公然わいせつ 無線で命令され全裸に
4月24日(金)
SMAPの草なぎ剛さんが「公然わいせつ」で逮捕された翌日の、13時30分から「公然わいせつ」の新件。しかも、同じ法廷で13時20分から、被告人氏名が女性風の「窃盗」の判決。うわぁ、これはヤバイ。30分前から行列かも
と13時過ぎに東京簡裁826号法廷へ行ったら、だ~れも居ない。なんで?
13時5分過ぎ、傍聴席へ。傍聴人は他に1人だけ。
いや、もうすぐ複数の団体が押し寄せるかも
しかし…うぅ~、どうしよう、じつは13時15分から東京地裁432号法廷で、4月9日に第1回を傍聴した、なんとも気になる「自動車運転過失致死」の判決があるのだ。うぅ~、どうしよう、どうしよう。
826も432も南側。ええいっ、ちらっと行ってしまえ
非常階段を駆け降り地裁432号法廷へ。
こっちは20席のうち16席まで埋まってた。
間の席に座り、開廷を待つ。すぐに始まってくれるといいな。
…が、弁護人が居ない。
13時13分…13時14分…13時15分。まだ来ない。
もうダメだっ。ガバと立ち上がり出るっ。
簡裁826号法廷(虎井寧夫裁判官)は、まだガラガラ…。結局、「公然わいせつ」が終わる時点で、傍聴人は私を含めて8人だけだった。なんだよもぉ~。私ってバカみたい?
13時20分から「窃盗」の判決。
じつに、なんというか、びっくりな9分間だった。その様子を簡記してるうち、『実話漫画ナックルズ』の担当編集者氏から電話が。連載原稿はまだか、と。そこで、この「窃盗」をナックルズに書くことにして、さきほど書き終え、推敲して送信した次第。ごめんね~。
その被告人が退廷し、奥の通路で何かあったのか、13時30分からの「公然わいせつ」の被告人(身柄、留置所。36歳)が入廷したのが13時33分。
えっ? く…草なぎ剛さんに…ちょと似てる? 似てはないけど、鼻すじが細く真っ直ぐで…。
人定質問で、住居はあるかと尋ねられ…。
被告人 「ありません。上野公園若しくはその周辺のカプセルホテル等の…その後現在に至るまで築地警察署の…」
「等(とう)」や「若しくは」という言葉を被告人から聞くことはまぁずない。しかも、起訴状の送達を受けてるかと尋ねられ、「原本(げんぽん)持ってます」と答えてた。法律関係の本に慣れた、そうとうに頭の良い被告人と見える…。
※ 被告人が受け取るのは起訴状の謄本(写し)であり、そこは被告人は勘違いしてるのだが、「原本」という言葉を用いたという意味で。
午前4時頃、秋葉原の万世橋に近い歩道上で、「●●ナオコ」(20歳)らが容易に覚知し得る状態で、ことさらに自己の陰茎を露出して示し、もって公然とわいせつな行為をした…。
最初「ナオコ」と聞こえ、若い女性かと思ったが、正しくは「ナオト」。自転車でパトロール中の巡査なのだった。
そうして被告人は、罪状認否と被告人質問で、なぜ路上で全裸になって四つん這いになる等(とう)したのか、落ち着いて、正しい文法で、理路整然と、長々と語るのだった。要するに、頭の中に無線で指令(乃至脅迫)が来たというのだが、被告人は本当に知的であり、そして興味深い話なのだった。
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統合失調症がわかる本―正しい理解と対処のすべて 著者:福西 勇夫 |
しかし、14時10分から次の事件があり、14時12分、裁判官が続行を告げた。
完全に統合失調症と思えるが、幻聴と妄想を除けば、本当に知的で理性的な人物と見える。こういうのを、犯罪処理システムはどう扱うのか、「道路交通法違反」が本拠地の私はまったく不勉強で。
弁護人は、普通に罰金10万円(満つるまで算入)へ着地させたい風だった…。
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統合失調症―正しい理解と治療法 (健康ライブラリーイラスト版) 著者:伊藤 順一郎 |
続いて14時10分(実際には15分)から「窃盗」の新件。
被告人は女性。最初から泣いていた。声が小さく、生年も年齢もよく聞き取れなかった。40代なんだろうか。住所不定。
家庭の事情に、虎井裁判官の言葉を借りれば気の毒なところがあり、生活費(というよりは生きるためのカネ)に窮して、換金目的で書籍3冊、4410円相当を万引きしたんだという。
空腹に耐えかねて食料品を万引きするより、換金目的のほうが悪質。とはいえ、野宿を避けてファストフード店で夜を明かす(または寝る)ためには、最低でも100円程度の現金は必要だろう…。
当面は緊急保護施設の世話になり、なんとしても仕事を見つけて働き、お金を貯めて資格を取り、やりたい仕事に就きたい、必死にそう言っていたが…。
被告人はずっと、小さく震えていた。論告・弁論の頃になると、震えが若干大きくなった。検察官の机に、コンパクトなサイズで明るい紫色の、有斐閣の『判例六法』2009年版があった。支給されたんだろうか、私物なんだろうか。
直ちに判決。懲役1年2月、執行猶予3年。訴費不負担。
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有斐閣判例六法 平成21年版 著者:青山 善充 |
被告人が退廷すると、数人いた傍聴人は、女性1人を残してみな去った。
次は男性氏名の被告人の「窃盗」の新件。
廊下に出ると、826号法廷の前へ男女数人が来た。年齢構成から、次の被告人の家族、関係者かとも思えたが、違うかもしれない…。
今週の傍聴はこれで終わり。急ぎ総務省と都庁へ。血圧が100-150を超え、やっぱり薬を飲むことに。来月の『LEON』の特集は「イタリアオヤジのアーバン高血圧ライフ」だとか?
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