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2009年11月29日 (日)

罰金の金額は何で決まるのか

日(金) その

 さいたま地裁で始まった“元厚生次官ら連続殺傷事件”の公判、報道を見ると、まさに、強い自己誇大感が自らの現実を受け容れられず、被害者感情(←リンク先の引用部分参照)と正義を合体させた“至高の境地”へ逃げ込んだのだな、という気がする。

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 13時15分から東京簡裁・刑事1室1係(虎井寧夫裁判官)826号法廷で、11月13日にたまたま第1回を途中から傍聴した窃盗」、の判決。
 簡易公判手続なのに、遠くから親御さんが来てたのに、直ちに判決とせず2週間先に延ばすって…
 まさか、無罪? いや、これで無罪にしたら、控訴され高裁で審理不尽を責められるんじゃないか。求刑は懲役1年だが、再度の罰金刑にするのか。いや、しかし…と傍聴に来たのだ。
 結果は、懲役1年、執行猶予3年、訴訟費用負担。
 まったく普通の主文…。
 だが――もちろん私の勝手な妄想かもしれないが――悩みに悩んだ末の判決、という印象を受けた、言渡しの全体から。ものすご~く考えさせられた。

 急ぎ1階へ下り、13時30分から東京高裁・刑事3部(金谷暁・山内昭善・吉玉正紀裁判官)で、9月25日に第1回を途中から、10月30日に第2回を傍聴した、「危険運転致死傷」(原判決は懲役16年、双方控訴)の判決。
裁判長 「本件各控訴を棄却する。以上が主文です」
 すでに報道されてるが、傍聴席から付け加えるなら、被告人の控訴については、原判決の量刑が重すぎるとは到底言えないと切って捨て、検察官の控訴については、本件を危険運転致死傷の上限(懲役20年)とするのは躊躇があり、原判決の量刑が明らかに正義に反するとは言えない、という形だった。
 訴訟費用は、被告人の負担とするのか、しないのか、よく聴き取れなかった。
 未決算入については言及がなかった。検察官も控訴してるので、法定算入となるのか。

刑事訴訟法第495条第2項  上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。
 検察官が上訴を申し立てたとき。
 検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。 

 13時55分閉廷。

 14時から東京簡裁・刑事1室3係(木田正彦裁判官)534号法廷で、「公然わいせつ」(否認)の第4回公判。
 14時05分、証拠の整理をして同意証拠の要旨告知が始まったところで、私は退出。 

 14時10分から簡裁826号法廷(虎井寧夫裁判官)で、「道路交通法違反」の新件。
 江東区東雲2-6、R357、有明→辰巳方向のオービスⅢLkによる57キロ超過(測定値117キロ)。認否で被告人は述べた。
被告人 「うーん、ま、事実ですよね。今読まれたとこには(間違いは)ないです」
 略式命令を経て被告人が正式裁判を請求した事件だった。その理由は?
被告人 「罰金の金額の曖昧さに愕然としたというか、8万か9万と事前に言われて、不透明で、あまりにも曖昧…自分の中で腑に落ちなくて…。裁判できると聞いて、じゃあ裁判ていうの経験してみようかと」
弁護人 「納得できたら払うと?」
被告人 「はい」

 求刑が9万円だったところからして、略式命令も9万円だったんだろう。
 略式の罰金額は、公判廷でのいわゆる攻撃・防御(←そういう戦争ごっこみたいなのはおかしいと私は思うんだけど)をせず、争いのない、というか動かしようのない外形的なものだけで決める。まずは超過速度、そして制限速度、一般道路か高速道路か、車種(普通車、二輪車などの別)、前科…。そうしたものを組み合わせた量刑表のようなものがある。毎年毎年大量の違反を処理するためには、外形的なものだけで迅速処理せざるを得ないのだ。そして、料理店が目玉料理のレシピを明かさないように、検察、裁判所は量刑表の中身を明かさない。
 じゃあ、レシピを知れば曖昧さは無くなるのか、納得いくのか被告人は。そうではないんじゃないかなぁ、という気がした。
 東雲付近のR357は、付近に運送会社の倉庫乃至ターミナルが多く、ガードレールで区画された歩道に歩行者はほとんどなく、対向車線とは構造物で隔てられており、人や自転車が横断を試みるような場所では到底ない。
 にもかかわらず、一般道路の(東京における)超過50キロ台の相場である9万円を科されたことに――それが相場と知らなくても、なんとなく――不満を感じたんじゃないか。だとすれば、それはもっともだと私は思う。
 14時45分閉廷。急ぎ534号法廷へ…。

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