最終弁論を制限した理由
5月20日(水)
9時50分から東京簡裁534号法廷で…。
と大廊下を南端へ歩く途中、530~532号法廷の小廊下に人だかりが。
なんだ? まだ時間がある。開廷表を見に530号法廷の前へ。
したらびっくり。仙波敏郎さんと大河原宗平さんのお姿が
東京地裁・民事36部・530号法廷(田中一郎裁判官)で10:00~17:00、「配転命令無効確認等」の証拠調(本人・証人)があるのだった。原告は個人で、被告は「オリンパス株式会社外2名」。
その傍聴に、なぜ仙波さんと大河原さんが? あとで少し傍聴して、社内の不正をコンプライアンス委員会に通報したところ不当な配転命令を受けて…という事件らしいとわかった。“内部告発つながり”か、うむぅ。
534号法廷は私のメモミス。おかげでお2人に会えた。メモミスもけっこう役に立つじゃん。えへへ。
9時50分から簡裁826号法廷で、5月15日に第1回を傍聴した「暴行」の判決。
罰金10万円、未決勾留日数のうち20日を、その1日を金5000円に換算して、その刑に算入。つまり満つるまで算入。どうしても見届けておきたかったのだ。
9時57分閉廷。
10時20分から東京高裁520号法廷で「道路交通法違反」の判決が…。
高裁520号法廷に入ると、10時からの「詐欺」の判決が言い渡されるところだった。
控訴棄却。未決60日算入。共犯者ら4人と共謀しての交通事故の保険金詐欺、被害額は841万円余り。原判決は懲役1年6月。
続いて10時10分から「強盗、建造物侵入、強盗致傷」の判決。
あれ? 被告人は「なんでだろ~」の踊るほうの人に5%くらい似てる、と思ったら、東京地裁での判決が1月16日13時15分から16時へ延びた事件だった。
控訴棄却、未決60日算入。原判決は懲役10年。
続いて10時20分から…。これも私の勘違い。「道路交通法違反」ではなく、「神奈川県青少年保護育成条例違反、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反」の判決だった。被告人氏名が非常に珍しいというかあり得ない氏名だったので、手帳に期日を書いたのだった。
原判決破棄、懲役1年6月、執行猶予4年、原審における訴費負担。
あとで調べたら、「ゴスロリのカリスマが…」と報じられた事件だった。被害金300万円を被害者は受領し、処罰は裁判所にゆだねるというところまで処罰感情は軟化したんだそうだ。
被害者に対し相応の弁償、賠償をしたかどうか、もちろん大事なこととは思うが、「地獄の沙汰も金次第」、これは現実に確かに言えると思う。
11時から地裁818号法廷(江見健一裁判官。某噺家さんに似てるよね)で、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律違反、傷害」の新件。
10時32分、外の廊下に人影なし。あそっか、10時から女性被告人の「常習累犯窃盗」が入ってる、みんなそれから傍聴してるんだな、とドアの覗き窓から除くと、やっぱり半分以上かな、埋まっていた。制服の中学生がだいぶ居て、バーの向こう側では被告人質問をやっていた。
たぶん小さな声だろう、途中で入ったら迷惑になる、と外で待ってたら、数人がきて、ええぃ、そんならもう、と私も入る。
前科4犯は、置き引き1件と賽銭泥3件、本件も賽銭泥。
弁護人の最終陳述がだいぶ変わってた。要するに、再犯や更生のことをあれこれ言うのは、安定した生活が保障されてる者が言えることであって、こういう被告人に刑を科せばいいってもんじゃない、形式的な弁護で良いのか自問する、刑罰より保護が大事だと、そんなふうな趣旨のことを言うのである。
私としては、だから刑務所こそが実質的な保護施設、歪んだ形の保護施設なのであり、その保護施設へ送るための裁判は手続き、儀式のようもの、という側面は否定できないだろうと思う。
途中、こんなことがあった。
裁判官 「その次、××から××まで、飛ばして読んでください」
最終弁論要旨の写しを裁判官は読みながら、弁護人が朗読するのを聞いているのだ。
弁護人 「(面食らって)ふぅん、あ、そう…これ…なんで? 具合が悪いんですか」
裁判官 「ちょっとこれ、かなり具合が悪い…」
弁護人 「…制限する理由があるんですか」
裁判官 「可哀想でしょ。(自分は壇上で)読んでますから、ここで読む(朗読する)のはヤメてください」
弁護人 「(不満そうに)…あ、そうですか…」
それが10時50分頃に終わり、次の被告人が弁護人とともに入ってきた。ペンシルストライプの黒系の細身のスーツ、白シャツ、黒ネクタイ。ちょい長めの茶パツ。すらっと背の高い、目の大きい、えらく格好いい男性だった。
10時53分、江見裁判官が登壇し、言った。
裁判官 「中学生のみなさん、質問があれば…」
質問を受けるというのである。へぇ、中学生たちはどんな質問をするんだろ。
が、みな、しーんとしてる。引率の教師らしき男性が言った。
男性 「あと16人、下にいるんですけど…」
だからどうだというのか、よくわからなかった。
10時56分、その16人だろう、中学生がぞろぞろ入ってきた。そして、どういうわけだか、すでに座っていた生徒らも含め、全員がぞろぞろ出ていった。
で、11時から「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律違反、傷害」の新件。
検察官による冒頭陳述と書証の要旨告知によれば、被告人は、些細なことから爆発的に激昂して暴力をふるい、興奮が収まると劇的に優しくなって謝罪し、二度としないと誓う、そのくり返し…つまり典型的なDVなのだが、証人尋問(被告人の母親。チョー美人)と被告人質問によれば、話はぜんぜん違い、妻のほうが異常なところがあるらしいのだった…。
しかし、否認ではなかった。事実関係に違うところはあるけれども、争わないというのだった。
書証の要旨告知が長く、証人尋問が始まったのが11時32分、被告人質問が始まったのが11時58分 12時41分閉廷。
ここ数日、夜に3~4時間しか寝てない。今日は19時から「裁判員制度はいらない!大運動」のデモがある。いったん帰宅し、2時間ほど寝て3時間ほど仕事を…との予定だったが、せっかく仙波敏郎さん、大河原宗平さんが来てるんだからと、地裁民事530号法廷へ。午後は13時10分からというので。
オリンパス側の社員の尋問を途中に、13時30分、出る。
13時30分から東京簡裁で「自動車運転過失傷害」の新件があるけど、あきらめ、電車内でよく眠れるようにと、地下の藪伊豆でかけそば大盛り290円。
それが功を奏したか、降車駅を乗り過ごし、帰宅したのは15時過ぎ。ナニやってんだか…。
19時、日比谷公園の霞門から、「裁判員制度はいらない!大運動」のデモがスタート。「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」施行の前夜とあり、報道陣が多かった~。
大運動のデモ参加は3回目という男性は、奥さんと裁判員制度について話し、意見が合わずケンカになってたんだが、奥さんは高山俊吉弁護士のサイトを見て考えを改め、今日は夫婦そろって参加ですょと笑ってた。
20日のデモの写真は「裁判員制度はいらない!大運動」にあり。さて私はどこにいるでしょう?
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