懲役50年が是認できる理由
6月27日(水)13時30分、東京高裁・第5刑事部(八木正一、佐藤正信、柴田寿宏裁判官)506号法廷で「強姦致傷、窃盗、強盗」の控訴審判決。法廷前の廊下にだいぶ行列ができた。報道記者席は5席。
第1回は5月23日、それも傍聴した。原判決(沼津支部、片山隆夫裁判長 → 現在東京高裁・第3刑事部)は懲役50年だったので。
裁判長 「本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中140日を、第8乃至第13の罪の刑に算入する」
懲役刑の上限は20年。併合罪の場合の上限はその1.5倍。すなわち30年。そう刑法に定められてるのに、確定判決を間に挟めばなぜ懲役50年なんて芸当ができるのか、裁判所側の論法がようやく分かった気がした。詳しくはメルマガにこれから書こう。
ところで27日付け産経新聞、「女性9人に乱暴 「結果重すぎ」と控訴棄却 2審も懲役50年」との記事の中に、こんな部分がある。
「専門家でない裁判員が短期間に適切な量刑判断をすることは困難」とする弁護側の主張については「裁判員裁判の事実認定や量刑判断は裁判官と裁判員の合議で行われるもので、弁護人の主張は裁判員裁判への理解を欠くものだ」と退けた。
確かに八木裁判長はそんなことを言ってた。裁判員制度は最高裁自ら推進してるんだから、制度礼賛の認定しかしないに決まってる(笑)。
ま、それはいいとしても、懲役50年が果たして適当か、短期間の「合議」で適切に判断できるんかいな。できたかもしれないが、プロの裁判官の説明に呑まれちゃっただけ、という可能性のほうが高いんじゃないか。しかし、評議の内容も多数決の多寡も絶対秘密。んなバカな、と思いますけどね。
とにかくこうして「合議で行われる」と言われることもあれば、裁判員裁判の判決は国民の総意であるかに言われることもあり、でもって、聞くところによると、裁判員裁判の判決書きには裁判官3人の氏名だけがあり、事件名以外からは、裁判員が参加したことがまったく読み取れない仕掛けになってるらしい。へぇ~。
27日(水)は時間的にちょうどよかったので「強盗殺人、窃盗」の控訴審判決も傍聴した。昨年5月11日、スポニチが「天袋に潜む男を強盗殺人容疑で逮捕」と報じた事件だ。
報道からは全く予測もつかない、とんでもない事件だったんだねぇ。原審東京地裁、無期懲役。それも詳しくはメルマガで。
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