税関も銀行も見破れない偽造1万円札
3月24日(火) その
15時から高裁410号法廷(出田孝一裁判長)で、「偽造通貨輸入、関税法違反(認定罪名:偽造通貨輸入、関税法違反、偽造通貨行使」の判決。
「偽造通貨輸入」は珍しい罪名。簡裁へ行く前にちらっと…。
報道されてもいる。押すな押すなかに違いない、と思った。
が、14時56分、傍聴人は私1人。なんで!?
通訳の女性の衣服が素敵だった。
主文→通訳→理由全部朗読(約15分間)→全部通訳(約15分間)→上訴権告知→通訳、という形で行われた。
大量の旧1万円札の“輸入”は、報道では2008年3月26日となっているが、同月8日にも“輸入”し、誰かに頼んで銀行で、新1万円札に両替したんだという。税関でも銀行でも見破られなかったんだという。
被告人は、偽札と知らなかった、両替を頼まれただけだ、と否認していたようだが、判決は要するに、そんなはずはない、両替を頼まれただけと言うのに98万円のうち60万円をパチンコに使ったという供述は矛楯するし…と、控訴棄却(原判決は懲役8年)、当審における未決70日算入。
言い渡しが終わると被告人は、ハングル語(だろうと思う)で何かを叫ぶように言った。通訳を待つことなく、裁判長はかぶせるように「これで宣告を終わります」と言い、左右陪席とともに退廷。被告人は、再び手錠・腰縄をつけられるとき、ものすごく怒ったような顔だった…。
15時30分閉廷。
廊下へ出ると、すぐ近くの地裁412号法廷(村山浩昭裁判長。この人、少し前まで高裁・刑事7部の右陪席?)の前に、行列ができてた。なに?
15時30分から、報道された「傷害致死」の判決が入っており、まだ法廷が開いてないのだった。
へぇ~と思ってるうち、法廷が開き、なんとなく私も列の後ろへ。
判決は、懲役7年、未決80日算入。
理由は長くなるので被告人席に戻るよう裁判長が言ったが、被告人は立ったままを望み、立たせたまま理由が述べられた。
上記リンク先の報道では「殴ったりけったりして」とされているが、顔面を数回殴り、床に倒れた被害者の頭部を、激しく蹴り、踏みつけ、左右上顎骨折、左右側頭骨骨折、左右前頭ガイカ骨折等の傷害を負わせ、血液吸引による急性窒息で死亡させたのだそうだ。
被害者は被告人の「親友」なのだそうだ。
15時59分閉廷。
弁護人席に近いほうの傍聴席にいた女性が、激しく泣いた…。
16時05分から地裁723号法廷で、3月17日に傍聴した「自動車運転過失傷害」の第2回公判があるので行ってみると、16時からの「公務執行妨害」の判決が言い渡されるところだった。
懲役1年、未決30日算入。
服役前科19犯。前刑出所の翌日、区役所の生活福祉課へ行き、緊急保護センターの説明をしていた職員の顔面を右ゲンコツで1回殴ったんだそうだ。
「自動車運転過失傷害」のほうは、前回検察官が意見を留保した弁護側書証の取調べを簡単にやり、その点についてだけ被告人質問を1~2分。
そして論告、弁論。求刑は禁錮1年。16時23分閉廷。
傍聴人は私を含め2人。
嗚呼、今日は簡裁の「建造物侵入、窃盗」の審理を傍聴に出てきたのに、結局簡裁へは行かず…。いったいナニをやってるのか。こんな日もあるよね~。
今日は、私が見た限りでは、裁判所内は閑散としていた。団体をまったく見かけなかった。信じられない、どうなっちゃったの て感じぃ。
野球のせい…?
