危険運転 懲役16年 双方控訴
31日(土)、右膝後部を犬に噛まれて血が出たょ…。
月日(金)
11時から東京地裁801号法廷で、10月20日に第1回を傍聴した「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」の判決。
裁判官 「被告人を懲役1年に処する。え~、以上が主文です」
同種服役前科2犯(本件と累犯の関係)ありの被告人は、黒系のカジュアルなファッションを決め、あごにヒゲをたくわえ、大きな重そうなスポーツバッグを傍らに、相変わらず自信に満ちたような“のけ反り系”だった…。
裁判官 「ほんっとにもう、今度を最後にしてくださいっ?」
この「?」は、漫画のネームにおける、語尾上げの記号…でいいのかな。
判決が終わると検察庁の職員が2人、バーの中に入り、保釈取消の手続きを取った。被告人はスポーツバッグを持ち、職員に連れられて奥のドアへ消えた…。
11時30分から東京地裁811号法廷(福島かなえ裁判官)で「自動車運転過失傷害、道路交通法違反」の判決。
懲役1年、執行猶予3年。
交通整理が行われていない見通しの悪い交差点でバイクと衝突、パニックになって逃げてしまい、いったん帰宅、父親に諭され15分後に現場へ戻ったのだという。
裁判官 「被害者にも一定程度の落ち度が認められ…」
落ち度の程度によっては、逃げさえしなければ、あるいは不起訴も…。
続けて11時45分から、9月2日に第1回を、9月30日に第2回を、10月21日に第3回を傍聴した「傷害(変更後の訴因暴行)、危険運転致傷、道路交通法違反」の判決。
「傷害」で執行猶予中(2年-3年)なので、懲役2年、未決70日算入。
ツッパリ、無軌道の末、とうとう刑期4年で下獄することになるのか。ちょっと格好いい若者なのに…。
それが11時52分閉廷。そして昼食を摂らずに約55分間、硬いベンチで寝たわけ。
この日は13時30分から、簡裁826号法廷で「道路交通法違反」の審理(酒気帯びの否認の論告・弁論)と、簡裁728号法廷で「傷害」の新件と、簡裁534号法廷で「窃盗」の否認の審理がダブっており、ワタシ的には当然、826号法廷なのだが、それすらあきらめ…。
13時30分から東京高裁102号法廷(金谷暁裁判長)で、9月25日の第1回を途中から傍聴した「危険運転致死傷」の審理。
同乗者2人を地検は危険運転の幇助罪で起訴すると8月下旬に報じられた事件の、泥酔して運転した男の控訴審だ。原審はさいたま地裁、求刑懲役20年のところ、懲役16年。双方控訴。
今日は双方の弁論。検察官が54分間、15分ほど休廷を挟み、弁護人が46分間。私は全く居眠りせず、可能な限り傍聴ノートに書き留めた。
被告人は「部類の車好き」で、かなり飲酒したのち、かなりのスピード(制限40キロの道路を、科警研の鑑定によれば100~120キロ)を出したのは、同乗者が車の性能を知りたい旨言ったからなんだという。
死傷者のうち、死亡した2人は夫婦、その若い息子と娘は重篤極まる障害を受け、その介護等のためたいへんな苦労を強いられている兄(長男)夫妻に対し、「心ない人たち」は、「カネ目当てじゃないか。被害者ぶって何が楽しいんだ。マスコミにちやほやされてる」と言ってるんだそうだ…。
必ずそういうことを言う人たちがいるんだょね。“偉大な俺様”にスポットライトが当たらないことにムカつき、何かケチをつけたく…ということかな。
1900件を超える裁判を傍聴しつつ、危険運転致死傷罪というちょっと特異ともいえる法律の適用、運用を考えるとき、そもそも刑事司法とは何なのか、見えてくるような気がする、そのことはまたの機会に。
な~んて言ってるうち、つい忘れてしまうのが常なので、ちらっと書いとこう。すなわち、悪い奴をやっつけろ、あるいは検察が処罰したい者を処罰したいように処罰する、ということがまずあって、法律は、いわば後付けの理屈にすぎない、という仮定…。
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