弁護士懲戒請求の審尋を傍聴
4月10日(金)
今日で3日連続、夏の上着。
10時から東京簡裁728号法廷(磯和幸隆裁判官。お初)で「道路交通法違反」の新件。
ようやくオービス事件。首都高環状線、中央区築地5丁目のオービスⅢLkによる78キロ超過(測定値128キロ)。
被告人(在宅)は、ぴしっと姿勢良く立ち、手指の形も決まって、若いのに服役経験あり? …ではなかった。警備会社に勤めていたんだという。警備会社の社員教育は刑務所式とか?
内容は、「オービス裁判の基本パターン」の「(1)否認→自白」。
被告人は問われたことにだけ短答。10時23分、最終陳述は「ありません」。一見ぶっきらぼうなのは、128キロは本当に無実だから、かもしれない。ま、気持ちの良い被告人だった。
求刑は罰金10万円。
直ちに判決、かと思ったら翌週に…。
今日は私は午後まで予定がなく、同じ法廷で10時45分から「窃盗」の新件。
被告人(身柄、留置場)は、口元きりり、ちょと強情そうにも見える63歳のご婦人。
有名な寺院の本堂で、醤油ざらめせんべいやお団子やハンカチが入った手提げ袋を置き引き。防犯カメラに一部始終が録画されてたんだという。
前科は、置き引き、万引きなどで懲役2年、執行猶予4年。その猶予中の犯行。
追起訴があるってことで、11時04分閉廷。
この法廷は、次は11時30分から「窃盗」の新件。
26分間も法廷で待つのは、書記官に申し訳なく…。
1階で一服。11時17分頃、上りのエレベータで阿曽山大噴火さんといっしょになる。阿曽山さんは、11時20分から簡裁826号法廷の「占有離脱物横領」の様子を見て、簡裁728号へ行くかどうか決める、という。あぁ、なるほど、と私も826号法廷へ。付和雷同(笑)。
こっちは前の窃盗か何かが長引いてて、占脱が始まったのが11時32分。私はなんとなく826号に居続け…。
被告人(身柄、拘置所)は、私より半年ほど年長。強盗致傷(等?)で懲役5年6月を刑を受け、昨年8月に青森刑務所を出所、それから4カ月余りでの、高島屋タイムズスクエアの駐輪場での、盗難自転車(1万円相当)の持ち去り。
こう言っちゃなんだが、味わい深い被告人だった。
求刑は懲役1年。12時06分閉廷。
地下の藪伊豆でかけそば大盛り290円。
秘密の通路から家裁へ抜け、日比谷公園へ。
桜はもうだいぶ散ってた。ギターのおじさんは見えなかった。
グリーンテラスの日当たりの良いベンチで、某番組のVTR撮りに備えて資料をチェック。また少し日焼けしたかな。
13時15分頃に日比谷公園を出て、早々と弁護士会館の10階へ。
じつは14時から、第二東京弁護士会の懲戒委員会による、「対象弁護士の審尋」なるものがあるのだ。その情報を某氏からもらい、朝から会う人会う人に言いたかったが、絶対他言無用と念を押されており(いろいろ事情があるらしい)、ぐっと飲み込んでたのだ。ごめんね~。
かなり広くとった会議室に、長机が大きくロの字に並んでて、正面に3人、向かって右側に6人、左側は5人だったかな。左側の後ろに、事務局の役割らしい、黒いパンツスーツの素敵なお姉さん、そのそばに、知的なおばさま速記者。
ロの字の手前の長机に、椅子が6脚。14時ちょうど、6人の男たちが入ってきてそこに座った。怒ってるような意気込んでるような、そんな雰囲気が感じられた。
6人のうち1人が対象弁護士で、5人は代理人弁護士。
その後ろに、傍聴席が3列。24席、だっけ?
傍聴人は増えたり減ったりし、15人前後。安田好弘弁護士もいた。
懲戒請求者である滝本太郎弁護士のブログを見たのは、帰宅後のこと。
私は、どんな内容かぜんぜん知らず、弁護士の懲戒制度の一端を垣間見る機会は滅多になかろうと、それだけで来たのだ。
審尋は、委員からの質問に対象弁護士が答え、続いて代理人からの質問に対象弁護士が答えるという形で進行し、最後のほうに、成り行きだったのか最終弁論と、最終陳述に相当することがあった。
どうやら、アサハラ被告人(“オウム事件”と思われ!!)の控訴審の弁護人として、控訴趣意書を提出せずに控訴棄却とされた、のがイカンという懲戒請求なのかな、ま、そんな感じ、かな。
それに対する、対象弁護士側の言い分は、傍聴ノートを12ページぎっしり書いた記憶から、ものすご~く要約していえば…。
控訴趣意書の提出期限が延長された…弁護団は毎日のように接見に行っていたが、アサハラとの意思の疎通は全くできず、心神喪失は明らかだった…6人(?)の鑑定人も心神喪失との意見だった…控訴趣意書の準備はしていたが、被告人との意思疎通なしに弁護人が独自に趣意書を作成・提出することはできない…そんな中、裁判長のスダ(須田贒さん!?)と陪席のハトコ(波床昌則さん!?)は、手続き教示と称して東京拘置所へ行き、責任能力ありと認め(?)、ある学者にデタラメな鑑定をさせた…そのデタラメぶりに6人(?)の鑑定人は呆れた…しかし、マスコミと世間を非常に気にしてる裁判所は、いよいよ…と弁護団は思い、控訴趣意書を何日までに出すと裁判所に伝えた…すると、伝えた期日の前日に、裁判所は控訴棄却の決定を…。
私の目には、対象弁護士および代理人からは、真実を是非とも知ってもらいたい、という気迫、熱気、真剣さがありありと放出されていた、ように見えた。
このリンク先に「第2部 娘たちの接見記(父の身に何がおこったのか 九年ぶりの再会 しかし父は…)」とある。その話の一部が審尋の中で出た。とんでもないことがあったらしい…。
裁判所は、なぜそんな棄却決定をしたのか。
やはり、“あのアサハラ”を、心神喪失(刑法第39条第1項)で無罪とすることはもちろん、いくらかでも意思疎通ができる状態になるまで待つことなど、「殺せ殺せ!」と熱狂するかのようなマスコミと世間の前では、裁判所には到底できっこない…そういう結論だったんだろうか、と想像した。
司法行政、刑事行政、という言葉が思い浮かんだ。裁判は、秩序維持のための政(まつりごと)の一部なのか…。
弁護士たちも苦悩したが、裁判官たちも苦悩したんじゃないか。それぞれの苦悩は、なんのために…? それぞれ、何と何とがぶつかりあって…?
16時07分終了。
たいへん珍しいもの、というかショッキングなものを傍聴できて、良かった。
ただ、そのかわり、13時30分からの簡裁の、ずっと傍聴してきた「傷害」の被告人質問をパスしてしまった。悔し~!
裁判所へ戻っていくつか用を足し、帰宅すると、某番組のスタッフが待っていた。え~っ、こんなに早く? あわてて書斎をお掃除…。
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