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2009年5月16日 (土)

新聞も読みきらんかった人間が

 14日(木)の「裁判員制度はいらない!大運動」のデモは、出発時よりだいぶ増えてたそうだ。出発時に最後尾だったマニア氏が、自分は最後尾では全くなくなったと言ってた。おお~。

 次の(東京での)デモは、5月20日(裁判員制度阻止記念日の前日)水曜日日比谷公園の霞門(厚労省と弁護士会館の前)に19時集合だよ~。コースは冒頭のリンク先に出てるよ~。なんか私、最近デモが楽しくなってきちゃって。

 

5月15日(金)

 

 10時から東京簡裁534号法廷(木田正彦裁判官)で「道路交通法違反」の新件。

 今年度(会計年度)は、簡裁の道交法が、けっこう来てます、来てます!
 ここ2年くらいか、身柄で満つるまで算入(その意味、『裁判中毒』参照)が多い…。

 ところが今回、被告人は在宅。一見、何気ないカジュアルな服装なんだが、あれはけっこうカネがかかってると見た。被告人はだいぶお洒落と見た。私の目じゃアテになんない? ふんっ。

 首都高速・中央環状線・内回り、足立1-29のオービスⅢによる、超過56キロ(測定値116キロ)の事件だった!
 夜、後続車が接近してあおってきて、しかし左車線には空きがなく、やむを得ず、100キロで走る左車線のトラックの前へ出ようと…。

弁護人 「法律上、緊急避難が成立するものと考えております」

 情状じゃなく、無罪主張なわけだ。
 ここまでだと、どういう判決か100%予想できる。だが弁護人は「今、書証を探して」いるそうだ。何が出てくるのか。

 

 驚いたのは、被告人車両が首都高速に入った時刻と出た時刻が、甲号証にあったことだ! そんなの初めて。被告人車両にはETC車載器が登載されてたんだろう。そういう時代になったんだ~。

 弁護人は被告人質問を次回にと言い、まぁ、書証のことを決めてから被告人質問が適当と裁判官も判断したのか、11時30分までの予定のところ、11時07分閉廷。

 

 おかげで、11時20分から簡裁826号法廷(虎井寧夫裁判官)での「暴行」へ、余裕で行けた。

 やっぱり、私が『裁判中毒』で書いたと同じことを皆さん考えるのだろう、コアなマニア諸氏が続々と集まってきた。

 被告人(身柄、留置場)は54歳。私と同じだ。私は前科2犯だが、被告人は前科12犯。窃盗、常習累犯窃盗、覚せい剤、強盗など。

 生活保護、月に8万1千円を受け、施設で生活。覚せい剤精神病による被害妄想なのかどうか、信号で停止中のタクシーがガンつけてるんじゃないかと思い、「この雲助野郎が」と言ったところ、「お前にそんなこと言われる筋合いはない、それがどうした、ヤクザが偉いのか」と返され、カーッとなって拳骨で顔面を1回殴った…。

 この被告人、お顔というか面構えが、非常に良かった。もう25年ほど前になるか、故・マルセ太郎さんにお会いしたとき、ものすっごい顔の人だと思ったが…。

 この被告人も、マルセさんに劣らないというか。顔面力!
 しかもっ! 「あるいは」とか「睡眠」とか「病気を呈してますので」とか、前科12犯の被告人が普通あんまり言わない言葉をまじえ、思い浮かんだ単語を投げつけるみたいなんじゃなく、文法的に正しい文章にして言う、というところがあり、変わってるなぁと思ったら…。

被告人 「小説家を志してたんですが…夢としては小説家になりたいです…いろいろ本や文献…新聞も読みきらんかった人間が、いろいろ語彙も豊富になりまして…」

 おお~! もちろん、才能と努力と運がうまい具合に結晶しなければ、ちょっとやそっとでは、と思うがしかし、腐らずに頑張ってほしい、前科12犯から生まれた小説をぜひ読ませてほしい、と思ったス。

 求刑は罰金10万円。直ちに判決、満つるまで算入…とはならず次回判決。

 

 地下の藪伊豆で今日もかけそば大盛り290円。

 カツカレー720円+かけそば大盛り290円×2日=1300円。
 1300円÷3=約433円。平均すれば「昼食の上限500円」を守れたことになる。だが、そんな甘いもんじゃないでしょ。「なんで俺だけガマンしなきゃなんねぇんだ、えぇい、俺だってやってやる!」とカツカレーを貪り喰らった罪が、「平均すれば」で消えると思うようでは、掟(おきて)軽視の性向が深く根付いており、再犯のおそれは高いと言わざるを得ない。贖罪の日々はまだまだ続くのであった。ひ~。

 

 傍聴券、先着、13時15分締切り。

 

 13時30分から東京地裁511号法廷(山口雅髙裁判官!)で、3月18日に第1回を、4月30日に第2回を傍聴した、被害者参加で過失を否認の「自動車運転過失致死」、の第3回公判。

 検察官が、被告人車両の速度について訴因変更。その点について裁判官が被告人質問を少し。続いて、被害者(小学1年生)の父親の意見陳述。ほんとに、いろんな意味で、立派なお父さんだった。そして論告・弁論。

 鼻水をすする音、乃至すすり泣きが聞こえる傍聴席を、山口裁判官は壇上から、うちの近所の小学生・Tちゃんに似た目で、見回していた。
 求刑は禁錮3年、の実刑。

 この事件、「被告人はひどすぎる、許せない!」という方がほとんどなのかもしれず、私もそう思うが、しかし一方で、過失はなかった(横断歩道の前で被告人は停止し、安全運転の義務を尽くした)可能性も否定しきれない、とも思うのだ。そして、そのように思うこと自体を残念に思う自分がいる…。

 どういうことなのか、その話は長くなる。文字数は多くなくても、言葉を絞るのに時間がかかりそう。またの機会に。判決後、雑誌で書くかもしれない。
 14時28分閉廷。

 

 陽のあるうちに、電車が混まないうちに、どこへも寄らず、帰る。
 嗚呼、今週も月~金で裁判所へ通ってしまった…。

 

 ちなみに、裁判傍聴の魅力、抜けられない理由、の1つがちょっと分かってきたような気がする。

 上記事件での山口雅髙裁判官(“狂犬”の側面ばかりではないんだね)とか、昨日の「威力業務妨害」(2chでの犯行予告)の前田厳裁判官とか、ああいう訴訟指揮に、ほら、どう言えばいいんだろ、空手や少林寺拳法の型、演舞を見るような、見事な殺陣(たて)を見るような、そういう快感のようなわくわく感のような、感嘆を覚える…というか。

 そういえば、霞っ子クラブの毒人参さんは「裁判官で傍聴する」と言ってたなぁ…。

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