あの携帯スプレーが逆転無罪！

３月26日（木）　その　番外編

　どうも私はコメント欄を拝見するのが先延ばし先延ばしになってしまうのだが、今回は投稿者氏から、急いで読むべし旨電話をもらい、『週刊プレイボーイ』最新号を読みつつゆっくり風呂に入ってから、読んだ。

　以下は、コメント欄に名前さんが貼ってくれたリンク先の丸写し。

時事ドットコム：催涙スプレー所持で逆転無罪＝「正当理由あった」－最高裁
http://jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009032600676
逆転無罪：護身用催涙スプレー携帯の男性に　最高裁判決 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090327k0000m040040000c.html
「スプレーは防御用」認める、男性に最高裁が逆転無罪 : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090326-OYT1T00938.htm
催涙スプレー携帯で逆転無罪　最高裁 (1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090326/trl0903262107013-n1.htm

　ぎょわ～っ　びびっ、びっくり仰天
　東京簡裁で2008年2月27日に第1回公判を傍聴し、同年3月19日に第2回公判（判決、科料9000円）を傍聴し、被告人が控訴していたとは知らず、同年7月9日にたまたまその控訴審判決（控訴棄却）を傍聴した、「軽犯罪法違反」（護身用携帯スプレーの携帯）が、今日、最高裁で破棄自判、逆転無罪になってたんだねぇ～

　一審、二審の、私の傍聴ノートは合計15ページにわたる。
　MSN産経ニュースの3/3の、最後のほう、

「…必要性もないのに、人の集まる場所などで携帯することは『正当な理由』がないと判断されることが多いと考える」とくぎを刺した。

　というのは、よくわかる。
　本件被告人は、漠然と「護身用に」と携帯していたのではなく、深夜（つか未明）に、運動等のため自転車で新宿へ行くに当たり、ポケットに催涙スプレーを入れたのだ。入手の目的も、会計担当社員として多額の現金等を運ぶ際に必要と思えたから、だった。
　だから、これが無罪になったからといって、漠然と護身用に、たとえばキーホルダーにして常に持ち歩く、なんてのはダメだろう。ま、やがてそれも無罪になるかもしれないとはいえ、この判決からは、ね。

　それにしても、一審判決だったか二審判決だったか、検察官の主張だったか、「そんな時間帯に、危険（かもしれない）と思う新宿へわざわざ出かけること自体、護身と矛楯する」という主旨の考え方が提示されていた、と記憶する。
　これ、よく考えてみれば、おかしな話かもね。だって、「国民は自ら格別の護身をしてはならない。護身が必要と思えば家に閉じこもってろ」にもつながりかねないじゃん？

　それにしても、にしても、しても、最高裁は、こういう事件を無罪にすることもある一方で、たとえば守大助さんの「北陵クリニック事件」とか、平気で上告棄却（有罪維持）としている。
　最高裁も下級審も、基本的には、行政性善説にもとづき、「（検察立証が）疑わしきは有罪」の鉄則が貫かれている、と見えるんだけども、まったく意外なところで、たまにぽつんと無罪が出る。
　ここに法則性は見いだせるんだろうか。そういう研究は既にあるんだろうか。

　いや～、びっくりしたよぅ。

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