不幸な事故が起こり続ける理由
以下、「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」(月105円)の第240号より、著者(私だよっ
)の許可を得て、一部抜粋。改行等一部変更。
13時30分から高裁410号法廷(42席、出田孝一裁判長)で、「危険運転致傷(変更後の訴因:危険運転致死)」の控訴審第1回。
これ、一審が千葉地裁(求刑懲役12年、判決9年)で、たしか危険運転では全国初の裁判員裁判かと。
被告人は身柄(拘置所)、グレーのジャージ上下。坊主頭で、なんだかしゅーんとしょげてるような。弁護人は、よくお見かけする、ツル禿げのお年寄り。
弁護人 「それで、控訴した理由はなんですか?」
被告人 「1日も早く賠償金を払っていきたいと…」
右陪席 「遺族に対する保障…自賠責で…任意保険ついてない…」
被告人 「はい」
裁判長 「この(自賠責による賠償の)ほかに、お香典とかお見舞い金とか、さし上げたものがあるんですか?」
被告人 「ないです」
裁判長 「全くないの」
被告人 「ない…」
裁判長 「貯金やなんかはないと?」
被告人 「わーないです」
前の会社で雇ってもらえるなら、月収40万円、毎月20万円くらいは払っていけるんだという。しかしそれをいつまで続けるか、といった計画性はないのだった。
2004年に無免許&酒酔い運転で執行猶予付き懲役刑を受け、2009年に酒気帯びで罰金刑を受けてるという。
この被告人は今回でだいぶ懲りたかもしれない。だけど、同じような運転者は次から次へといる。それはもう、仕方のないことなんだろうと思える。
こういう運転者にひき殺されたくなかったら、
こういう運転者がウヨウヨいるんだと考え、
突っ込まれることを想定して道路を利用する。
という意識に普通に慣れるしかないのか。
たとえば、交差点付近で信号待ちするときは必ず、交差点内で衝突した車が歩道へ突っ込んできても大丈夫なよう、頑丈な構造物の陰に立つとか。歩道のない場所は必ず右側を歩く(=車に背を向けない)とか。
慣れればべつにどうってことはないのだが…。
9月9日(木)14時に判決と決め、13時43分閉廷。
加えて、歩行者信号の青色灯火に横断歩行者を守る物理的力はなく、横断歩道は厳然と車道であること、そういった認識が徹底されれば、不幸な事故は激減するだろう。子どもにはなかなか難しいかと思うが、大人は…。
しかし現実は、被告人(加害者)を憎悪し、重く処罰して終わる。いや、終わることなく、同じような重大事故が起こり続ける…。どうかしてるょと、交通違反・事故を中心に約2700件の裁判を傍聴してきて痛感する。
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