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2009年11月19日 (木)

1軒くらい店を抱えたほうがアンテナが立つ

日(水)

 

 5時に起きて単行本の作業をし、7時過ぎから1時間弱寝て…。

 

 10時から東京地裁・刑事15部(植村幹男裁判官)416号法廷で、「公然わいせつ」の新件。
 被告人(身柄、拘置所)は約50歳。なかなかの良い男。「強制わいせつ」(といっても公わいに近いものらしい)を含む前科4犯。服役2回。本件は、スパッツの股に穴を開け、陰茎を露出して自転車に乗り…。
弁護人 「小学生の頃、教師によって裸にさせられる体罰あって、それがトラウマになったんじゃないかと」
 この弁護人は、自分の感想のような説明のような、弁論で述べればいいことを、被告人質問で長々述べるのだった。
裁判官 「あのぅ、質問していただいたほうが…」
弁護人 「…終わります」
 求刑は懲役6月。最後の服役を終えたのは約6年近く前。どうなるんだろう…。

 

 11時から東京高裁・刑事7部(植村立郎・青沼潔・有賀貞博裁判官)717号法廷で、9月30日に審理を傍聴した傷害致死」の判決。
 「ホストの世界も仁義なき戦い ライバル店従業員に大量焼酎飲ませ死なせた男逮捕」と報じられた事件。
 短時間で大量の酒を無理やり飲ませることは傷害に当たるのか。無理やりとはいえ、飲んだのは本人自身じゃないか…。
 要するに、相手に危害を加えることを目的として、威迫的に短時間で大量の酒をストレートで飲酒することを強い、途中吐くためトイレへ行くことも許さない…というのは傷害に当たり、その結果死亡したなら傷害致死だと裁判所は判断する…そういうことかな。
 原判決は、求刑懲役5年のところ、懲役3年6月、未決190日算入だったんだそうだ。
 控訴審判決(被告人不出頭)は、控訴棄却、当審における未決90日算入。
 被害者の血液1ミリリットル中のアルコールは、6.5mgだったという 酒気帯び運転の基準は0.3mg。その約22倍。立花書房の『図解交通資料集』によれば、血中3.5~4.5mgは「第四度(窒息期・泥酔)」で、「放置すればそのまま死亡」。
 11時42分閉廷。

 

 718号法廷をちらっと覗いたら、傍聴席にはあまり見かけない傍聴人が多く、記者が多かった。 「日米平和・文化交流協会」の脱税と報道された所得税法違反」の審理(合議)なのだった。

 朝食が5時半だったもんで、「公然わいせつ」のときからもう腹がへって腹が減って。地下でかけそば大盛り290円+かき揚げ100円。

 13時10分から東京地裁・刑事20部(林正彦裁判官)715号法廷で、「道路交通法違反」の判決。
 懲役10月、執行猶予3年。
 多量のアルコールを飲酒し、かなり酔っていたにもかかわらず、交際相手の制止も聞かずに普通貨物を運転。物損事故を起こし、交際相手に身代わりを依頼するなどした…。前科なし。
 酒気帯びなのか、酒酔いなのか。「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」(道路交通法第117条の2第1号)」という文言は聞こえなかったけど。

 「…できないおそれがある状態」を超えて、実際に「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」までいくと、「危険運転致死傷」(刑法第208条の2第1項)にってことなのか。

 続いて13時30分から、右陪席に中島経太裁判官が、左陪席に浅川啓裁判官が加わり、10月21日が第1回で、「贈賄」のほうは分離されて11月12日に判決(懲役10月、執行猶予3年)が終わってる、「収賄」のほうの第2回公判。
 今日は、韓国マッサージ店経営者(元)の証人尋問と、情状証人として被告人の妻と母親の尋問と、休廷を挟んで被告人質問、論告・弁論、結審まで。
 もう眠くて眠くて。18時半に別の単行本の打ち合わせが急に入り、いったん帰って少し寝ようかと最初は思ってたのだが、ま~、これは傍聴し応えがあった、最後まで傍聴してよかった。

 ほんの一部だけ拾うと…。
 被告人は警視総監賞を12回受けてマジメに勤務していたが、2004年頃に上司が複数の風俗店と癒着関係にあることを知り、その上司が転勤のとき、神田署管内の風俗店との連絡を被告人に頼み、被告人は月々金銭授受をするようになって感覚が麻痺していった…被告人もそういう店を持つようすすめられ、断ったが、「1軒くらい店を抱えたほうがアンテナが立つ、情報が入る」と言われ、複数の店を…。
 あと、被告人が取られた員面調書、上申書。
 調書を取る側の警察官が、自分の犯罪で調書を取られることになったとき、意に反する内容の調書になぜ署名押印したか、じつにリアルで興奮ものだった。のだがしかし、検察官、裁判官は、「調書は本人が自発的に述べたことをそのままに録取したものであり、少しでも誤りがあると思えば訂正を申し出て訂正させられる」と、どうも本気で信じ込んでるんじゃないか と、そんな失礼極まる疑いを、失礼ながら感じてしまうシーンがあった。
 いっくら何でも、まさかそこまでのバカであるはずがない、と思う。じゃあ、どういうことなのか。
 私が考えるに、やっぱり、大量の犯罪を迅速に処理して社会秩序を守るには、警察が上げてきた調書(裁判官が有罪にしやすいようプロフェッショナルにまとめた調書)を、法的な理屈はコネるものの実質は鵜呑み、にするのが手っ取り早く、それが司法の“お約束”になっており、だから、事実と異なる内容の調書であっても鵜呑みにする、そのために無辜の者が死刑や無期懲役になっても泣いてもらう、社会秩序を守るために、ということではないのかな。どうでしょね。

 求刑は懲役2年、追徴金67万円。17時閉廷。

 それから付近某所で貴重な書類を見せてもらい、電車で新宿へ出て、紀伊国屋書店で来年の手帳を買い、単行本の打ち合わせ。風呂も入らず早々寝るっ。

 

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