無線で脅迫された話を長々聞いた理由
ここんとこ毎日、裁判員制度のことを考えてる。恋する思春期青年かょ、みたぃな(笑)。
裁判員制度に賛成の人たちの言い分は、どれを見ても聞いても、
なるほど、そりゃ良さげだね、けっこうだね。
でも、そのためになんでコレなの?
と首をひねってしまう。
それら良さげなことを実現するために、現状を分析して、いろんな方策を検討し、最終的に裁判員制度が最良と結論しました、つーならまだわかる。
だが、分析とか検討が、とくにいろんな方策の検討が、まるで見えない。いきなり裁判員制度がきちゃってる、ように見える。
結局、この制度は、国民を強制動員することそれ自体が目的なのか。
「国民強制動員」では聞こえが悪いので、「国民参加」、「市民参加」という言葉を使った。その言葉の聞こえの良さに、国会は――各議員には異論もあったんだろうけど――全党一致で可決してしまった…。
そうして、国民に負担をかけない(つまり、3日なら3日で何としても裁判を終わらせる、できれば、“素人である国民”が何となく分かった形をつくる)ためにどうするか、んなことばっかやってる。狂ってるとしか思えないんだけど。 ※マタイ7章26節
5月21日(木)の1週間前、5月14日(木)、「裁判員制度はいらない!大運動」のデモをやるよ~
チラシはこちら。
11時から、社会文化会館(最高裁のすぐそばの、社民党の本部だね)に集合。
そして12時、デモに出発。最高裁、法務省、日弁連(なぜか日弁連は最高裁、法務省のお仲間になってるのだ)あたりを練り歩くことになる。1時間もあれば終わると思う。これまでの経験からすると、各局が夕方のニュースで取り上げるんじゃないかな。お昼休み、20分間でも30分間でも参加してねっ。
5月8日(金)
10時35分頃、いったんは東京簡裁826号法廷の傍聴席に座ったの、10:45-11:15の「窃盗」の新件をまずはちらっと見ていこうと。
そう決めてから、しかしガバと立ち上がり、非常階段を駆け降りて、地裁719号法廷へ…。
11時から東京地裁719号法廷(角田正紀裁判官。角は下の部分が用、紀は右側が巳)で、「公然わいせつ幇助」の新件。
被告人(身柄、拘置所。髪型も服装も格好いい)は、ハプニングバーの経営者。報道された事件だ。
10時59分、20席のうち19席まで埋まり、11時02分、全席埋まった。こういうのは人気なのだ。
書証の要旨告知を甲第4号証まで聴いて、11時14分頃、早々と出るっ。826号法廷のをどうしても傍聴したくて、見届けたくて。
非常階段を駆け上り、11時15分頃、簡裁826号法廷(虎井寧夫裁判官)に入ると、10時45分からの「窃盗」の新件の、被告人質問が終わるところだった。
被告人(身柄、留置場)は、だいぶお爺ちゃん。おにぎりと酒等、4件、11品、1250円相当を万引き。
おにぎりだけでなく嗜好品の日本酒も万引きしたところが悪質なんだそうだ。
大ざっぱにいえば、ひもじくておにぎりを万引き→ひもじかったと言いつつ菓子パンばかり万引き→空腹を満たすためでない品物を万引き→換金目的で万引き→現金を窃取→人が身につけている現金を直に窃取、というふうな順序で悪質性が増していくのかな。こんなこと、交通違反だけ傍聴してるときは考えてもみなかった…。
求刑は懲役2年。
続いて11時30分から、4月24日に第1回を傍聴した「公然わいせつ」の第2回。
11時27分の時点で、傍聴人は私の他に8人。
第1回を傍聴してない方は、被告人は何をもって公然とわいせつな行為をしたのか、ぜんぜん分かんなかったんじゃないか。
今日はまず…。
裁判官 「(双方)追加立証は?」
検察官 「……(よく聴き取れなかったが、なし)……」
弁護人 「とくにありません」
裁判官 「ふぅん、とくにない…調べられたいことはないんですか、ふぅん…(文字で書くと嫌みに感じるかもしれないが、そうではないょ)」
第1回の被告人の供述を聴く限り、統合失調症が疑われ、しかしそのことを双方とも取り上げようとしてない風であることが、裁判官には意外だった…のかなと私はみた。ただ、こういうケースが通常どう扱われるのか、私はよく分かんない。
そうして、被告人質問の続きを。
第1回と同様、被告人は延々と、幻聴と妄想(としか思えない内容)を説明するのだった。なんと、12時26分まで!
