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2012年6月12日 (火)

量刑相場をハイパー逸脱

 裁判員制度がスタートしてから「求刑を上回る判決」はそう珍しくなくなった。
 裁判員裁判は「国民参加」という最高裁公認の“錦の御旗”を立ててるんで、事実上の一審化(三審制の事実上の廃止)を目指す流れからも、上級審でひっくり返される心配がなく、したがって少々無茶な判決もやりやすい、といった事情もあるのかな…。

 なーんて思ってたら、これはチョーびっくりなケースだったんだね。以下は6月11日付け産経新聞。

証拠品捏造の大阪府警元警部補に求刑上回る判決
 事件と無関係の木刀を証拠品に代用したとして、証拠隠滅罪に問われた元大阪府警八尾署警部補、久保■■被告(54)=依願退職=の判決で、大阪地裁は11日、求刑の罰金20万円を上回る懲役3月、執行猶予2年を言い渡した。久保被告の部下だった巡査部長三好●●被告(37)と同田口▲▲被告(33)も、求刑の罰金10万円を上回る罰金20万円とした。
 判決理由で島田一裁判長は「捜査機関による証拠偽造が社会問題となっており、(この事件の)影響も小さくない」と指摘し「職責の重大性をわきまえず、自己保身から安易に犯行に及んだ」と述べた。
 判決によると、3人は同署生活安全課に勤務していた昨年10月22日、府条例違反事件の証拠品の木刀がないと定例の点検で指摘されるのを恐れ、無関係の木刀に証拠品だと示す札を結び付けるなどして証拠を捏造した。

 事件数で3500件以上を傍聴してきたところから言わせてもらうと、懲役求刑のつもりで起訴したのに、公判廷で無罪相当の事案であることが明らかになる等して、罰金判決に、ということはマレにある。私も遭遇したことがある。
 けど、罰金求刑が懲役判決にって、前代未聞では?

 いや、ふり返れば「自動車運転過失傷害」で、一審・東京簡裁が求刑通り罰金50万円、なんと執行猶予3年という、超レアなことをやってのけ(傍聴してて拍手sign01)、当然に検察は控訴、そしたら東京高裁は、執行猶予を破棄するのは忍びないと思ったんだろう、被告人の希望を容れてなんと、禁錮6月、執行猶予3年にしたという、ま~超弩級のびっくり展開が2010年にあったけど、しかし今回のはそういう展開とは違うようだ。 

 私が見るところ、裁判所にとって量刑相場は絶対だ。そのために被告人が破滅しても、あるいはケラケラ笑う被告人がいても、量刑相場は守り抜く、死守する、そんな面がある(上記展開は異例中の異例中の異例)。
 ま、異例といえば、たとえば外山恒一さんに対する罰金12万円(求刑1万5千円!)のような狂った判決を言い渡す裁判官もいるが、いっくらなんでも罰金求刑を懲役刑にってことはないでしょ。

 ちなみに島田一裁判官は、ちょっと前まで東京地裁の刑事第6部(部総括は東京地裁の主というべき合田悦三裁判官)にいた。優しくておとなしそうな人だったと記憶する。
 大阪地裁へ移動し、第7刑事部の部総括になったんだ~。

 せっかく大阪で部総括になって、いきなり量刑相場をハイパー逸脱するなんて、司法通念上、考えにくいと思う。やはりここは、検察の求刑が常軌を逸するほど緩かったと推測するのが妥当なんじゃないか。

 同日付けの朝日新聞はこう書いてる。

 罰金の求刑に、懲役刑が言い渡されるのは異例だ。この事件では大阪区検が3人を略式起訴したが、大阪簡裁が地裁での公開裁判を決定。検察側は判決と合わせ、2度にわたって裁判所から「身内に甘い」対応を問われた形となった。

 これは、罰金刑は略式で処理するのが原則なので略式起訴したところ、簡裁の略式担当の裁判官が、略式不相当とし、裁判所のほうで、簡裁ではなく地裁で扱うことにしたってことか。
 簡裁では証拠隠滅に懲役刑を科すことができない、それを理由に地裁での審理としたのか、私は分かんない。

(証拠隠滅等)
第百四条
 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

 さて今日は、警視庁湾岸署内での拾得金の「窃盗」の判決を傍聴してから、若い女性の「器物損壊」へ。こっ、これがっ…sign03 詳しくはメルマガでっsign03

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