中国人も陰茎を露出するのだ
月日(木)
13時25分から東京簡裁534号法廷で、9月3日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(オービスⅢによる63キロ超過)の判決。
13時30分から8階の別の法廷で、どうしても傍聴しておきたい判決がある。8階まで2分で行けるか。3分かかるか。こっちが数分前に始まってくれると助かる。
13時20分、武内晃裁判官が登壇。よっしゃ。いいぞ。続いて弁護人が来た。13時22分、検察官が来た。よっしゃ。
ところが、被告人が来ない!
13時25分、被告人が来た。が、いったん傍聴席に座ろうとして…んもぉ。←傍聴人が勝手に焦ってるだけで、被告人に責めはないです。
判決は罰金9万円。仮にその罰金に相当する金額を納付することを命ずる。
仮納付命令。これにより、確定を待つことなく、払う気があれば今日のうちに払うこともできるのだ。
判決の理由はごく普通だった。
大廊下を走り、エレベータはパス。小廊下の奥の非常階段を駆け上がり、13時30分からの東京地裁815号法廷、9月3日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(女性被告人のびっくりな酒気帯び0.53mg)の判決へ。
13時30分の30秒ほど前に入ると、もう言渡しが終わるところだった。さっきのが数分前に始まってくれればいいのに、逆だよ、んもぉっ。
裁判官 「あなたの内縁の夫、ルーズだから、よく考えないと(あなたか夫か)どっちか、いつか刑務所へ行くことになりますよ」
「(あなたか夫か)どっちか」の部分は、私の聞き間違いかもしれない。その部分があってもなくても、裁判官の言うとおりと思う。
主文は、懲役7月、執行猶予3年だそうだ。訴費負担。
ちなみにこの吉村典晃裁判官を見るたび、ラーメン大好き小池さんをなぜか私は思い出す…。
大廊下を急ぎ足で、13時30分から「公然わいせつ」の地裁803号法廷(青木美佳裁判官)へ。
13時35分に入ると、通訳人が起訴状の内容を通訳するところだった。
被告人(身柄、拘置所)はたぶん中国人。
検察官の書証は、甲が3号証まで、乙が外国人登録原票の写しを含めて4号証まで。少なっ。
甲号証が少ないのは、女性警察官が目撃して逮捕したから、のようだ。乙号証が少ないのは、前科・前歴がないから。
混み合った電車内での陰茎露出。車内を移動した女性にわざわざつきまとった挙げ句に露出したらしい。
この被告人質問は、非常に珍しいものだった。
被告人はほとんどしゃべらないというか、数文字の言葉を通訳人が十数文字の言葉に通訳するというか。その内容がまた…。
裁判官 「今回の直前に感じた衝動とはどういうものですか?」
被告人 「表現できません」
裁判官 「その衝動が出て来る原因について思い当たることはありますか」
被告人 「それもちょっと表現できません」
裁判官 「今後また衝動が生じるとは考えられませんか?」
被告人 「それはないでしょう」
裁判官 「なぜないと言えますか?」
被告人 「とにかくないと思います」
裁判官 「家族を本国に残して日本で生活するのは大変でしたか?」
被告人 「そんなことはありません」
裁判官 「そうすると、今回の原因、あなた自身はわからないのですか?」
被告人 「私がいけなかったのです。もう二度としません」
裁判官 「何がいけなかったのか、というのはわからないですか?」
被告人 「………………衝動的に女性に当たってはいけないと思います」
裁判官 「当たる、とは?」
被告人 「男としてそんなことをしてはいけないと思います」
全体に、ものすごく強情なのか。あるいは…。
日本の裁判は(って私は毒人参。さんと違って外国の裁判を知らないが)、犯行の原因を被告人自身に分析・自省させ、では再犯しないため具体的にどうするか言わせる、というのがお約束だ。
これに慣れると、分析・自省や具体案が足りない被告人は更生が難しそうに見える。
