弁護人が無能ゆえに有罪はアリか
8月12日(水)
13時30分からの東京地裁の「自動車運転過失傷害、道路交通法違反」から傍聴する手もあったが、夏休みであることを考えてパス…。
14時15分頃、4階北側のエレベータを出ると、大廊下(私の歩測で約100m)の南端に、人だかりが見えた。はは~、14時30分からの何かを傍聴しようってんだな。
でもそのへんの法廷は傍聴席20席。人だかりは20人を超えてない?
14時30分から東京高裁410号法廷(金谷暁裁判長)で、7月8日の控訴審第1回を傍聴した(一審も一部傍聴した)「危険運転致死」の第2回。
こちらは「高裁」の「審理」だからみな敬遠したのか、傍聴席(42席)には、始まる前の時点で10人もいなかったと思う。
被告人は、この暑いのに黒いスーツ(たぶん喪服)。ワイシャツに暗色のネクタイ。
弁護人が事実取調請求と被告人質問を請求。検察官の意見は、すべて不同意。
裁判長 「え~、それでは、証人2名、被告人質問、いずれも却下します。それで、弁護人のほうでは他の証拠調べを検討中ということなんでしょうか?」
弁護人は「アイカワさんのシュミレーション」と「工学鑑定」を考えていて、前者はまだ出来上がっておらず、後者は学者のOKを得るところまで進んでいるが、ということで、次回期日をだいぶ先にしてほしい旨を述べた。
それとは別に裁判長は、原審で証人に書き込みをさせた現場見取図の出所が明らかでないので、明らかにするよう検察官に指示。
そして次回期日、裁判長は8月19日を提案した。
弁護人は、もっと先を求めた。が…。
裁判長 「そこまで待つつもりはないんです。それまでに準備をできるものがあれば考えます」
こういうのは、どうなんだろうね。
仮に(仮に、ですよ!)、弁護人が無能なせいでやたらモタモタしていたとしても、シュミレーションとか工学鑑定とか、事実認定に影響するかもしれないものを、モタモタゆえに採用せず、判決をするって、アリなんだろうか。
刑事裁判を多く傍聴してると、アリかもね、という気がする。
だがしかし本件において金谷裁判長は、事実認定に影響しそうなものとわかれば、少々待っても採用して取り調べるが、弁護人の言うままにだらだらしてるような形だけはつくりたくない、という腹なのかもしれず…。
もっと深読みすれば、逆転無罪かも、との心証を得ており、もしも逆転無罪とする場合に、検察官や傍聴席の(たぶん)遺族をして「やたら弁護人に甘かった!」と怒らせないための、あれはポーズなのかも。
などと傍聴人は勝手に妄想に耽るのだった。次回を8月31日と決めて、14時40分閉廷。
ちなみに検察官は小林健司さん。初めて見るグレーのスーツ。私の表現では、伊豆の温泉街で、できた人格の若頭にすべて任せてる、悠々自適の親分、みたいな。すっごく似合ってる。私もあんなスーツが欲しいよぅ。
大廊下の南端は、さらに人数が増えたようだった。もう14時30分を過ぎてる、なんだ? と、ぷこぷこ歩いて見に行った。
432号法廷は20席なのに、30数人が列をつくっていた。13時30分から女性被告人の詐欺と覚せい剤だったか、そんな事件の新件が入ってて、覗き窓から覗いたら、ぎっしり満席。
弁護人が立って何かしゃべってたから、ようやく最終弁論のようだ。
開廷表を見ると、14時30分から「強制わいせつ」の新件。この30数人はそれを待ってるんだな。
でも、延びてるこれが終わっても、いま傍聴席にいる傍聴人が、いったい何人出るのか。432号法廷を私が離れるとき、列はさらに延びていた。うわ~、夏休みだ~。
列の途中以降の人に対し、
「ここは20席ですよ。しかもっ、前のが終わって満席の20人全員が出るとは、到底考えられませんよ」
と言ってあげるのが親切なのか。
過去には声をかけたこともあるんだけども、現在のところ、う~ん、とりあえず黙って立ち去ることにしてる、申し訳ない。
15時以降も何件か公判はあったが傍聴せず、裁判所内で1件、用を足し、さっさと帰る。今日は「危険運転致死」だけを傍聴に、わざわざ霞が関まで出てきたのだ。昔の私は、これが普通だった。昔の傍聴スタイルを思い出し、嗚呼、遠くまできちゃったなぁと、炎天の下で感慨にふけるのであった。
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