違反車両が無いなら無いなりにどうにかできなければ
週プレで警察とか安協の記事をよく書いてるジャーナリスト・西島博之さんから、11月22日に東京新聞がこんなことを報じてたと教わった。知らんかった
駐車監視員にノルマ 警視庁 板橋署員が指示
駐車違反を取り締まる民間の駐車監視員に取り締まり目標を設定させた行為は、労働者派遣法に抵触する恐れがあるとして、警視庁が厚生労働省東京労働局から是正指導を受けていたことが、同庁などへの取材で分かった。同庁幹部は「誠に遺憾なことで、関連法規についてまとめた説明書を全署に配布するなど、再発防止を指示した」としている。
警視庁によると、昨年十一月、板橋署の交通担当の係長が朝礼で、駐車監視員の男性(51)らに、取り締まりの目標件数を述べさせ、目標達成の報告をさせていた。
男性によると、係長は外来者にも見える署一階のフロアで朝礼を開き、目標を達成できなかった監視員に「大きく手を挙げてください」と指示。「違反車両が無いなら無いなりにどうにかできなければ。プロなのだから」などと言ったという。
東京労働局は、朝礼での係長の行為は、請負契約の発注者(警視庁)が請負労働者(駐車監視員)に直接、指揮命令することを禁じた労働者派遣法に抵触する恐れがあると判断したもようだ。
厚労省によると、警察が駐車監視員に指示を伝えたい場合、受託会社に依頼して駐車監視員への指示を出してもらわなければならない。
男性は、昨年十二月、東京労働局に申告。同局は板橋署への立ち入り検査を実施し、今年五月十七日、警視庁に是正指導した。
指導を受けて警視庁は、説明書を配布するとともに、六月、受託会社向けの業務マニュアルから「駐車監視員は、特異な事案の発生その他の事情により警察官から指示を受けたときは、必ずこれに従わなければならない」といった記述など、警察が監視員に指揮命令できるとする趣旨の記載を削除した。
「取り締まりの目標件数を述べさせ、目標達成の報告をさせていた」、この部分は、警察官の場合と同じようだ。
取締りのノルマってのは、上から「×件やれ」と指揮命令するのではなく、前年の実績などをもとに現場自ら目標を立てさせ、自らその目標に縛られる形を取るらしいんだよね。
「違反車両が無いなら無いなりにどうにかできなければ。プロなのだから」ってオイ~(笑)。たとえば一時不停止なら、「タイヤが完全に停止してなかった」とか「3秒停止してなかった」とか言って強引に違反キップを切ることもできるが、駐車違反じゃそれはムリっしょ。巡回活動のコースから外れても取り締まれってことなのかな。原付バイクも狙えってことなのかな。
驚くのは、駐車監視員が「東京労働局に申告」ってとこだ。そんな“内部告発者”がいたんだね~。
この人は今後どうなるか、この人を雇っていた業者は次の入札でどうなるか…。
夕方追記: これを書くのを忘れてた。駐車監視員には特にノルマはないと、複数の駐車監視員氏から聞いている。ノルマなどなくても1日巡回活動をしてれば数件は取り締まることができ、それで十分なんだそうだ。そのことは、他の複数のことと符号する。
今回の報道の件は、1日ゼロ件が続くユニットに対して、係長はそんなやり方でそんなことを言ったんじゃないかと、まずは思える。
なぜゼロ件が続いたのか。その「男性」が労働局に申告したってのを併せると、マニア的にはいろいろ想像できる…。
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