裁判官は頭を抱えた
途中3時間半ほど寝て、原稿を1本仕上げてから裁判所へ。ヤバイ。かなり居眠りするかも。
そこで、1階喫煙所のそばの自販機で140円のコーヒーを買った。カフェインをちびちび摂り続けて耐えようと…。
※2014年4月21日追記。 2013年4月からだっけ、もっと前からだっけ、その自販機のそのコーヒー(上掲左側)の価格は100円になってます。
9時55分から東京簡裁728号法廷(磯和幸隆裁判官)で「窃盗」の判決。
あれ? 被告人も弁護人も違うじゃん。あれ? 7月3日に第1回を傍聴したパチンコ依存症のひったくりじゃなくて、ぜんぜん知らない「窃盗」だった。手帳を見ると、ひったくりは10日だった…。
2004年10月に「窃盗」で懲役10月、執行猶予3年の前科ありぃの、2009年5月のディスカウント店での靴など8点の万引。
懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年。これは軽いといえるのかな、べつに普通の範囲なのかな、分かんない。
続いて10時から「自動車運転過失傷害」の新件。
被告人(在宅)の氏名は、東京区検のあの検察官と同姓同名。
昨年12月、午前2時25分頃、首都高速・都心環状線外回り(制限50キロ)をスカイラインで約80キロで走行中、カーブの先に渋滞停止の最後尾車両を発見、ブレーキ操作を誤り、スピンして自車後部を衝突させ、最後尾車両に乗車していた2人に加療2週間と3週間の腰椎ねんざ等の傷害を負わせたんだという。
略式命令を経ての、被告人からの正式裁判請求。何が不服だったのか。
被告人 「何度言っても聞いてくれなかったのは、お前いつも来て走ってるだろと…そんなことはけしてない。それがどこにも出てこなかったんで、それは強く!」
検察官 「ルーレット族じゃないこと、わかってほしいと?」
被告人 「はい」
求刑は罰金50万円。
略式のときの書証に、被告人がルーレット族だという趣旨のものはないはず。それで罰金50万円だったはず。
だから、ま、求刑どおり罰金50万円だろうな。ところが…。
直ちに判決。罰金40万円、訴費不負担。
びっくり。いわゆる“8掛け”ではあるけれども、私が知る限り、略式経由は原則、求刑どおり(略式命令の金額どおり)の罰金のはず。
本件は被害弁償および示談の情状が良い点が酌まれたのか、磯和裁判官は被告人の良い情状になるべく目を向け、比較的柔軟な判決をするのか。
11時から東京高裁410号法廷(金谷暁裁判長)で、東京地裁での一審を一部傍聴してきた「危険運転致死」の控訴審第1回。
これも被告人車両はスカイライン。原判決は懲役4年6月、未決180日算入。
弁護人は3人。うち2人は、たしか原審と同じ。そしてもう1人がなんと、交通事件では有名なあの弁護士さんだった。
金谷裁判長は、弁護人請求の検証等を却下し、検察官請求の遺族の意見陳述を却下し、しかしとりあえず続行。
11時30分からさっきの簡裁728号法廷で、7月3日に第1回を傍聴した、ちょっとびっくりな「道路交通法違反」(無免許)の第2回。
前回20分ほど遅刻した被告人は、今回も30分ほど遅刻するという。なんだよ~。別期日を設けて勾引しちゃえ…というわけにもいかず、13時からやることに。
こう言っちゃ何だが、結果は決まりきってる裁判なので、被告人が来たときに全部終わらせてしまうのが良く、証人尋問と被告人質問をささっと済ませ、弁論はともかく論告は1分ほどで済ませ、判決まで終わってしまう可能性が高い。
しかし…。あ~、困ったな~。
いっしょに傍聴席を出た“判検ウォッチャー”だという女性と、しばし雑談。いっしょに地下の藪伊豆で、私はかけそば大盛り290円。
じつは今日、13時30分から地裁409号法廷で「住居侵入、公然わいせつ」の新件がある。ご案内のとおり(笑)、私は「公然わいせつ」に注目してる。見逃したくない。
じゃあ、13時からの無免許を13時25分頃まで傍聴して、飛び出して409号へ走るか。数年前ならそんな選択肢も検討できたが、近頃は全く論外。なぜなら、近頃傍聴人が個人も団体・グループも多く、こういう罪名は人気があるうえ、409号は20席で、しかも13時10分に「大麻取締法違反」の判決が入ってるのだ。その判決からぎっしり満席になるのは見えてる!
12時25分頃、409号法廷の前へ。そばの一般待合室に2人。開廷表をメモしてると、すぐに4人がやってきた。さらに続々とやってきた。ええぃ、もぅ、ここに居てしまえ!
13時に法廷のドアの施錠が解かれ、13時05分には18席が埋まり、間もなく満席となった。
13時10分から「大麻取締法違反」の判決。裁判官は室橋雅仁さん。私はお初、かな?