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コメント
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秦野真弓 様
おお~、川口政明裁判官。東京地裁第16刑事部にだいぶ長く居ましたよね~。
でも私は、川口さんの裁判は7件しか傍聴してません。当時は東京簡裁に道路交通法違反が多くて、そっちに集中していたのかも。
通訳の難しさ、同感です。弁護人も検察官も被告人も、完全に論理的な文章を述べればいいんでしょうが、なんというか、阿吽(あうん)の呼吸でわかるでしょ、みたいな内容を普通に言うことが頻繁にあり、文化の違う言語で正確に伝えられるのかなと、疑問に思うことがよくあります。
簡明な自白事件で、有罪にするための法的手続き(いってみれば儀式)を踏めばいい、というものなら問題ないでしょうが…。
幸せについてはですね、岩垂正起裁判官が、いつも言ってましたよ。地道にこつこつ努力してくいく先に、小さな幸せがあるのだ、という主旨のことを。
http://www.e-hoki.com/judge/370.html?hb=1
私も、地道にこつこつ、目立たずひっそり生きていきたいですぅ。その先にどんな幸せがあるのかないのか、わかんないですけど、地道にこつこつ、ね。
投稿: 今井亮一 | 2009年3月27日 (金) 00時22分
名前 様
ありがとう! 知らんかった!
別立てで記事を書いといたよ~。
http://ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-8b9d.html
投稿: 今井亮一 | 2009年3月27日 (金) 00時03分
テーマ:[法廷通訳][倖せなんて]
本文:今井さんも、「外国人関連の刑事裁判」を、傍聴されたのですね。法廷通訳って、大変な仕事ですよね。私の方も、先日、「被告人・検察側証人」が、ともにイラン人の、刑事裁判を、横浜地裁・刑事6部にて、傍聴しました。(ご担当は、川口政明裁判長!⇒東京地裁時代、2006年3月28日と30日、タテツヅケに、「無罪判決」言い渡した、気骨ある、裁判官です)。傍聴してて、やはり、「通訳の不具合」が、何回かありました。あっ!当該女性通訳人さんには、何の問題も、ありませんよ。ただ、あらためて「法廷通訳の難しさ」について、私は、考えさせられました。さて、横浜地裁刑事部の、傍聴人って、東京地裁と異なり、「1.司法修習生さんや、2.学問的に、法律を学ぶ方々」が、多い為、私みたく、「傍聴マニア」は、ウイテいる存在です。これらの方々の多くは、「弁護士さん」に、なられると、思われます。「弁護士さん」って、いいですよね。なんか1.幸せな結婚をし、2.高級車を乗り回し、3.出張先では、一流ホテルに、宿泊する、イメージです。これに対し、私自身は、1.モテない為、一生独身。2.裁判傍聴の旅は、いつも「JR各駅停車乗り継ぎ」。3.旅先では、「安い駅前旅館に宿泊」します。でも私は、それなりに、満足しています。「幸せ」って、いったい何なのでしょうか?。今井亮一さんにとっても、「日々の法廷傍聴と、全国から、寄せられる、交通問題への、対応」が、生きがいの筈。私自身、裁判傍聴を、通して、「自分自身の小さな幸せ」を、満喫したいと思います。以上、「法廷通訳の難しさと、幸せとは何か」についての、コメントでした。私は低学歴。うまく、文章で、表現できなくて、本当に、ゴメンナサイ…。
投稿: 秦野真弓 | 2009年3月26日 (木) 21時51分
今井亮一の交通違反バカ一代!: 護身のための催涙スプレー 軽犯罪法違反で科料9000円
http://ko-tu-ihan.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/133_6538
本件は、最初からちゃんと争えば、不起訴だったろう。
しかし、法廷へ出てきたらもうダメだ。求刑どおりの有罪判決(科料9000円)となるだろう。ま、実際どうなるか、わからないけれども、それが当たり前の予想といえる。
その結果
時事ドットコム:催涙スプレー所持で逆転無罪=「正当理由あった」-最高裁
http://jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009032600676
逆転無罪:護身用催涙スプレー携帯の男性に 最高裁判決 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090327k0000m040040000c.html
「スプレーは防御用」認める、男性に最高裁が逆転無罪 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090326-OYT1T00938.htm
催涙スプレー携帯で逆転無罪 最高裁 (1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090326/trl0903262107013-n1.htm
投稿: 名前 | 2009年3月26日 (木) 21時47分