前髪の後ろから世界を見る人生

月日（金）　その

　東京簡裁728号法廷（磯和幸隆裁判官）へ。
　10:00～11:30の「窃盗」（8月19日に第1回を傍聴した居空き。被告人は女性。今日は追起訴から）の判決が終わったところだった。
　懲役2年、執行猶予3年、訴費不負担。

　15分ほど待ち、続いて11時30分から「窃盗」の新件。
　専門学校を2つ中退、仕事は長続きせず、関西の実家に居られなくなり、妹を頼って上京。やはり仕事は続かず、妹のところにも居られなくなり、カネに困ると本を万引して売ってはマンガ喫茶で寝泊まり、3度逮捕され、その度に妹に身柄を引き取ってもらい…。
　本件は池袋の書店での書籍4冊、2257円相当の万引。
　被告人質問で、弁護人は被告人（身柄、留置場）に、留置場で書いた謝罪文を朗読させた。そんなシーンは初めて見る。
被告人　「しかし仕事は続かず、お金がなくなると…そして再び妹に警察へ迎えに来てもらうことになりました。妹の気持ちを考えると…」
　ここで被告人は言葉が続かなくなった。泣いてるようだった。
　傍聴席の端で、若い娘さんが泣いた。上品なお洒落で、長い黒髪の小顔の娘さんだった。女優の誰かに雰囲気が似てる。
弁護人　「続きは私が読ませてもらいます…」
　父親はすでに、関西への交通費、当面の生活費を振り込んでいるという。専門学校へ2つ行かせたところからしても、父親はけっこう金持ちなのかもしれない。

　即決裁判手続きで直ちに判決。懲役1年、執行猶予3年、訴費不負担。
　この被告人は、顔の上半分を隠すあのたっぷりの髪をぜんぶ切るべし、前髪の後ろから世界を見る人生とまず訣別すべしと、切る前髪もない私は思うのであった。
　12時02分閉廷。

お手ごろ整髪バリカン 販売元：富士パックス販売 Amazon.co.jpで詳細を確認する

男のヘアカタログ - 男前度200%UP!の最新ビジネスヘア(BIGMANスペシャル) 販売元：世界文化社 Amazon.co.jpで詳細を確認する

　地下でかけそば大盛り290円。かき揚げ100円は今日はパス。一般待合室でしばし仮眠。

　13時10分から簡裁534号法廷で「住居侵入、窃盗」の判決。
　被告人（身柄、留置場）は、丈が短く袖が小さく、襟首が大きく開いて胸元にしゃれた模様が入った、独特のTシャツを着て、すらりとスタイルが良いのだった。
　深夜、独り住まいの女性のアパートへ侵入窃盗。それも、3度訪れ、4度目にカギがかかってないことを確認して侵入したんだそうだ。被害品は高額とまではいえず、還付されてるんだという。それ以上は分からなかったが、まさか下着盗？
　懲役1年6月、執行猶予3年、訴費不負担。

　続いて13時15分から「窃盗」の判決。
　被告人（身柄、留置場。若年）は上下黒ジャージの、ちょとおでぶ。仲間と乗り回すため自動二輪車2台を盗んだのだという。
　懲役1年6月、執行猶予3年、訴費負担。

　続いて13時20分から「建造物侵入、窃盗、住居侵入」の判決。
　こちらはすっごい年寄り風。歯がないのか口をもぐもぐさせてる。
　懲役2年、執行猶予3年、訴費不負担。
　急いで出て…。

9月12日20時10分現在位～

　　 裁判員制度はいらない！大運動