万引の原因はムカつく職務質問?
月日(火)
昨日、さいたま簡裁から(東京高地簡裁経由で)帰り、すぐに洗濯した衣類が、からっと乾いてた。太陽の温もりのあるそれらを着て、裁判所へ。
ユキさんが一審から追いかけてた事件のうち、「傷害致死、殺人(認定罪名 傷害致死、殺人)、死体遺棄、監禁、詐欺(訴因変更後の罪名 暴力行為等処罰に関する法律違反)、暴力行為等処罰に関する法律違反」の東京高裁・控訴審判決、万が一にも傍聴できなきゃ悔しかろう、時間的にもちょうどいいし、と傍聴券交付所へ。
抽選の締切りは13時10分。12時55分頃に行ったら、すでに50~60人いた。なんで!? どうも、夏休みに初めて裁判所へ来て、「なんか並んでるから…」と列に加わった若者が、ちらほらいたような。私も初めてならたぶん同じことをするね(笑)。
一般85席のところ最終的に114人が並び、抽選の結果は、私は外れてユキさんは当たり。
ったく、この役立たず! 彼女が外れて私が当たるんでなきゃダメじゃ~ん。
13時30分から東京地裁432号法廷(水野智幸裁判官)で、「不正作出支払用カード電磁的記録使用等」の審理。
これ、被告人には申し訳ないが、傍聴したいわけじゃない。
ただ、14時30分からこの法廷(傍聴席20席)で、どうしても見逃せない裁判があり、今日は地裁の14時30分からの開廷はそれ1件、13時30分からの別の法廷の裁判が追起訴続行とかで早く終わったら、夏休みの傍聴人たちが全員ここへ押し寄せる可能性があり…というわけで、14時30分からのを傍聴するために、13時30分からのべつに傍聴したくない裁判の法廷へ、13時15分頃に来たと、そういうことなのだ。ごめんね。
40席前後の法廷を使ってくれれば、話はまた違うんだが、裁判所は、夏休みで開廷が少なく、傍聴人が押し寄せるのに、まったく素知らぬ顔で、わざわざ20席の法廷を使うんだょね。「市民に身近な司法」とかいうのがウソっぱちだってこと、このへんに普通に顕現してると思う。
今日は追起訴と、追起訴分の甲号証の要旨告知だった。要するに、他人名義の偽造カードで、換金目的でゲーム機(PSPはプレイステーションポータブルのことだそうだ)を買ったという事件。さらにまだまだ追起訴が続くそうで、13時51分閉廷。
法廷のドアは施錠され、ドアの外で待つことに。
鞄を置き、おなじみの傍聴監視人諸氏に見張りをお願いして、1階で一服。14時13分頃に戻ると、13人ほどに増えていた。
14時20分にドアの施錠が解かれ、14時22分、ぎっしり満席。その後、裁判が終わるまで、ひっきりなしに、ドアが開かれたりドアの覗き窓がカタカタ開閉したり。傍聴できずに引き返した「市民」が大勢いたってことだ。
そして14時30分から、「窃盗等」の審理。
今日は第2回。7月7日の1回を阿曽山大噴火さんがたまたま傍聴し、今日の期日を驚愕の様子で教えてくれたのだ。私も驚愕。
なんと、被告人が“あの人”なのだ。それゆえ、今日はこの「窃盗等」のだめだけに裁判所へ来たのだ。
“あの人”とはどの人か、うーん、それはここでは言えない。確定前の事件でもあるし。いや、べつに、被告人に不利になるようなことではないと思う。だから、少し言っておこう。今日は髪がさらさらだった…。
本日の追起訴分は、買った食料品を路上に置いていたところ盗まれ、改めて自分のカネを遣いたくないと、セブンイレブンで万引(総菜等7点、2171円相当を胸元に抱え、売り物の紙袋にがさっと入れ、会計をせずに早足で店外へ出た)、置いてあった自己所有の自転車(防犯登録あり)に乗って去ろうとしたところ、店員に追いかけられ、紙袋、自転車、自転車に積んであった自己のボストンバッグ(健康保険証など在中)を遺留して逃走…。
そのほかにもいろいろあり、要するにカネに困っての犯行だと弁護人は持っていきたいのだが、被告人はどうしても肯かない。
じゃあ、犯行の理由は何なのか。被告人は、口臭がある等の警察官から度々職務質問を受け、刃物も薬物も一切持ってないのに、ポケットの中身をぜんぶ出され、ポケットを裏返しにされ、足や尻を触られ…そういうのが不愉快で堪らなかったと、何度も何度もくり返し言うのだった。
弁護人も検察官も裁判官も、どうしても理解できないようだったが、私は分かる気がする。何もしてないのに犯罪者と疑われ、不快極まることを度々強要されていると、
「悪いことをした者が受ける仕打ちを、悪いことしてないのに受けたなら、こっちも悪いことをやらないと割が合わない。俺には、やる資格があるんだ」
という心理に――実行のハードルを実際に越えるかどうかはまたべつとしても――なることもあるのだ。
昨年4月にも、度々の不快な職質に腹を立てての「公務執行妨害」を傍聴した。そのときは私はこう書いた。
職質の相手のほとんどは、善良な市民なのであり、善良な市民には礼を尽くさねばならない。職質をとおして反警察感情を植えつけてはならず、かえって警察に対する信頼感を増すよう努めなければならないのだ。と、『警察公論』か何かに書いてあったよ。
求刑は懲役2年6月。15時36分閉廷。
今日はこれでオシマイ。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
ななし 様
>私のいきつけは間違っても満席にならないので
ん? 出入国管理及び難民認定法違反? いっそ民事かしら。
キャスター付きの椅子を持って地下鉄で、ってそりゃムリだ~。寧(むし)ろ、筵(むしろ)を丸めて背負い、法廷でバサッと拡げて座る…。今の寧ろと筵のとこ駄洒落になってますのでよろしくご査収ください~。
sugiyama 様
それはですね、芸能人? 知り合いの弁護士? 冤罪支援団体のメンバー? とか想像しても、絶対当たらない、ムリです。あきらめてください。今度お会いしたときに。
投稿: 今井亮一 | 2009年8月21日 (金) 21時51分
被告人が誰なのか気になって眠れない、、。
投稿: sugiyama | 2009年8月20日 (木) 00時19分
満席の時にパイプイスとか置けるようにはしてもいいと
思いますよね。時節柄訴訟すると勝てるかもしれませんね。
私のいきつけは間違っても満席にならないので必要ありませんが。
車椅子はいけるみたいなのでキャスター付きの椅子を
持参すると意外とOKかも・・・
投稿: ななし | 2009年8月19日 (水) 22時02分