てめぇが違反しながら他人様の違反を取り締まる
岩手県の『ドライバー』読者氏からお便りを頂いた。
「抑止効果 着実に/盛岡地域導入3年/駐車違反の民間取締り/摘発は年間400~600件/目立つトラブルなく」という見出しの大きな、7月6日付け岩手日報夕刊の切り抜きをお送りいただいた。
ネットでは「駐車違反の抑止に効果 盛岡地域、民間委託導入3年」との見出しでアップされてる記事だ。
紙の記事の写真を見てほしい。
駐車監視員が確認事務(要するに取締り)を行ってる車両の前に、青っぽい車両があるでしょ。これについて読者氏は言う。
「ジムニーの前に止まっているスズキMRワゴン(紺色)が、取締り員の車ですが、どう見ても路地(交差点)の5m以内に止まっています。(笑)」
ここは盛岡市内、「おもちゃのこじま」前と思われ、読者氏が毎日見ている光景なんだそうだ。
そのとおりだとしても、べつにおかしくもなんともない(笑)←これは読者氏と同じ意味の笑い。
取締り用の車両といえども、交差点から5m以内など「法定駐車禁止場所」に駐車すれば駐車違反のうえ、運転者が乗ってなければ法律上は放置駐車違反なのだが、東京で私が見てきた限り、ミニパトの女性警察官たち自身、まったく無頓着、堂々と違反をくり返してる。ズルイぞと怒るのはすじ違い。これは収益事業であって善悪、正邪は関係ないのだ。
てめぇが駐車違反して、他人様の駐車違反を取り締まる。
あまりにも当たり前になってるから、こうして新聞に、「ありゃりゃ(笑)」という場面を載せられてしまうわけだ。もちろん、この写真のみを証拠に立件することはできないだろうけどネ。
手元に、2006年3月29日に行われた(つまりニュー駐禁取締り初年度の)「放置車両確認事務委託」の入札調書がある。
この調書には「予定価格」が載っていて、それが673万6800円。
予定価格にいちばん近い札は「第一商事(株)」で630万円。いちばん遠い札は「セコム(株)」で、ええっ? 3268万8620円!
落札者は「(株)M・K・G」で、なんと297万5000円。次点より約200万円も安い。
これは一体なにを物語ってるんだろう。ま、漏れ聞く話も総合すると、「(株)M・K・G」はこの仕事を取りたくて、初年度は儲け度外視で安い札を入れたってことになるんだろうが、こうした入札に詳しい人は、もっといろんなこと言うかもしれないね。
岩手の初年度の契約の委託期間は、2006年6月から2007年3月までの10カ月間。
2人1組で1ユニット。および統括責任者と代行者。待機場所や車両や制服や巻き尺や地図や、「携帯電話その他の無線通話装置」等は受託者の負担。
それで月々(税込みで)31万2375円って、すごくね?
岩手日報の記事によれば、駐車監視員の取締り件数は、
2006年6月から1年間 512件
2007年6月から1年間 671件
2008年6月から1年間 411件
それぞれ365日で割ると、約1.4件、約1.8件、約1.1件。
1日2件くらい取り締まればいいってわけだ。東京に比べればだいぶ楽ちん。駐車監視員の給料はだいぶ安いのかな?
※ この収益事業は、あんまり取り締まって違法駐車が激減してしまっては、続かなくなる。1日2件くらいというのは、そのへんとの兼ね合いもあるんだろう。
ニュー駐禁取締りのことについてはこの本に詳しく書いたよ~。
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