ネットの犯行予告をダイレクトに処罰できるとき
3月12日(木) その
10時から東京高裁720号法廷(安廣文夫裁判長)で「業務妨害」の控訴審第1回。
広い法廷に、傍聴人は私を含め2人のみ。
529号の強わいとストーカーをこそ、こっちの法廷で、そして控訴審を20席の法廷でやればいいの…とはシカシいかないだろう。なぜなら、地裁より小さな法廷でやったのでは、控訴審の重み、威信が損なわれるから。最高裁だって、あの度肝を抜くような豪華・荘厳な法廷がなければ…ねぇ。
これは報道された事件。例によって2chでの犯行予告。
被告人は不出頭。
裁判長 「被告人は、この日程のことはわかってるわけですよね? だけど出頭しない、と」
弁護人 「はい」
控訴の趣意は、業務を妨害するつもりはなかった、妨害することになるとは思わなかった、ほんとは警戒業務をしてないだろ…とかいったものでなく、法令適用の誤り。
すなわち、警察の職務は強制力を伴う権力行使であって、刑法233条がいう「業務」に該当しない、被告人の犯行予告は軽犯罪法のイタズラにとどまる、というもの。
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
それに対する高裁の判断は、233条がいう業務に当たらないとされるのは、強制力によって排除し得るからであり、直ちに虚偽であると看破できない限り、徒労の出勤・警戒を余儀なくされるので、本来の警察業務の遂行が困難になり、業務妨害は成立する、というふうなことだったかな。
控訴棄却。原判決は不明だが、まぁ、特別な要素がなければ、懲役1年6月、執行猶予3年か4年ってところだろうか。
飲酒運転についていえば、酒を飲ませたり車を貸したり、要求・依頼して同乗したりする行為は、教唆、幇助で処罰することもできるんだけども、2007年9月19日から、道路交通法でダイレクトに処罰できるようにした。
それと同様、ネットの犯行予告をずばりダイレクトに処罰するための規定が、そのうちつくられるんじゃないか。
なかなかつくられないのは、もっとトンでもない犯行予告があって大きな社会問題となり、「やっつけろ!」の大合唱にのって「表現の自由」(※)にも、さくっとこそっと網を掛けるための、まだ準備が終わってないから…というのは歪んだ深読みかしら(笑)。
※ 「無差別殺人する」とか「爆破する」とかいうのは、日本国憲法が保障する「表現の自由」でも「言論」でもないからネ。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
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コメント
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ななっ、なんでも言うこと聞くから、ももっ、毛根だけはヤメろ~っ
投稿: 今井亮一 | 2009年3月17日 (火) 02時28分
今井さんの頭の中と毛根と足の親指に
時限爆弾を仕掛けた
…と政府高官がオフレコで言ってました
投稿: 名前 | 2009年3月14日 (土) 23時40分