裁判官は3Kか
月日(水)
起きるのが辛くてたまらない、もすこし寝かせてくれぇ~っ てことあるょね。
だがしかしっ、今日11時からの東京地裁の「道路交通法違反」の新件、の被告人氏名(珍しい氏名)は、今年5月8日の東京地裁の「道路交通法違反」の新件と同姓同名なのだ。
てことは…そう、5月に懲役猶予判決を受け、半年経たずにまた
じつは、10月23日にも同姓同名の被告人の同法違反の新件(東京地裁)を、私のほうでメモしてる。メモミスでなければ、10月23日は被告人不出頭とかで流れ、今日が第1回公判の期日とされたのかもしれない。猶予中の再犯でしかも不出頭…?
交通違反専門ジャーナリストとしても傍聴マニアとしても、傍聴せざるを得ないでしょ、辛くても起きざるを得ないっしょ
11時から東京地裁・刑事19部(園原敏彦裁判官)819号法廷で、その「道路交通法違反」の新件。
…被告人が来ない? 身柄で、地下から上がってくるのが遅れてるのか?
裁判官 「今度は新型インフルエンザですか…」
弁護人 「昨日の夕方、9度2分…今朝も8度4分で…」
裁判官 「これ起訴が2月だもんねぇ…こういう理由じゃ、勾引するわけにもいかないですもんねぇ。この方、仕事は?」
弁護人 「えっと…体調いいときは、してますね」
裁判官 「やっぱ年内に1回、(期日を)入れとかないとね」
起訴が2月って…うわぁ、そういうことだったのかぁ。
改めての第1回公判期日をクリスマスイブに指定し、10時04分閉廷。ますます傍聴せざるを得なくなったのであった…。
11時から東京地裁刑事7部(前田巌裁判官)816号法廷、「道路交通法違反」の新件へ、11時06分頃に行ってみた。
検察官が書証の要旨告知を始めるところ。被告人(在宅)は70代くらいかな? 人夫(にんぷ)出しとか、建設関係の会社を経営してるらしい。駅前で、特別な好意を持っている中国人女性に1年ぶりで会い、つい車で送ってあげると言ってしまい、無免許で運転、職質を受けて免許証の提示を求められ、数年前に雇用していた人物の名を名乗り、免許証は会社にあると言ったところ、会社までパトカーで連れていかれ、同人の免許証のコピーを見せ、しかしバレそうになり、すると、俺に任せろ、もみ消してやるという人物がいて、その人物は、本件の情状証人(被告人の雇人)が知らない間に勝手に養子縁組して戸籍をいじっており…。
被告人も証人も、法曹とは遠い遠い世界の住人であることが感じられた。同じ日本語を使ってるのに、互いに互いを理解できないというか、そういうことあるょね。裁判官は、法務省と交流するヒマがあったら、身元を隠して建設・建築関係の飯場を渡り歩くことを、2年くらいやったらいいんじゃないか。
そういえば私は昔、東北新幹線だか上越新幹線だかの建設工事の飯場に、しばらく居たことがあるの。賄いのオカズがしょっぱくて閉口した。食後は焼酎を飲みながら、日に焼けたおっさんたちの、「えっ、お前、母ちゃんのオマ■コぺろぺろナメるんか、きったねぇ!」「え~っ、みんなナメるんと違うんか、なぁ兄ちゃん」なーんて話を聞いてさ…。
求刑は懲役4月。12時05分閉廷。
地下でかけそば大盛り290円。傍聴マニアの大忘年会に備えてカネを貯めようと、かき揚げ100円は我慢。
13時15分から東京地裁・刑事19部(江見健一裁判官)818号法廷で、「名誉毀損」の判決。
かつて交際していた女性(24歳)から交際・復縁を拒まれたのを逆恨みして、名誉を毀損しようと、強固な犯意に基づく連続した犯行の一部として、携帯電話からインターネットに接続し、「ポッチャリサンシャメバン」(←と聴き取れた)に、被害女性の顔や裸体の撮影画像及び氏名等をアップロードし、「ワタシノカラダイカガデスカ」(←と聴き取れた)と書き込んだ…。
傍聴を重ねてると、全国で1年間に携帯電話等により撮られた裸体や性器の写真のうち、何%くらいがネット上に、故意過失を問わず流出してるんだろうか、という気がしてくる。
懲役1年6月、執行猶予5年。訴訟費用負担。
続いて13時20分から、11月12日に第1回を傍聴した「脅迫」の判決。
懲役10月…。求刑は懲役1年だったから、実刑なのか。
未決30日算入…。やっぱ実刑か、そっか。
執行猶予3年。ええっ!?
