこんなこと考えられなかったのに。

 

 廊下へ出て、東京簡裁534号法廷(武内晃裁判官)へ…。

 

 9時55分から「窃盗」の判決。

 懲役1年2月、未決10日算入、訴費不負担。事件の内容はさっぱりわからない。私が知る限り、いつも武内裁判官は主文と少々の説教以外、言わない。

 

 10時から「窃盗未遂」の新件。

 事件番号は今年で、被告人は2人。40歳と38歳。ともに身柄、警察留置場。

 早朝の電車内での仮睡盗。40歳が実行役で、38歳が見張り役。実行役は左右のポケットに穴が空いたコートを着ていたそうだ。

 実行役は前科3犯。累犯の関係にある前科あり。母親を尋問。何がいけなかったと思うかと弁護人、検察官から尋ねられ、夜の仕事(荷物の積みおろし)を選んだのが一番いけなかった、自分が再婚したときイジメ抜かれたのが影響してると思う、と言ってたけど、でも、そういう人がみんな(せめて何割か)他人の財物を盗み取るようになるわけではないのであって…。

 被告人は、やっちゃいけないことをやったと、よぉくわかってますよ、俺はわかってる、わかってるけどしょーがない、理由があったんだから、その理由は言えない、きっちり責任は取りますよ…というふうな態度に見えた…。

 離婚歴あり。娘は11歳。被告人によれば、元妻は子どもが嫌いで、1回手にかけそうになったことがあって、それが原因で…私を取るの娘を取るのと言われて…なのだそうだ。前科3犯のうち2犯目は、娘が2歳か3歳のときなのだそうだ。

 2犯目の執行猶予(保護観察付き)を取り消され、猶予された1年6月と、3犯目の2年を続けて服役し…。

検察官 「なんでまたやるの」
被告人 「そこらへんはちょっと言えないこともありますし」
検察官 「またやるんじゃないの」
被告人 「今回はそういう人たちと話したんで。僕が戻ったら逆にヤラレちゃうんで」

 少なくとも駅構内の仮睡盗には、縄張りがあり、勝手にやるとヤバイことになる、みたいな話も聞く。この2人は、誰かの許可を受けて仮睡盗をくり返してた…とか?

検察官 「被害者の気持ち、考えたことあるの」
被告人 「はい、だから僕は、やってるとき途中で苦しくなって」
検察官 「(呆れたように)考えてないんでしょ。終わります」

 席に座った検察官を、被告人は証言台の前に立ったまま憤然とにらみ下ろしてる…ように見えた。

 母親は、いたたまれなくなったのか途中で外へ出た以外ずっと、前の傍聴席の背もたれに両手を置き、その両手の間で、背もたれに頭を押しつけるようにして、泣いていた…。 

 見張り役のほうは、10年以上前に地元で「酒の上で、あるスジの人たちとちょっとトラブル」になり、「実家のほうへ(その人たちが)行かない代わりに僕、地元を出ます」ということになったのだそうだ。けれどもう10年以上経ってるのでと、話がついてるらしく、地元へ戻ってやり直したいのだと言っていた。前科はナシ。

 求刑は、懲役3年と、懲役1年6月。
 閉廷し、再び手錠・腰縄をつけられるとき、実行役のほうが大きなゲップをした。

 

 続けて11時15分から「建造物侵入、窃盗」の新件。

 被告人(身柄)は、大柄なお洒落な若者、27歳。働かずカネに窮し、街を数時間物色した挙げ句、寿司店の無施錠の勝手口から侵入、小引き出しから2000円を窃取、飲食に使った…。

 寿司店では、以前から現金が窃取される被害が複数回あり、犯人を捕まえようと、携帯電話の動画録画の機能を用いて…それで約9カ月後、被告人が逮捕されたんだという。
 求刑は懲役1年6月。

 

 某雑誌の仕事の関係でグリーンテラスへ移動し、ナポリタンとコーヒー。

 

 13時15分から地裁720号法廷で「傷害致死」(報道された事件かな)の判決があるのをつい忘れ、13時10分から地裁715号法廷(林正彦裁判官)で「常習累犯窃盗」の判決。

 サミットストアで弁当など3点、944円相当を万引き。懲役3年、未決20日算入。年齢は50代くらいなんだろうか、60歳を超えてるんだろうか、だらーっと投げやりで無反応な被告人だった。

 途中ぞろぞろ10人弱が入ってきて、ぞろぞろ出て行った、衣服をしゃらしゃら鳴らして。

 

 「窃盗」等を傍聴してると、高校時代を遠く思い出す、授業をサボってパチンコの新装開店に並んでた(そんなことをやらずに居られなかった)頃を。

 狭い街で、新装開店に並ぶ顔ぶれはだいたい決まってる。昼間っから遊んでるらしいオッサンたちがいつもいた。彼らと、出玉についてせいぜい一言二言交わす、以上の会話をするチャンスがあったら、どうなっていたのか…。

 けど、私は当時、パチンコ以上に“映画狂い”だった。オッサンたちに興味を持たなかった。当時、3本立てで170円か180円、高校生がこっそり小遣いで行ける“小屋”があったのだ。“金持ちがカネを儲けるための商業映画”はまだ無かったし…。

 そうするとだ、日本の治安のためには、映画をせいぜい1本100円くらいにし、かつ、アメリカの商業映画を禁輸とする…のはどうだ。レンタルDVDなら安い? ダメだよ、そんなの。映画は、どぶねずみが床を走る汚い劇場の、銀幕の上で観なければ!

 わけ分かんなくなっちゃいましたけど、つまり要するに、ある割合の人たちにとって、楽しみはパチンコ・パチスロ(射幸心を煽って一時興奮させ、カネを吸い上げる産業)しかないというそのことが、犯罪の1つの源泉になってるように、ふと思ったわけ…。

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