いつ誰がどう働きかければ飲酒運転をやめたのか

月日（金）

　今日も大急ぎで…。

　東京簡裁728号法廷（磯和幸隆裁判官）で、まずは9時50分から「窃盗」の判決。
　懲役10月、未決30日算入。訴費不負担。
　6月26日に自転車の「窃盗」で東京簡裁で懲役1年、執行猶予3年の判決を受け、保護施設へ行ったが、もらったカネをぜんぶ酒とタバコに使い、7月16日、ドンキホーテでラム酒を1本万引きしたんだという。
　おぉ～、よりによってラム酒とは、なんという…。
　まさかこんなのじゃないだろね？

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　続けて9時55分から「窃盗」の判決。
　懲役2年、執行猶予3年。
　ネットカフェの利用客を狙った窃盗2件。
　途中、続々と傍聴人が来て、ほぼ満席に。

　そうして10時から「公然わいせつ」の新件。
　品川のシーサイドなんとか内の100円ショップで閉店間際、20歳と23歳と24歳の女子店員がいるカウンターの前で、自己の陰茎を露出して手淫し射精。前科21犯、うち性犯罪関連が強姦致傷、強制わいせつ致傷、痴漢など7犯、というのだが、いやはやこれがなんとも、数行では到底書けない。弁護人（よく見るお年寄り）の被告人質問は、親しい友人との雑談のよう。
　最終弁論では「男のマグマ」という言葉が出た。男のマグマが射出されたのか…。恐るべし「公然わいせつ」。どんどん深みへ嵌っていく私…。
　求刑は罰金30万円。
　10時40分閉廷。

　11時から交通関係はなく（なかったよね？）、今の余韻が強すぎて地裁407号法廷「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律違反」の新件へ行く気になれず、そのまま7階の、東京高裁717号法廷（植村立郎裁判長）、「ストーカー行為等の規制等に関する法律違反」の控訴審第1回へ。
　被告人は千葉県の水道局の職員で、報道された事件だった（3月18日逮捕）。
　猶予付きでも懲役刑だと失職するので罰金刑に、と控訴したようだった。自衛隊員、警察官、不動産業、そういうのはときどきあるね。
　15分間ほど被告人質問。

左陪席　「民間企業なら失職しないと考えてるんですか？」
被告人　「…いえ、これだけの迷惑を………」

　弁護人は「被害者の上申書」を証拠請求。
　こういう事件は、被害者のほうも、あまり被告人を追いつめて破滅的なことになったら…と怖れて示談、宥恕、となることがある。
　はたし原判決破棄…となるだろうか。
　11時18分閉廷。

　早々と地下へ降り、郵便局で国民救援会の資料代を振り込んでから、藪伊豆でかけそば大盛り290円。
　1階でなにげに開廷表を見ると、あれ！

　11時50分から地裁801号法廷（鈴木秀行裁判官）で「道路交通法違反」の判決。
　酒気帯びの罰金前科あり。2月に酒気帯び＆無免許＆人身事故で懲役10月、執行猶予3年、その5カ月後の7月の、酒気帯び＆無免許＆物損事故。
　次は実刑とわかってるのにまたやる、そんな被告人はもういくらでもいる。人間とはそんなもんなんだろうか。

　懲役5月、未決20日算入。
　前の執行猶予は取り消されるはず。取り消されての服役は、マジメにやってれば早く出られるというのが、長くやってての印象、認識だそうだ、裁判官の。へぇ。

　5階の待合室で約45分間、仮眠。座ったまま約45分間も眠れてしまうって、やばくね？

　13時30分から簡裁534号法廷（木田正彦裁判官）で、7月31日に第1回を傍聴した「公然わいせつ」の第2回。
　同じ時刻から、どうしても傍聴したいのが少なくとも2件あったのだが、悩んだ末、「公然わいせつ」で否認は初めてだし、被害者尋問がもしもあればそれも初めて、とこっちへ。
　法廷に入ると、遮蔽措置の準備が為されていた。おぉ、尋問があるのだ。

