最高裁のスタンドプレー
4月14日の、電車内痴漢「強制わいせつ」被告事件、最高裁の逆転無罪(破棄自判)、すぐに判決を読んだ、電車の中で。おったまげた。
…上告趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であり,被告人本人の上告趣意は,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
最高裁は、いっつもこうやって上告を退ける。法的に上告できないんだから、どんだけ冤罪であってもダメ、法律は曲げられないんだよ、と言わんばかりに。
ところが、たま~に気まぐれに、次のようなことを言い出すんだね。
しかしながら,所論にかんがみ,職権をもって調査すると…
で、こう続ける。
…原判決及び第1審判決は,刑訴法411条3号により破棄を免れない。
411条ってのは、こうだ。太字は今井。
第四百十一条 上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。
二 刑の量定が甚しく不当であること。
三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。
四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
五 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。
405条ってのは、こうだ。
第四百五条 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
一 憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。
二 最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
三 最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
つまり、
憲法違反・判例違反でないと上告させません。
量刑不当・事実誤認は、最高裁のほうでたまに、気まぐれに拾うかも。
法律上、そういうシステムらしい。
ま、それはおいといて、何が“おったまげ”かというとだ、この最高裁判決は、
関係証拠によれば,次の事実が明らかである。
として、通常は有罪の理由となることを、ずらずら長々書いてるんだね。
そこだけ読むと、「あぁ、なんだ、結局、有罪か」と思える。
ところが、そのあとに、多くの裁判があっさり切り捨ててきた要素を拾い上げ、多くの裁判が日常的に有罪方向に解釈してきたものを、唐突なきれい事以外に何の説明もなく、ひらひらっと無罪方向に解釈してるんだね。
信じられないような有罪判決をたくさん読んできた(または聴いてきた)身からすると、首をひねってひねってポキンと折ってしまいそうな、なんともいえない違和感を覚える。
これじゃあ、まるで、証拠を精査して、無罪は無罪としなさい、「(検察立証が)疑わしきは無罪」でいきなさい、と言ってるようなもんじゃないか。
「きったね~! 自分だけ気まぐれに、あざといスタンドプレーをしやがって。長年にわたり『疑わしきは有罪』でやらせてきたくせに。ちっきしょう。そんな論法で無罪を無罪にしていいんなら、あの事件、この事件、みんな無罪だよ。ははぁ、裁判員法の施行がいよいよ近づいたんで…」
と、全国の(現場の)裁判官、書記官、検察官は呆れたんじゃないか。私はそんなふうに感じた。
この判決の論旨でいけば、21日(火)に最高裁判決が出る「和歌山カレー事件」は、当然に逆転無罪のはず…。
だけど、こういう判決を出す最高裁だからこそ、あっちは有罪・死刑を維持するんだろう、と私はみる。そして、外れることを祈る…。
長々と書いたわりに、内容不十分でゴメン。
21日(火)夕方からの大集会の、開会の挨拶(最大3分間)をやることになり(ひぃ~
)、それを書くのに今日1日、四苦八苦してるのだ。
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