だが、国によっては、たとえば、「庶民は何も考えなくていい。国が決めたことを、処罰を怖れて守ればいい」みたいな考え方もあったりするんじゃないか。
そうすると、その国で育った者が日本で被告人になった場合、分析・自省などそもそも頭になく、「反省が足りない。ダメだこりゃ」と見なされる…文化の違いで刑が重くなることもあり得るんじゃないか。
でもね、通訳の仕方によって裁判官、裁判員への印象がまるで異なるとかいうことも含め、そういう不公平は、裁判という“装置”にとって屁でもないんだと思う。
そのことは、「裁判員制度はいらない!大運動」の先日の記者会見で斎藤貴男さんが述べたこととダイレクトにつながる…と言っても、ああいうのは報道されないし、わかんないか。ま、そのうち私のほうで…。
ともあれ、中国人も陰茎を露出するのか、日本人だけじゃないんだと、妙な気分を感じた。そりゃ当たり前、アメリカ人もイタリア人もインド人も出すよね。
そういえば先日、若干年配のご婦人方に「公然わいせつ」の話をしたら、「そんなのが犯罪になるの? あら~!」と驚かれてしまった。昔は女学生にぽろっと見せる男、しょっちゅういたんだそうだ。冗談も混じってるんだろうと思うけど。
求刑は罰金10万円。前科なしだから、そんなもんだろう。
けど、そんなのをなぜ地裁で? それはまぁいいとしても、なぜ大きな法廷で?
事件名に「わいせつ」の4文字があるので傍聴人が集まると思ったから? たしかに20人は優に超えてたけど、しかし、大きく報道された事件だって平気でいつも20席の法廷でやってるじゃないか、大きな法廷が空いてるときでも。
やっぱ、事件の関係者が多いとあらかじめわかってるとか、マスコミからの問い合わせが多いとか、そういうのは考慮することがあるとしても、また、そういう場合に備えて大きい法廷をぎりぎりまで空けておこう、という準備はあるかもしれないとしても、基本的に裁判所のほうで「この事件は傍聴人が多いだろう、少ないだろう」と考えて法廷を選ぶことはないんだな…と改めて確信を得た。
被告人がほとんど何もしゃべるつもりがないことが明らかなので、裁判はスムーズに進み、14時03分閉廷。
終わって小廊下で、聞きのがした犯行日などを、メモしていた女性らに尋ねる。学生さんだそうだ。せっかくの機会なので大運動のパンフなど差し上げる。え? ナンパじゃないよっ。すぐ別れたし、地下で『裁判中毒』を買ってくれとも言わなかったし(笑)。
15時15分から簡裁728号法廷で、5月29日に第1回を、7月7日に第2回を傍聴した「道路交通法違反」の審理。
今日は論告・弁論。求刑は罰金9万円。
たいへんなことが分かった。これは港区赤坂1丁目、首都高速4号線下りのいわゆるオービスによる63キロ超過なのだが、とんでもないことが分かった
このオービスは三菱のRS-2000のうち、なんとRS-2000K型なのだそうだ
秋田の例のオービスはRS-2000B型。あれはいわゆるステルスタイプ。Nシステムと同じナンバー読取機能もあったかな。
じゃあ、K型は何なのか。
さっそく警視庁に電話。明日、契約書と仕様書を開示請求に行くと予約したょ。ま、予約はべつに必要ないんだけど、興奮して、ね。
※追記: 翌夕、さらに驚くべきこと、正しくは呆れるべきことが判明するのであった
2000K型の事件が終わったのが15時47分。地味な事件をよく傍聴してる女性が、大廊下をすたすた北側へ歩き、北エレベータの手前角をくるっと曲がった。なんだろ…。
行ってみて良かった! 今日で少なくとも4回目の公判の、前から気になってた「道路交通法違反」の審理が、地裁710号法廷(登石郁朗裁判官)で行われていた。
やはり道交法だけで(しかも地裁で)そんなに審理を重ねるはずがなく、タクシーでひき逃げと報道された事件だった。
ちょうど遺体を鑑定した医師の証人尋問、の最中だった。医師が手に持つ書類に、被害者の血だらけの頭部の写真があった。ここまでにどういう経緯があるんだか、医師は弁護人に対しけんか腰というか…。
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