加害者が精一杯の誠意を見せてこそ
月日(水)
13時20分から東京簡裁826号法廷(虎井寧夫裁判官)で、10月21日に第1回を傍聴した「道路交通法違反」(無免許)の判決。
罰金25万円。未決勾留日数のうち50日を1日当たり金5000円に換算してその刑に算入。訴訟費用は不負担。
ぜ~んぶ終わってから…。
裁判官 「わかった?」
被告人 「…は?」
裁判官 「主文もわからなかった?」
被告人 「……?」
耳が遠くて、ぜんぜん聞こえてなかったらしい。あれ~っ。
書記官が電話して、事務職員が補聴器を持ってきて、最初からやり直し。被告人はいちいち「はい」と反応してた。補聴器って聞こえるんだね~。
その途中で出て、大廊下を北側へ走る
13時30分から東京高裁805号法廷(原田國男裁判長)で、たしか6月10日に東京地裁で1審判決があった「威力業務妨害」の控訴審判決。報道された事件だ。
13時30分頃、法廷の前に警備の職員が少しいて、弁護士と、被告人らしき長身の男性が話してた。ぎょっ、もう終わったの?
そうじゃなかった。これから始まるのだった。ほっ。
控訴棄却。1審判決は懲役1年6月、執行猶予4年と聞き取れた。
控訴の理由はよく分からなかった。判決理由からして、苦情を言っただけ、脅迫なんかしてない、という主旨なのか…。
14時から東京高裁805号法廷(原田國男裁判長)で、「自動車運転過失致死」の控訴審第1回。
被告人は黒いスカートのスーツの、化粧っ気のない女性だった。
書証6点と被告人質問。検察官は同意、然るべく。
どうやら、スーパーか何か大きな駐車場で、進行方向を示す矢印に逆らって、かつ徐行せずに車を走らせ、64歳の女性をハネて死亡させたらしい。そして、怖かった、自分が弱かったと、遺族に対して何ら慰謝の措置をせず、原審では悔い改めてしっかりやる旨約束したのに、結局何もせず、賠償も保険会社に任せきり、交渉がどこまで進展しているか知らない、らしかった。
原判決は禁錮1年(実刑)。夫が糖尿病で介護を必要とすることだけを理由に、執行猶予をつけて欲しい、ということらしかった。そんなのたぶんダメですょと、アドバイスしてくれる人は…普通いないか…。
被害者の夫が意見陳述。こんな部分があった。
夫 「加害者が精一杯の誠意を見せてこそ、加害者の心(※怒りや喪失感)は徐々に癒されていくのではないか。しかし誠意のかけらさえ見せない加害者…私たちは■■さん(※被告人)を許しません!」
14時30分から地裁407号法廷(中島真一郎裁判官)で「道路交通法違反」の第2回公判。
10月21日の第1回は、被告人が飲酒して出廷したことが分かったため途中で打ち切られ、今日がその続きだ。
裁判官から被告人質問が15分間。
ま~、なんつ~か、裁判官がビシビシ糾問し、被告人は貝になりっ放しというか、この人は、口が重いというより、強情者じゃないのかな、見ててそんな気がした。
求刑は懲役6月。
弁護人の弁論は1分ほど。短いなかで、「今回初めて正式裁判を受ける」というのを2度言った。それしか良い情状はないんだな~、と思えた。
15時から地裁419号法廷(梅田健史裁判官)で「自動車運転過失傷害」の判決。
禁錮1年4月、執行猶予4年。
午前1時50分頃、江東区内の片側2車線の道路でタクシーを運転中、乗客を降車させたのち、適切な合図をせず、後方の安全確認が不十分なままUターン、後方から来た自動二輪が急制動、転倒、滑走、タクシーに衝突、タクシーは被害者を車底部に巻き込んだまま約15m引きずり、ものすごい重傷を負わせたらしい。
被告人に有利な事情を挙げるなかで、裁判官はこんなことを言った。
裁判官 「被害者の速度も…(聞き取れず)…だったことが否定しがたい…」
15時10分から地裁726号法廷(後藤眞理子裁判官)で「道路交通法違反」の判決。
被告人(在宅)は、ちょっと光沢のある黒いスーツ。白シャツにネクタイが決まってる。短髪で、芸能関係かと思える格好良い若者。
懲役3月、執行猶予2年。
あぁ、超過80キロ台のスピード違反なのだな。
判決理由のなかに、制限80キロと出てきた。
あぁ、たぶん首都高速・湾岸線東行き、羽田空港3-3のオービスⅢLkなのだな。
裁判官 「社会のなかで生きていくためには、それなりのルールがあります。そのルールを守って…」
15時30分~17時で地裁710号法廷(登石郁朗裁判官)に、開廷表の事件名は「道路交通法違反」だが、中身は報道されたひき逃げ、という事件の審理が入ってる。
1度ちらっと傍聴したことがある。真っ向否認で、私のメモが正しければ今日が7回目のはず。どうしよう…。
地味な事件を毎日傍聴してる女性(よく見れば美人系では?)に、今日は何をやる予定か、法廷の前で聞いてみた。前回までで、いちおうやることは終わってる風で、今日は何をやるのか知らないという。う~ん、17時までは居られないけど、ちらっと傍聴してみようか…。
被告人側の証人の尋問だった。証人はだいぶお年寄り。何かの研究所を立ち上げ、医学にかかわる刑事・民事の相談を受けているという。で、なんだかややこしい話になった。写真も見取図も手元にない状態で、裁判の途中から聞いても、まったくぜんぜん分からないということはないけど、非常に疲れる。15分ほどで私は出た。
その後どうなったか、あとでその女性から聞いた。ものすごく意外な展開になり、何より、証言の前日だっけか、検察官が証人に会いに行ったんだという ひぇ~っ、そ、そんなこと、アリなんだぁ…。
帰ると、当ブログのアクセス数がどかんと伸びてた。なんだ?
「迷惑スケボー男を逮捕=駅前で乗り回し、苦情85件-大阪」というヤフーニュースに、「スケボーの交通違反 - 今井亮一の交通違反バカ一代!(2006年8月20日)」として、当ブログのリンクが貼られたのだった。うわ~。
« 可愛い女性検察官のバカンス予定 | トップページ | 追尾式 違反デッチ上げ »
「交通事故」カテゴリの記事
- 交通事故じゃなく「交通殺人」「交通傷害」(2024.09.18)
- 同乗者らを盛り上げるため高速度で信号無視!(2024.08.14)
- イスラエル大使館へ突入事件、アクブレ踏み間違い事故で決着(2024.05.21)
- 東京地検(本庁)の公判請求に異変が?(2024.05.12)
- ぶっ飛び判決、首都高55キロ超過に懲役3月、執行猶予2年!(2024.05.08)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
15時30分から710号法廷「道路交通法違反」の「ものすごく意外な展開」、私も見ました。いやはや・・。弁護人ばかりでなく、裁判官も困惑している感じでした。
投稿: 恒点観測員342号 | 2009年10月30日 (金) 12時40分