なぜ延々とそんなことをしゃべらせるのか、私は不思議でならなかった。
で、そのあとのやり取りを、断片的だけども拾うと…。 ※ 以下の「…」はメモしきれなかった部分を意味する場合が多い。
裁判官 「病気かもしれないという気持ちは?」
被告人 「今はありません」
裁判官 「前はあった?」
被告人 「前は…ないです」
裁判官 「(検察官に) ちょっと調べてもらいたい…本人が言ってることと事実がどれだけ裏付けがあるのか…場合によってはお医者に看てもらうことも…ということで次回、続行しますが…」
検察官 「(被告人に) 任意で診察を受けるなら…」
被告人 「受ける意思はありません。病気でないと確信してます」
裁判官 「あなたは…周りから見てると…」
被告人 「任意ということなんで…お恥ずかしいですが、私も経済的に…」
検察官 「いや、お金は…」
弁護人 「大丈夫だから…」
検察官 「専門的な人の…」
被告人 「あそうですか、わかりました」
検察官 「(診察は) いちばん早くて再来週の19日あたり…」
被告人 「そうすると、次回、公判、いつになるんでしょうか。あんまり長くなると…」
検察官 「他の事件が入ると…」
被告人 「それではその問診は拒否させていただきたい。公判が延びるのは…」
裁判官 「いや…」
被告人 「19日って、そこまで延びるのは…」
検察官 「お医者さんの都合があるから…」
被告人 「そうすると無条件で勾留が延びる…」
裁判官 「保釈…身元引受人…そういうの、ないんでしょ?」
被告人 「どれくらい先に…」
裁判官 「1カ月程度…やむを得ないかもしれない…」
被告人 「ふぅ…(ため息)」
被告人は右手を頭に当て、頭をかしげた。
次回期日を6月と決めたあと、まだ証言台のところに座ったままの被告人が言った。
被告人 「警察の留置施設じゃなくて、拘置所のほうへ移送していただけないでしょうか」
裁判官 「あ~、それはね…」
被告人 「いつぐらいまでに(拘置所へ)行けそうですか」
裁判官 「相手の状況もあるんで、いつとは言えないんだけど…」
被告人 「その間に、警察、検察にもう一度取り調べていただくことは…」
裁判官 「どういうこと?」
被告人 「はっきり言えば、これ、いちおう(捜査段階での供述をぜんぶ)ひるがえしてるんで」
検察官 「ただ、今は公判中なんで…」
弁護人 「ここで話したことはね、紙の中で記録になっていくので…」
裁判官 「(今後) いっぺん検察庁に来てもらって、19日にお医者さん…」
被告人 「それだけですか。取調べは…」
検察官 「うん」
裁判官 「ない」
被告人 「弁護士さんとの接見はしていだけるんですか」
弁護人 「いつでも。じゃこのあとお話しましょうか」
被告人 「はい」
被告人は捜査段階では、警察が送致書類に書きやすいことだけ言い(たぶん大部分、問われて認め)、「無線」や「脅迫」の話は法廷で初めて述べたのだ。そうしたのには、被告人なりのやむにやまれぬ事情があったのだろう。これがもしも裁判員裁判なら、いわゆるひとつの“破綻”をすることになる…。
ともあれ本当に、悪い意味じゃなくて、知的で理性的で頭の良さそうな、その意味ではたいへん好感を持てる被告人だった。
ムダに長いと思えた被告人質問は、記録に取って医師に見せるためで、だから遮ることなく言わせたのかな。12時35分閉廷。
※追記: この事件、若い被告人は最後まで「自分は病気なんかじゃない」旨を言い続けた。そして判決は、なんと、心身喪失で無罪! 裁判官は虎井寧夫さん。高裁部総括(定年65歳)を退官し、簡裁判事(定年70歳)になった人だ。「上がりポスト」のその先の、いわば「仙人ポスト」だ、ひ~! 良いものを見せてもらいました。
因みに、私が知る限り、統合失調症の罹患者はだいたい頭がよい。
午後は、非常に興味深い「傷害」の、第2回公判があり、被告人質問をやりそう、とマニア氏に教わったが、まさに後ろ髪引かれつつ、帰る! 地下で食事したらずるずる傍聴することになりそうなので、腹を空かせて帰る!
自宅まであと十数分というところで、たまらず豚丼320円。店を出るとき、近所の奥さんにばったり。み、見られてしまった!
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