　まず、被害者（ジュエリーショップの若い女性店員）を証人尋問。
「被告人を上から順番に見て、陰毛が見えたところで目をそらした。だから陰茎は見ていない」
　旨言うのだが、陰毛とはっきり分かって陰茎が目に入らないって、どうなんだろ。陰茎が見えなかったなら、陰毛かどうかも怪しくないか。いやいや、人間の認知機能は電子録画と違うので…。

　14時07分、尋問が終わって遮蔽が解かれ、店内の防犯カメラ映像を、なんと10分弱もモニターで上映することに
　映像では、被告人は普通にショーケース内をながめ、店員（店長？）と話しているように見え、他のお客（若そうな女性）とショーケースを挟んで向き合うような形になっても、店員たちは普通にしてる…そこへ、制服警察官がやってきて、何か話し、被告人と出ていく…。
　最初から最後まで、陰毛や陰茎が露出してるようには、とても見えない。あれ～っ？

裁判官　「やはり店長さんのお話を聞かざるを得ないとの印象を持ちましたので…」
検察官　「それと、現認してる警察官を…」

　ということで、次回は2時間とることに。
　14時22分閉廷。

　同じ13時30分から簡裁826号法廷（虎井寧夫裁判官）で、8月26日に第1回を、9月11日に第2回を傍聴した「道路交通法違反」（酒気帯び、否認）の第3回がある。もう終わったかな～。
　と行ってみたら、裁判官から被告人質問をやってるとこだった。
　それが終わり、次回は論告・弁論だけども、裁判官としては、こういう事件だからまず検察官の論告要旨を弁護人が手に入れ、それから最終弁論要旨を書けるように、と配慮したが、検察官はともかく弁護人にその気がなく…ということのように見えた。←何言ってるか分かる？

　それで連想するんだが、裁判官としては「これは無罪だな」と思っても、被告人がポイントをつかめておらず、弁護人は無罪を勝ち取る意欲がなく、ぎりぎり有罪とするしかない、そんなことあるんじゃなかろうか…。

　14時37分閉廷。裁判所内で1件、用を足してるうち、某マニア氏が来て、「危険運転致死傷」、まだやってますよと。
ええ～っ、まだやってるの　ありがとうございますっ

　高裁・刑事3部、102号法廷、13時30分からの「危険運転致死傷」の控訴審第1回へ、15時15分過ぎか、行ってみた。
　まだやってた。証人尋問の最中だった。証人は若めの女性。殺されたご夫婦のお身内か。
　8月下旬に、危険運転の同乗者2人を地検は幇助罪で起訴すると報じられたでしょ。あの事件の、泥酔して運転した男の控訴審なのだ。原判決は懲役16年、双方控訴だそうだ。

　20分ほど休廷して、15時44分再開。
　被告人の母親を尋問。被告人が社会復帰後、雇うという男性（この人は単なる自営業とは違うらしい）を尋問。
　そして被告人質問。最後に、殺されたご夫婦の長男が意見陳述。報道では「死亡」とか「重軽傷」とかで終わってしまうが、そんな数文字からは想像もつかない、想像を絶することがあるのだ…。

　被告人質問でこんなシーンがあった。

裁判長　「先ほど、家族の方から、一生許さない、懲役20年にしてほしいと…。どう思いましたか？」
被告人　「…20年といっても軽いくらいと思ってます」
検察官　「今は20年でも軽いと本心から思ってるんですか。でも、刑が重いと控訴してるんじゃないですか？」
被告人　「……………………………被害者様の気持ちにしてみれば………」

　死亡事故や危険運転致死（危険運転は事故じゃない！）では、「生涯を掛けて償う」と誓いながら、実刑に、あるいは重い実刑になると、量刑不当で控訴する、そんなケースはときどきある…。

　被告人質問の途中、検察官は何度も遺族らのほうへ立ち、何か聞きたいことはないかと尋ねた。
　私は、被告人に聞いてみたかった、飲酒運転が常態化し、とうとう泥酔して対向車線へ侵出して多数を死傷させることを、どの時点で誰からどんな働きかけ等があれば、止められたのか、と。
　17時21分閉廷。
　次回は双方の弁論。判決は11月27日。

9月24日22時50分現在位～