じわっと感動のオービス判決!
月日(金)
この日の記者会見、裁判所内の様子、酒井法子さん主演のDVD『審理』を、おそらくは入手不可となる直前に、そうとは知らずたまたま入手してしまったこと…についてはすでに書いた。
ここでは、傍聴した裁判のことだけ書いとくです。
13時20分から東京高裁622号法廷(若原正樹裁判長)で、7月13日に控訴審第1回を傍聴した「道路交通法違反、危険運転致傷」の判決。
始まる時点で傍聴席は10人くらいだったか。
弁護人が再開を請求。示談関係、弁償関係の書証を提出。
裁判長が職権で短く被告人質問。被害者2人に支払った示談金、各5万円、計10万円は今後の雇用主が立て替えて出してくれたのか、はい。
弁護人が短く弁論。物損については賠償が終わっており、人身についても賠償される見込み、1人は示談が成立している、見舞金を10万円支払った、もはや実刑判決は酷ではないか、と。
裁判長 「事態の進展を踏まえて…」
判決は9月7日に延びた。まる1カ月延びたわけだ。原判決破棄となるのか…。
13時23分閉廷。
次は15時30分からオービス事件の判決。それまでどうする。
今日は地裁に、わいせつ図画の販売や販売目的所持の即決裁判が、午前のも合わせれば10件くらい入ってる。どこかで一斉摘発があったのか。
けど、私の専門外という以上に、たぶんぎっしり満席だろうとこへ行く気になれない。
オービス判決の簡裁534号法廷は、13時30~15時00分で「窃盗」の審理が入ってる。否認なのだろう。警察官の証人尋問か。早めに、ってものすごく早いけど、法廷へ行ってようか…。
14時頃、東京簡裁534号法廷(木田正彦裁判官)へ。「窃盗」の審理を途中から傍聴。
被告人は身柄(拘置所)。スーツを着た大柄な男性。石丸電気・秋葉原本店でのブルーレイディスクの万引らしい。犯行自体を否認してるらしい。警備員と社員2人を尋問。
私は、ごめんなさい、だ~ぃぶ居眠りしてしまった。夕べ暑くて暑くてあんまり眠れなかったのが、ここへきて出てしまった。傍聴ノートに「ねた~!!」との書き込みが3度…。
3人目の尋問が終わったのが15時24分。次回は9月18日。
さて 続いて15時30分から「道路交通法違反」の第4回公判、判決。
首都高速・中央環状線・内回り、足立1-29のオービスⅢによる超過56キロ。後続車から危険な煽り行為を受けての緊急避難、の無罪主張。5月15日が第1回、6月12日が第2回、7月17日が第3回。
裁判官 「主文、被告人を罰金8万円に処する…」
訴訟費用は不負担。無罪を求めて3回審理して不負担は、わりと珍しいほうといえるかも。
それはともかく、判決理由はいつものパターンなのか。
いや、違った 驚いた
裁判官 「被告人の供述はかなりの部分で一貫している」
おおっ。「かなりの部分で一貫」ってことは、少しは違うってこと。少し違う部分を拡げて全体を信頼できないとする、それが裁判流の解釈かと思ってたが、なんと木田裁判官は、「かなりの部分で一貫している」ことを理由に…。
裁判官 「被告人が言う客観的状況(※つまり後続車の執拗な煽り)が存在したとして、緊急避難が成り立つか考えてみる…」
という論法をとったのである。
考えてみた結果は…。
裁判官 「(※後続車は)示威的行為によって心理的圧迫を加えているに過ぎず、追突してくる現在の危難があったとは認められない。高速運転が唯一の手段であったとは認められない」
そして最後に述べた(若干言葉が違うかも)。
裁判官 「被告人とすれば、出したくて出した速度ではないのかもしれない。しかし被告人の行為を違法でないとすることはできない」
おお~っ
被告人とすれば、あんな悪質な運転をした奴がお咎めナシで、あんな奴のせいで出したくもない速度を出した俺が、なんで罰金なんだ、ではあるだろうと思う。私も、被告人の立場だったら同じだろう。
しかし、この種の主張のオービス裁判をだいぶたくさん傍聴してきた立場からすると、これはすごい判決だ。感動した なんで感動するのか、うまく言えないけど、ほんと感動した
来週(10日~14日)も開廷が極端に少ない。8日(土)から少なくとも9日間、思い切って休暇を取ることも…ってそれはムリだ、あの「危険運転致死」の控訴審第2回は見逃せない、とか言ってるときりがない…。
それにしても酒井法子さんの事件…。
夫が渋谷の道玄坂付近で渋谷署警察官により職務質問を受けたのは「2日深夜」、逮捕されたのは「3日未明」だという。
3日、夜が明ければ、全国初の“裁判員祭り”が始まる、そういう時期だったわけだ。
4日は証拠調べ、5日は証拠調べの続きと論告・弁論、6日判決…。これらの途中で、酒井さんの部屋から何が発見されたとか、足取りはどうだとか、逮捕されたとか続々報道されてたら、“裁判員祭り”はどうなっていたのか。あるいは、その場合における上記「続々報道」はどういう形になっていたのか。
それにしても、その渋谷署警察官による職質、2時間近くに及んだそうな。7月22日に東京地裁(畠山稔裁判長)で出た、「2時間を超える職質は任意捜査の限度を超えて違法」との判決は、頭にあったんだろうか、なかったんだろうか。
このあたり、職質で薬物事犯を検挙するのが得意だったという黒木昭雄さんの話を聞いてみたいところだ。
なお、覚せい剤の所持・使用は「10年以下の懲役」。所持が微量だとかで不起訴、でない場合は、つまり処罰される場合は、略式では処理できず、地裁の法廷へ出てくることになる。ま、これまでの報道からすると、即決裁判手続きになるんだろうか。
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