裁判官 「主文っ! 被告人を…!」
でっかい声! 武内晃裁判官よりずっと大声だ。
懲役8月、未決20日算入、大麻1袋没収、訴費不負担。
大麻で執行猶予中(6月、3年)の大麻なんだそうだ。
13時30分から「住居侵入、公然わいせつ」の新件。
被告人は身柄(拘置所)。女装して、被害女性が住むオートロックのレジデンスの共用部分へ侵入し、陰茎を露出して手淫。普通の格好では理性が残り、自分が恥ずかしいのだという。なるほど。
前科18犯、前歴39件…と聞けばものすごいが、ほとんどは軽犯罪法違反なのだそうだ。
求刑は懲役1年。「公然わいせつ」は奥が深い…とまた思える裁判だった。
14時32分閉廷。
13時30分から簡裁826号法廷(虎井寧夫裁判官)に入ってる、6月19日に第1回を傍聴した「傷害」(被告人も被害者も韓国人女性)の第2回、へ行ってみた。
今日は被害者の証人尋問。通訳付きとはいえ、1時間以上過ぎてるのに、弁護人からの反対尋問が終わりそうもない、という状況だった。
争点は暴行の程度なのに、弁護人は全く関係ないことをだらだら、通訳付きなのに文法無視の、独り言のような調子で続けるのだった。
裁判官 「主旨がぜんぜんわかりませんよ! それは弁護人は一所懸命やってるのかもしれませんが、こっちはぜんぜんわかりませんよ!」
延々続きそうで、14時55分に出て…。
15時から地裁818号法廷(江見健一裁判官)で、阿曽山大噴火さんから真っ向否認だと聞いた「公務執行妨害」の第2回。
新宿歌舞伎町、コマ劇場前での事件だ。
この弁護人も、なんつーか…。江見裁判官は、検察官でも弁護人でも(江見さんにとって)マヌケなことをすると頭を抱える素振りをし、そこがなかなかにキュート(カタカナ語の使い方、間違ってる?)なのだが、今回、弁護人の反応に何度もその素振りを見せてた。
裁判官 「現場写真…と言いながら、写真9枚プラス地図…なのですか」
弁護人 「そうですね」
裁判官 「ん? 写真、9枚じゃないですね…20枚と地図…弁護人、こういうのちゃんとして下さいね。で、これ、2通あるのはどうしてなんですか」
弁護人 「原本です」
原本取調、写し提出のつもりだったんだろう。しかし示談書とか契約書とかでないそういうものは、原本提出が普通なんだろう。
裁判官 「なんで写しを出すんですか。裁判所としては原本あったほうが」
弁護人 「あ、それなら原本でいいです」
裁判官 「(次は)雑誌、実話マッドマックス、2009年6月号…(証拠請求したいのは)雑誌の存在ですか、写真ですか」
弁護人 「写真です」
そしたら何ページのどの写真と特定しなきゃいけないが、写真ページにはページ番号が入ってないらしい
裁判官 「この雑誌は、目次はないんですか…(ページをめくり)ないんですか!」
弁護人 「……(無反応)……ちょっと待ってください(ページをめくり)……」
15時27分から証人尋問。新宿警察署、地域第4係、歌舞伎町交番の巡査。被告人を公妨で現行犯逮捕した警察官だ。
歌舞伎町といえば監視カメラだらけ。当然、映像をプリントアウトしたものを検察官は証拠請求し、採用されていた。
ところが、検察官が証人に示したのは、現場へ向かう途中の証人の姿と、被告人を固めて倒れ込んだ場面のみ。争点(の1つ?)になってる被告人の“体当たり”の瞬間は示さないのだった。あれ~?
次回、録画映像を取り調べるそうだ。てことはつまり、巨大モニターで上映するのかな。現場で何があったか、本当なら一目瞭然のはず。どうなるんだろ…。
16時32分閉廷。
※ 2014年4月21日追記。その「公務執行妨害」は、控訴審で逆転無罪に!
今日は140円のブラックコーヒーが効いたか、ほとんど居眠りしなかった。ってそんなこと得意そうに言うなぁっ!
地下鉄・霞が関駅の裁判所の正門に近い改札の内側に、七夕の笹飾りがあったでしょ。利用客が短冊に思い思いのことを書いてぶらさげるやつ。
あの短冊、「どうか執行猶予が付きますように」とか「保釈が認められますように」とか「未決勾留日数がたくさん算入されますように」というのに混じって、「きっと死刑になりますように」というのがあった…かもしれない。
←2015年1月23日追記: 長きにわたり「社会・経済(全般)」のカテゴリーでやってきたが、前夜、「裁判」のカテゴリーを発見。知らなかった、そっちのほうが断然なじむじゃん! つーことでさっそく変更したっ。
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