13時30分から東京地裁・刑事1部(髙木順子裁判官)408号法廷で、10月27日に第1回を傍聴した「暴力行為処罰に関する法律違反」の第2回。
今日は被害者である若奥さんを証人尋問。驚いた。傍聴席から見える印象によれば、被告人はつまり“モンスター隣人”であるところ、証人は会社でのストレスによるうつ病で仕事を辞めており、回復しかけていたとき被告人の“モンスター”ぶりが始まり、やがて証人の夫が、被告人とのトラブルと、うつ病の看病疲れから適応障害となり、ストレス源(=妻)から離れなければならないと、なんと離婚したのだそうだ。
知的で静かな良い感じの若奥さんの、そんな証言を聞きながら、被告人は被告人席で若干ニヤニヤしているように見えた。
14時25分、主尋問が終わり、弁護人から反対尋問。被告人による脅迫は証人がつくりあげた病的な妄想だ、という方向で突っ込むんだろうなぁ、と思いつつ私はそっと退出、走って大廊下へ出て…。
14時30分から東京簡裁・刑事1室2係(江波戸直行裁判官)826号法廷で、4月30日が第1回、6月18日が第2回、8月27日が第3回、10月20日が第4回だった「道路交通法違反」(酒気帯び0.15、否認)の判決。
息を切らせて法廷に入ると、前の「窃盗」の新件の被告人質問を、それも弁護人からやってるところ。バイクを盗んでの、高齢者を狙ってのひったくりらしい。
裁判官 「あなた、3Kって知ってる?」
被告人 「あ~、聞いたことあります。…汚い…きつい…危険…」
裁判官 「お~、そそそそ、夜中、道路工事するとかさ。私たちも同じなんだよね。私たち、××(能力と聞こえたが文脈的にまさかネ)ないとできないし、ぶんなげられない。ま、汚いってのは別だよ。カネを稼ぐのに簡単な方法はない…」
黙って年収1800万円くらい取る天下り官僚との酒の席で、裁判官は3Kですょ、あははと笑うならまだわかるが、カネに困って暴力団組員から誘われひったくりをやるレベルというか何というか、そういう者にかける言葉ではないんじゃない?
それが終わってやっと14時59分、「道路交通法違反」の判決。
罰金30万円、訴訟費用負担。
要するに、二日酔いは酒気帯びではないと思っていたにすぎず、体内にアルコールを保有していたとの認識はあったと認められるので故意が成立する、ということか。
15時17分、閉廷。
「暴力行為処罰に関する法律違反」の408号法廷へ戻ると、ちょうど終わったところだった。
17時過ぎまで時間が空く。どうしよぅ…。
16時から東京地裁・刑事21部(半田靖史・安藤範樹・岩田澄江裁判官)810号法廷で、「強制わいせつ等」の審理。
検察官が甲28、29号証を出し、被告人質問の続きと、論告、弁論、最終陳述。これは報道された事件だ。公訴事実の被害者は4人。求刑は懲役10年。
16時33分閉廷。
ご招待いただいたんだけど、どうも業界人へのネタ見せイベントらしく、独りじゃ心細いので、コードネーム「素敵な女性」を誘って千駄ヶ谷で待ち合わせ、18時00分から「JAMEお笑いハーベスト」へ。
司会は小林アナ。思わず笑い声を漏らしてしまうのもあれば、「うわ~、困ったな~」と目を伏せたくなるのもあった。ま、業界人の見方とは一致しないだろうけど。
全20組のうち重し買った、もとえ面白かった3組に丸をつけて出しなさいと言われた。
3番目の猫柳ロミオさん(太田プロダクション)、私のツボに嵌る部分があった。9番目の森山パンタさん(ホリプロコム)、ソースとケチャップのネタ、好きだな~、感動したよ~。17番目の足立区立OKOさん(大川豊興業)、普通に面白いんだろうが、特に我々のような傍聴マニアには、もぅ馬鹿ウケ。
階下で出演芸人さんたちとの懇親会が用意されていたが、酒はないようで、かつ我々はあまりに異質と思われ、外へ出て飲み屋を探す。「モダン食堂 東京厨房」へ…。
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コメント
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裁判員制度の方は,何としても,定着して欲しいな…って私個人は,願わざるをえません。
さて,過日の今井亮一様の「裁判官は3Kか」の記事,とても興味深く拝見させて頂きました。※私が,今月・11月21開催の「裁判官ネットワーク・東京会場・懇親会」においては、できる限り多くの「裁判官さんとの対話」に,尽力,致しました。→※その中で、現場裁判官さん達は皆,「尽きることのない,悩みを抱えつつ」、「判決or和解勧告」を出されていること…,私は痛感致しました。
今井亮一様と、考えが異なり,誠に,A忸怩たる思い・Bすまない思いに,かられます…
でも「裁判員制度」は何としても、成功してほしいのです.
問A:あなたは裁判員として,死刑判決を下せますか?→ハイ!aとっても重いし,b「電気羊の夢…を見る」かもしれませんが、それでも,私には,可能です。
問B:.あなたは,カレー事件等,超ヘビー級事件を「裁判員として」担当できますか?
→ハイ担当できます。とっても重いけれど、私,大馬鹿者なりに、一生懸命取り組めば、きっと何とかなると,信じたいです。
投稿: 秦野真弓 | 2009年11月29日 (日) 23時46分