なぜ警察は指紋を持っていたのか
警察はその「20代の男性会社員」が怪しいとにらみ、何らかの方法で指紋を入手、現場の遺留指紋と照合した、とは記事からは読めない。じゃあなぜ警察はその男性の指紋を持ってたんだ? ははぁーん、と多くの方が思ったろう。
以下、5月18日付け産経新聞の一部。
窃盗未遂事件で誤認逮捕 現場の指紋は事件前に付着
埼玉県警は18日、同県東松山市で1月下旬に起きた窃盗未遂事件で、同市内の20代の男性会社員を4月中旬に誤認逮捕し、5日後に釈放したと明らかにした。現場にあった会社員の指紋は、事件前に付着したと判断。東松山署は会社員に「不十分な捜査だった」と謝罪した。
放置違反金納付命令を除く、年間おおよそ1000万件 or more の交通取締りの際、違反キップの事件原票の供述書(甲)の欄に、警察官は、当然すべきことのように署名押印を求める。その押印は、違反者が印鑑を持っていても、指印を求めることがよくある。指は左手人差し指の先と決まっている。
そのように採る指紋を「名下(めいか)指紋」という。名下指紋はしっかり警察のデータに加えられるそうだ。
別の採り方もある。
私は幸運にも逮捕歴がないが、両手10指の指紋を採られている。
高校生の頃、たまたまケンカを目撃して、警察署へ呼ばれて調書を録取されたあと、「じゃちょっとこれ…」と、黒い印肉を使って全指の指紋を採られたのだ。
当時、警察官から指示されることに抗うなんて頭になく、かえって「うわ~、刑事ドラマみたい」とわくわくしたもんだ。
現場にノルマを課して、だったかな、とにかく指紋を集めようとした時期があったと、あとで内部の方々から聞いた。現在はどうだか不知。ただ、違反キップについては指印を採りたがるようだ。
全国民の個人情報、識別情報を集めて管理しようとする、それは国家警察(階級が警視正以上は国家公務員)として自然なことだろう。
その「20代の男性会社員」氏も、そのようにして指紋を採られていたのかもしれないので、この段階で「ははぁーん、前科者なんだな。バレちゃったょ、げらげら」とか言わないように、ひとつよろしくお願いします。ついでにメルマガのほうもよろくしねと。
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